チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス

フランシス・ローレンス監督作「ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス」("The Hunger Games: Mockingjay – Part 1" : 2014)[BD]

ハンガー・ゲームの末に革命のシンボルとして迎えられた女戦士が、圧政を強いる政府との戦いに挑む様を描くSF戦争作品。

第75回ハンガー・ゲームで闘技場の電磁場をダウンさせたカットニスは、反乱軍の輸送機に救出され、13地区の医療施設に搬送される。13地区は政府による爆撃を受け、地上の建物は壊滅的被害を被ったが、住民は地下空間で生き延び、反乱軍を組織して臨戦態勢を整えていたのである。意識を取り戻したカットニスは、同じく救出されたフィニックと再会し、ピータ、アニー、ジョアンナが政府の捕虜となった事を知る。

カットニスは退院に伴い、13地区の首相コインと対面し、更にハンガー・ゲームのゲームメーカーからコインの側近へと転身したプルタークと再会する。コインはカットニスが戦いのシンボル「マネシカケス」と称えて歓迎する。コインはカットニスが国民の感情に火を付けた事で、7つの地区で住民が蜂起した事を伝えると、火を燃え立たせ全地区を団結させたいという意向を示す。カットニスがピータの身を案じると、プルタークは政府内の内通者と連絡が取れず、安否が不明であると伝える。プルタークは救出されたビーティの技術で、政府の通信システムを突破した事を明かすと、マネシカケスが生きていて政府を倒す戦いに参加するというメッセージを国民に伝えて、革命の火を燃え上がらせる必要性を訴え、プロパガンダ映像(プロポ)を制作して全国に流す為の協力をカットニスに要請する。コインは革命が国民の為で、国民の声を代弁するリーダーが必要だとカットニスに理解を求めるが、カットニスはプルタークがピータらを置き去りにした事を責め、要請を拒否する。プルタークはカットニスを説得すべく、政府による爆撃で壊滅的被害を受けた12地区をカットニスに見せる事で、怒りを向ける相手が政府だと理解させようとコインに提案する。

カットニスはゲイルと再会すると、輸送機で12地区へ向かい、壊滅した町にひとり降り立つ。カットニスは瓦礫と共に埋もれた無数の亡骸を目の当たりにし、言葉を失くす。カットニスは爆撃を免れた生家に戻ると、愛猫キンポウゲを保護し、花瓶に添えられた一輪の白バラを発見する。

大統領スノーはパネム全土に向けたスピーチを放送する。その中でスノーは、長らく平和を享受してきたのは、国民の協力と法と秩序があったからだと説き、過激派による暴力が散発している事を憂慮する。更にスノーは、契約を元に国民が結束して国が成り立つのだと説き、それは各地区がキャピトルを物資で支える見返りに、キャピトルは地区の安全を保証する事であり、それを拒むのなら体制全体が危うくなると政府に逆らう者に釘を刺す。スノーはキャピトルはパネムの心臓であり、それを失えば死だと告げると、反乱軍のシンボルであるマネシカケスの使用と所持を禁じ、死刑の対象と宣告する。その直後、煽動の目的でシンボルを使った者達を見せしめに処刑する。

カットニスは13地区居住区で母と妹プリムに再会する。カットニスはキンポウゲをプリムに手渡すが、規則で飼えない事を知る。その夜、キャピトル発の放送でMCのシーザーがピータをゲストに招き、インタビューを行う。シーザーは記念大会で起きた真実についてピータに尋ねる。ピータは闘技場での望みが、命を賭けてカットニスを守る事だったと明かし、2人で逃げるべきだったが離れてしまい、電磁場の爆発で見失ったと振り返る。シーザーは電磁場の爆発が反乱計画に加担していたカットニスの仕業だったのではないかと疑うが、ピータはカットニス自身も殺されかけたと弁明し、それを否定する。インタビューの最後にピータは、人口が減っているのに殺し合いを行う意義を国民に問いかけ、戦争では解決しないと停戦を訴える。住民はピータが裏切り者だと憤慨し、その様子を見たカットニスは停戦が無理だと悟る。ゲイルは反乱に弱腰の地区もあり、ピータのメッセージは悪影響だと案じると、停戦要求はカットニスを守る為だと推察する。

カットニスは条件と引き換えにマネシカケスになるとコインに提案する。その条件がピータ、ジョアンナ、アニーの一刻も早い救出と、3人への無条件の恩赦だと知ったコインは拒否し、法廷で正当に裁くと主張する。プルタークは反乱軍の士気が低下し劣勢にある事を指摘すると、気高い大義を通すだけでは戦争に勝てないと説き、シンボルの必要性をコインに訴える。コインは要求に応じる事にし、カットニスは更にプリムが猫を飼う許可も求める。プルターク政治亡命したエフィにカットニスの付き人を依頼する。

