チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

イントゥ・ザ・ウッズ

ロブ・マーシャル監督作「イントゥ・ザ・ウッズ」("Into The Woods" : 2014)[BD]

パン屋を営む夫妻が魔女にかけられた呪いを解く為に訪れた森の中で、童話でお馴染みのキャラクター達と遭遇し、運命を交錯させていく様を描くミュージカル・ファンタジー作品。

昔々、遥か彼方の王国の森の外れにある小さな村の話。子供を切望する一組の夫妻が営むパン屋に、ある日、赤ずきんを纏った少女が訪ねてくる。少女は森で暮らす病臥の祖母の元に使いに行く途中で、パンを恵む様に夫婦に請う。図々しい少女の態度に主人は渋るが、妻は少女が望むだけパンを恵んでやり、送り出す。母と二人暮らしの呑気な少年ジャックは、甲斐甲斐しく世話してきた親友同然の牡牛ミルキー・ホワイトを、貧しい家計の足しにする為に、市場でミルクを出す雌牛と偽って売り、金に換えてくる様に母に命じられる。ジャックは渋々、森を抜けて市場へ向かう事にする。親を亡くし、性悪な継母とその2人の娘達の元で不遇な暮らしを強いられている若い娘シンデレラは、城で国王が開く舞踏会へ行く事を切望し、継母に同行させてもらう様に請うが一蹴される。シンデレラは森の中にある母の墓に願いをかけようと考え、屋敷を後にする。

赤ずきんを見送ったパン屋夫妻の元に、隣に住む魔女が訪ねてくる。魔女は自らがパン屋の家系にかけた呪いについて明かし、3日後に青い満月が昇るその時にしかその呪いが解けない事を告げる。

パン屋の主人が赤子の頃、その父が家族と共にこの家に越してきた。妊娠中の母が父に隣の庭の野菜が食べたいと望んだので、父は庭に忍び込み野菜を盗んだ。魔女は黙って採らせる事にし、引き換えに生まれた赤子をもらおうと考えた。しかし、父が盗んだ野菜の中には、魔女の母から一粒でもなくしたら醜い姿に変えると伝えられていた、特別な豆が含まれていた。魔女は豆が盗まれたとは知らずに見逃してしまった事で、呪いをかけられ、若さと美しさを失った。魔女は生まれた主人の妹に当たる赤子を奪って隠した。魔女の掛けた呪いにより、主人の母が死んだ後に父は主人を捨て、主人の家系には子供ができなくなったのであった。

魔女は呪いを解く方法として、1.ミルクの様に白い雌牛、2.血の様に赤いずきん、3.トウモロコシの様に黄色い髪、4.金色に光り輝く舞踏会の靴、を真夜中の鐘が鳴る前に全て揃えて持ってくる様に命じる。魔女は、青い満月が昇るのは100年に1度で、期限は3夜だと伝えると、4つ揃えれば夫妻に完璧な赤子が生まれると約束し、姿を消す。

主人は父のジャケットから偶然、魔女から盗んだ豆6粒を発見するが意に介さず、妻を残して森へ出発する。かくして、パン屋の主人、赤ずきんの少女、ジャック、シンデレラはそれぞれの目的を抱え、森の奥深くに入っていく。

母の墓に着いたシンデレラは、母の声に促されて舞踏会行きを願うと、その身が金色に輝くドレスに包まれる。シンデレラは一路、城を目指す。一方、赤ずきんの少女は祖母の家までの道中、オオカミと遭遇する。少女と祖母を食べようと目論むオオカミは、少女を付け回し、言葉巧みに誘惑するが、少女はオオカミを振りきって祖母の家に向かう。その後、パン屋の主人は少女と遭遇し、強引に赤ずきんを奪おうとするが失敗する。そこへ主人を心配して追いかけてきた妻が現れ、合流する。その直後に夫妻はジャックと遭遇する。夫妻はジャックの連れている白い牡牛が目当ての物だと確信し、持参した豆を魔法の豆と欺き、5粒との交換を提案する。ジャックは買い戻すという条件で交換に応じる。主人は妻に牛を連れて帰る様に命じる。

森の中に佇む扉の無い塔には、魔女がパン屋の主人の両親から奪った後に、隠しながら育ててきた娘ラプンツェルが暮らす。城の弟王子はラプンツェルに一目惚れする。

祖母の家に到着した赤ずきんの少女は、祖母に扮したオオカミと遭遇し、食べられてしまう。叫び声を聞きつけ、駆け付けたパン屋の主人は、眠っているオオカミの腹を切り裂き、少女と祖母を救出する。少女は礼として赤ずきんを主人に譲る。一方、ジャックは牛を豆と交換してきた事を母に叱られる。母は豆を庭に捨てる。

城の舞踏会第一夜、シンデレラは兄王子と踊った後、突然、城から逃げ出す。兄王子はシンデレラを追って森へ向かう。パン屋の妻は森の中で躓いたシンデレラと遭遇する。シンデレラは王子が想像と違った事に戸惑い逃げたと打ち明ける。パン屋の妻はシンデレラが金の靴を履いている事を知るが、その途端、連れていた牛が逃げ出す。その時、真夜中の鐘が鳴り響き、魔女から時間切れを告げられる。

