チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

我が家のおバカで愛しいアニキ

ジェシー・ペレッツ監督作「我が家のおバカで愛しいアニキ」("Our Idiot Brother" : 2011)[DVD]

ダメ人間だが憎めない兄と、彼に振り回される3人の妹達の関係を描くコメディ・ドラマ作品。

ネッド(ポール・ラッド)は有機栽培農場で恋人のジャネット(キャスリン・ハーン)と共に働くヒッピーライクな中年男。お人好しのネッドは、採れた野菜を出張販売している折、警察官の誘導尋問に乗せられるままに大麻を譲ってしまい、逮捕される。8ヶ月後、刑務所から釈放されたネッドは、意気揚々と農場へ戻るが、ネッドに愛想を尽かしたジャネットは既に新しい男ビリーと共に生活していた。ジャネットに捨てられ、農場を追い出される事になったネッドは、せめて最愛のパートナーである、ゴールデンリトリバーのウィリー・ネルソンだけは連れて行きたいとせがむものの、ジャネットは取り付く島もない。これまたお人好しのビリーは、500ドルでヤギ小屋を貸す約束をし、ネッドは金策を迫られる。

ネッドは母の住む実家に戻り、集まっていた3人の妹達に事情を説明し、仕事の融通を頼む。長女リズ(エミリー・モーティマー)は夫ディランと2人の子供と共に暮らす主婦だが、夫婦関係がギクシャクしている事に悩んでいた。次女ミランダ(エリザベス・バンクス)はジャーナリストとして精力的に活動するが、肩肘張った性格に難があり未だ独身だった。三女ナタリー(ズーイー・デシャネル)は自由奔放に生きるバイセクシャルで、シンディと交際中だった。

ネッドは保護観察官と面接し、3週間毎の面会と尿検査を命じられる。自宅を出たネッドは早速リズの元へ赴き、住み込み働きを頼む。ディランは反対するが、リズは渋々居候させる。ディランはドキュメンタリー作品を撮影しており、その手伝いと、息子リバーの面倒を見る事が条件だった。大人になっても童心のままのネッドは、リバーとすぐに打ち解け、好かれる様になる。日中、ネッドはバレエダンサーのタチアナの撮影に同行するが、不真面目なネッドをディランは疎ましがる。一方、ナタリーが画家クリスチャンのヌードモデルを行っている関係で、ネッドもヌードモデルのバイトを回してもらう。

ミランダは世界一裕福な女と謳われるアラベラの取材に臨む。元カレが1千万円盗み、セックステープを売ったという、スキャンダラスな要素を引き出すのが狙いだった。ミランダに運転を頼まれ、取材に同行したネッドは、ミランダを差し置いて、アラベラと意気投合する。その様子を見て、ミランダはネッドに呆れる。スキャンダルに関しては取材NGだったが、アラベラは人の良いネッドを信頼し、オフレコでプライベートな事を話す。

ネッドはナタリーとクリスチャンと共に、自己啓発集会に参加するが、儀式の途中で体調を崩し、病院に搬送される。その後、ナタリーとクリスチャンは衝動的に肉体関係を持ってしまう。

再び、ディランの撮影に同行したネッドは、ディランとタチアナが裸でいる現場を目撃する。その後、ディランはリズにネッドを家から追い出すように迫る。リズはミランダとナタリーにネッドの処遇を頼む。リズ宅を出たネッドはミランダの元を訪れるが、ミランダは金を払って追い返そうとする。不意にディランの件と、アラベラの件を話したネッドにミランダが食いつき、金と引き換えにアラベラから得た情報を要求する。

ネッドはリズ、ミランダから得た金を携え、農場に戻るが、ヤギ小屋の件はビリーの独断だった為に、ジャネットは認めず、追い返される。ネッドは住処を求め、ナタリーらの住むシェアハウスを訪れる。シンディは犬を強引に奪い返す様に提案する。

ネッドはミランダの親友ジェレミーと会い、ミランダの不満を聞く。それをミランダに話した事で、ミランダとジェレミーの関係がギクシャクし始める。その頃、ナタリーに妊娠が発覚する。

ネッドと妹達が実家に集まる。ミランダとナタリーはリズにディランの浮気の件を切り出し、リズが色気を失った事を詰る、リズは憤慨し、帰ってしまう。ナタリーは妊娠の件をネッドに相談し、シンディに打ち明けるべきか悩む。リズはディランにタチアナの件を問い詰め、口論となり、ディランは家を出て行く。ミランダは取材の内容が上司に評価されたものの、ネッドがアラベラを気遣う余り、証明できなかった為に、ボツになる。ネッドはシンディと共に農場へ侵入し、ウィリーの奪還作戦に臨む。作戦途中で、ネッドは口を滑らせ、ナタリーの妊娠の件を話してしまう。激怒したシンディはネッドを置いて帰ってしまう。

集まった妹達はネッドのせいで人生が狂ったと憤慨する。保護観察官との面接に赴いたネッドは、またもや口を滑らせ、大麻を吸った事を話してしまい、収監される。ミランダが保釈金を払うが、ネッドは自ら残ると言って聞かない。妹達と母は農場を訪れ、ジャネットにウィリーを返す様に要求する。ジャネットは頑なに拒否するが、ネッドとウィリーの関係を理解したビリーが返す。ネッドはウィリーの訪問を受けて、保釈に応じる。

その後、ミランダはジェレミーと、ナタリーはシンディと仲直りする。リズはかつてネッドから諭された様に、リバーにやりたい事を自由にやらせる様になる。ネッドは妹達の面前で、新たなスタートを決意する。程なくして、ネッドはビリーと共にローソクのリサイクル店を始める。ある日、ウィリーを追いかけていった先で、同じく犬を飼う素敵な女と巡りあう。

 

ダメ兄と美女3姉妹の関係が楽しい、ユルさ溢れるおバカ系コメディ。ネッドはお人好しで、すぐに口を滑らせて余計な言葉を発してしまう手前、ヘマばかりの人生。妹達はそんな兄を馬鹿で頼りないと思いながらも、誰に対しても寛容で裏表がなく、憎めない存在として愛している。ネッドは逮捕をきっかけに妹達の厄介になり、また悩みの種となりながらも、結局はすべて丸く収まりめでたしめでたし。短い作品ながら妹達のキャラが立っていて、それぞれの人となりが適度に描かれているのが良い。それと、ネッドが溺愛するゴールデンリトリバーのウィリーの懐きっぷりがとても可愛い。ほのぼのする。

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