チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

グレイヴ・エンカウンターズ

ザ・ヴィシャス・ブラザーズ監督作「グレイヴ・エンカウンターズ」("Grave Encounters" : 2011)[BD]

番組用の撮影の為に、閉鎖された精神科病院に一泊し、院内の調査を決行するグループの顛末を描く、ファウンド・フッテージ型ホラー作品。

この映像は、2010年3月20日、カリフォルニアのテレビ局に持ち込まれた76時間に及ぶフッテージを、リアリティ番組用に編集した物である。

幼少期より、超常現象の証拠を求め続けてきたランスは、テレビ局に持ち込む「グレイヴ・エンカウンターズ」と称する新番組の企画を立ち上げる。自前の調査隊を率いて、幽霊が出没する場所で調査と撮影を続け、手応えを感じたランスは、新たにコリンウッド精神科病院の調査に乗り出す。その病院は、広大な敷地に6棟の建物があり、1895年から1960年の間、8万人もの重度精神障害者が入院していたが、1963年の病院閉鎖後、幽霊の目撃証言が相次ぐ用になったという、曰く付くの場所だった。

撮影当日、病院に到着したランスと調査隊サシャ、マット、TCの面々は、自前の専用機材を用いて、幽霊の正体を暴こうと意気込む。ランス達はまず地元史学者に、建造当時の病院の惨状と、悪名高い精神科医がロボトミー手術を繰り返した挙句、病室から脱走した患者らにより殺された事件について聞く。

ランス達は病棟に足を踏み入れると、管理人ケニーの案内で、棟内を上から下までひと通り見て回る。ケニーは夜になると、棟内で不気味な音や気配が生じたり、窓が勝手に開いたりする事、若い女が自殺したバスタブで水の音がする事などを証言する。ランス達は病院に縁のある者達にも取材を行い、番組にとって都合の良い証言を集めていく。調査隊に霊能力者を自称するヒューストンが合流すると、一同はロビーに機材を搬入する。マットは院内の霊が出現しそうな場所を中心に、10台の固定カメラを設置し、準備は完了する。

午後10時、ケニーに外側から出口を施錠してもらうと、翌朝6時までの8時間の調査が開始する。マットをロビーに残し、ランス達は3台の暗視カメラを携行し、早速、病棟の巡回に出かける。ランスとサシャは度々、幽霊に語りかけ、反応を確かめながら暗い病棟内を進む。

4時間程経過したところで、5人は手応えが無いままにロビーに戻る。TCは一人で巡回撮影に向かい、その途中、ドアが勝手に閉まる現象を体験し、ランス達を呼び寄せる。ランス達はTCが撮影した映像を見て、心霊現象と確信し、沸き立つ。ランスとヒューストンが霊に交信を試みると、別の場所で不可解な現象が相次ぎ、4人は確認に向かうが、やがてイタズラの可能性を疑い始める。しかし、サシャが交信を始めると、見えない力で髪が浮き上がり、サシャはパニックになって逃げ出す。ランスはサシャをロビーに戻らせると、更に調査を継続する。

6時まで1時間余りとなり、証拠が十分取れたと判断したランス達は、引き揚げる準備にとりかかる。ところが、無線でマットと通信できなくなり、更に単純な構造の棟内で道に迷ってしまう。一同はなんとかロビーに辿り着き、ランスはマットに固定カメラの回収に行かせる。マットは不穏な現象を察知し、ランスに伝えようとするが、無線が通じず、異音を確認に向かった先で、そのまま消息を絶つ。

6時が近づいてもマットは戻らず、心配した一同は負傷の可能性を考慮し、ヒューストンをロビーに残して、捜索に向かう。程なくして、3人は回収途中のカメラや機材が、廊下に散乱しているのを発見し、ランス、サシャとTCで二手に分かれ、マットを探す。その直後、TCが何者かに階段から突き落とされ、ランス達が駆け付けると、3人はロビーに戻る。

6時が過ぎても、ケニーはドアを開けに来ず、携帯も通じない状況で、憤慨したTCは病院の備品で強引にドアを破ろうとし、ランスも協力する。ドアが開くと、そこは屋外ではなく、なぜか廊下に繋がっており、一同は驚愕する。一同は出口を探しに向かうが、窓は柵が打ち付けられており、どこからも出られない事を知る。更に一同は、日の出時刻を過ぎても一向に明るくならない事に当惑する。ヒューストンは磁場が影響して時計が狂っているのだと主張する。

