チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ラン・オールナイト

ジャウマ・コレット=セラ監督作「ラン・オールナイト」("Run All Night" : 2015)[BD]

老いた殺し屋が、自分の息子を守る為にボスの息子を殺した事で、マフィアと警察に追われる身となり、夜を徹して街を逃げ惑う様を描くアクション・スリラー作品。

「墓掘り人」の異名を持つ元殺し屋のジミー・コンロンは、長年に渡りその手にかけてきた被害者達の悪夢に苛まれ、酒に溺れる。その落ちぶれた姿は組織の若手達に嘲笑される。長年の間、マフィアのボスとしてニューヨークの裏社会を牛耳ってきたショーン・マグワイアは、忠実な部下であり、親友でもあるジミーを気にかけ、世話を焼く。ジミーの息子で元ボクサーのマイクは、リムジンの運転手を生業とする傍ら、父親のいない子供向けの支援プログラムに参加し、ジムで子供にボクシングを教える。マイクは二人の幼い娘と第三子を身籠る妻ガブリエラと穏やかな日々を過ごすが、一方で家庭を顧みる事のなかったジミーを憎み、家族からその存在を消そうとする。

クリスマス。ショーンの息子ダニーは、一日も速く一人前となり父に認められたいと考え、アルバニアンマフィアと組んで、ヘロインの密輸を図ろうと画策する。ダニーはアルバニアンマフィアと共に、ショーンに協力を請うが、ショーンは時代の変化を説き、合法的な事業にしか協力できないと頑なに拒否し、交渉は決裂する。マフィアの男は話が違うと憤り、口利き料の返還を要求し、拒めば命が無いとダニーを脅す。ダニーはショーンに食って掛かるが、ショーンは麻薬とは縁を切った事を明かし、自分でケリを着ける様に命じる。

その夜、ジミーとショーンは互いによき理解者同士、昔語りに興じる。ジミーは罪悪感による悪夢で眠れない事を打ち明け、自分の人生にはもう誰も残っていないと嘆く。ショーンは予てから二人の合言葉としてきた、一線を超える時は一緒だと告げ、慰める。

ジミーはダイナーに訪れ、そこで殺し屋時代からの腐れ縁の刑事ハーディングと遭遇する。ハーディングは検事までショーンに買収され、犯罪者が野放しになっている現状を嘆くと、ジムに殺した人間の正確な数とその名前を執拗に問い質し、被害者から新たな情報を求めて手紙が届き続けている事を明かす。

マイクはリムジンにアルバニアン・マフィアの二人組を乗せ、ダニーの住処で下ろす。マフィア二人組はダニーに金を要求するが、ダニーは二人を欺き、片方を射殺する。その頃、外で待つマイクの元に教え子レッグスが現れ、マイクは請われるままにリムジンに乗せてやる。そこへ逃走してきたマフィアがダニーに射殺され、その一部始終をマイクが目撃し、レッグスは携帯で撮影する。マイクは咄嗟に走り去ろうとするが、ダニーが銃を突きつけ、制止する。マイクが屋内に連行されると、レッグスは隙を見計らって逃走する。マイクは抵抗し、ダニーとその手下を退けると、屋内の様子を見て事情を悟り、住宅街に逃げ込んでダニーの追跡から逃れる。

自室で一人寛ぐジミーは、ショーンから連絡を受け、拳銃を携えてマイクの自宅へ向かう。いち早く帰宅したマイクは、義兄リッキーの家を訪ねているガブリエラに連絡し、そのまま留まる様に指示する。そこにジミーが訪ねてくる。ジミーはショーンに頼まれ、秘密裏に事を収める為にやってきたと告げるが、マイクは5年ぶりの来訪がショーンの命令だと知って憤慨し、激しく罵る。ジミーは、黙っていればショーンからマイクに金が支払われる事を示唆し、立ち去る。その頃、ダニーとその手下がマイクの自宅を突き止め、裏口から侵入を図る。屋外でダニーの車を発見したジミーは、咄嗟に屋内に戻り、マイクに拳銃を向けたダニーを射殺する。

