チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ねんまつうつ。

昨日からプラス気温で生暖かい。マイナス気温に慣れてしまうと、0度を超えた辺りから体感的にはヌルいから不思議だ。もちろん着るものをしっかり着た上でのハナシだが。今日はコケないように努々注意しなければ。

幸か不幸か、僕は毎日休業中の身だから、この時期特有のプレミアム感をありがたがることもなく、また、新年を迎えるにあたって別段喜ばしい感じもしない。年の瀬だからと言って特別にする事はなく、いつもの様に買い出しに行き、本を読み、映画を観て、空いた時間にテレビを見たりネットをするなどして、正月が明けるのを待つのみ。実に淡々としている。来年の予定はスカスカ、ココロは鬱々だ。怖くて見返すことができないが、昨年の今頃、おそらく同様の事を書いていただろうし、来年の今頃もそうなるかも知れない。この齢でここまで沈滞生活だと絶望しかないな、うん。ふと今、元日付けの記事のタイトルを思いついたのでそっとメモしておいた。心機一転してこの日記のタイトルやらアイコンやらを変えてみようかと、あれこれ考えてみたのだがが、どれもパッとしなかったので、現状維持する事にした。はてなさんにはもっと鬱々としたテーマデザインを導入して欲しい。

ここ数日、梅核気が発作的にぶり返してきて、喉をもぎ取りたい程に悩ましい。原因が不明で、心因性では?と診断されているので、投薬も中断して長らく放っておいたが、全くコントロールできないし、目に見えて症状が出ている以上、原因を追求しないではどうしても納得できない。1日の大半を咳払いでイライラしながら過ごすのは、たとえムショクひきこもりであろうと、生活に支障を来すことに変わりはないから、年が明けたら別の病院で診断してもらおうと考えている。また内視鏡からやり直しかもしれないが、何でもいいから何か誘発するモノを見つけたい。歯科も整形外科もサスペンド状態だから、どうするかは年が明けてから考えよう。

 

読了記

僕は根っからの運動嫌いで、山登りに一切の価値や魅力を見出だせないのだが、富士山を特別なモノだと愛でる気持ちくらいはある。日本の象徴である富士山登頂を目指す人は、毎年30万人にも及ぶらしい。そんな富士山が長年のロビー活動を経て、世界文化遺産に登録されたのが2013年。自然遺産ではなく、文化遺産というところが肝で、世界遺産に変わりはないだろうと喜ぶのはどうやら早計らしい。世界的に見れば、富士山は山体としては凡庸な形状と標高に過ぎず、また自然物としての歴史も浅いため、自然遺産には及ばないとの事。日本人にとってはちょっと残念な感じだ。

この度の文化遺産登録に当たっては、国と周辺自治体に多くの宿題が課せられたという。すなわち富士山は日本だけに留まらず、広く人類で共有すべき遺産と認定されたのであり、その文化や付随する環境に至るまで、今後も末永く保全していく為に、これまでとは別次元の施策を講じる事を要求された、モラトリアム付きの登録なのだ。この宿題に対する回答如何では、遺産登録の取り消しも大いに有り得る。世界遺産登録で外国人観光客を誘致できて、官も民も濡れ手に粟でウハウハでは決してなく、寧ろ逆なのである。観光客を制限してでも、文化遺産たるべきあらゆる策に、官民上げて取り組まなければならないのだ。その辺りの事情なんて全く知らなかったから、本当に目が醒める思いであった。

年間30万も登頂するとなると、登山道は人で溢れかえり、もはやマナー云々のレベルの話ではないらしい。山小屋やトイレのキャパシティの問題が顕著らしく、氏が著したモノを読んでいるだけで惨状が目に浮かぶ様だ。驚いたのが、頂上付近にも自動販売機が設置されているという事で、日本人にとって富士山というのは数多あるレジャースポットの一つに過ぎないのかも知れない。放っておいたらコンビニなんかができてもおかしくない。

キャパシティに問題がある以上、登山者数を適正化させる事が求められていて、入山料の徴収義務化が検討されているが、保全派と観光推進派の間でなかなか折り合いがつかない感じだ。専門家によると7000円くらいが適正とされ、登山者の抑制に繋がるし、集まった資金を登山道の維持管理やトイレの整備などに回せる。例えばトイレを1基維持するのに年間3千万近くかかるそうだから、現在資金は全く足りていない状態だ。おいそれと弾丸で登山できないように、一律1万円くらい取ればいいと思うのだが、どうかしらん。

それにしても、この問題に献身的に取り組んでいる著者には敬服してしまう。官民問わず、富士山の有り方について、氏以上に横断的な知見を持ち合わせている人はいないだろう。果たして今後の富士山の命運はどうなるのか。保全の取り組みは、氏と周辺自治体が一緒になってリードしていく事になりそうだが、国民がこの問題に目を向け、その取り組みを支え、応援していかなければならないと思う。

 

映画鑑賞記

カレン・モンクリーフ監督作「リーガル・マインド 〜裏切りの法廷〜」("The Trials of Cate McCall" : 2013)

アルコール依存症に陥った弁護士が、再起を賭け、冤罪を疑われる事件の裁判に奮闘する様を描くリーガル・サスペンス作品。

民事裁判で華々しい成績を飾ってきたケイト・マッコール(ケイト・ベッキンセール)は、ある時関わった刑事裁判で、有罪に持ち込み、懲役刑に処された男について、その後冤罪が判明した事で、自責の念から酒浸りの生活となり、アルコール依存症を患ってしまう。夫婦関係は破綻を来たし、娘の処遇については、父親に親権が認められたが、ケイトは娘を手放した事に耐えられないでいた。その後、保護観察処分となり、断酒会に参加するなどして、娘の養育に関与すべく社会復帰を目指すケイトは、ある服役中の女レイシーの人身保護請求に係る訴訟に、弁護人として関わる事になる。レイシーは5年前の殺人事件の主犯として、終身刑が確定していたが、彼女は冤罪を強く主張していた。初めこそ、ケイトはレイシーを訝しく思ったものの、証言や証拠を洗い直す内に、警察や検察の言動に重大な疑義が生じる様になる。ケイトはレイシーの冤罪の確信を強め、義憤に身を焦がしていく。

冤罪を誘発させてしまった事に苛まれ、アル中となった弁護士の女が、今度は別のケースで冤罪を晴らす為に奮起する法廷サスペンスに加えて、娘との関係修復を切望し、酒を断ち人生再起を図るドラマを交えた、2つの要素が織り成す作品となっている。主役が夫か妻かの違いはあれど、こういう離婚して親権が相手側にあるって作品は本当に多いから、米国の婚姻事情や国柄なんかを垣間見る感じ。邦題が微妙にネタバレになっているのが、どうかとは思うのだけど、ケイトはまたもや信じたモノに裏切られてしまうのよね。それで、いよいよ自分の信念がグラグラに揺らいでしまい、再び酒に逃避しようかという欲求に駆られると。そこへ元夫がマイクロソフトに転職することになったとかで、カリフォルニアからシアトルという遠方へ娘を連れて行く事になるワケですな。娘だけが生き甲斐のケイトは、親権を失い、離れて暮らしているだけでツライのに、このままでは満足に会う事すらできなくなってしまうと。母親の悲痛さが実に良く表現されてますな。サスペンスとしてはそこまで意外性に富んだハナシではなく、女が弁護士として、また母親として再生していく描写の方が色濃い感じ。ケイト・ベッキンセール主演というだけで魅入っちゃうんだよねぇ。美しすぎるわ。

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