チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

タイム・チェイサー

リッチー・メタ監督作「タイム・チェイサー」("I'll Follow You Down" : 2013)[DVD]

失踪した父の研究から、タイムトラベルの技術を完成させ、父を探し出して、家族の再生を図ろうとする青年の姿を描くSFスリラー作品。

2000年、トロントで妻子と共に暮らす物理学者ガブリエルは、プリンストン大学へ出張する事になり、妻マリカと息子エロルは空港で見送る。プリンストンに到着後、程なくしてガブリエルからの連絡が途絶える。帰宅予定日となり、マリカとエロルは空港でガブリエルを待つが、一向に現れず、マリカが宿泊先のホテルに問い合わせると、ガブリエルが荷物だけを残して消息を絶った事を知る。マリカは、ガブリエルと親交が深いプリンストン大の教授で、父親のサルに事情を伝え、ガブリエルに異変が無かったか尋ねる。マリカは警察に連絡するも、取り合ってもらえず、サルはガブリエルの残したPCから手がかりを探ろうとする。

失踪から3日目、マリカはエロルを残して、プリンストン大に飛び、サルがガブリエルに紹介した仕事場を訪ねる。そこには用途不明の装置の跡らしき物があり、財布と携帯がそのままの状態で見つかる。マリカとサルは大学構内の関係者に尋ね回るが、不振に終わる。

それから12年の歳月が経つ。マリカは尚もガブリエルの失踪を受け止められず、抑うつ状態で投薬治療を続ける。成長し、大学生となったエロルは、ガブリエルを凌ぐ程の才能に恵まれ、MITから打診を受けるまでに至る。エロルは他学部のグレイスと順調に交際を続ける一方で、マリカの身を案じて過ごす。マリカは感覚を取り戻したいと訴え、投薬を止めた事をエロルに明かす。

ある日、サルはエロルの類稀なる才能を見込み、ガブリエルに関する真実を打ち明ける。失踪当時、ガブリエルが時空を行き来する方法を見つけており、ワームホールを作り出して、過去に戻ったのだと言う。サルは、大学の倉庫で54年間放置された加速器を見つけ、GPSの座標が発見場所と一致し、見つけた日から19655日前となっているのが証拠だと主張し、資料が不十分で扱い方が分からないと告げる。サルは、ガブリエルがプリンストン大へ来て、装置を組み立て、1946年にタイムトラベルしたものの、何らかの異常事態が起き、戻れなくなったと推測する。サルは、エロルの協力があれば負のエネルギーの謎が解明できると訴え、訝しげなエロルに、67年前にガブリエルが記したと思しき、ノートを見せ、ガブリエルがアインシュタインと会いに行ったのだと主張する。サルは、もし過去に戻ってガブリエルを連れ戻す事ができたなら、マリカもエロルも幸せな人生を歩んでいたと諭すが、エロルは空想だと一蹴する。

程なくして、マリカは芸術家として徐々に復帰を果たす。サルは尚もエロルの説得を試みる。ある晩、エロルとマリカは、久しぶりにガブリエルについて語らい合う。マリカはエロルにガブリエルとの馴れ初めを聞かせる。ガブリエルはサルが紹介した生徒で、世界を変える事に夢中だったガブリエルにマリカが一目惚れしたのだった。そんなガブリエルが家族を捨て、別の人生を選んだのでは無いかと、マリカは苦悩し続けている事を打ち明け、真実を知りたいと訴えると、エロルはガブリエルが死んだのだと言い聞かせる。エロルはマリカを独りにするのを不安視し、グレイスとのデートをキャンセルする。

翌朝、目覚めたエロルは投薬自殺を図ったマリカを発見する。マリカを弔った後、翻意したエロフは研究への参加をサルに願い出る。エロルは研究に没頭し、やがて負のエネルギーを作る事が可能だと解る。一方で、エロフは1946年当時の新聞に、身元不明の銃殺死体発見の記事を見つけ、発見された所持品からそれがガブリエルだと確信する。