ジミーはその場でショーンに連絡し、ダニーを殺した事を伝える。衝撃を受けたショーンは、ジミーとマイクの命が無いと宣告する。ジミーは一線を超える時は一緒だと応じる。マイクは制止するジミーを追い出した後、通報し、ジミーによる犯行を主張する。指令を受けた、ダニーの子飼いの汚職警官二人がマイクの自宅に現れ、マイクを脅して拘束すると、パトカーで連行する。外で張り込んでいたジミーはパトカーを追跡する。ショーンの手下のフランクが現れ、パトカーを先導し始めると、ジミーはパトカーを急襲する。激しいカーチェイスの後、パトカーは運転を誤り、横転して店舗に激突する。ジミーはマイクを救出すると、警官を射殺し、地下鉄に逃げ込む。ジミーは構内に追ってきたフランクを撃退し、マイクと共に列車に乗り込み、逃走する。

ジミーはショーンがマイクに繋がる者全員に手下を向ける事、警察は警官殺しを司法に引き渡さずに身内で処理を図ろうとする事を説き、自分を信じて一晩生き延びる事だけを考える様に命じると、ケリが着かなければ自分が自首し、二度と会うことは無いと告げる。ショーンは、マイクをアルバニアン・マフィア殺しの犯人に仕立て上げる様に、手下に命令する。ハーディングはジミー逮捕のまたとない好機に意気込む。

ジミーはマイクに、リッキーの元に妻子の安全を確かめに行くように指示すると、自らはショーンと話を着けに向かう。その途中、ジミーはハーディングに連絡し、警官殺しの自首と引き換えにマイクを救うための助けを請う。ハーディングはジミーが殺した全員の名前を教える事が条件だと告げる。リッキーの家に着いたマイクは、ガブリエラに事情を話し、荷物を纏めて逃げる様に指示する。そこにショーンの手下が現れ、家族を匿っていると疑われるが、マイク達は身を隠し、辛うじてやり過ごす。

ジミーはショーンとレストランで落ち合う。ショーンはダニーの昔語りをすると、もう二度と幸せになることは無いと告げる。ジミーはマイクの命乞いにやってきた事を明かし、マイクと家族だけは見逃す様に請い、その為ならなんでもすると告げる。ショーンはジミーがダニーを殺した事で関係は終わったとし、マイクを殺した後、再びこのレストランで会い、自分と同じ境遇に遭わせた後にジミーを殺すと告げる。店を出たジミーは、手下の追跡を躱すと、マイクの元に訪れる。ジミーはかつて親子で過ごしたノース=サウス湖の山小屋に身を隠す様に、マイクに指示する。マイクは妻子をリッキーに任せ、車を見送ると、レッグスが一部始終を目撃した事を明かし、二人で捜索に向かう。一方、ショーンはジミーと因縁の仲の殺し屋プライスにジミー殺害を要請し、プライスは快諾する。

道中、マイクはボクシングに心残りがある事をジミーに打ち明ける。ジミーは密かにマイクの試合を観戦していた事を明かし、マイクには戦いの本能がかけていた事を指摘すると、チャンスは一度しか無いと説く。マイクはジミーが家を出た事を責めるが、ジミーは家族を危険から遠ざける為にやむを得なかったと明かし、マイクに自分よりマシな人生を望んだが故だと詫びる。その頃、プライスはマイクの自宅に侵入し、山小屋の存在を知る。

