チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

今更ハマってみる、西野カナ。

今朝も寝坊して、マッサンが始まってから目が覚めた。新年を迎えてから、決めた時間に全然起きられず、腑抜けぶりが加速している。ムショクだから時間的にはどうにでもなるが、これでは社会復帰は遠のいてばかりじゃないか。

さて表題の件だが、この齢になって今更、西野カナにハマり始めた。始めたと言っても、昨年リリースの「with LOVE」というアルバムしかまだ聴いていないのだが、これがなかなかの名盤なのである。西野カナと言えば、これまで僕は、「会いたくて会いたくて♪」の1フレーズくらいしか知らなかったし、10~20代のリア充女子が主に聴いている歌手だと思っていた。最近、ツタヤに行く度に、店内放送で彼女の曲がヘビロテされており、流石に毎回聴かされていると耳に残る様になった挙句、何の気なしに口ずさむまでになってしまったのである。件の彼女の最新アルバム「with LOVE」はレンタルランキング1位で、それ故プッシュされているらしく、物は試しにとばかりに先週末レンタルして聴いてみた。すると、これが非常にイイ感じに僕のココロに響き渡ったのであった。

「with LOVE」は洋楽テイストの曲から、Jポップ~歌謡曲風の曲まで音楽性に幅があり、新参でも聴きやすい構成となっている。店内でヘビロテされていたのは「好き」という曲で、正直、アラホーのおっさんが口ずさむのは躊躇われる、というか慎むべきキラキラした曲だった。彼女のボーカルはとても艶があって、そこへ裏声を巧みに用いる事で、素晴らしい抑揚の付け方をしている。僕が一番気に入ったのは「さよなら」という曲で、アルバムの終盤に位置されており、これだけが唯一ダークでしっとりした曲調なのだが、歌っているのは未来志向の失恋でテーマ自体は暗くない感じ。泣きのベースラインがぐんぐん引っ張っていき、ストリングスが盛り上げ、そこへ裏声がバシバシ炸裂するドラマチックな曲調を、一聴して甚く好きになり、暇さえあれば何十回もリピートして聴いている。

僕の様な恋愛未経験で恋愛適正ゼロのおっさんは、西野カナのターゲット層とは程遠いと思うのだが、好きになったのだから仕方ない。音楽はボーダーレスなのだし。近々、半額キャンペーンの時にでも、ベスト盤をレンタルして、もう少しハマってみようと思う。個人的にこうして新たな楽しみが増えたのは喜ばしい。人生とは何が起こるか分からないものだな。

 

映画鑑賞記

矢口史靖監督作「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」(2014)

林業研修で山村暮らしをする事になった青年が、仕事や人間関係を通じて成長していく様を描く青春コメディ作品。

大学受験に失敗した平野勇気(染谷将太)は、高校卒業後の進路を考えあぐねていた。街で偶然手にした林業研修生を募るパンフレットの表紙の女性に惹かれ、大した覚悟もないままに研修が行われる林業組合へと赴く。根っからの都会育ちの勇気は、携帯の電波も届かない様な山奥に早くも音を上げる。更に、パンフレットの女性がイメージに過ぎない事を知り、意気消沈。研修が始まると、集団生活をしながら、座学や実地作業に臨んでいくのだが、勇気は指導員に研修中のやる気の無さを指摘され、早速どやされてしまう。心が折れた勇気は、研修施設から逃げ出そうと試み、バイク乗りの女に駅まで送ってもらうのだが、彼女こそパンフレットの女性・石井直紀(長澤まさみ)だった。勇気は気を取り直し、再び施設に戻り、そこでの研修を無事修了すると、企業での1年間の現場研修が待っていた。勇気が研修で入社する事になった神去村の中村林業には、なんと勇気をどやしたあの指導員・飯田与喜(伊藤英明)が在籍していたのだった。勇気はその与喜の家に住み込みで生活しながら、現場で林業のイロハを学んでいく。危険な作業に加え、不慣れな山村での暮らしに挫けそうにになりながらも、勇気は都会には無い村人達の人情の機微に触れ、大自然の魅力を肌身で感じながら、成長していくのだった。

都会っ子の青年が林業研修に挑む、ほのぼの系青春コメディ。染谷将太の八面六臂の活躍ぶりは凄いねぇ。パンフの女性に惹かれるままに、単身、山奥の研修施設に向かった勇気を待っていたのは、彼の想像を絶する超田舎暮らしだったと。一見強面の与喜の家に住み込みで働く事になるのだけど、与喜は気性が荒く、仕事には厳しいガチムチの熱血漢でありながら、男気溢れる良い奴なのよね。勇気は主に与喜とマンツーマンで現場作業を行いながら、1年を通じて林業のイロハを体得し、職人達の覚えめでたくなっていくワケですな。修了を間近に控えた頃に、神去村で行われる一世一代の神事に、勇気も参加する事になるのだけど、これが男性のシンボルを模した大木を、女性のシンボルを模した穴にド派手に突っ与むというモノで、地方の祭りなどでしばしば見受けられるテイストではあるものの、本作のそのスケール感には爆笑してしまった。勇気が一目惚れした直紀は、かつて勇気の様に研修で訪れた男と恋仲になりながら、その男が田舎暮らしに飽き足らず、村を離れてしまった事で別れ、年頃なのにシングル。だから勇気にも最初は冷たく余所余所しい。しかし段々良い感じになって、2人の関係にほのぼのするんだな。与喜の妻・みき(優香)もなかなか笑える茶目っ気のある設定で、見たことのないおもしろ優香を堪能できる。登場人物のキャラがハマり役で見事に立っているから、村人としての違和感が無い。ロケーションも最高で目の保養になるし、全体的にとても完成度が高くて、これは傑作だと思うな。

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