翌朝、ジャックは家の庭に天まで届く豆の木が育っている事に気付く。ジャックは豆の木を登り、巨人の住む空の世界へ辿り着くと、巨人から巨大な金貨を盗み出し、パン屋の主人に牛の買い戻しを要求する。主人が難色を示すと、ジャックは足りない分を補うべく、再び空の世界へ向かう。程なく、主人は見失った牛を探す妻と遭遇し、家に戻る様に命じる。

王子兄弟は森の中ですれ違い、互いに恋い焦がれる女について語り合う。通りがかったパン屋の妻は、兄弟の話を立ち聞きし、ラプンツェルの髪の事を知り、塔へ向かう。夜、塔についたパン屋の妻は、ラプンツェルを欺き、長い髪を切り取って逃げる。

一方、シンデレラは舞踏会第二夜の城から再び逃げ出す。パン屋の妻はシンデレラと遭遇すると、靴を奪おうとするも失敗する。その時、パン屋は牛を偶然発見し、更に妻と遭遇する。残りの品は靴だけとなり、二人で一緒に探す事にする。そこに巨人の元から巨大な金の卵を持ち帰ったジャックが現れ、牛との交換を要求するが、突然、牛が倒れて死んでしまう。その時、二日目の夜の鐘が鳴り、時間切れとなる。

翌朝、弟王子はラプンツェルと密会した後、塔を後にするが、それを目撃した魔女は、魔法を使って弟王子の目を潰す。魔女はラプンツェルを叱りつけるが、ラプンツェルはもう子供じゃないと訴え、外の世界を見たいと望む。魔女は外の世界が野蛮で危険であり、守ってやる自分と一緒にいる様に命じ、自分に逆らった罰としてラプンツェルの髪を短く切り落とす。

ジャックは森の中で赤ずきんの少女と出会い、金の卵を見せるが、その話を信用しない少女に、巨人のハープについて伝える。尚も訝る少女に、ジャックは嘘では無いと啖呵を切ると、再び空の世界へ赴き、巨人からハープを盗み出す。しかし、巨人が追いかけてきた為、ジャックは豆の木を切り落とし、巨人は落下して死ぬ。

パン屋の主人と妻は牡牛の調達を模索し、主人が隣村に出かけ、ジャックから受け取った金貨で購入する事にする。妻は再び靴を探しに向かう。

舞踏会三日目の夜、シンデレラはまたもや城から逃げ出すが、階段に仕掛けられていたタールが靴に固着し、足止めを食らう。シンデレラは兄王子の自分への好意を悟ると、理想通りだが分不相応な城での暮らしと、理想とは程遠い今の暮らしの、どちらを選択すべきか決断を迫られる。迷った挙句、シンデレラは自分では無く、王子に決めさせようと考え、靴を片方だけ残して逃走する。兄王子は舞踏会を終わらせ、靴の持ち主の娘を探しに城を発つ。

シンデレラと遭遇したパン屋の妻は、豆と靴との交換を提案するが、シンデレラは豆をその場に捨てる。妻が子供を授かる為に靴が必要だと哀願すると、シンデレラは靴を譲って逃走する。程なく、豆の木は人知れず空高く伸びていく。

王子の一行がシンデレラの暮らす屋敷を訪ねると、継母は娘達に靴を履かせようと画策するが失敗する。そこでシンデレラと再会した兄王子は、靴を履かせ、探していた娘と確信すると、シンデレラを城に連れ帰る。一方、魔女により、森の沼地へ追い払われたラプンツェルの元に、弟王子が歌声を聞きつけて辿り着く。弟王子はラプンツェルの涙で再び目が見えるようになる。

パン屋の主人は隣町から白い牡牛を連れて森に戻り、妻と再会する。魔女はその牛が白い粉をまぶした偽物だと見抜く。パン屋が元の牡牛の死を伝えると、魔女は蘇らせる事ができると明かす。主人は魔女を牡牛の元に招き、そこでジャックとその母親と遭遇する。魔女は皆の前で牛を蘇らせると、3つの品を牛に食べさせ、盃にミルクを絞りとる様に命じる。ミルクが出ない事が分かると、魔女は髪の毛が間違っていると指摘する。ジャックがトウモロコシの髭を髪の変わりにする様に提案し、牛に食べさせると、ミルクが出る。魔女は盃のミルクを飲み干すと、呪いが解けて若さが蘇り、同時にパン屋の妻が妊娠する。

程なくして、パン屋の妻は男児を出産する。シンデレラは兄王子と、ラプンツェルは弟王子と結婚し、城でパレードが開かれる。その時、王国に大地震が発生し、森の様相は一変する。王子は様子を確かめるべく、森の中に向かう。