コインはカットニスがシンボルとなった事と、捕虜の3人が救出された際に恩赦を与える事を発表する。住民は恩赦については批判する。カットニスは13地区の住民に子供が少ない事に気付く。プリムは数年前の疫病で子供が大勢死に、コインも夫と娘を失った事を伝える。

カットニスはエフィと再会し、大会でのスタイリストだったシナが死んだ事を知る。シナの残したデッサンに基き、カットニスは反乱軍のリーダーとして仕立てあげられ、プルタークが主導するプロポ撮影に臨む。しかし、カットニスに覇気が感じられず、プルタークは出来に不満を抱く。大会での指南役だったヘイミッチは、カットニスが国民を惹き付けたのは作り上げられた魅力では無く、台本無しで行った自由な言動だと説き、戦場における自然な言動こそ国民の心に響くと主張する。爆撃直後で比較的危険の少ない8地区が適当だと提案されるが、コインは危険だと難色を示す。カットニスは安全な場所など無いと主張し、撮影に臨む決意をする。ビーティは特別に開発した弓矢をカットニスに提供する。

カットニスにゲイルとクレシダが率いる撮影チームが同行し、輸送機で8地区に向かう。一行はカットニスによる慰問と称して野戦病院を訪ね、そこで患者と死体が所狭しと集められている惨状を目の当たりにする。カットニスは希望を与える様に請われ戸惑うが、患者達はカットニスをリーダーとして称揚する。

スノーはカットニスらが8地区におとずれている事を探知すると、カットニスを殺すのでは無く、関わった者達を見せしめとして反逆罪で殺す様に命じる。8地区に政府の爆撃機が襲来し、病院を爆撃すると、カットニスとゲイルは爆撃機を撃墜するが、病院は崩壊する。カットニスはクレシダに促され、炎上する病院の前で被害を伝え、政府の残酷さを訴えると、自分達を焼く炎がスノーを焼くと宣告する。その様子を撮影した映像が、革命への参加を呼びかけるプロポとなる。

コインはカットニスと共に、犠牲の末に勝利の時がやってくると住民に宣言する。その後、全地区にプロポが流され、反乱軍への参加と地区同士の同盟が呼びかけられる。政府が各地区により厳しい労働を課す様になると、住民達は犠牲を払いながらも、大規模な反乱を起こし始める。

プロポの反応を受けて、再びシーザーがピータを招いてインタビューを行う。シーザーはカットニスがキャピトルに歯向かった事についてピータに尋ねる。憔悴した様子のピータは、カットニスが無理やりリーダーに担ぎ上げられ、利用されているのではないかと疑う。ピータは頭を冷やす様に国民に促し、反乱軍の顔になったカットニスは人類滅亡のシンボルだと告げる。更にピータは、カットニス自身が停戦を訴える様に請うと、反乱軍が信頼に値するのか考える様に促す。それを見たゲイルはピータが保身目的の裏切り者だと痛罵する。カットニスはピータが12地区の惨状を見ていないから状況が理解できないのだと察し、12地区での撮影を提案する。

カットニスは再び撮影チームを引き連れ、12地区に入る。ゲイルはカットニスが電磁場に矢を放った直後に、12地区に起きた出来事を明かす。12地区の部隊が撤退した後、政府による爆撃が行われ、住民1万人の内、915人が生き残り、別の方向に逃げた住民は焼夷弾で死に絶えたのだという。ゲイルは大勢を助けられるはずだったと悔やむ。二人はカットニスの生家を訪ねる。カットニスがゲイルとキスをした時の事を思い出すと、ゲイルはカットニスへの思いを打ち明け、二人はキスをする。ゲイルはカットニスの心にピータがいる事を察する。その後、一行は川で休憩する。マネシカケスの囀りに合わせて、カットニスが首吊りの木の歌を歌うと、クレシダはチームにそれを収録させる。

12地区で撮影した映像に歌が乗せられ、新たなプロポが完成すると、全地区に放送される。その歌は反乱軍が口ずさむ歌となる。住民は命がけで政府所有のダムを爆破し、キャピトルの電力を停止させる。スノーは直ちに報復措置を決意する。その直後、ピータが更に憔悴した様子で放送に現れ、政府施設が多数襲撃された事を伝え、住民に自制を呼びかける。ビーティは電波をジャックし、プロポを放送して応戦する。ピータはその動きに反応し、ダムへの襲撃が野蛮で非人道的な行為だと非難し、戦争が無意味だと改めて訴える。不意にピータは13地区が朝までに壊滅されると告げ、放送が遮断される。カットニスはピータが命がけで警告してくれたのだと確信する。コインは13地区住民に地下シェルターへの緊急避難を命じる。

