チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

クリストファー・マッカリー監督作「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」("Mission: Impossible - Rogue Nation" : 2015)[BD]

米国の諜報部隊が、謎に満ちた国際犯罪組織シンジケートの立証と壊滅をする為に奔走する様を描くスパイアクション作品。

イーサン、ベンジー、ブラント、ルーサーらIMFのエージェントは、謎の国際犯罪組織シンジケートの存在を立証すべく、秘密裏に作戦を展開する。その最中、四人はベラルーシミンスクからチェチェンへ向かう輸送機に積載された、VX神経ガス兵器の奪取に共同で臨み、これに成功する。

その後、イーサンは次の指令を受けるべくロンドンの拠点に赴く。ブースでメッセージを再生したイーサンは、その指令がIMFでは無くシンジケートによるもので、罠に嵌められた事を知る。その途端、ブースにはガスが充満し始め、イーサンはドアの向こうに現れた謎の男が、拠点のエージェントを殺す様を目の当たりにし、そのまま昏睡する。

その頃、米国上院委員会にCIA長官ハンリーとブラントが喚問される。ハンリーはIMFの横暴ぶりを委員に訴え、解体してCIAに組み込むべきだと主張する。ブラントは型破りな事を認めるが結果は出していると反論する。委員会はIMFの世界平和への貢献を認めながらも、無鉄砲な作戦に走り、規則を破りがちである事を非難し、運任せな面が否めないと指摘する。

シンジケートにより拘束されたイーサンは、組織の一人が死亡扱いの元諜報員ヴィンターだと悟る。ヴィンターはイーサンを拷問にかけようとするが、そこへ居合わせた女が裏切りを働き、イーサンを救出する。女はイーサンと共に組織のメンバー達を退けると、イーサンを脱出させ、自らはその場に留まる。

負傷したイーサンはブラントに連絡すると、ロンドンの拠点が敵の手に落ちた事と、シンジケートが実在する事を伝え、応援を要請する。ブラントはIMFが解体され、CIAに移管した事を伝える。それを聞いたイーサンは姿を消し、仲間との消息を絶つ。

ハンリーはブラントにイーサンの行方を問い質すが、ブラントはイーサンが秘密裏にシンジケートを追っていると推察する。ハンリーはシンジケートが、IMFを存続させる為のイーサンによる自作自演だと主張し、イーサンが過去に引き起こした事件の責任を追求する意向を示す。

六ヶ月後、CIAはイーサンがキューバハバナに潜伏している事を掴み、潜伏先の部屋に特殊部隊を送り込む。部隊が急襲するとそこにイーサンの姿は無く、イーサンが秘密裏に集めた元諜報員に関する資料が発見される。

CIAに移って職務をこなすベンジーの元に、ウィーンで催されるオペラの当選チケットが届く。ベンジーはハンリーによるポリグラフを受け、イーサンが元諜報員達の機密資料を入手していた事に絡み、協力を疑われるが、関与を否定し、ポリグラフをパスする。

その後、ベンジーはウィーンへ飛び、イーサンからの接触を受ける。イーサンは男の似顔絵を提示し、ベンジーに捜索への協力を要請する。ベンジーが劇場に着くと、時を同じくしてオーストリア首相夫妻もまた観劇に訪れる。ベンジーは設備室からシステムに侵入し、劇場の全監視モニターを掌握すると、劇場内に男の姿を探し、程なく舞台裏に不審な男を発見する。それを聞いたイーサンは男を追うが、同時にかつて自分を助けた女の姿を見つけ、その真意が掴めず困惑する。女は舞台装置の塔内に侵入すると、狙撃用の銃を組み立て始める。

イーサンは楽団員に扮した男が楽器を模した銃を組み立て、首相の狙撃を企てている事を察知し、格闘の末に男を退ける。イーサンは、照明ブースに侵入した警備員を装った男もまた、首相の狙撃を企てている事に気付く。ベンジーもまたそれに気付くが、イーサンと交信が途絶え、自らブースに向かう。イーサンは楽団員に扮した男から奪った銃でブースの男を狙うが、塔内の女もまた首相狙撃を企てている事を知る。両方の排除ができない事から、イーサンは敢えて首相を狙撃し、軽傷を負わせる事で、暗殺を回避させる。警備員に扮した男はイーサンの存在を察知し、狙撃しようとするが、女はイーサンに危機を知らせ、またブースに駆けつけたベンジーの窮地をも救う。

劇は中止され、劇場が封鎖されると、イーサンは女と合流し、屋上からロープを使って地上へ脱出する。その直後、劇場を発った首相夫妻を乗せた車が車内の爆弾で爆破させられる。そこへベンジーが車で現れ、イーサンと女を拾う。イーサンは女イルサが英国の諜報員で、潜入捜査を行っている事を見抜き、自分を逃した事で組織での立場が悪くなり、首相暗殺を引き受けたと指摘する。イルサは暗殺のフリだけに留めるつもりだった事を明かすが、イーサンは二人の男のいずれかが首相を殺し、もう一人がイルサを殺す予定で、ダメ押しで車を爆破したのだと説く。イーサンはボスの正体を明かす様に迫るが、イルサはシンジケートを潰したいなら自分を下ろすように要求する。イルサは自分を探し出せると伝え、強引に車から脱出する。