城から帰る途中、パン屋の主人と妻は、祖母の家を失い、呆然と佇む赤ずきんの少女と、更にシンデレラの継母一家及び従者の一行と遭遇する。そこに豆の木を伝って降りてきた巨人の女が現れ、夫を殺した少年を探している事を一同に告げる。ジャックを探す母親が現れ、巨人を非難すると、巨人はジャックを差し出す様に要求する。巨人を刺激するジャックの母親を、従者が押し倒し、教会の塔にいると伝えると、巨人はその場から立ち去る。倒された時の衝撃でジャックの母親は昏倒する。パン屋の主人は力を合わせて立ち向かうべきだと主張するが、魔女はジャックを見つけて引き渡すしか無いと告げる。

崩壊した塔に戻ったラプンツェルの前に魔女が現れると、ラプンツェルは見違えるその姿に困惑する。そこへ弟王子がラプンツェルを連れ戻しにやって来る。魔女は魔法で弟王子を退けようとするが、魔力が消えてしまった事を悟る。ラプンツェルは魔女と絶縁し、弟王子と共に遠方へと旅立つ。

パン屋の主人と妻は赤子を赤ずきんの少女に預け、二手に別れてジャックを探しに向かう。妻は兄王子と遭遇すると、地震の原因が巨人だと伝える。兄王子は一人で森の中にいる妻を勇敢だと称えると、言葉巧みに誘惑してキスをする。唆された妻も自ら応じてしまう。一方、パン屋の主人は、母の墓が倒壊し、悲嘆に暮れるシンデレラと遭遇する。主人はシンデレラの安全を図る為に同行を求める。兄王子は、パン屋の妻と別れ、巨人退治に出掛けていく。動揺が収まらない妻は、森がもたらした一過性の刺激と自分に言い聞かせ、主人の元へ戻ろうとするが、帰り道を失念する。そこへ巨人が現れ、逃れようとした妻は崖から転落する。

パン屋の主人は、赤ずきんの少女とシンデレラと共に妻の帰りを待つ。そこへ魔女がジャックを連れて現れる。ジャックは主人に妻の死を伝える。魔女は諦めてジャックを引き渡しに行くべきだと主張する。一同は巨人の襲来のきっかけを巡って互いに責任を擦り付け合い、口論となる。主人達は豆を栽培した魔女のせいだという意見で一致し、魔女に詰め寄る。魔女はこれが最後の夜だと告げると、持っている豆を全て捨て、最後の呪いと称して一同に豆の世話を命じる。そして、魔女は自分に再び罰を与え、暗黒の彼方へ誘う様に母に願うと、そこにタールの沼が出現し、魔女は引きずり込まれる。主人達はそれぞれに自分の行いを悔やむ。

パン屋の主人は妻を失った事で、自暴自棄に陥る。その時、父の霊と遭遇し、豆を盗んだ事を責める。父は母が死んだ時、自分を恥じ、罪悪感から逃げた事を明かすと、自分と同じ過ちを起こさず、自分を超える様に促す。主人が3人の元に戻ると、巨人を倒す策を練り、ジャックを囮にして、巨人をタールの沼に誘い込もうと企てる。シンデレラは集まった小鳥から兄王子とパン屋の妻の関係について聞く。そこに兄王子現れ、シンデレラを城に連れ戻そうとする。シンデレラは小鳥から聞いた事を問い質すと、兄王子は必要なのは誠実さより魅力だと主張する。シンデレラは悪夢と夢の中間を望み、兄王子に理解を求めると、兄王子は逃げた娘を、シンデレラは憧れの兄王子を愛する事で同意し、別れる。

パン屋の主人達は巨人退治の準備に取り掛かる。赤ずきんの少女は巨人を殺す事を躊躇い、許すべきでは無いかとシンデレラに告げる。シンデレラは独りじゃないと少女を励ます。主人はジャックの母が死んだ事を伝え、独りじゃないと励ます。程なく巨人が現れると、主人達は投石で攻撃し、更に小鳥達の協力を得て、巨人を倒す。

勝利を喜んだ四人は、パン屋の家で一緒に暮らす事にする。赤子を抱く主人の前に妻の霊が現れ、良い親になれる、独りじゃないと励ます。主人は妻の声に促され、子供に聞かせる物語を紡ぎ始める。

 

 

ミュージカル・ファンタジーでありながら、ブラック・コメディなノリも兼ね備えているのがディズニーの実写作品らしい。パン屋の夫妻と魔女の話を起点として、赤ずきん、ジャックと豆の木、シンデレラ、塔の上のラプンツェルの要素を織り交ぜ、一本のオリジナルな作品に纏め上げている感じで、全体的に本当に賑やか。正直なところ、前述の4つの物語の内容はざっくりとしか知らない、否、ラプンツェルに関しては全く知らない。今度機会があったらアニメ作品を観てみようと思う。舞台となる森がどれくらいの広さなのか分からないが、それにしても都合良くバッタリと出会えるもんだと苦笑してしまった。主要な登場人物は全員一度は歌声を披露するシーンがあり、当然ながら皆、かなりの美声である。エミリー・ブラントは超絶美人で尚且つ美声で、しかもコミカルな演技が愉快で素晴らしかった。この人、いま一番好きな女優かも知れない。アナ・ケンドリックはピッチ・パーフェクトで初めて歌声を聴いたが、今作でも安定の上手さ。あとはメリル・ストリープがノリノリで魔女を演じているのも良かった。

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