チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ボチボチ晩夏デスヨ。

今夏は当初考えていた以上に暑くなり、その上体調不良に見舞われる事もしばしばで、数週間程、読書を休んでいたのだけど、季節も晩夏に差し掛かり、幾分涼しくなってきたのでようやく読書再開。といっても、近年はサクサク読み進められる新書の類ばかり選んでいるんだけどさ。今回は手始めに「無業社会」という、現在の僕にドンピシャなテーマから。まだ途中だけど、いやはや身につまされますなぁ。

ちなみに先月は以下の2冊だけ。さしたる内容でも無かったというか、単に無気力で読了記録を付けるのを放ったらかしにしてしまっただけなんだけれども・・・

読了記録

崩壊する介護現場 (ベスト新書)

崩壊する介護現場 (ベスト新書)

 

風俗方面に造詣が深いノンフィクションライターの著者が、その不安定な立場を手堅いビジネスでヘッジしようと、自身で介護事業所を立ち上げたそうで。一からマネジメントを始め、日々噴出する問題に対応していく中で、日本の介護現場が抱える問題点が次々に見えてきたと、そんな内容。業界の構造的な部分にも一応言及しているが、極めて高い離職率が絶え間なくワケありヘルパーの流入をもたらす、といった低スペ人材で溢れかえる業界への嘆き節に、紙幅を割いているのが印象的だった。ヘルパーは風俗出身が多い、あるいは風俗とダブルワークが多いとか、業態的に介護と風俗で親和性が高い上に、低賃金という悪条件が重なって『風俗↔介護』でリボルビングドア状態になっているらしい、というのが著者の弁。それ以外で看過せないのが、「中年童貞」の項目で、曰く、中年童貞は総じてモテないし、仕事もできないし、社会人として問題大アリなのだと。それでも介護業界は常に人手不足だから、そんな低スペのキモいおっさんでも雇わざるを得ない事業所が多いんだと、平たくいえばそんな論旨。一々ご尤もなご指摘で読んでいて涙を禁じえませんな。求人票には是非「DT不可」と明記しておいてくださいね。

そんな著者によるもう一冊。

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

 

AVってそんなにというかほとんど観る機会はないから、事情にはとんと疎いんだけど、昨今のAV女優ってのは思ったほど稼げないものなんですな。一頃に比べると随分買い手市場になってしまって、一握りの人気女優を除いて、デフレ化が進んでいるらしい。一方で、業界自体は事件や事故が起こるその度に健全化を志向し、クリーンというか、一般企業化しているらしい。AVには大別して「単体」>「企画単体」>「企画」という枠組みがあるそうで、当然「単体」で活躍できれば稼ぎもそれなりのモノになるワケだ。しかし、そういう女優は一握りで、尚且つ、活躍できる期間も限られていて、旬が過ぎれば「企画単体」落ちするか、引退して例えば風俗の道へ転身するか、各々の事情に照らしあわせて選択を迫られる、まさに刹那を生きる女達の世界。そんな儚い世界なのだけど、近年では自ら進んでAVの道を選択する女性が引きも切らず、それ故買い手市場化しているのが現状らしい。要因は経済的な部分が大きなウェイトを占める様だけど、頑張りが直接稼ぎに反映される為、承認欲求が満たされやすいという一面もあるとか。本書を読んだ後ではAVの見方が変わるんじゃないかな。まぁ保証はできないけれども。

 

しかし、日を増す毎に、確実に知能が衰えていくのを実感して怖いんだよね。思うに、人間はやはり、社会に積極的に関与して、他者と会話なり何なりの意思の疎通を図らないと、基本的な能力の維持すら覚束ない、ヤワな存在なんだと実感する日々。あーあ。

 

映画鑑賞記

ニコラス・ウィンディング・レフン監督作「オンリー・ゴッド」("Only God Forgives" : 2013)

バンコクを舞台に、ある母子と警察官の抗争を描いたクライム・スリラー作品。

米国出身のジュリアンはバンコクムエタイクラブを運営する傍ら、麻薬を捌くことでシノギを得ていた。ある夜、ジュリアンの兄ビリーが少女をレイプした上、惨殺し、その場で警察に拘束される。警察官のチャンは少女の父親を呼び寄せ、復讐を促し、ビリーを殺害させるのだった。ビリーの死を受け、即座に母のクリスタルが米国からバンコクにやってくる。麻薬ビジネスに影響力を誇るクリスタルは、ジュリアンとその部下らに、ビリー殺害に関与した者全員を皆殺しにして復讐を果たす様、命令を下すのだった。チャンはその動きを察知し、逆にクリスタルの命を狙う事に・・・。

ちょいと久しぶりに出会した難解な作品。親子による殺された家族の意趣返しという単純なハナシでもなく、ジュリアンはジュリアンで母クリスタルと微妙な関係というか、クリスタルがジュリアンを兄のビリーと比較した上で、蔑ろにし、冷たく突き放すと。んで、当のジュリアンは寡黙な男で、その心情を吐露する事もなく、しかしながら彼の一挙一動は示唆に富んだ感じで、この辺をどう解釈するのかってところですな。終ぞ明示的とならないジュリアンのチャンに対する感情と二人の関係性、そして"God"の意味。父性や母性に纏わるハナシかとも考えたが、最後まで僕には分からず仕舞い。チャン役の俳優の存在感が本作を一層異色なモノにしているよねぇ。劇中、何度か挿入される彼がカラオケに興じるシーン、あの不気味さはハンパない。演出は全体的にバイオレンス色が濃厚で刺激的、その上、狂気を思わせるドギツイ映像表現も手伝って、観ていると悍ましさの余り、かなり疲れる。賛否が激しく分かれそうだけど、通なら一家言もちたくなる、そんな作品かなと。

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