チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ザ・ゲスト

アダム・ウィンガード監督作「ザ・ゲスト」("The Guest" : 2014)[BD]

生前の息子の友人を自称する男を招き入れた家族の顛末と、男の謎の行方を描くスリラー作品。

ニューメキシコ州郊外の家に暮らすピーターソン一家。父スペンサー、母ローラ、長女アナ、次男ルークは、長男のケイレブを戦地で亡くした悲しみから、立ち直ろうとしていた。ハロウィーンを間近に控えた頃、一人の男が突然、一家の元を訪ねてくる。応対したローラに、男はデヴィッドと名乗り、ケイレブとは訓練、戦地、更に死んだ時も一緒だったと話す。デヴィッドはケニルワース基地から病院を経て、除隊した後、最初にピーターソン家に訪れた事を告げ、家族に最期まで愛していたと直接伝える様にケイレブから言付かって来た事を明かす。すぐに立ち去ろうとするデヴィッドを、ローラは引き留め、もてなす。

礼儀正しく、気さくなデヴィッドに好感を抱いたローラは、一晩泊まっていくように勧め、ケイレブの部屋に招く。デヴィッドはバイトに出かけるアナと挨拶を交わし、その後、高校から帰宅したルークと対面し、顔の痣を見て、虐められていると察知する。スペンサーはデヴィッドがPTSDを患っている可能性を疑い、泊めるのを躊躇うが、ローラが説得する。スペンサーはデヴィッドと共に酒を飲みながら、会社の若造アランが、自分を飛び越して部長になった事を愚痴る。デヴィッドに煽てられたピーターソンは、行き先が決まるまでしばらく泊まっていく様に促す。

翌日、デヴィッドはローラの代わりに学校までルークを迎えに行き、虐めている男女のグループを聞き出すと、車で後を追う。グループの行きつけのバーに入ると、デヴィッドはグループに酒を振る舞う。癪に障ったグループの男達がデヴィッドに酒を浴びせると、デヴィッドは立ちどころに男達を撃退し、店に気前良く修繕費を払って、ルークと共に去る。帰宅すると、アナはクリステンの家で開くパーティに出かけようとするが、ローラにデヴィッドを一緒に連れて行くように促される。デヴィッドを連れ、クリステンの家に着いたアナは、恋人ジークとの関係を両親に話さないように頼む。デヴィッドはジーク、クリステンやその友人クレイグらに歓迎される。デヴィッドはクリステンに復縁を迫る元カレを撃退した事で、気に入られたクリステンとセックスをし、その後、何でも調達すると自負するクレイグに、銃を所望する。程なくして、アナがジークと口論し、途中で帰る事になる。アナは、自分が学費を貯める為にバイトをしているのに、ジークが働きもせずバンドにのめり込んでいる事を嘆く。それを聞いたデヴィッドはアナの身を気遣い、アナはデヴィッドに好意を寄せる。

翌朝、アナはデヴィッドが携帯で何者かと会話しているのを立ち聞きする。「追われて身を隠している、新しい顔が必要」など不穏な内容に、不信感を抱いたアナは、基地にデヴィッドの身元を問い合わせる。基地ではデヴィッドは機密事項として扱われており、すかさずKPG社に連絡が行く。KPGに通じるカーヴァー少佐は報告を受けるや否や、緊急事態を宣言し、すぐに現地に急行する。

デヴィッドはクレイグに元海軍所属の男と引き合わされ、銃の取引に臨む。品定めを終えたデヴィッドは、2人を射殺し、銃と手榴弾を奪取する。程なくして、基地から連絡を受けたアナは、ローラに事実を伝えようとするが、そこへスペンサーが帰宅する。スペンサーは、アランが恋人と共に心中を図った事で、自分が部長に昇進した事を複雑な面持ちで打ち明ける。デヴィッドが帰宅した事で、アナは話す機会を逸する。

その直後、アナはジークからの連絡でクレイグが殺害された事を知り、クリステンの元へ向かう。ジークはクレイグ殺害に関与した疑いで拘束される。ルークは、デヴィッドと共に、ハロウィーンランプを作る際に、デヴィッドが常にジャックナイフを携行している事を訝る。デヴィッドは虐めを放置しない様にルークを諭し、ナイフを譲り渡して復讐を促す。アナは、デヴィッドが1週間前にアリゾナ陸軍病院で発生した火災で死んだと、基地からの連絡で知った事をクリステンに伝える。クリステンは、デヴィッドの携帯の通話履歴を撮り、ルークに調べさせるように勧める。帰宅したアナはデヴィッドの携帯を盗み出し、履歴を撮影するが、そこへ偶然着信があり、危うくデヴィッドに気付かれそうになる。

