チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ライフ・オブ・クライム

ダニエル・シェター監督作「ライフ・オブ・クライム」("Life of Crime" : 2013)[DVD]

実業家の妻を誘拐し、身代金奪取を謀る男達が、想定外の事態に翻弄されていく様を描くクライム・コメディ作品。

1978年、デトロイト。不動産業を営む実業家フランク・ドーソンとその妻ミッキーは結婚15年目で、表向きは理想的な夫婦として通っていたが、その実、関係は冷え込んでおり、口論が絶えなかった。フランクはバハマのフリーポートに出張する際、息子ボーをフロリダのミッキーの両親宅まで連れて行く事にする。既婚者でありながらミッキーに好意を抱くマーシャルは、社交クラブでミッキーを食事に誘うが断られる。

一攫千金を狙うならず者のオデールは、フランクが脱税により信託銀行に不正に蓄財している事実を掴み、妻ミッキーを誘拐した後、フランクを脅迫し、身代金として100万ドルを払わせる計画を立てる。オデールは親友のルイスに話を持ちかけると、知人のレイシストで変質者のリチャードの家を借り、監禁の準備を行う。

フランクがボーを連れて出発すると、オデールとルイスはミッキーが屋敷に一人になったのを見計らって、屋内に侵入し、マスクを被せてミッキーを連れ出そうとする。そこへ偶然、マーシャルが訪ねてくる。オデールとルイスは想定外の出来事に戸惑うも、マーシャルを気絶させ、戸棚に閉じ込めて、屋敷を後にする。

2人は誘拐したミッキーをリチャードの家に連れ込み、監禁用の部屋に閉じ込める。程なくして脱出したマーシャルは、事態を把握するも、通報せず、誘拐への関与を疑われぬように屋敷から立ち去る。

フランクはボーとフロリダで別れると、フリーポートの別荘で愛人メラニーと密会する。フランクは弁護士経由でミッキーに離婚を申請した事をメラニーに明かす。偵察により、フランクの愛人の存在を知ったオデールは、ルイスと対応を協議する。ルイスはリチャードが監禁部屋やトイレに覗き穴を作り、密かにミッキーの様子を覗っているのを知り、非難する。

オデールとルイスは、誘拐が事件として報道されていない事を訝り、リチャードにマーシャルの様子を確かめに行かせる。マーシャルの脱出が判明すると、オデールとルイスはその真意を図りかね、ミッキーにマーシャルについて尋ねる。ミッキーは親しい間柄では無いと伝える。

深夜、オデールはフランクの別荘に電話し、ミッキーの声を確かめさせた上で、翌朝、銀行で100万ドルを下ろして、小切手で指定口座に入金する様に指示し、逆らうとミッキーを殺すと脅す。一方、ミッキーはリチャードが覗いているのを察知し、穴に火を付けたタバコを突っ込む。目元を負傷したリチャードは激昂するが、ルイスが駆け付け、窘める。ルイスは甲斐甲斐しくミッキーの世話をし、その際、フランクの浮気の件と、不正に蓄財した預金が1000万ドル存在する事を伝える。

ミッキーと離婚したいが不幸は望まないと主張するフランクに、メラニーは一計を案じ、入れ知恵をする。マーシャルは悩んだ挙句、通報を試みるが、タイミング悪く家族に邪魔される。ルイスは身代金が100万ドルだとミッキーに明かすと、ミッキーは夫婦関係を顧みて、フランクが払うはずは無いと主張する。

オデールは再びフランクに電話をかけるが、電話に出たメラニーはフランクが外出したの一点張りで要求を退け、電話線を抜く。マーシャルは自らに嫌疑がかからぬように、ドーソン宅に侵入して、屋内の片付けと証拠の隠滅を図る。帰り際に警官に扮したリチャードと遭遇したマーシャルは、しらを切って逃走する。

誘拐から2日が経過し、想定外の事態が続いた事で計画が進展せず、オデールとルイスは対応に苦慮する。オデールはフランクに本気だと示す必要があると主張し、ミッキーの指を送ろうと提案するが、ルイスはそれを制止する。協議の末、オデールがフリーポートに赴く事になる。

フリーポートに到着したオデールは、メラニーを脅して留守中のフランクの部屋に押し入る。メラニーはフランクが離婚申請している事を伝えると、ミッキーを見殺しにしても自由の身になるだけで、離婚手当の年10万ドルの支払い義務も失せ、願ったり叶ったりとなり、誘拐には時期が悪いと告げる。メラニーは現実的に10万ドルで手を打つよう、オデールに提案する。

オデールはリチャードに連絡し、ルイスに車を手配させ、ミッキーを屋敷に返し、戸棚に閉じ込め、ルイスには内緒でミッキーを殺す様に指示する。リチャードから指示を聞いたルイスは、オデールが直接自分に伝えない事を訝るが、金が入ったという言葉に安心する。ルイスはミッキーに帰れる事を伝えると、ミッキーはあり得ないと主張し、罠だと疑う。ルイスが車の調達に出かけると、欲情したリチャードはミッキーに襲いかかる。そこへルイスが帰宅し、リチャードを退けると、ミッキーを連れて車で逃げ出す。リチャードは銃で発砲を繰り返しながら車を追いかけ、偶然通りかかったパトカーに跳ねられると、家に逃げ込み、立てこもる。

オデールと関係を持ったメラニーは、フランクが離婚を取りやめ、帰宅する意向だと伝え、ミッキーの殺害を中止する様に告げる。リチャードは応援で駆け付けた警官隊の突入で射殺される。ミッキーが帰宅を拒んだ為に、ルイスはミッキーを自宅へ招く。ミッキーは金が払われた確証は無いと主張し、一時の安らぎを得ると、帰る決心をする。

翌日、帰宅したミッキーは社交クラブでマーシャルと遭遇し、絶縁する。程なくして帰宅したフランクは、誘拐グループが身代金を自ら諦めたとミッキーに告げるが、ミッキーは殺されたかも知れないと憤慨し、浮気と隠し口座の件を問い質す。しらを切るフランクに、ミッキーは蓄財のスキームを把握している事を明かし、訴訟を仄めかす。フランクはミッキーの見違える変化に驚く。

再びルイスの元を訪ねたミッキーは、オデールが連れてきたメラニーと対面する。意気投合したオデール、ルイス、ミッキーは、メラニーを誘拐して、再びフランクから身代金を要求しようと企む。

 

 

ジェニファー・アニストン主演の割には比較的地味な作品ではあるものの、ダサダサなマスクをされて誘拐される女の役として、非常に良い味を出している。脚本にもう少し締まりがあると良かったのだが、脇を固めるキャストが何気に名優揃いで、繰り広げる軽妙なやり取りがどれも可笑しい。マーシャルがいったい何をしたかったのか、いまいち理解できなかったが、単に保身に走った優柔不断な男ってところだろうか。しかし、アニストンは良いよなぁ。

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