チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

コードネーム: プリンス

ブライアン・A・ミラー監督作「コードネーム: プリンス」("The Prince" : 2014)[BD]

失踪した娘を探す父親が、過去に決別した地で因縁の相手と対峙していく様を描くスリラー作品。

ミシシッピの郊外で自動車整備工場を営むポールは、妻を病気で亡くし、一人娘ベスを大学に出して以来、一人で穏やかな暮らしを送る。ポールは、週末に久しぶりに帰省するベスを空港に迎えに行く約束をするが、その直後にベスの通う大学から学費滞納通知が届く。ポールはベスに事情を聞く為に連絡を試みるが、突然ベスとの音信が途絶える。ポールはベスのアパートの管理人に連絡し、ベスが長らく留守にしている事を聞くと、ベスを探す為にミシシッピを発つ。

ポールはベスのアパートで不在を確認すると、近所のバーを訪ね、捜索を始める。そこでポールはベスの友人アンジェラと遭遇し、ベスが大学へ来ておらず、ドラッグにハマっている事を知る。アンジェラがドラッグの売人エディとベスに繋がりがある事を明かすと、ポールはエディの知り合いを知るというアンジェラに協力を求め、エディのいるニューオーリンズまで半ば強引に同行させる。アンジェラはかつてベスが家に縛り付けられていたと零していた事を明かすと、ポールが子供を理解しようとしない典型的な親だと指摘し、ベスの失踪がポールのせいだと詰る。

かつてアンジェラがエディと会ったというクラブへ到着すると、ポールは自分と一緒にいるところを見られぬ様にアンジェラに命じ、エディを探しに向かう。手掛かりを得られずにクラブを出たところ、ポールはエディの仲間という三人組と遭遇し、エディの所在を問い質すが、暴行を受ける。しかし、ポールは並外れた力で三人組を撃退し、携帯を奪うと、アンジェラにエディの居場所をメールで尋ねさせる。アンジェラはポールの見違える様な行動に当惑する。

ポールはアンジェラと共に隠れ家に身を寄せ、エディからの連絡を待つ。アンジェラはポールの体のタトゥーと古い銃創から、ポールが只者では無いことを悟る。アンジェラはベスがホームシックになっていた事を明かす。程なくエディから連絡があり、バーに赴く。ポールはアンジェラに謝礼の500ドルを手渡すと、帰る様に命じる。

ポールはエディにベスの所在を問い質すが、エディは知らぬ存ぜぬを決め込む。そこへ昔、ポールに殺されかけながらも命拾いしたライリーが現れ、甥のエディの無礼を詫びると、エディに全てを話させる。エディはベスがヘロインを欲していた事を明かし、「ファーマシー」と称するドラッグの売人が根城とする倉庫にいる事を伝える。クラブを出たポールをアンジェラが迎え、ベスが見つかるまで帰らない意向を告げる。

犯罪組織のボスのオマーは、ポールがニューオーリンズに帰還した事を手下を通じて知り、捕らえて連れてくるように命じる。側近のマークはオマーにポールを忘れる様に進言するが、オマーは腕利きの者を集める様にマークに指示する。

ポールは車でアンジェラを駅に送り届けようとするが、オマーの手下の急襲を受ける。猛攻を退け、敵の車を脱線させると、ポールは手下からオマーの差金である事を聞き出す。マークはオマーに襲撃失敗の報告をし、ポールが薬物依存の女を探しているという情報を伝えると、再び手を引く様に促す。オマーは20年前にポールの手で妻子を爆殺された事で負った心の傷を語る。

ポールはアンジェラを連れ、再び隠れ家に身を寄せる。アンジェラはポールの殺人を目撃した事で激しく動揺し、ポールがいったい何者なのか真実を問い質す。ポールは自らの過去について打ち明ける。ニューオーリンズ出身のポールは、かつて札付きのワルで地元に敵を作りすぎた為に、軍に入隊した。ポールは軍で優秀な成績を残すも、除隊後、再び街に舞い戻った。ポールはこれが最後と言い聞かせながら悪事にも手を染めたが、暴力で街を支配していたオマーを止めないかぎり、抗争が続き、多くの血が流れる事を悟り、オマーを車に仕掛けた爆弾で殺そうと企てた。しかし、手違いでその車にオマーの妻子が乗ってしまい、ポールは止める事ができずに二人を見殺しにしてしまった。自責の念に駆られたポールはその場から逃げ出すと、酒に溺れた後、妻に出会い、立ち直るきっかけを得て、やがてベスを儲けたのだった。