ジミー達はレッグスの暮らす団地で捜索を始めるが、その最中、報道を見た住人に通報され、団地は警察により包囲される。マイクはレッグスの弟を発見すると、急用だと伝える様に告げる。警察の一斉捜索が始まると、通報を傍受したプライスも団地に侵入し、停電させる。その直後、退避を命じられた一室から火災が発生する。プライスは警察を退け、ジミー達を探しに向かう。ジミー達は避難する住民に紛れて、逃走を図るが、そこにプライスが現れ、銃撃し、住民らにパニックが生じる。ジミーはプライスに対処する為に、マイクを一人で逃す。炎上する部屋で激しい格闘を繰り広げた後、ジミーがプライスを追い詰めると、戻ってきたマイクが銃を突きつけるが、ジミーはマイクの殺人を制止する。そこに警察が突入し、ジミーとマイクは逃走、プライスも警察を退け、逃走する。ジミー達は包囲網を掻い潜り、団地から脱出する。

ジミーはマイクと共に、兄エディの元へ身を寄せ、傷の手当を行う。ジミーを嫌悪するエディに、ジミーはマイクの為に協力を請う。エディはジミーが忠誠を尽くすのがショーンだけであり、その為には家族さえ裏切ると告げ、ジミーがかつて口封じの為にいとこを殺した事を明かす。それを聞いたマイクは一人で飛び出す。

ジミーは母マーガレットの入院する病室を訪ねると、メモを認める。一方、マイクは妻子の待つ山小屋に到着する。ジミーはショーンに連絡し、手を引く様に促す。ショーンが拒むと、ジミーは最後の一線を超えると告げ、根城であるパブを急襲する。ジミーがショーンの手下を全滅させると、ショーンは裏口から貨物車の待機場に逃げ込む。ジミーはショーンを線路脇に追い詰め、射殺する。夜が明けると、レッグスが出頭し、ハーディングに携帯で撮った映像を見せ、マイクが自らのメンターだと主張する。ハーディングは証拠の洗い直しを指示する。そこへマイクから出頭する旨の連絡が入る。

ジミーは自らが手にかけた被害者リストを携え、山小屋に到着する。マイクは警察が来る事を伝えると、ジミーはショーンの心配はもう不要だと伝え、警察に全てを話すと告げる。ガブリエラはジミーを娘達に会わせる様にマイクに促し、ジミーは孫娘との初めての対面を果たす。マイクはジミー逮捕の瞬間を見せぬ様に、娘達を湖に連れ出す。ジミーは幸せに満ちた家族の様子を見て相好を崩す。そこにプライスが現れ、ジミーを銃撃し負傷させる。ジミーはプライスがマイク達の元に向かったのを確認すると、ライフルを携え、その跡を追う。ジミーはプライスを狙撃し、負傷させるが、反撃を受け、致命傷を負う。プライスは執拗にマイクを狙い、マイクも銃で応戦するが、窮地に陥る。ジミーは最後の力を振り絞ってプライスを射殺し、マイクを救う。マイクはジミーの元に駆け寄り、最期を見取る。そこへハーディングが到着し、ジミーの握りしめた被害者リストを受け取る。

マイクと妻子に再び穏やかな生活が戻る。マイクはかつてジミーと撮った唯一の写真を部屋に飾る。

 

 

この監督はよほどリーアム・ニーソンと相性が良いのか、3作続けてニーソンを主演に据えている。今作のニーソンは自分が殺めた者達の悪夢に苛まれる元殺し屋の役で、多少の老いぼれ感を表現してはいるものの、基本的にニーソン自体は高潔なイメージだから、どうも96時間とかその辺のカッコいいお父さんのイメージと重なってしまうのよね。序盤は足取りも覚束ない様なおっさんだったのに、いざ息子を守る必要に迫られると殺し屋としての精彩を放ち始め、いつもの凄腕お父さんに変わってしまう。まぁ、それを期待して観てると言えばその通りなのだが(笑)熟年俳優は数多おれど、この激シブ感を醸し出せる俳優はそうそういないしな。スリラーとしてはさほど意外性を追求した作りでは無かったが、アクションシーンはどれも印象的で良かった。ニーソンが死ぬのも新しい。日本でもこれくらいの齢のカッコいいおっさんが主演で活躍するアクションがあっても良いのに。

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