チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

チャット ~罠に堕ちた美少女~

デヴィッド・シュワイマー監督作「チャット ~罠に堕ちた美少女~」("Trust" : 2010)[DVD]

チャットの延長で相手の男に会い、性的暴行を受けた少女とその家族が、悲しみを憎しみを乗り越えていく過程を描くドラマ作品。

シカゴ郊外の住宅街に暮らすキャメロン一家。父ウィル、母リン、長男ピーター、長女アニー、次女ケイティの5人は平和な日々を過ごしていた。14歳の誕生日を迎えた高校生アニーは目下チャットにハマっていた。多くの相手とやり取りする内に、アニーが学校で熱心に取り組んでいるバレー部という共通の話題を通して、カリフォルニアに住むチャーリーと名乗る16歳の少年と親しく会話する様になる。

アニーはウィルからパソコンをプレゼントしてもらうと、更にのめり込むようになり、チャーリーに請われるままに自撮り写真を送る。ところがある日、チャーリーは20歳の大学生だと打ち明ける。アニーはチャーリーの嘘に戸惑うも、送付されてきた写真を見て気を取り直す。ウィルが常日頃、仕事で忙しくいる為、アニーにとってはチャーリーが悩みを打ち明けられる良き理解者となっていく。しかし、程なくして、チャーリーが実際は25歳の大学院生である事を打ち明けた為、訝るアニーは電話で直接真偽を問い質すが、チャーリーの謝罪を受け入れ、その後もチャットを続けていく。

ピーターが大学進学に伴い、家を出る事になり、準備を済ませると、ウィルとリンが車で送っていく。その間に、アニーはチャーリーと直に会う約束をし、モールで落ち合う。しかし、そこに現れたのは30代の中年男だった。アニーはショックを受け、言葉を無くすが、中年男は年齢差は関係無い、運命だと言葉巧みに誘惑する。アニーは尚も動揺が収まらないが、中年男はアニーが両親から子供扱いされている事を見透かし、理解者を演じて大人扱いをする。中年男は落ち着きを取り戻したアニーに、赤いセクシーな下着をプレゼントし、モーテルに連れ込む。アニーに下着を着用させ、甘い言葉で褒めると、半ば強引に性的行為に及ぶ。

その後、チャーリーとは音信不通になり、アニーは情緒不安定になる。モールで偶然、アニーと中年男が一緒にいる現場を目撃していた親友ブリタニーは、アニーを心配して校長に事実を伝える。アニーは校長に呼び出された後、警察に連れられ、病院に向かう。連絡を受けたウィルとリンは病院に急行し、FBI捜査官テイトとカウンセラーのゲイルからアニーに起きた出来事を伝えられる。アニーの体内に残る痕跡の検査が行われ、DNAが採取され次第、鑑定に回される事になる。テイトはアニーに平然を装ってチャーリーとチャットを行わせ、IPから位置を探知しようと試みるが、捜査に協力している事を察知され、再び音信不通となる。ウィルは居ても立ってもいられず、テイトに協力を申し出るが、テイトはFBIに任せる様に諭す。ウィルはそれ以後、仕事が手に付かなくなってしまうが、アニーは自身がレイプ被害に遭ったという自覚が無く、他人事の様に振る舞う。

ウィルはアニーに新しい携帯を渡し、男と連絡を取らない様に厳命する。その後、ウィルは性犯罪者を追跡している団体と接触を図り、情報を得る。アニーは両親に命じられるままに、ゲイルのカウンセリングを受け、尚もチャーリーを良き理解者と考えており、単にバージンを失っただけで何も問題は無いと主張する。

FBIの捜査でチャーリーは偽名、IPも偽装されたものと判明し、常習犯の疑いが強まる。アニーは校長に告げ口したブリタニーを恨み、拒絶する様になる。ウィルは近隣の性犯罪者をリストアップし、アニーに確認させるが、チャーリーを犯罪者扱いする事に憤慨する。ウィルはリスト上の怪しげな男の監視を密かに始める。アニーはゲイルとのカウンセリングで、ウィルに見下されている事を伝え、チャーリーと話したいと訴える。

