チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

マッドマックス 怒りのデス・ロード

ジョージ・ミラー監督作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」("Mad Max: Fury Road" : 2015)[BD]

荒廃し尽くし、暴力により支配された世界で、自由を求めて逃走を企てる者達の勇姿を描くアクション作品。

人類による核戦争の末、荒廃した近未来の世界。人類は世界の崩壊に伴い、病と狂気に蝕まれ、石油と水の奪い合いに明け暮れる。かつて警官として使命に燃え、悪を追ってきたマックスは、暴力に支配された荒野の世界で幻覚に苛まれながらも、愛車インターセプターに乗って孤独に彷徨う。

ある時、マックスは武装集団の猛追に遭い、愛車を横転させられた末に捉えられる。イモータン・ジョーの支配するシタデル砦に連行されたマックスは奴隷とされ、ジョーの率いるウォーボーイズの一人で不治の病を患うニュークスの輸血要員となる。

自らを救世主と自称するジョーは、砦に集まった打ち捨てられた人々に僅かな水を与え、自身への称揚と隷従を強いる。左腕を機械の義手に換装している大隊長フュリオサは、ジョーの命令でガソリンと弾薬を補充すべく、ウォータンクに乗り込み、ウォーボーイズを率いて砦からガスタウンへ出発する。

フュリオサはガスタウンへの道中、命令に反して突然ルートを変える。ジョーは砦からフュリオサ一行のルート変更を確認すると、敵の領地に向かっている事を悟り、その真意を推し量る。その直後、ジョーは今まさにジョーの子を身籠るスプレンディドを筆頭に、子産み女達が一斉に脱走を図った事を知る。フュリオサの裏切りを確信したジョーは、息子リクタスとウォーボーイズで編成した大軍を率いて、子産み女の奪還に向かう。寿命が近いニュークスは、崇拝するジョーの為に貢献したいと考え、マックスを車に縛り付けて、軍に加勢する。

逃走を図るフュリオサのウォータンクを、敵軍の車両が取り囲んで熾烈な攻撃を仕掛ける。フュリオサの意図を知らぬウォータンクの上のウォーボーイズは、敵軍に応戦する。そこへジョーの軍団の先陣が到着し、ニュークスの車が一番乗りを果たす。ウォータンクを執拗に攻撃する敵軍を、ウォーボーイズは総出になって撃退する。ウォーボーイズはフュリオサを殺して、タンクに潜む子産み女を奪還しようと試みる。ところが、目前に巨大な砂嵐が出現し、車列に接近する。フュリオサは砂嵐に突入し、ジョーの軍団から逃げ切ろうと画策するが、ニュークスは決死の覚悟でウォータンクを追って砂嵐に突入する。拘束を解いたマックスは、車両後方に身を隠し、辛うじて砂嵐をやり過ごす。ニュークスが車を自爆させて、ウォータンクを止めようとしている事を察知したマックスは、それを妨害する。その隙にフュリオサはニュークスの車を大破させ、追跡から逃げ切る。

砂嵐を抜け、砂の中で目を覚ましたマックスは、鎖で繋がれたままで意識を失っているニュークスを担ぎ上げ、停車しているウォータンクに接近する。休息を取るフュリオサと子産み女達スプレンディド、トースト、ケイパブル、ダグ、フラジールの前に姿を表したマックスは、水を要求した後、女にボルトカッターで鎖を切る様に命じる。フュリオサは隙を見計らってマックスを殺そうと企てるが、マックスはそれを退ける。女達が総出でマックスを抑えにかかると、目を覚ましたニュークスがマックスに加勢する。マックスは戦いを制し、フュリオサを取り押さえる。遠方からジョーの軍団が接近するのを察知したマックスは、ウォータンクを奪い、フュリオサ達を残して走り去る。ところが程なく、ウォータンクはキル・スイッチで停車する。フュリオサはそれが自分にしか動かせない事を明かすと、運転と引き換えに女達全員を乗せて、緑の地を目指す様に要求する。フュリオサが時間を稼ぐために出発を急かすと、マックスは已む無く要求に応じる。ニュークスは密かにウォータンクに追いつき、車内に侵入する。