撮影開始から半日以上経過してもケニーは訪れず、一旦ロビーに戻った4人は、疲れを癒やす為に仮眠を取る。8時間ほど経過した時、ライトが突然倒れ、一同は飛び起きる。一同は、携行した食料が全て腐敗しきっており、水だけが無事だと知る。TCが外の非常階段から屋上に伝っていける事を思い出すと、一同はその案に望みを託し、出発する。

しかし、4人は棟内の構造が迷路の様に変化する為に、どうやっても屋上へ辿りつけない事を知る。棟内を彷徨う内、4人は叫び声を聞き、その直後に超常現象が起きる。4人は慌てて逃げ込んだ一室で、仮眠を取ることにする。4人が目覚めると、眠っている間に、サシャの背中に引っかき傷で"HELLO"と刻まれていた事を知る。その直後、ランスはマットとの交信に成功し、「凍えそうだ」という声を聞く。4人はマットが近くにいると確信し、捜索に向かう。4人は走り去る人影を追いかけ、その先で女の患者を発見する。ところが、振り返ると女が幽霊だと分かり、4人はパニックに陥り、逃げ出す。その最中、ヒューストンが逸れる。

その後、ヒューストンは暗闇の棟内を彷徨う間に、見えない何かに襲われ、殺される。ランス達は逃げ込んだ先で、得体の知れぬ轟音に見舞われ、絶望する。撮影開始からおよそ2日が経過し、疲労が溜まった3人は、再び仮眠を取る。

目覚めた3人は、それぞれに自分の名前が刻印された患者用腕輪が付けられているのを知る。出口を探す3人は、その途中の部屋に患者服を着て座り込むマットを発見し、連れ出す。マットは人が変わった様に「回復したら出られる」などと、意味不明な事を口走り、ランスはマットが正気を失ったと悟る。サシャは発熱で不調を訴え、一同は再び仮眠を取る。

4人が目覚めると、部屋の壁という壁から伸びる無数の腕を目撃する。驚愕した4人は逃げ出し、浴場に辿り着く。バスタブに血が溜まっている様子を凝視するマットを、TCが連れ戻そうとすると、血溜まりから女が飛び掛かる。TCは女に引きずり込まれて、そのまま姿を消す。

エレベータを発見したランスは、シャフトを伝って地下に降りられると察知し、サシャとマットを残して、ドアをこじ開ける道具を探しに向かう。その先で、ランスは、舌を噛み切った男と遭遇し、襲われる。ランスはエレベータのドアをこじ開けると、サシャと共に男を締め出しに向かうが、その間に、マットはシャフトに身投げして死ぬ。

ランスとサシャは、シャフトを降り、地下トンネルに到達する。2人がどれだけ歩いても他の棟に辿り着く事は無く、その内に、サシャが激しく吐血し、倒れる。2人が疲労で眠り込むと、その間にトンネル内が煙に包まれ、サシャがこつ然と姿を消す。ライトの電池が尽きると、ランスは暗視カメラだけを頼りに歩みを進めるが、次第に霊の気配に正気を保てなくなり、捕らえたネズミを食らって空腹を満たす。

再び眠りこけ、目を覚ましたランスは、目の前にドアを発見し、中に入る。そこは手術室と繋がっており、放置された写真や器具から、アナトミー手術が行われている事が示唆される。更に奥に進んだランスは、禍々しい祭壇を見つける。その直後、ランスは手術中の医師達に見つかり、捕らえられると、無理やりロボトミー手術を施される。術後のランスは、これで帰れる、と締めの言葉を飾り、録画は終了する。

 

 

典型的なファウンド・フッテージ型ホラーですな。余程下手な作りでもなければ、低予算でもそこそこ面白くなってしまうのがこの手の作品の魅力。本物かどうかは分からないが、廃墟と化した精神科病棟というロケーションがいい味を醸し出している。暗闇に包まれた棟内を彷徨っているだけで、おどろおどろしくて、さながらリアルなお化け屋敷の様。悪霊は数にしてそれほど登場するワケでは無いのだが、異常な現象に翻弄され、ギャーギャー喚きながら、棟内を駆けずり回る調査隊を生暖かい目でヲチするのが醍醐味かな。本作は一応、区切り良く終わっていたが、続編は同じくらい楽しめる内容なのかしら。

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