チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ビッグ・アイズ

ティム・バートン監督作「ビッグ・アイズ」("Big Eyes" : 2014)[BD]

大きな目が特徴的な子供の絵を描く、画家マーガレット・キーンの波瀾万丈な半生を描いた伝記ドラマ作品。

1958年、北カリフォルニアの住宅街に暮らすマーガレット・ウルブリッヒは、横暴な夫に耐え兼ね、娘ジェーンを連れて家を出る。サンフランシスコのノースビーチに移ったマーガレットは、生活費を稼ぐ為に早速、就職活動を始める。男性優位の時代にあって離婚し、更に働いた経験の無いマーガレットの就職は難しかったが、唯一の取り得である絵画の腕を売り込み、家具工場に働き口を見つける。その傍ら、マーガレットは自らの独特な作風で描いた「ビッグ・アイズ」の絵を路地で販売する。そこでマーガレットは風景画を専門とするウォルター・キーンと出会う。ウォルターはパリの美術学校で学んだ後、仕事を辞め、離婚し、画家の道を選択した事を明かし、マーガレットの絵を評価する。マーガレットは娘から妻、妻から母親となった身の上故に自由を知らず、ジェーンの絵ばかり描いている事を嘆くが、ウォルターはマーガレットには才能があると励ます。

マーガレットとウォルターはデートで意気投合し、すぐに親密な関係になる。ウォルターがビッグ・アイズの作風の理由を尋ねると、マーガレットは目が心の窓だと主張する。程なくして、ウォルターが不動産業を営んでいる事が発覚する。ウォルターは画家として身を立てたかったが、勇気がなくて日曜画家に甘んじている事を打ち明ける。その直後、ジェーンの親権がマーガレットには不適格と判断され、元夫に移るという裁判所からの通知が届く。それを知ったウォルターがすかさずマーガレットにプロポーズすると、マーガレットは快諾し、ジェーンは無事留まる事になる。2人はハワイで挙式を行う。

ウォルターは画廊に自分の風景画を売り込むが、退屈だと拒絶され、マーガレットの絵に至っては芸術では無いと扱き下ろされる。ウォルターは行きつけのクラブの店内に絵を飾れないかと考え、オーナーのバンドゥッチに頼み込み、トイレへの通路の壁を借りて絵の展示を始める。しかし、場所が場所なだけに興味を示す客は少なく、一人の客にビッグ・アイズを話の流れで自分の作品と偽って売る。ウォルターは場所の悪さをバンドゥッチに毒づき、乱闘騒ぎを起こして逮捕される。

保釈金を払い釈放されたウォルターは、自分の名でビッグ・アイズを売った事をマーガレットに弁明する。程なくして、バンドゥッチとの騒動が新聞記事となり、乱闘の元になった絵と称して展示していた絵が完売する。ウォルターはゴシップ専門の記者ノーランのインタビューを受け、促されるままにビッグ・アイズについて語り、その記事が更にビッグ・アイズの人気に火を着ける。それ以来、マーガレットが絵を描き、ウォルターが売るという共同作業が始まる。

ある時、マーガレットは、ウォルターが自らの手でビッグ・アイズを描いていると吹聴する場に遭遇し、事情を問い質す。ウォルターが金儲けの為だと弁解すると、マーガレットは拒絶するが、最終的には言い包められる。その後、大口の顧客を得て、絵は売れ続け、マーガレットはなし崩し的にウォルターに従わざるを得なくなり、現実を受け容れる。ウォルターはノーランの書く記事を利用し、更に絵を広めていき、遂には自前の画廊を開く事になる。マーガレットはジェーンにウォルターの作品だと嘘をつき続ける事に苦悩し、教会で懺悔するが、神父にはウォルターの判断に従う様に諭される。

1960年、キーン画廊がオープンし、パーティは盛況を博す。ところが、ニューヨーク・タイムズの芸術評論家キャナディからビッグ・アイズがこっ酷く批判される。マーガレットは部屋にこもりきりで、制作を続ける事を嘆くが、ウォルターはテレビ番組に出演し、絵の弁護を行う必要があると訴え、ビッグ・アイズの発想の源についてマーガレットに尋ねる。マーガレットは逆にウォルターの風景画の発想の源について問い返す。結局、ウォルターは番組内で自分の話を織り交ぜ、ビッグ・アイズについて語る。番組は視聴者の歓心を呼び、画廊に客が殺到する。ところが、客は高価な絵には見向きもせず、その代わりに安価なポスターが飛ぶように売れる。

マーガレットはアイデンティティを保持すべく、ビッグ・アイズとは別に新たな作風を開発する。マーガレットはその絵を自分のサインで売ると主張するが、ウォルターはビッグ・アイズの秘密を隠すという約束は守る様に厳命する。ある時、ウォルターに前妻との娘がいる事が発覚する。マーガレットはその事実を一度も話さなかった事を責め、嘘を重ねる理由を問い詰める。