出発して程なく、ウォータンクが谷に差し掛かると、ニュークスはフュリオサに襲いかかるが、女達の抵抗に遭い、取り押さえられる。その頃、後方にはジョーの軍団の他に、ジョーの仲間で、ガスタウンを支配する人食い男爵率いる軍団と、バレットファームを支配する武器将軍率いる軍団が接近する。ウォータンクから投げ落とされたニュークスは、ジョーの軍団に駆け寄る。

フュリオサは予め谷を根城とする暴走族と通行の取引をしていた事を明かす。フュリオサはガスタンク内のガソリンと引き換えに道を塞ぐ様に暴走族に要求するが、暴走族は追手が大軍では話が違うと主張し、交渉が決裂する。フュリオサは強引に通行する事を決め、谷を抜けると、暴走族は道を塞ぎ、ウォータンクを猛追する。ジョー、男爵、将軍らからなる大軍は足止めを食らう。ニュークスはウォータンクに乗った事を告げてジョーに取り入り、ジョーの車に乗る。

ウォータンクが暴走族を退けると、谷を抜けたジョーの車が単体で接近し、猛攻を仕掛ける。ニュークスは命を賭して子連れ女を奪還する事をジョーに申し出るが、ウォータンクに乗り移った直後に転倒し、ジョーを失望させる。ウォーボーイズの攻撃でウォータンクのハンドルが奪われると、自制を失った車両からスプレンディドが落下し、後方のジョーの車に轢かれ、ジョーの車は横転する。ジョーとリクタスはスプレンディドの死に憤激する。スプレンディドの死に、残った子産み女達は動揺するが、フュリオサは遥か遠くにある緑の地を目指す決意を新たにする。

後方の見張りに付いたケイパブルが、車内に潜むニュークスを発見する。ニュークスは自分のせいでスプレンディドを死なせ、ジョーの怒りを買ってしまった事で失意に暮れる。ケイパブルはニュークスが死ななかったのはそれが天命で無かったからだと慰める。ニュークスは肩の腫瘍を見せ、寿命が近い事を明かす。

夜、ウォータンクが泥濘んだ地域に差し掛かると、マックスらは罠を仕掛け、ジョーの軍勢を削ぐ。人食い男爵は大損害を被った上、泥濘で足止めを食らった事を嘆く。ジョーはスプレンディドの胎内の赤子を摘出させ、それが男児で既に死んでいる事を知る。

程なく、ウォータンクも泥濘にタイヤを取られて停車する。そこへ武器将軍が接近すると、フュリオサが狙撃し、目を潰す。将軍はマシンガンで四方八方に攻撃を始め、マックスらは防戦を強いられる。ニュークスの協力でウォータンクを動かす事に成功するが、エンジンに負荷が掛かり過ぎ、再び停車する。マックスは単身、将軍の撃退に向かい、大量に武器を奪取して戻る。

ウォータンクが復旧すると、一行は不毛の湿地帯を抜け、砂漠の荒野に出る。マックスは緑の地の根拠をフュリオサに尋ねる。フュリオサはそこが生まれ故郷であり、子供の時に母親と共に盗賊に連れ去られた事を明かす。フュリオサは何度も逃亡を試みたが、ウォータンクがあれば辿り着けると確信し、過去を清算すべく女達の希望に応える意向を示す。

フュリオサは差し掛かった砂漠地帯がかつての故郷の場所だと察知し、自らがかつて緑の地の住人であった、鉄馬の女の一味マリー・ジョバサの娘だと呼びかける。するとそこへ、バルキリーとバイクに乗った老女達が集い、フュリオサの帰還を歓迎する。フュリオサは連れ去られてから7000日以上経っており、3日目に母が死んだ事と、山の向こうの西の砦から来た事を明かし、緑の地の様子を尋ねる。鉄馬の女達は、フュリオサ達が途中で通過した、汚染されて不毛の地と化した一帯こそが緑の地の成れの果てで、他の住民は死に絶えた事を明かす。フュリオサは希望が潰えた事に激しく落胆する。老女の一人が自らの管理する植物の種をダグに見せ、あらゆるところに植えてみたが育たなかった事を明かす。

その夜、フュリオサは皆と話し合った末に、塩の湖を抜ける意向をマックスに伝える。フュリオサは現存物資で160日は走れると見積もり、マックスにバイクを1台提供し、同行を歓迎する。マックスはそれを拒否し、希望は持たぬ様に告げると、心が壊れた後に残るのが狂気のみだと説く。