クレイグを撃った銃がジークの車から見つかり、更に、ジークの部屋からクスリが見つかった事で、ジークは逮捕される。アナは、家族の前でクレイグの死とジークの逮捕を伝える。スペンサーが、ジークはクスリの売人だから逮捕は当然だと告げると、アナは基地に問い合わせて判った、デヴィッドの秘密を打ち明け、問い質す。デヴィッドは特殊部隊に所属していた為に、機密を守る為に戦死扱いされた事を明かし、認識票を差し出す。スペンサーはデヴィッドを信用し、ジークらの事を詰る。アナはスペンサーに憤慨し、説得を諦める。デヴィッドは隠し事について夫妻に詫びると、もう少しの間辛抱する様にアナを威圧する。

翌日、アナは履歴の電話番号が2年前に医師免許を剥奪された整形外科医の物だと知り、ルークに情報を集める様に指示する。ルークは学校で再び嫌がらせに会った為に、反撃し、相手を負傷させる。ローラが学校に呼ばれ、デヴィッドも付き添う。デヴィッドはルークが抵抗した事を褒める。校長は退学処分を言い渡すが、デヴィッドはルークの行いがヘイトクライムへの正当防衛だと主張し、学校と教育委員会を相手取って訴えると強弁する。デヴィッドは怯んだ校長から、一ヶ月の放課後労働奉仕での妥結を引き出し、ルークに伝える。ルークはアナから指示された事を打ち明け、友達だから口外しないと、デヴィッドに肩入れすると、アナがクリステンに秘密を告げた事を伝える。

帰宅後、ローラはルークの退学を免れた事をデヴィッドに感謝する。その直後、カーヴァーが特殊部隊を率いて、ピーターソン家に到着する。特殊部隊とデヴィッドは激しい銃撃戦を繰り広げるが、デヴィッドは負傷しながらも、部隊を血祭りに上げていく。デヴィッドはローラに嘘を付いていた事を打ち明け、一家を助けるのが使命だったが、事態が複雑になったと詫びる。その上で、ケイレブが同じ実験の被験者だった事を明かし、きっと理解してくれると告げると、ローラを刺し殺す。デヴィッドは部隊を全滅させ、カーヴァーを足止めすると、車に乗り、家から逃走する。デヴィッドは帰宅途中のピーターソンと遭遇し、射殺する。車を手に入れたカーヴァーは、アナをバイト先の店まで迎えに行く。カーヴァー達とすれ違いでデヴィッドが店に着き、クリステンを射殺し、店を手榴弾で爆破する。カーヴァーは、デヴィッドが医療実験の被験者で、死んだと思わせ、痕跡を消して逃げた事をアナに話し、アナの両親が殺された事を伝える。更にカーヴァーは、デヴィッドは自分と実験を守る様にプログラムされており、身の危険を感じると全てを一掃すると明かし、アナとルークを保護する必要があると告げる。

ルークを保護する為に学校に到着した2人は、奉仕活動中のルークを発見する。同じ頃、デヴィッドも学校に到着する。デヴィッドは引率の教師を殺すと、カーヴァーをも負傷させる。その隙にアナとルークは逃げ出す。デヴィッドはカーヴァーを射殺する。アナはルークに両親の死を伝え、隠れさせると、カーヴァーの銃を奪い、デヴィッドを撃つ。しかし、デヴィッドに不意を突かれ、負傷し、銃の暴発で火災が生じる。アナが窮地に陥ったところへルークが現れ、貰ったナイフでデヴィッドに致命傷を負わせる。ルークとアナは炎上する建物から脱出する。

消防車と救急車が駆けつけ、2人は救護される。その直後、防火服を纏い、脱出を図るデヴィッドの姿を目撃したアナとルークは戦慄する。

 

 

監督アダム・ウィンガード&脚本サイモン・バレットのコンビは、前作「サプライズ」が斬新で痛快なスリラーだったから、今作も楽しみにしていたのだが、期待通りの出来だった。KPGやカーヴァーが登場するまで、ストーリーが果たしてどう転んでいくのか、その方向性が全く分からないから、序盤からなかなかスリリングである。平たく言えば、軍がジェイソン・ボーンの様な人間兵器を開発する過程でエラーが生じ、施設から脱走した男、それがデヴィッドという事なのだろう。高い戦闘能力に加え、交渉術や人心掌握術にも長け、更に眠らなくても平気という事が示唆され、まさにスーパー兵士。イケメソだが、不気味という絶妙なニュアンスをダン・スティーヴンスが巧く演じている。オチは予想できたものの、まぁこんなもんですわな。

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