チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

フューリー

デヴィッド・エアー監督作「フューリー」("Fury" : 2014)[BD]

第二次世界大戦下のドイツで、「フューリー」と名付けられたM4中戦車に乗り、ナチスに勇猛果敢に挑んだ5人の米軍兵士の姿を描く戦争ドラマ作品。

第二次世界大戦の最中、米軍の戦車は独軍の戦車に武装・装甲ともに劣っていた為に、米軍戦車乗員は苦戦を強いられていた。1945年4月、連合軍はナチスの心臓部を目指して侵攻を開始するも、ヒトラーは国民を総動員させ、総力戦に臨み、これに対抗した為に、連合軍は激しい抵抗に遭う事になった。戦車部隊としてフューリーと名付けられたM4中戦車に乗り、数多の戦地で功績を上げてきた、車長で軍曹のウォーダディ(ブラッド・ピット)率いるチームが作戦基地に到着する。チームには砲手のバイブル(シャイア・ラブーフ)、装填手のクーンアス(ジョン・バーンサル)、操縦手のゴルド(マイケル・ペーニャ)の3人に加え、副操縦手がいたが、直前に戦死していた。

基地で補充要員としてノーマン(ローガン・ラーマン)がチームに加わる。ノーマンは入隊8週間でタイピストの訓練を受けただけの新兵で、戦闘経験は愚か、銃の扱いすらままならなかった。ウォーダディは使いモノになりそうもないノーマンに厳しく接し、チームのメンバーもノーマンを誂う。

フューリーの参加する戦車小隊が行軍を開始すると、程なくして小隊は狭い路地でヒトラー・ユーゲントの襲撃を受ける。ノーマンが敵への銃撃を躊躇った為に、フューリーの前方の戦車が破損し、乗員が死亡する。ウォーダディはノーマンを責め、詰る。

先頭車両がフューリーとなり、ウォーダディが小隊長を務める事になる。小隊は町への中継地点に到着し、大尉と合流する。大尉は足止めを食らっている畑に小隊を向かわせ、敵を打破し、自軍兵を救出する様にウォーダディに指示する。畑で会敵した小隊は、対戦車砲による攻撃を退け、勝利する。ウォーダディは怖気づいたノーマンに、捕虜のナチス兵を殺す様に強要する。それでも頑なに拒むノーマンを、ウォーダディは力づくで抑え、強引に引き金を引かせ殺害させる。小隊は町へ向かって更に行軍を続ける。

町に到着した小隊は、犠牲を出しながらも待ち伏せた敵を一掃し、制圧する。ウォーダディは町までのノーマンの働きを評価する。ウォーダディはアパートの一室に女を発見し、ノーマンを連れて訪ねる。部屋には2人の若い女、イルマとその従姉妹のエマがいた。ウォーダディは怯える女達に食料やタバコを分け与え、安心させる。ノーマンとエマが意気投合する様子を見たウォーダディは気を利かせ、2人きりにさせる。4人で食事を囲んでいる最中に、チームの3人がウォーダディらを探して部屋を訪ねてくる。3人はノーマンに対するウォーダディの扱いが自分達と違う事に、ある種の疎外感を覚え、ウォーダディとの間に軋轢が生じる。食事を終えると、ノーマンはうしろ髪ひかれる思いで部屋を後にする。

ウォーダディは大尉の指令を受け、戦車小隊を率い、大隊の到着まで要衝となる十字路を敵から堅守する事になる。敵の情報は規模や種類を含め不明であり、決死の作戦だった。行軍開始直前、町はナチスによる空爆に曝され、イルマらの部屋のあるアパートが崩壊する。ノーマンはエマの亡骸を見つけ、慟哭する。ウォーダディはノーマンに克己してナチス殲滅に全力を尽くす様に促す。

4台編成の戦車小隊は、十字路へ向かう途中の平野で、強力な武装・装甲を携えた戦車ティーガーと遭遇し、交戦する。ティーガーによる猛攻で、フューリー以外の戦車は大破し、乗員も死亡する。フューリーはチーム全員が死力を尽くし、辛うじてティーガーの撃破に成功する。しかし、無線が故障してしまい、フューリーは孤立無援の状態に陥る。

フューリーは目的の十字路に到着するが、敵が仕掛けた地雷でキャタピラが破損し、足止めを食らう。クーンアスとノーマンは、十字路側の廃屋の偵察を行う過程で和解する。ウォーダディに十字路先の丘で偵察を命じられたノーマンは、ナチスの大集団が十字路に向かっているのを発見し、報告に戻る。ナチス接近に死を覚悟したウォーダディは、チームに作戦からの離脱を許可し、自身はフューリーに留まり、最後まで戦う決断をする。しかし、チームはウォーダディと戦いを共にする決意をし、車内で結束を固め合う。

ウォーダディの発案で、チームは敵を欺き、奇襲攻撃をかけ、戦闘が始まる。フューリーは数で圧倒する敵に対し、その攻撃力と装甲で善戦するが、日が暮れ、夜になると弾薬が尽き始め、防戦一方となる。戦いが苛烈を極める中、敵のパンツァーファウストでクーンアスが死に、また手榴弾誤爆でゴルドが死ぬ。フューリーに躙り寄った敵の狙撃手にバイブルが狙撃されて死に、ウォーダディも被弾する。

フューリーがいよいよ陥落する頃、ウォーダディはノーマンに脱出用ハッチから逃げる様に指示し、その直後に射殺される。フューリーから脱出したノーマンは、底部に隠れていたところを敵の1人に発見されるが、敵はノーマンを見逃し去っていく。翌朝、米軍大隊が十字路に到着し、ノーマンは救出され、英雄として讃えられる。

 

ここまでゴリゴリの戦争モノは久しぶりだったが、これが実に良くできていて恐れいった。時間にして半分近くはドンパチシーンで、どちらかと言えば、ストーリーより戦闘の方に重きが置かれている印象を受けた。本物の戦車を使用した事によるリアルさもさる事ながら、戦場を飛び交う砲弾や銃弾の凄まじさは、他作品ではちょっとお目にかかれない感じ。余りに激しくて、作り物なのに思わず目を背けてしまうくらいの演出だ。人のカラダがバシュバシュ消し飛ぶ。とくに戦車小隊とティーガーの交戦シーンは手に汗握る。主人公はウォーダディだが、彼が何度と無くノーマンの成長を促し、最後にはノーマン1人が生き残る事から、ノーマンの物語でもある。戦争映画の名作がまた1つ爆誕したのではないだろうか。

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