翌朝、フュリオサ達はマックスを残して出発する。マックスは幻覚に衝き動かされ、フュリオサ達に追いつくと、シタデル砦こそが向かうべき故郷だと主張し、砦の上に溢れる程の水と作物があり、ジョーが全てを支配し、管理していると告げて説得を試みる。マックスは来た道をそのまま戻り、ウォータンクで谷を突破した後、タンクを外して谷を塞ぐ計画を提案する。躊躇うフュリオサに、マックスは皆が一からやり直せると告げ、フュリオサは決断する。

ジョーはウォータンクが引き返してきた事を探知すると、人員が手薄な砦に向かっていると確信し、軍団総出になって猛追を仕掛ける。ウォータンクがウォーボーイズらの車両に追いつかれると、鉄の女達が命がけで応戦し、ニュークスはガソリンの噴霧でエンジンの加速を極限まで上げる。その直後、エンジンが一基故障し、ニュークスが修理に向かう。バルキリーとマーディは応戦の最中、男爵に轢き殺される。

スピードの低下したウォータンクは、周囲を固められ、苛烈な攻勢に防戦を強いられる。攻撃は運転席にまで及び、種を管理する老婆が致命傷を負い、トーストが連れ去られる。マックスは運転席から敵を退けようとした際、落下しそうになり、辛うじてフュリオサに救われる。その直後、フュリオサは敵に重傷を負わされ、ウォータンクは窮地に陥る。その時、ニュークスがエンジンの修理を終え、ウォータンクはスピードを取り戻す。

マックスは接近した人食い男爵の車に乗り移ると、男爵を撃退して運転を奪う。そこへジョーの車が接近し、男爵はマックスの盾にされ、ジョーの銃撃で殺される。マックスはフュリオサが重傷を負った事を知り、ウォータンクに戻ろうとするが、敵の妨害に遭う。

車列が谷に突入すると、フュリオサはジョーへの攻撃を企てるが、反撃を受けてエンジンがダメージを受ける。フュリオサはニュークスに運転を任せると、ジョーの車に飛び移り、攻撃を仕掛ける。マックスは再びウォータンクに戻ると、リクタスと格闘し退ける。フュリオサは義手と引き換えにジョーの顔面をもぎ取り殺す。

谷の狭所が近づくと、ニュークスはケイパブルに自分を置いて、女達と共にジョーの車に移るように促す。ダグは死んだ老女から種子の入ったバッグを引き取る。ウォータンクに残ったニュークスは、リクタスを道連れにし、タンクを横転させて谷を封鎖する。ジョーの車に乗り込んだマックスら一同は、一路、砦を目指す。マックスは気胸を起こしたフュリオサを手当すると、自らの血を輸血し、失血を食い止める。マックスは死に瀕したフュリオサに、自らの名がマックスだと初めて明かす。

車が砦に帰還すると、群衆が取り囲む。ジョーの死体を目の当たりにした砦の人々は、支配が終わった事を確信し、生還したフュリオサを救世主として称える。砦から群衆に水が解放され、フュリオサと女達は砦の上に迎えられる。マックスは群集の中にひとり姿を消す。

 

 

今年一番というくらいの話題作だから超絶期待していたのだが、予想以上に面白くて血沸き肉踊る傑作だった。この出来ならIMAX3Dで観ておけば良かったと今になって後悔しているのだが、その時、僕はまだ旧シリーズを観ていなかったので躊躇したのである。しかし、やはり旧シリーズを観ておいたのは良かった。本作をフルに楽しむ上で、旧シリーズの三作を観ておくのはマストだと痛感したからである。世界観とかそこで行われる諸々の闘争劇は、旧シリーズと大差無いと言えば大差無いのだが、そのスケールが圧倒的に違う。これを映像化してしまう辺り、監督始め制作陣の並々ならぬ情熱を感じる。どのシーンを取っても危なっかしい演出ばかりで、緊張感が途切れないのが良い。映像も音響も芸術的に素晴らしい。トム・ハーディーの演じるマックスは、メル・ギブソンのマックスより粗野で無骨な印象へとキャラ変えされ、掴みどころが無い雰囲気を漂わせているが、見事にハマっている。シャーリーズ・セロンも最高にカッコいい。ジョーを殺すシーンは鳥肌が立った。ジョー役に一作目のトゥーカッターを持ってくるなんて粋だよな。いつでもいいからIMAX版の復刻上映をやって欲しい。ユナイテッド・シネマ頼む!

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