チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

チャイルド・プレイ/誕生の秘密

ドン・マンシーニ監督作「チャイルド・プレイ/誕生の秘密」("Curse of Chucky" : 2013)[BD]

過去の因縁を晴らすべく現れたチャッキーに、対峙し抗う女の姿を描くホラー作品。

下半身不随の為に車椅子での生活を余儀なくされるニカは、心に病を抱える母サラと共に、古い屋敷で暮らす。ある日、サラ宛に送り主不明の荷物が届く。サラが開封すると、中にはグッドガイ人形が入っており、サラはいたずらだと気味悪がると、人形を捨てる。その夜、サラの絶叫で目を覚ましたニカは、一階でサラが自殺しているのを発見する。捨てられたはずの人形は、椅子に腰掛けた状態で見つかる。

翌日、姉バーブが神父フランクを連れて、見舞いに訪れる。自責の念に囚われるニカに、フランクは神に赦しを乞うべきだと告げる。程なくして、バーブの夫イアン、娘アリス、ナニー兼バーブの愛人でもあるジルが到着する。ニカはアリスに人形を譲ろうとするが、人形は忽然と姿を消しており、ニカは怪訝に思う。アリスはジルに連れられ、トイレに入り、そこで人形を発見する。人形は自らをチャッキーと名乗る。

バーブは屋敷に訪れた真意をニカに話す。バーブはニカに施設を紹介すると、そこに移って屋敷を売却すれば、互いに金に困らないと諭すが、ニカは突っぱねる。バーブは自らが勤める出版業界が不景気である事、イアンはスタバでバイト勤めの身である事、その上、アリスの学費が伸し掛かり、家計が苦しい事を漏らすと、ニカ一人では生活できないと告げる。そこへアリスが戻り、チャッキーと友達になった事を明かし、ニカから喜んで譲り受ける。

ニカは夕食を作って皆をもてなす事にし、アリスに手伝いを頼んで、トマトとオレガノのスープを作る。2人が目を離した隙を見計らって、チャッキーはスープに殺鼠剤を混入しようと企てるが、ニカに気付かれそうになり、混入は一皿だけに留まる。皆で食卓を囲むと、談笑に耽りながら、食事が進むが、その最中、フランクが徐々に不調を来す。フランクは急用を思い出すと、翌日のサラの葬儀に備えて、途中で退席する。その直後、フランクは夜道で自動車事故を起こし、死亡する。

4人はニカを身篭った頃の母サラと父ダニエル、幼子のバーブが写った昔のフィルムを見て、名残惜しむ。バーブは、ニカが生まれる直前にダニエルが溺死し、それ以後、サラがおかしくなった事を明かす。ふとニカはフィルムに映り込む不審な男を発見する。そこに、アリスがやってきて、チャッキーが見当たらず、どこかに隠れていると訴える。バーブはジルに探す様に頼むと、アリスに寝るように命じる。ニカはチャッキーの送り主が気になり、業者に問い合わせようと試みるが、折からの悪天候で電話は不通となり、携帯も圏外となる。

ジルは屋敷内を探しまわるもチャッキーが見つからず辟易する。そこへバーブが現れ、愛を確かめ合う。ニカはリビングに戻ると、フィルムを見ながら寝入るイアンの隣に、いつの間にか腰掛けているチャッキーを発見する。ニカはアリスが寂しがって、わざとやっているのでは無いかと、イアンに指摘する。ニカはチャッキーが見つかった事をアリスに知らせ、エレベーターに乗って渡しに向かう。その時、停電が生じ、エレベーターが止まった為、ニカは助けを求める。ジルと愛し合っている途中のバーブは憤慨し、ニカには手を焼くと漏らす。ニカが金属音を聞くや否や、電気が戻り、2階に着いたニカはアリスにチャッキーを手渡す。バーブはニカを露骨に障害者扱いすると、補助の必要性を説き、心臓発作が起きる危険性と、家族への負担について指摘する。その時、アリスはニカの脚に切り傷があるのを発見する。脚に感覚が無いニカは、それがいつできた傷か分からず、不審に思う。

バーブに就寝を促されたアリスは、チャッキーに皆が死ぬと口汚く罵られた事を打ち明ける。バーブは真に受けず、アリスを窘め、眠らせる。アリスが激しい雷雨への恐怖をチャッキーに訴えると、チャッキーはアリスの前で本性を露わにする。ニカは再び送り主について問い合わせ、それが証拠品保管所だと知ると、アリスの様子を気にかけ、部屋へ向かう。そこでジルと遭遇し、送り主の件を話すと、アリスが寂しがっている事を知るジルは、アリスが喜びさえすれば何でもいいと告げる。ニカはアリスをジルに任せ、部屋を後にする。

ニカはネットでチャッキーについて調べ、かつてアンディが主張した陰惨な事件の数々について知る。更にニカは、チャッキーとチャールズ・リー・レイの関係に辿り着き、レイがフィルムに写っていた男と同一人物だと悟る。一方、ジルはPCでバーブと密かにビデオ通話を始める。チャッキーはジルの不意を突き、雨漏りでバケツに溜まった水を蹴り倒し、ジルを感電死させる。バーブはジルの異常を察知し、様子を伺いに行こうとするが、その時、イアンが目覚め、ジルとの関係を問い質す。離婚を仄めかすイアンは、チャッキーにナニーカメラを仕掛けた事を明かし、証拠の面で優勢である事を告げる。バーブは憤慨するが、イアンは意に介さず、再び眠りに就く。一方、警察はフランクが事故直前にニカの屋敷にいた事を掴み、警察官が向かう。

