チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

モンスター 変身する美女

ジャスティン・ベンソン,アーロン・ムーアヘッド監督作「モンスター 変身する美女」("Spring" : 2014)[DVD]

憂さ晴らしをすべく旅に出た男が、訪れた町で若い女と恋に落ちるも、その女の宿す恐ろしい秘密に翻弄されていく様を描くロマンティック・ホラー作品。

カリフォルニアで暮らすエヴァンは、父親を心臓発作で亡くし、その数ヶ月後に母親をガンで亡くす。エヴァンは母の看病の為に大学を辞め、酒場でコックをしていたが、葬儀の後、店で酔っぱらいに絡まれ、暴力を振るった事で店を解雇されてしまう。エヴァンは憂さ晴らしを兼ねて、宛もなく新天地を求めてイタリアへ旅立つ。

エヴァンはローマのバーでウェールズから来た男二人組に出会い、誘われるままに海沿いの小さな町まで同行する。エヴァンはそこで魅力的な若い女にアピールされ、声をかける。女が唐突に自宅に誘った為に、困惑したエヴァンは女を不審に思い、最初にデートを提案するが、女はそれを拒んで立ち去る。

翌日、ホテルで二人組と別れたエヴァンは、町に留まるべく、オリーブ農家アンジェロの元で住み込みの農作業を見つける。その後、エヴァンは町中で女と再会する。エヴァンはルイーズというその女に、町に住む事にしたと伝え、改めてデートに誘う。ルイーズはそれをはぐらかし、美術館へ誘うと、自らが進化遺伝学の研究を行う学生だと明かす。その夜、ルイーズにラブレターを書くように促されたエヴァンはそれに応じ、新しい事で再起を図りたいという意思を明かす。意気投合した二人は肉体関係を持つ。その直後、ルイーズは自らの体に悍ましい変化を自覚し、黙ってエヴァンの元から去る。

翌日、エヴァンはアンジェロの元で農作業を行いながら、気ままに過ごす。その一方、ルイーズは変化を抑制する薬を注射する。エヴァンは町中でルイーズと再会し、自宅に招かれる。ルイーズは数ヶ国語を自在に話せる事を明かす。再び変化が顕れ始めると、ルイーズは浴室に駆け込み、注射で抑制する。その後、ルイーズは何事も無かった様にエヴァンに料理を振る舞う。

翌日、エヴァンは仕事へ向かう為に先に部屋を出ようとするが、その際に浴室で使用済みの注射器を見つける。その夜、エヴァンはルイーズに注射器の件を尋ねる。ルイーズは面倒な病気に罹っているとのみ告げる。ルイーズはエヴァンに家族について尋ねるが、エヴァンがそれを拒むと、ルイーズは憤り、大切な話ができない人とは仲良くなれないと告げる。エヴァンは両親を立て続けに亡くし、参っている事を打ち明け、ルイーズはそれに同情する。エヴァンは人生を不意にし、意に反して酒場で働くしか無かった不遇を嘆くと、利己的な自分への罪悪感を明かす。ルイーズはその話のお返しとして、瞳の色が左右で違う事を明かす。

翌日、エヴァンが農場で働く一方で、ルイーズには再び変化が生じ、自宅で飼っていたうさぎを携え、人気の無い洞穴に向かう。ルイーズは悪魔祓いの儀式に臨むも効果は無く、衝動のままに生け贄にしたうさぎを食べると、変化を抑制させる。その夜、エヴァンはルイーズの家を訪ね、不調を訴えるルイーズを気遣う。エヴァンはうさぎがいなくなっている事に気付き、所在を尋ねるが、ルイーズはそれをはぐらかす。

翌日、エヴァンは一人で町を巡った後、ルイーズに会い、美術館で購入したオッドアイの女の肖像画を収録した美術書をプレゼントする。その後、エヴァンはルイーズに誘われ、秘密の場所と称する天然の洞窟にボートに乗って向かう。その夜、レストランで食事を共にする内に、ルイーズの体に再び変化が生じ始める。ルイーズはエヴァンと別れ、慌てて帰路に就くが、変身を抑えられずに、娼婦と誤解して近寄ってきた男を襲う。