ウィルはテイトと会い、アニーと男の2ヶ月分のチャットのログを入手した事を、DNAが検出され照合作業が始まった事を伝えられる。ウィルはテイトの持っていたログの資料を盗み、アニーが男と想像だにしなかった卑猥なやり取りを続けていた事を知り、愕然とする。ウィルは犯人探しに躍起になり、次第に錯乱していく。ウィルは身分を偽り、チャットで犯人と直接接触しようと試みるが、その姿を見たリンは不安を感じる。

ウィルは仕事に集中していない事を同僚に問い質され、理由を話すが、理解を得られない。ウィルはアニーを心配し、話をしようとするが、アニーはチャーリーを犯罪者扱いし、躍起になって追求しているウィルに激しく当たり散らし、遠ざける。ウィルは犯人を殺す夢を見る様になり、衝動に駆られて銃を買おうとまでするが思い留まる。

ピーターが6週間ぶりに帰省し、親族を呼んで、和やかに食事を囲む。しかし、口止めしておいたにも関わらず、ウィルがピーターに事件の事を話したと察知したアニーは激昂する。その後、テイトが訪れ、DNAが少女レイプ事件3件でヒットした事を伝える。男が常習犯だと確定した事で、テイトはアニーに被害者の写真を見せ、思い当たる点が無いか、尋ねる。しかし、アニーは家を飛び出し、ゲイルの元に向かう。アニーはチャーリーが自分を特別扱いしたのは全て嘘だったと知り、初めて自分がレイプされたと自覚し、号泣する。リンはウィルがアニーを心配せず、犯人探しに執着し続ける事を詰る。

アニーは少しずつ日常を取り戻していく。アニーが初めてスタメンで出場するバレーの試合を、家族で観戦中、ウィルが客席に近隣に住む性犯罪者を発見し、衝動に駆られるまま、殴りつける。その男は試合に出場している娘の父親だった。晴れの舞台を潰されたアニーは激怒し、親子の関係は決定的に崩壊してしまう。

ある日、ブリタニーはネット上でアニーが出回っている事を伝える。アニーは即座にPCに向かい、男がモーテルで録画していた動画がポルノサイトにアップされている事を知り、愕然とする。アニーは自宅に逃げ帰ると、浴室で睡眠薬を飲み、自殺を図る。アニーの異変の連絡を受けたウィルがすぐに救出した為に、アニーは助かる。

翌朝、自室で目覚めたアニーは、寒空の下、庭に佇んでいるウィルを発見する。ウィルはアニーがどれだけ素晴らしい存在で、愛しているかを伝え、これまで理解しようとしていなかった事を心から詫びる。アニーとウィルの関係は修復する。

犯人は妻子持ちの高校教師であり、性犯罪者としての顔は隠し、平穏無事に暮らしている事が仄めかされる。

 

タイトルはスリラー的な要素を示唆しているが、チャットで少年を騙った中年男に騙され、レイプ被害に遭った少女と、その父親との関係を描いたドラマ性の高い作品。チャット相手の青年と待ち合わせたつもりが、そこに現れたのがまさかの中年男。そこで帰れば良かったものを、世間知らずに加え、これまでチャットを通して語らい合ってきたのは事実だし、少し背伸びをしたい年頃だしという事で、モーテルまで付いて行ってしまう。性行為を強要された後も、洗脳状態に陥ったせいで被害者意識は生じず、寧ろ、中年男を庇ってしまうと。しかし両親、特に父親は血眼になって犯人を見つけようと躍起になるから、自ずと娘と衝突するワケだ。結局、犯人は捕まらずにEND。州を跨いだ犯罪捜査は難しい。こういうハナシは、実際に年頃の娘がいる親にとっては他人事じゃないんだろうな。

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