バーブは屋根裏に上がる階段に腰掛けるチャッキーを発見し、アリスの仕業だと疑う。一階のニカは、チャッキーに只ならぬ秘密がある事を察知し、バーブに手放す様に告げる。しかし、バーブはニカがイアンと共謀して貶めようとしていると誤解し、憤慨する。バーブはニカが自分に嫉妬しているのだと言い放つと、アリスを探しに屋根裏に向かう。停電でエレベーターが使えない為、ニカは車椅子を降り、階段を這って二階へ向かう。

バーブは屋根裏で、チャッキーの服の中に包丁が忍ばせてあるのを発見する。更に、チャッキーの顔の皮膚が剥がれているのを訝り、剥ぎ取ると、縫い合わせた本当の顔が現れる。その時、チャッキーは本性を露わにし、バーブを刺し殺すと、アリスが自分の物だと告げる。バーブの絶叫を聞いたニカが、屋根裏に向かおうとすると、バーブの死体が転がり落ちてくる。その後、チャッキーが姿を現すと、ニカは予備の車椅子を取り出し、逃げ出す。ジルの死体を発見したニカは、イアンを起こし、助けを求める。イアンはバーブとジルの死体を確認すると、ニカを抱えて、ガレージに匿う。しかし、イアンはチャッキーが殺したという話を真に受けず、アリスを探しに屋敷に戻る。

ガレージにチャッキーが現れ、ニカを襲撃すると、ニカは斧を手に取って反撃に応じる。そこに戻ったイアンは、ニカが正気を失い、2人を殺したと誤解する。その瞬間、ニカは心臓発作を起こし、昏倒する。イアンはニカをアドレナリンで救うと、車椅子に縛り付けて拘束し、ナニーカメラで記録した映像を確認する。イアンはチャッキーによる犯行だと知るや否や、チャッキーに襲撃され、斧で惨殺される。その後、チャッキーはニカに襲いかかるが、ニカは自らの脚を犠牲にし、攻撃を退けると、奪った斧でチャッキーの首を跳ね飛ばす。ニカが傷の手当をしている間に、チャッキーは復活し、ニカは車椅子のまま、一階に突き落とされる。辛うじて死を免れたニカは、チャッキーが死んだはずのレイだと指摘し、家族を狙う理由を問う。チャッキーはサラとの因縁の過去を語り聞かせる。

かつてダニエル、サラ夫妻と知り合ったレイは、ダニエルの死に伴い、身重のサラと接触を図った。家族を欲していたレイは、サラを屋敷に監禁し、自由を奪った。しかし、ある時、サラはレイを欺き、警察への通報に成功した。屋敷に警察が迫っている事を知ったレイは憤慨し、サラの腹にナイフを突き立て、負傷させた。その時の怪我がニカの障害に繋がったのだった。レイは屋敷から逃走すると、玩具店に逃げ込み、グッドガイに魂を移した挙句、チャッキへと変貌したのだった。

チャッキーは25年越しの復讐だと称し、ニカが最後の一人だと告げる。しかし、ニカはチャッキーの話から、アンディがまだ生存している事を確認すると、完了できない症候群だと指摘し、挑発する。ニカの指摘に怯んだチャッキーは、アンディもいずれ殺すつもりでいる事を告げる。その時、電気が回復し、ニカはエレベーターに逃げ込む。ニカは襲いかかるチャッキーの背中に、奪いとった包丁を突き刺す。しかし、チャッキーを殺す事はできず、そこへ警官が駆け付ける。警官は血塗れで包丁を握りしめるニカと、惨殺された死体の数々を発見する。チャッキーは椅子に腰掛けた状態で見つかる。

その後、逮捕されたニカは責任能力無しと判断され、無期限の隔離施設への拘留が決まる。ティファニーは警官を買収し、保管所からチャッキーを持ち出させると、警官を殺し、奪取する。程なくして、祖母の家に預けられたアリスの元に、ティファニーの手配でチャッキーが送られる。チャッキーは密かに祖母を殺すと、アリスに魂の隠し合いごっこを持ちかけ、まじないをかけるが、失敗に終わる。

半年後、誕生日を翌日に控えたアンディの元に、荷物が届けられる。荷物を受取った直後、アンディは母からの連絡を受け、会う約束をする。その隙を見計らって、チャッキーは密かに箱の開封を試みる。チャッキーが箱から飛び出た途端、襲撃を察知していたアンディは「遊ぼうぜ」と言い放ち、ショットガンでチャッキーを吹っ飛ばす。

 

 

今更ながら、初見の「チャイルド・プレイ」シリーズを駆け足で観て来たワケで、とりあえず現時点における最新作に辿り着いた。本作は、これまでの系譜をしっかり受け継ぎながらも、コメディ色をほとんど排除し、マンシーニ自身の手で現代風のスラッシャー・ホラーに見事に昇華させている。これまでシリーズを全て観て来た人こそ、感涙必至の仕上がりで、傑作と言っても過言では無いと思う。これが劇場公開されずビデオスルー扱いなのが理解できない。チャッキーが送られてきた理由やニカが障害を抱える理由が、後半になって次々に明らかになるのが、非常に気持ち良く、チャッキーのこれまでに無い残忍な表情も斬新で痛快。今作はVFXを取り入れているのか、チャッキーの顔がツルッとしすぎている嫌いはあるが、低予算だしやむを得ないのかも知れない。終盤、ティファニーがちゃっかり登場するのが意外で可笑しかったが、更にクレジット後には成長したアンディが登場し、それを当時子役だったアレックス・ヴィンセント本人が演じており、粋な図らいだなぁと膝を打った。こんなステキなオチはなかなか無いわ。このシリーズって続き物としては、当たりの部類だから、もっと評価されても良いよなぁ。マンシーニによる続編の計画があるそうだから、楽しみに待ちたい。

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