翌夜、エヴァンは再びルイーズの家を訪ねるが、ルイーズは一人でしなければならない仕事があると告げ、突然別れを切り出す。困惑したエヴァンは本当の理由を尋ねるが、ルイーズは説明を拒み、もう会わない意向を示す。エヴァンはルイーズへの真摯な愛を告げ、翻意を促すも、ルイーズの元を去る。

翌日、エヴァンはアンジェロに仕事を辞める事を伝える。その際、アンジェロから移民局がエヴァンを追っている事を伝えられる。その夜、エヴァンは再びルイーズの家を訪ねる。窓越しに血痕を見つけたエヴァンは、室内に押し入り、そこでモンスターと化し、苦しみ這い回るルイーズと遭遇する。当惑したエヴァンは襲われそうになりながらも、ルイーズの傍にあった注射器を使って変化を抑える。

ルイーズは胚性幹細胞で自己複製する事で、齢を取らず、怪我もすぐ直る体である事を明かすと、更にエヴァンとのSEXでその細胞を受け取り、一週間後には半分新しいDNAを持つ20歳の自分が出来上がると説明する。ルイーズはそうやって20年毎に新たな細胞を貰い続けて、2000年以上生き続けてきており、20年毎に違う顔として生まれ変わる事で、その度に新たな人生を始めてきたのだという。ルイーズは細胞が働く時に体が太古の怪物に代わり、見境なく生き物を殺す暴走が制御できないと明かす。落ち着きを取り戻したエヴァンは、ルイーズを受け入れる意思を伝えるが、ルイーズはそれが無理だと告げる。エヴァンは残りの時間を普通の男女として過ごさねば後悔すると説得を試みるが、ルイーズは永遠に生きる為にSEXをしただけで、エヴァンを愛していない事を伝える。ルイーズは自分の成体幹細胞を使えば、一度の命で終わるが、それを選択するのは体であり、意思ではないと説明すると、妊娠から7日後、すなわちあと1日で細胞が代謝を始める事を明かす。

移民局の警官と遭遇したエヴァンはルイーズと共に町から逃亡し、ナポリに向かう。エヴァンは永遠の命を諦める様にルイーズに促す。教会を訪ねると、ルイーズはこれまでの生まれ変わりの長い人生で経験してきた事を語る。その最中、変化が始まり、ルイーズは注射で抑制する。ルイーズはオキシトシンの分泌量が多ければ、胚細胞が阻害され、自らの成体幹細胞を使う反応が起きる事を明かし、エヴァンを心から愛していれば変化する事なく、通常の妊娠に移行する事を示唆する。エヴァンは心からの愛を伝え、ルイーズにも自分を愛するように促す。エヴァンはルイーズに誘われ、生まれ故郷と称する火山の噴火によって埋もれた古代遺跡へ向かう。

遺跡に到着すると、ルイーズはエヴァンを両親の亡骸の場所へ誘い、母親もまたルイーズと同じ境遇でありながら、夫とルイーズを愛した為に不死を諦めた事を明かす。夜が更けると、ルイーズは変異の瞬間が最も危険で恐ろしくなると伝える。二人は夜を徹して語り合い、エヴァンはルイーズの愛情に訴えかける。夜明けが迫り、その時が近づくと、エヴァンは有限の時間がいかに素晴らしいかを語り聞かせる。ルイーズは変身する事無く、二人は朝を迎える。

 

先日観た「V/H/S ファイナル・インパクト」内の作品でこの監督の事を知り、丁度リリース間もない本作を観てみる事に。傷心旅行でイタリアに訪れた男が、若く魅力的な女に一目惚れし、SEXまで辿り着いたのは良かったが、なんとその女はSEXによって男の胚性幹細胞を貰う事で、生まれ変わりを果たし、永遠の命を生き続ける悍ましい存在だったから、さあ大変という話。科学的に詳しい説明はほとんど為されないので、その辺はスルーするとして、妊娠中に女がなぜか発作的に触手を持った異形のモンスターに変身するというのが、ちょっとおバカっぽいホラー要素で、それ以外は割りと真面目でストレートなラブストーリーなノリである。邦題でガチ系ホラーを想像すると、きっと肩透かしを喰らうだろう。低予算系のB級ではあるが、ロケーションは良いし、全体的な雰囲気も良かった。

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