ポールはベスと自分のみならず、アンジェラの身まで脅かされる事を危惧し、旧友のサムに相談する。ポールはアンジェラを連れてサムの営む高給ホテルへ赴くと、サムに事情を明かし、アンジェラを預かる事と、更にベス救出後の逃走の手筈を整える事を要請する。既に足を洗っており、危険が及ぶ事を懸念するサムは、二度と自分の前に姿を現さぬ事をポールに約束させ、承諾する。ポールはアンジェラをホテルに残し、ファーマシーの元へ向かう。サムはポールがかつて「プリンス」と呼ばれ、誰からも恐れられていた事をアンジェラに明かす。

ポールは旧友マイクが営んでいたガンショップを訪ねると、その息子から亡き父と懇意の仲だったと見込まれ、銃の提供を受ける。ポールはドラッグ常習者が集う倉庫に着くと、ファーマシーを脅してベスを連れて帰ろうとする。ファーマシーはベスが自ら望んで留まっている事を明かすと、ポールは中毒症状を呈しているベスを連れ出そうとするが、オマーから指示を受けているファーマシーはポールを制止する。ポールはファーマシーとその手下を殺し、ベスを連れて倉庫から脱出すると、サムのホテルへ戻る。

程なく、倉庫へ駆け付けたマークは、ポールがサムの元で匿われている事を知り、オマーに報告する。オマーがホテルの襲撃を命じると、マークは腕利きの手下を連れてホテルへ急行する。ポールはベスとアンジェラを連れ、ホテルを離れようとするが、そこへマーク達が急襲を仕掛ける。ポールとサムが応戦しているその隙を見計らい、マークはベスを拉致し、オマーの元へ連行する。ポールはサムに厄介事を詫びると、難を逃れたアンジェラを連れ、再びガンショップを訪ねる。

ポールは大量の武器の提供を受け、重武装すると、オマーの根城とするビルに単身乗り込む。警備を撃退し、内部に侵入したポールの前に、オマーがベスを連れて現れる。オマーは愛する者を奪われた苦しみを味わわせたいと告げ、ベスに銃を突き付ける。ポールは戦争に犠牲者は付き物だと説き、ベス救出の機を窺う。そこへマークが急襲を仕掛けるが、ポールはマークとの格闘を制し、撃退する。ポールがオマーを追い詰めると、ベスが不意を突いてオマーを退け、その隙にポールはオマーを射殺する。ベスを救出し、ビルを出たポールをアンジェラが迎える。

 

 

コードネームとか言うからスパイ物のアクションスリラーな作品かと思いきや、かつて凄腕のワルだった男が、因縁の相手である犯罪組織のドンからヤク中と化した娘を奪還するという、ありそうで無さそうな、頑張るお父さん系の話。ジェイソン・パトリックブルース・ウィリスジョン・キューザック、レインというキャストの組み合わせがちょっと異色。特にブルース・ウィリスとレインは画的に非常に新鮮なのだが、ストーリー上はなぜこの二人が組んでいるのかよく分からず、またその必然性も感じなかった。ブルース・ウィリスが完全に悪役で、しかも終盤はややマッドな演技を披露するのがこれまた新鮮だった。ウィリスがこんなに典型的なボスキャラを演じた事ってあったかな。レインは韓国人俳優だからなのか、一人だけ肉弾戦を披露するシーンが用意されており、過去の出演作ニンジャ・アサシンを思い出した。でも最後のやられ方が切なかった。ジェシカ・ロウンズは本作で初めて知ったのだが、この大人びた雰囲気でティーンエージャーの役はちょっとキツいと思った(笑)。酷評されている作品の割には、そこまで悪い印象は受けなかったな。

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