チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ウェイバック -脱出6500km-

ピーター・ウィアー監督作「ウェイバック -脱出6500km-」("The Way Back" : 2010)[DVD]

スターリン政権下のソ連で、シベリア強制収容所に送られ、過酷な労働を強いられる者達が、自由を求めて脱走し、命懸けで超長距離の逃避行に挑む様を描く戦争ドラマ作品。

1939年、ポーランドソ連とドイツで東西に分割占領される。ポーランドの若き兵士ヤヌシュ(ジム・スタージェス)は、ソ連将校にスパイ容疑を掛けられてしまう。ヤヌシュの妻が将校らによる拷問を受け、証言をしたことから、ヤヌシュの罪は確定し、シベリアの収容所で20年の強制労働を強いられる事となった。極寒の収容所では大勢の囚人らが集められ、劣悪な環境の中、過酷な炭鉱作業に従事させられていた。ヤヌシュはカバロフ(マーク・ストロング)という元俳優の男と意気投合し、収容所からの脱走計画を聞かされる。シベリアを離れ南進し、バイカル湖を目指し、そこからモンゴル方面へ向かい、共産圏から脱出しようと言うのだ。

超長距離の逃避行は文字通り命懸けになる事が予想され、ヤヌシュらはまず食料の備蓄を始め、脱走の機会を覗う事にした。ヤヌシュの脱走計画を聞いたミスター・スミス(エド・ハリス)という男は、カバロフの話を真に受けぬ様に進言し、脱走の際には自分も同行すると約束する。猛吹雪の夜、ヤヌシュは志を同じくするスミスの他に、ヴァルカ(コリン・ファレル)、トマシュ、ヴォス、カジク、ゾランら、総勢7人で収容所を脱走する。怖気づいたカバロフはヴォルカにより殺される。猛吹雪の中、休むこと無く森を走り抜け、追手を巻く事に成功した7人だったが、途中で夜盲症のカジクが命を落とす。無事シベリアを抜け、バイカル湖を目指す6人だったが、次第に食糧と水が不足し始める。そんな折、イリーナ(シアーシャ・ローナン)という少女が彼らの後を付いてくる。ヤヌシュは同行させようとするが、皆との相談の末、諦める事になった。疲弊しきった6人は命からがら、バイカル湖に到達すると、久しぶりの食糧と水の確保に成功し、イリーナも彼らとの仲間入りを果たす。

バイカル湖で束の間の休息をした7人は、更に南進し、シベリア鉄道を超え、ソ連とモンゴルの国境に辿り着く。ヴァルカはソ連から出る事を良しとせず、1人で国内に留まる事を告げ、ヤヌシュらと別れる。モンゴル入りした6人が次に向かうのは、果てしなく広がるゴビ砂漠だった。水が尽き、尚も灼熱の日照りの中を歩き続ける内に、イリーナ、そしてトマシュが熱中症で命を落とす。4人となったヤヌシュらは、万里の長城に到達し、いよいよチベット入りを果たす。ラサに案内された彼らは、もはや自由が約束されたも同然だった。スミスは米軍基地を目指す事となり、ヤヌシュ、ヴォス、ゾランはインドへ向かい、彼らの壮絶な逃避行は終わりを告げた。1989年、ポーランド共産党時代が終わり、民主化されると、ヤヌシュは妻と50年ぶりの再会を果たすのだった。

ただ自由を求めて4000マイル=およそ6500kmを踏破した者達のハナシで、どこまで脚色されているか知る由もないが、一応事実ベースらしい。地図も無く、それどころか収容所がどこに位置するのかも分からないままに、猛吹雪の中、脱走を企てるのはなかなか無謀だとは思うが、広大なゴビ砂漠を歩いて渡るのは相当過酷だった様だ。全体的に物語は淡々としており、起伏に乏しいのに加え、当初、男ばかりで実にむさ苦しかったのだが、イリーナが登場すると、少し華やかになるのが良い。そこがシアーシャ・ローナンの魅力である。

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