エロルの様子を不審に感じたグレイスは、エロルがワームホールで過去に戻ろうとしていると察知する。その時、グレイスに妊娠の兆候が現れる。エロルとサルがワームホールを通過する装置を完成する頃、研究室にグレイスが訪れ、エロルの研究目的を言い当てる。エロルは1946年に戻って、ガブリエルを連れ戻し、全てを正したいと訴えるが、グレイスはそれで人生が変わってしまったら、2人が再び同じように出会う確証があるのか問い質す。エロルはガブリエルが失踪する前から、幼なじみのグレイスに惹かれていたから、きっと一緒になると説得を試みるが、互いの気持ちに齟齬が生じ、口論となる。グレイスは妊娠5週目である事を打ち明ける。

エロルは自身とガブリエル、マリカ、グレイス、それぞれの時系列を整理し、打開策を練るも、やがて研究は壁にぶち当たり、研究を止める様に願うグレイスとはすれ違いの生活が続く。ある日、グレイスはエロルと決別し、家を出ていこうとする。グレイスはエロルと一緒の人生しかあり得ないと訴えると、エロルはこのままでは父親にはなれず、不幸の無い人生にしたいと諭す。グレイスが再び出会う確証を求めると、エロルは根負けし、研究を止める決意をし、それをサルに伝える。

エロルとグレイスは出産を見越して、広い新居に移る。しかし、程なくして、グレイスの胎児に発育不全が判明し、中絶する。悲嘆に暮れるグレイスの姿を目の当たりにしたエロルは、この人生が間違いだと思い直し、再び研究を再開する。エロルは、地震に伴う地球の自転周期の変化をパラメータとして正しく与えていなかった事に気付き、遂に装置を完成させる。

エロルは、失踪がどんな悲劇を齎したかガブリエルに自覚させ、その上で研究を止めさせる必要があると主張し、自らが過去に戻る事をサルに願い出る。エロルは、悲劇が二度と起きない様にするとグレイスに言い残し、別れを告げた後、装置で過去に戻る。

エロルはガブリエルが戻った1967年に先回りして到着する。ガブリエルは到着後、アインシュタインの家を訪ねるも不在であった為、近くのダイナーへ入り、エロルも後を追う。エロルはガブリエルに、サルと共に研究を完成させ、やってきた経緯を打ち明け、ガブリエルが強盗に殺され、元の時代に戻れなくなる事、それが原因となりマリカが自殺する事を伝える。

ガブリエルの仕事場に移動すると、エロルはガブリエルが失った12年の歳月を自覚させる。ガブリエルは装置が世紀の発明だと自負するが、エロルは研究か家族のどちらかしか選べないと迫り、ガブリエルが無事に戻れば修復できると中止を懇願する。しかし、ガブリエルは研究そのものには問題が無いと主張し、目的を果たしてから戻る意向を示す。エロルは今すぐ戻る様に告げると、ガブリエルの選択がこうさせるのだと仄めかし、拳銃自殺を図る。

その後、ガブリエルは2000年に戻り、マリカとエロルの待つ家に予定より早く帰る、何事も無かった様に。

 

 

ジリアン・アンダーソンハーレイ・ジョエル・オスメントが共演していると聞き、なんだかアツい作品の様だったから鑑賞。一見してB級作品だし、さして期待はしていなかったのだが、案の定、タイムトラベル物にありがちなモヤモヤ感が禁じ得ない作風で、ストーリーもちょっと退屈だったかなと。科学者の業だとしても、家族を捨ててまで過去に戻る父親の動機が理解しにくいし、ワームホールが容易く生成されちゃうのもどうかと思うし、それを通過する装置ってのがなんともちゃっちくて、実に萎える。オスメントはスピルバーグA.I.で観て以来だから、10年以上のご無沙汰だったのだが、少年がそのまま大人になった様なベビーフェイスで、そんな彼がイケメソを演じているのが可笑しかった。しかし、ガブリエルとマリカの容姿で、あのベビーフェイスが生まれてくるってのはちょっと難があるよなぁ(笑)。オスメントは幼い頃に売れまくっていろいろあった様だが、本格的に役者として再起したそうだから、今後に期待したい。まだ27歳だから若い!

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