1963年、一家はカリフォルニア州ウッドサイドの豪邸に移る。マーガレットは秘密を守りながら、アトリエにこもりきりでビッグ・アイズの制作を続ける。ある時、マーガレットは物置からウォルターの昔の風景画を発見する。ところがその絵のサインはシニックという名義の別人である事から、マーガレットはキーン名義の風景画のサインを剥がすと、その下からシニックのサインが現れる。マーガレットがウォルターに真実を問い質すと、ウォルターはパリ時代の名だと偽るが、マーガレットはウォルターが絵を描いているところを見た事が無く、そもそもウォルターが画家ですら無い事を悟る。パリに行った事が無いと指摘されたウォルターは激昂し、画家になるのが夢だったと嘆く。それ以後、マーガレットはウォルターとの関係を閉ざす。

1964年、ニューヨーク万博の開催が近づく。マーガレットの新作に買い手が付くと、ウォルターはそれすらもキーン名義で描くようにマーガレットに命じ、脅す。マーガレットは孤独を貫き、ジェーンにも嘘を付いて我慢してきたのだと反駁する。ウォルターは万博初日に大傑作を発表しようと目論み、ユニセフがスポンサーの教育館に飾る巨大絵の制作をマーガレットに強いる。ある夜、ジェーンがアトリエに忍び込むと、制作に疲れて寝入っていたマーガレットは驚き、弁解する。ジェーンは全て気付いていたと打ち明ける。教育館に完成した巨大絵が搬入されると、それを見たキャナディは憤慨する。

1964年4月、ウォルターとマーガレットは万博開幕直前のパーティに出席する。そこでウォルターは、キャナディがその日の新聞記事で巨大絵を酷評している事を知って激怒し、主賓として訪れていたキャナディに人目を憚らず抗議し、批評家と画家の違いを説く。しかし、キャナディは金儲けの為の低俗な絵だと喝破する。その後、巨大絵の展示は中止される。ウォルターはマーガレットの絵で恥をかかされた事に憤慨し、マーガレットとジェーンに当たり散らすと、遂には危害を加えようとする。マーガレットはジェーンを連れて家を出る。

二人はハワイのホノルルに移住し、穏やかに暮らし始める。1年後、マーガレットは裁判所を通じて、ウォルターに別居命令と離婚要求を伝える。ウォルターは条件として、すべての絵の権利と、更にビッグ・アイズの新作を100枚要求し、マーガレットは已む無く承諾する。

程なくして、マーガレットはエホバの証人と出会い、その教義に傾倒していく。マーガレットは地元のラジオ番組に出演して、真実を告白し、ウォルターと戦う決意をする。その報せが全米を席巻すると、戦慄したウォルターはノーランに根回しを依頼し、宗教に嵌ったマーガレットの暴走だと訴える。その後、新聞記事でマーガレットの主張が嘘だと喧伝されると、マーガレットは名誉毀損で訴訟に持ち込む。

ホノルル地方裁判所で、原告マーガレット、被告ウォルターと新聞社による、慰謝料1700万ドルをかけた口頭弁論が行われる。新聞社は大量の証拠を提出し、虚偽罪についてはマーガレットの訴えが即座に却下される。新聞社は弁護士と共に引き揚げ、被告にはウォルターだけが残る。ウォルターは自ら弁護人に成り代わり、自身の弁護を始める。一方、マーガレットは娘との生活の為に強制されてきた事を真摯に訴える。裁判長はウォルターとマーガレットの夫婦喧嘩に辟易し、法廷で二人に実際に絵を描かせて決着を図る事にする。二人には互いに同じ道具が用意され、1時間が与えられる。絵を完成させたマーガレットに対して、ウォルターは何も描けず、マーガレットの主張が認められる。

その後、ウォルターは自分が作者だと主張し続けるも、2000年に無一文で他界する。マーガレットは再婚し、ハワイからサンフランシスコに移った後、画廊を開く。マーガレットは現在も絵を書き続けている。

 

 

世情に疎いもので、ビッグ・アイズという絵の事も作者マーガレット・キーンの事も全く知らなかった。パッケージからファンタジーを想像していたので、ちょっと期待した内容とは違った。大きい目の絵は、自ずと日本の漫画やアニメを想像してしまうからで、本作もアニメ要素でもあるかと思ったワケだが、実際は事実を元にしたドラマで、一人の女性の半生としては割りと波乱万丈だが、物語としては無難な仕上がりだと思う。ウォルターは詐話師で人間性には悪辣な部分があるが、その反面、マーガレットの絵が世に知れ渡るきっかけを作ったのだから、憎みきれない存在だ。尤も、これはクリストフ・ヴァルツが演じるから面白おかしく見えているだけで、本当はサイコパスの様な人間かも知れない。そうでなければ、人並み程度には商売の才覚があるのに無一文で死ぬだろうか。それはさておき、エイミー・アダムスのむちむちぶりが良いですな。僕とそう年齢が変わらんのよね。

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