ハンリーはベンジーのウィーン入りと首相の死が偶然ではあり得ないと指摘するが、ブラントはイーサンが証拠を掴み、シンジケートの男を追って劇場に行ったのだと主張する。ハンリーはイーサンを見つけ出す様に命じ、その為には殺害も辞さない事を告げる。

イーサンとベンジーは秘密基地に身を寄せる。イーサンはベンジーに対し、暗殺を手伝う様に強要されたのだとCIAに密告して、保身を図る様に促す。イーサンは元諜報員達のリストをベンジーに見せると、シンジケートが相次ぐ大規模テロの糸を背後で引いているのだと説き、それが兵士を訓練し、洗脳するならず者の組織であり、手段を選ばず体制の破壊を目論んでいると明かす。イーサンはIMFの解体でシンジケートの活動がエスカレートする事を危惧し、首相暗殺が新たなる段階への宣戦布告だと説く。イーサンはどの現場にも現れる、素性も資金源も分からない謎の男こそが鍵だと主張する。ベンジーはイーサンの反対を遮り、自分も協力させる様に請う。二人はイルサが残した言葉通り、回収した口紅がUSBである事を知り、それを手掛かりにイルサの足取りを追う。

イルサはシンジケートのボスであるレーンの元へ戻ると、仕事は自分の方法でやらせてもらうという約束を確認する。レーンはイルサが二度もイーサンを逃した事を咎める。イルサは疑うなら自分を殺す様に告げるが、レーンはそれに応じなかった為、イルサはモロッコの発電所について明かす事で、イーサンを誘き出す意向を伝える。

イーサンとベンジーは、メモリ内にモロッコの発電所内にあるハッキング及び侵入不可能なデジタル金庫の図面を発見すると、カサブランカへと飛び、イルサと合流する。一方、ブラントは、CIA編入を拒否して辞職したルーサーを呼び、CIAにより殺害される前にイーサンを探し出す協力を求める。

イルサはレーンが英国の元諜報員であり、自分はレーンの信頼を得て、組織の全貌を暴くのが任務だと明かす。イルサは、メンバー名や協力者を含む、組織の全貌を収めたファイルが存在し、それが軍が厳重に警備する発電所内にある金庫に保管されている事を明かす。金庫を開くには指紋認証、ダイヤル式ロック、顔認証より高度な動作認証を全てクリアする必要と、更に警備システムに認証データが入力されている必要があり、データは巨大な放水口で外部と隔絶された冷却用チェンバーの中に保管されているという。ファイルを入手するにはチェンバー内に侵入し、認証データをすり替えるしか無いが、システムが金属を探知する為にボンベは使えず、息を止めて侵入とすり替えの作業を窒息限界の三分以内に済ませる必要があり、イーサンがチェンバーでのデータ交換に、ベンジーが金庫へ向かう事になる。その頃、ルーサーはイルサの似顔絵を元に顔認証を始め、カサブランカ空港の監視カメラの記録にイルサを発見するが、既に英国諜報員を除籍扱いとなっている事が判明する。

イーサンとイルサが空から発電所へと侵入し、ベンジーは正門から金庫のゲートへと向かう。イーサンは放水口からチェンバー内に侵入すると、イルサがシステムをジャックして放水を止める。イーサンはデータのすり替え作業を始めるが、異変を察知した職員が冷却システムをフルパワーにし、放水が再開される。ベンジーが認証ゲートへの通過を始めると、イーサンは想定外の事態に苦慮しながらも、既のところでデータの交換に成功し、ベンジーは金庫へ到達してファイルを回収する。しかし、三分を超過した為に、イーサンは脱出ハッチを開ける前に窒息する。イーサンの危機を察知したイルサが救出に駆け付け、ハッチを開けてイーサンと共に脱出する。

イルサはAEDでイーサンを蘇生させ、そこへファイルを保存したメモリを携えたベンジーが合流する。イルサは不意を突いてベンジーからメモリを奪取して逃走すると、組織のメンバー達と合流するが、イルサは彼らを退け、バイクで逃走を図る。イーサンとベンジーは車でイルサを追跡する。そこへブラントとルーサーが駆け付け、イーサン達の後を追う。

イルサはメンバーの猛追を躱し、町の外へ疾駆する。イーサン達はメンバーを撃退しながらイルサを追うが、その最中、車が大破して窮地に陥る。そこへブラント達が駆け付け、二人を救うと、イーサンは単身バイクに乗り換え、イルサの追跡を再開する。山道に入り、イーサンはイルサを猛追するが、突如路上に立ちはだかるイルサを避けて転倒し、イルサはその隙に逃亡する。イーサン達は町へ戻り、ベンジーはメモリのデータがコピー済みである事を明かす。

