チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

寄生。

昨夜、就寝前にニュース速報に切り替わったので、僕は動向が気になり、そのまま見続けようか迷ったが、一昨晩と同様にまた無性に空腹感が募って仕方なかったので、テレビを消して眠ることにした。そんな時間に空腹感を覚える事はこれまでほとんど無かったはずなのに、いったいどうしたのだろうか。ひょっとしたら、腸内にサナダムシなんかがいて、養分を横取りしているかも知れない、などと横になりながら考えていたら、いつのまにか眠っていた。

コロッとタヒぬのは怖くないが、大病を患うのは困るから、やはり最低限の体調管理は必要だと考え、タニタの体組成計をポチった。今週中には届くだろう。心機一転、2月から定期的にデータを取り、エクセルに記録でもしてみようかと思う。僕はカタチから入る性分だから、案外、目標やメルクマールを設定すると、ガラッと生活を一変させられるかも知れない。ただし、かも知れない~という事の実現可能性は低い、というのも僕の性分だが・・・

ときに、サナダムシと言えば、ン年前に東京に滞在した時に、目黒寄生虫館に行こうと考えていたのだが、タイミングが合わず見送ってしまった事を、今はとても後悔している。あそこにはサナダムシの標本が展示されていると聞いているから、是非一度観察してみたいのだが、また東京に行く機会があるだろうか。東京といえば、パンダの実物を一度観てみたいのだが、上野動物園は人疲れするだけで全然楽しくなかったから、多摩動物園にでも行ってのんびりしたい。ここまで書いて、自分が一番の寄生虫だという事を思い出した。

 

映画鑑賞記

ミーラー・ナーイル監督作「ミッシング・ポイント」("The Reluctant Fundamentalist" : 2012)

911同時多発テロ後、変質したアメリカ社会に居場所を失ったムスリムの、理性と感情の相克する様を描く社会派サスペンス作品。

2011年のある夜、パキスタンのラホール大学で教鞭を執る米国人教授レニアが何者かに誘拐され、身代金ビデオが現地プレスに届く事で事件が発覚する。CIAは同大学の同僚でムスリムのチャンゲス(リズ・アーメッド)が関与していると疑い、ラホール・プレスで記者を装う工作員ボビー(リーヴ・シュレイバー)に、チャンゲスのインタビューと称して接触させる。チャンゲスはボビーに、かつて自らが米国で暮らし、経験した事を具に話し始める。チャンゲスは詩人の父親を持つ良家の生まれだったが、決して裕福では無く、野心を抱いて単身米国の大学へ留学した。有能なチャンゲスは、大学を首席で卒業し、2001年、マンハッタンの企業価値評価会社アンダーウッド・サムソンへの入社を果たす。チャンゲスは同僚の中でも抜きん出た才能を発揮し、業績を上げ続けた。そんなチャンゲスに役員のジム(キーファー・サザーランド)が目をかけ、若く他国籍でありながら幹部への将来が約束される。また、チャンゲスは社長令嬢で写真家のエリカ(ケイト・ハドソン)と恋仲になり、公私ともに充実した生活を送っていた。アメリカン・ドリームを体現したチャンゲスは、自由と平等が約束された米国を心底愛していた。そんな折、911同時多発テロが発生する。米国社会は衝撃に包まれたが、チャンゲスには米国人とは異なり、去来する別の感情があった。その日から、米国社会は一変し、イスラム系民族に対する差別感情が吹き荒れる事になった。会社での評価には影響しなかったが、チャンゲスは次第に疎外感を募らせ、やがてエリカとの関係も途絶えてしまう。チャンゲスは失望し、会社から、そして米国から去る決意を固めるのだった。

CIAによる対テロ作戦的スリラーだと想像していたのだけど、趣向は全く異なり、イスラムの教義と米国的価値観の狭間で苦悩する、1人のムスリムを描くドラマ。パキスタン出身のチャンゲスが米国でエリート街道を歩き始めるも、911が転機となり、全てに失望し、帰国後、大学で教鞭を執る様になる。有能な彼には、過激な原理主義のグループが接近し、米国へのテロ攻撃への参加を促す。彼は大学でも一見、学生らを煽動する様な教えを説いている。そういう経緯もあり、CIAはチャンゲスがレニア誘拐に絡む重要人物だと見ていた。工作員のボビーはチャンゲスとの対話を経て、レニアの所在を聞き出そうと試みる。チャンゲスは外見や断片的な情報だけで判断する、人間の浅慮さに尚も失望するワケですな。それが憎しみを募らせ、報復の連鎖を産み続けるのだと、その身をもって経験してきた彼は、米国とは袂を分かった後も、平和を志向する教職に就いていたと。結局、CIAの勇み足に終わり、敵は内にあるみたいな展開でフワッとした結末。テロは断じて許されないけれど、欧米諸国がイスラム圏内を引っ掻き回してきた結果が、延々と混沌を招いているのだから、昨今のイスラム国の台頭を見るにつけ、やるせなさしか残らないね。

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