チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ワイルドカード

サイモン・ウェスト監督作「ワイルドカード」("Wild Card" : 2015)[BD]

ギャンブルに明け暮れる男が、ひとりの青年との出会いをきっかけに、カジノ街からの離脱を図る様を描くスリラー作品。

ラスベガスでしがない警備コンサル業を営むニックは、元特殊部隊所属の腕利きの兵士だったが、いまではギャンブルと酒に明け暮れる堕落した日々を送る。ラスベガスで迎える5000日目の朝、ニックの元に、サイラスという若者が訪ねてくる。ニックの顧客の紹介で来たというサイラスはギャンブラーを自称し、安全に遊ぶために、付添人としてカジノへの同行をニックに依頼する。

その直後、ニックは元恋人のホリーから連絡を受け、彼女の元を訪ねる。ホリーは病院から退院直後で、酷い傷跡が残っており、ニックは事情を尋ねる。ホリーは前夜、ホテルで乗り合わせたエレベーターで3人組の男に絡まれた。リーダー格の男にパーティに参加する様に強要され、部屋へ連れて行かれると、レイプされた挙句、手下2人に暴行され、病院の前に捨てられたのだった。ホリーはその男を探し出し、訴えたいと主張し、男の居場所を調べて欲しいとニックに依頼する。ニックはラスベガスを牛耳るマフィア、ベイビーの組織に所属せず、一人で生きており、ツテが無いと依頼を一旦断る。

その後、ホテルの従業員で内情に詳しいミリセントと接触し、宿泊客に関する情報を得る。ミリセントは、該当する客が、東海岸のイタリアンマフィアの跡取り息子でボクサーのデマルコと、その手下2人だと明かし、部屋の番号を教えると、絶対に関わらぬようにと、ニックに釘を刺す。ニックがデマルコの素性をホリーに電話で伝えると、ホリーはいかに屈辱的な思いをさせられたかを話し、かつてニックが窮地に陥った時の貸しがある事を告げる。

夜、ニックはサイラスの付添人として、ラスベガスのカジノを案内する。ゴールデン・ゲートに到着すると、ニックはサイラスにゲームを勧め、酒を飲んだ後、サイラスを置いて、ホリーの元へ向かう。ニックがホリーにデマルコの部屋を伝えると、ホリーはデマルコへ復讐する方針へ主張を改め、ニックに協力を要請する。ニックはデマルコが危険な相手だと自覚しながらも、承諾する。

ニックはベイビーの友人と称し、デマルコの部屋を訪ね、招き入れられる。ニックが、ホリーが無礼な扱いを受けた件を償うようにデマルコに要求すると、デマルコは痛めつけて追い返す様に手下に命じる。ニックは手下をなぎ倒し、デマルコを縛り上げる。そこへ待機していたホリーが現れ、復讐に臨む。ホリーはデマルコのペニスをハサミで切り落とすと脅し、謝罪させる。ニックは殺しを避けたいと主張し、デマルコの所持していた5万ドルを奪い、部屋を後にする。ホテルから出ると、ニックは5万ドルを折半し、ホリーに手渡すと、街から脱出させる。

ニックは、手元に残った金をカジノで増やしてから脱出しようと企て、ゴールデン・ゲートでポーカーに興じた後、そこに訪れていたサイラスと出会う。ニックは自らにツキが巡ってきているのを感じ、再びポーカーを始めると、次々に勝ち続け、その都度、限度額を上げ、荒稼ぎしていく。サイラスと観客が固唾を呑んで見守る中、ニックはチップを50万ドルにまで増やす。ニックは、初めて50万ドル超えした事に実感が湧かないとサイラスに漏らすと、大陸から飛び出し、年に10万ドルで5年分の自由を獲得した事を、喜んで語り聞かせる。ところが、換金所の手前でニックは思い留まる。ニックは、50万ドルがはした金に過ぎず、二度とラスベガスに戻らないくらいの大金が必要で、それこそが真の自由だと主張し、再びポーカーに挑む。ニックは、50万ドル分のチップに2万5千ドルの現金を積み、上限なしの勝負に臨むが、結局敗れ、全てを失う。

負けを悔やみ、酔いつぶれたニックをサイラスが介抱する。目覚めたニックに、サイラスは紹介が嘘で、本当はニックの事を調べ尽くして来た事を明かし、その上で頼みがあると告げる。ニックはボストンで見かけたイカれた老人に自分の将来を見て取り、自分の中に巣食う恐れを消した欲しい、死ぬ前に勇敢な事がしたいと懇願する。更に、19歳までに7千万ドル稼いだ事を明かし、これまで頭脳で乗り切ってきたが、それだけじゃ足りないと告げる。サイラスは、なぜこの街から出ようとせず、留まったのかとニックに問いかけ、この街から離れられないからだと指摘すると、互いに助けあう様に求める。ニックは自分でなんとかする様にサイラスを突き放す。そこへデマルコの手下達が現れ、ニックを取り囲む。ニックは手下を全て撃退するが、騒動を起こした事で、ベイビーの元へ連行される。

ベイビーは、デマルコの手下が射殺され、それがニックの仕業だとデマルコが主張している事を明かし、その真偽を明らかにしたいという意向をニックに伝え、デマルコの元へ誘う。ニックはデマルコを襲った事だけは認めた上で、デマルコの話の矛盾を突く。ベイビーはニックの話を信じ、諍いを執り成そうとするが、憤慨したデマルコはその場を去る。ベイビーはデマルコによる復讐をニックに示唆し、その場を後にする。

ニックが馴染みのダイナーに入ると、そこでサイラスと再会する。サイラスは、ニックと会い、自分だけでは無く、誰にも恐れがある事が分かり、自分らしく生きるのも悪くないと主張し、ニックもそれを認めるべきだと告げる。ニックは自分がギャンブル中毒だと認める。サイラスは感謝のプレゼントと称して、ニックが予てから望んでいたコルシカ島への航空券を、50万ドルの小切手と共に渡す。そこへデマルコが手下を引き連れ現れる。サイラスが機転を利かせて歌い出し、その隙にニックは店の外に脱出する。ニックはギャンブル中毒から解放され、コルシカ島へ行くビジョンを思い描くと、手下達を撃退し、デマルコを殺す。

サイラスは報酬として改めてニックに航空券を手渡し、感謝を告げる。ニックは友達として礼を述べ、サイラスと別れると、街を後にする。

 

 

ジェイソン・ステイサム主演だからアクション要素の強いスリラー作品なのかと思いきや、ギャンブル狂いでベガスから離れられず、しかしそれを認められず、という男の物語で、フックが弱いし、主人公ニックがいまひとつ魅力に欠けるしで、なんだか微妙なデキだった。ホリーとサイラスが別個のシナリオの様に絡んでくるのだが、どちらも取ってつけた様な印象で、とくにサイラスがニックを訪ねて来た理由が曖昧過ぎて、意外性も何もあったもんじゃない。ニックはニックで、ギャンブル中毒で本当に苦悩しているという描写は無く、夢や目的が無いだけで、ベガスでブラブラしているおっさん。その割には凄腕の元エリート兵だから、戦闘力は抜群に高いのだが、負け犬の様な哀愁を漂わせている、このチグハグ感はなんだろう。アクションシーンだけ見ると、文字通り敵ナシの強さなのにね。これならアクション一点張りの方が、まだ観られる作品になったんじゃないかしら。ステイサムの無駄遣いだよな。

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