政府の爆撃機が領空に侵入すると、コインは迎撃を命じる。程なく爆撃が始まると、地対空ミサイルの発射装置が破壊され、コインは敵に見える物が狙われていると判断し、反撃を停止させる。更にコインは、敵の情報が古く、標的がズレていると判断し、爆撃が止むまでやり過ごす事を決める。住民達はシェルター内で爆撃を耐え凌ぐ。

やがて爆撃が終わると、コインは反乱軍が政府の攻撃に耐えて、戦い続けている事を伝える様にカットニスに依頼する。カットニスと撮影チームは瓦礫の山と化した地上に上がり、撮影に臨む。地上には夥しい白バラが撒き散らされており、カットニスはそれがスノーから自分へのメッセージだと悟る。クレシダはカットニスに台詞を言うように促すが、カットニスはピータの身を案じる。カットニスはスノーがピータを痛めつける事で、自分に報復しているのだと悟り、マネシカケスになる事を躊躇い始め、撮影は中止される。

ヘイミッチは自分でいればいいと、カットニスを労ると、電力不足でキャピトルが通信防御を喪失している間に、捕虜を救出すべく、ゲイルとボッグスからなる6人の部隊が既に向かった事を明かす。救出作戦の間、フィニックによるスピーチを放送する事で通信網を専有する様に、ビーティが一計を案じる。輸送機がキャピトル領空に侵入すると、部隊は入手した情報に基き、捕虜が収容されている施設に突入を図る。カットニスやコインらは司令部でその様子を見守る。

作戦途中で電力が回復し、防空システムが復旧すると、部隊との通信が途切れる。カットニスはスノーの注意を引く為に、直接スノーとの交信を試みる。呼びかけにスノーが応じると、カットニスはピータらの解放を要求し、自分を代わりに捕虜にする様に提案するが、スノーはもう遅いと拒否する。その時、部隊との通信が復活し、救出の開始が伝えられる。スノーは人を最も夢中にさせる物が人を壊すと説くと、部隊の侵入を把握している事を明かし、以後、部隊との通信が途絶える。カットニスは全てが罠だと確信し当惑する。

部隊の生還を待つカットニスに、コインは試練の時だと諭す。その後、部隊は3人を救出して帰還する。ゲイルは防空システムが復旧したはずなのに無事に戻れた事を訝る。カットニスは治療室に運ばれたピータの元へ向かう。ピータはカットニスに再会した途端、突然襲いかかり、絞殺を企てる。ヘイミッチがピータを制止し、昏倒させる。一命を取り留めたカットニスは、ピータが毒を用いられて、洗脳により恐怖を植え付けられていた事を知る。プルタークは治療でピータを元に戻せると告げる。

コインは捕虜救出作戦の成功を住民に報告すると、歴史の転換点だと説き、パネルの国民が結束する日と称して、革命への参加を呼びかける。コインは新生パネルを築くまで降伏しない事を宣言すると、その暁には指導者を選挙で選び、残り物の奪い合いでは無く、労働の果実を自由に分け合うのだと主張し、パネムの解放が目前だと告げ、住民を高揚させる。カットニスは恐怖に悶え苦しむピータの身を案じる。

 

 

前作を観たのは1年半前なのだが、もうほとんど内容が頭から抜けてしまっていた。カットニスが救出されたシーンだけは鮮明に記憶していたのだが、何がどうなってそこに至ったのか思い出せなかったのである。本作には、前作までを簡単に振り返る短い映像が収録されていたので、大雑把な内容を思い出せたのは良かった。本作は二部構成の前篇で、反乱軍のシンボルとして迎えられたカットニスが、ピータの身を案じたり、リーダーとしての立場に苦慮しながらも、政府と戦う意思をより強固にしていく様が描かれ、ハンガー・ゲーム自体は行われない。というか、戦闘らしい戦闘も無く、アクションシーンは皆無に等しい。後篇に見どころが集中しているだろう事を考えれば、やむを得ないにしてもちょっと拍子抜けする。しかし、その分ジェニファー・ローレンスの静の演技が堪能できるのは良い。彼女が哀愁ただよう生歌を披露したり、ポロポロと涙するシーンを見ていると、若くて才能に富んだ本当に素敵な女優だと思う。それにしても、フィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなったとは未だに信じられないよなぁ。後篇でいよいよ見納めなのか。

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