イルサはロンドンに戻ると、MI6長官のアトリーと接触し、メモリを差し出す。アトリーはレーンによりイルサの行動が読まれていると指摘し、ファイルの真偽を疑うと、それを確かめる様に命じる。メモリを届けて、任務終了のはずだったイルサは憤慨し、英国に戻すように要求するが、アトリーはそれがレーンによるテストであり、イーサンと同じく、イルサもまた祖国の無い人間だと指摘し、組織に戻るほか無いと告げる。イルサはメモリを手に、その場を去る。

イーサン達はメモリの中に英国政府の機密情報が収められたレッドボックスが入っている事を知る。レッドボックスを開くには、英国首相本人による三段階の認証、すなわち指紋及び網膜スキャン、特定の文章を読む声が必要であり、イーサン達はレーンが首相の拉致を企てていると確信する。ブラントはMI6に通報すべきだと主張するが、イーサンはそれではレーンの思う壺であり、レーンの先回りをすべきだと主張する。その時、ルーサーの監視システムでイルサを捕捉する。

イルサはレーンの元に戻り、メモリを手渡す。レーンはイルサの手腕を買ってはいるものの、裏切りが忍耐の限界に達している事を伝える。イルサはレーンがテロリストだからだと主張するが、レーンはテロリストの様に恐怖を撒き散らす事は無く、標的を絞って変革の為に殺しているのであり、政府の方が体制維持の為に人を殺していると説く。イルサは、イーサンはそうでは無いと反論するが、レーンはイーサンのギャンブルで罪の無い人が犠牲になっていると指摘し、どちらが悪人か問う。メモリが空である事が判明すると、レーンは憤慨し、イルサに詰め寄る。

イーサン達は駅でイルサを捕捉する。イーサンはイルサが任務を果たしただけだと理解を示し、メモリが空なのはアトリーと会った時に秘密裏に消去されたからだと指摘する。イルサは組織に使い捨てにされた事を嘆く。イーサンは、メモリが空なのにレーンがイルサを生かす理由を訝る。イルサはイーサンに残された3つの選択肢、すなわち、①自分とメモリをCIAに渡す、②自分を解放してメモリでレーンを誘き出す、③全てを忘れて今すぐ自分と消え、普通の人間として自由に生きる、を伝える。イーサンは全てに難色を示す。イルサがイーサンの要求に応じ、レーンからのメッセージを聞かせる為にスマホを差し出すと、途端にイーサン達の交信にノイズが走り、不意を突かれてベンジーが拉致された事を知る。

イーサン達は駐車場へ急行するが、その間にイルサが姿を消す。イーサンはイルサの仕業では無く、レーンの筋書きだと悟る。スマホにレーンから連絡が入り、ベンジーと引き換えに、ロックを解除したメモリを今夜0時までに持ってくる様にイーサンに要求する。解除には首相を拉致する必要があり、ブラントは反対するが、イーサンはあえて罠に踏み込み、決着を付ける意向を示す。

ブラントはイーサンの計画に同行せず、ハンリーとアトリーをロンドンに呼び寄せる。首相夫妻がオークション会場に賓客として訪れると、ハンリーはアトリーに首相の危機を伝える。ハンリー達は首相を会場の別室へ呼び出すと、イーサンが存在しないテロ組織の壊滅に乗り出し、そのイーサンをイルサが操っており、首相に危機が迫っていると伝える。ブラントはイーサンがシンジケートを倒す鍵と信じてレッドボックスを開けようとしている事を伝える。首相は、シンジケートがアトリーの発案した訓練目的の組織だと知っており、アトリーに疑惑の目を向ける。ブラントがレーンの名を示すと、首相はシンジケートがアトリーによる理論上の計画で、それが他国の元諜報員をスカウトし、新しいIDを与えた上で、彼らを使って国の敵を排除する目的の組織であり、その活動資金は海外のレッドボックスに保管し、それを操作できるのは首相だけだと認め、その提案を即座に却下し、実行を禁じた事を明かす。

その時、アトリーに扮していたイーサンが首相に自白剤を撃ち、正体を現すと、ブラントは首相にレッドボックスの認証を突破させる。そこに本物のアトリーが駆けつけると、イーサンはアトリーにも自白剤を撃つ。アトリーはレーンが裏切った事で、シンジケートの存在を隠蔽すべくメモリを空にし、イルサを陥れた事を認める。ブラントは、アトリーが真実の発覚を怖れて首相を撃ち、ハンリーが首相を救ったという筋書きを提示し、一件落着を図る様にハンリーに提案する。

イーサンはレーンの要求に応じ、メモリの受け渡しに臨む。ルーサーはレーンに金が渡れば、巨大なテロ組織が生まれる事を危惧するが、イーサンは命をかけて阻止する意向を伝えると、24億ポンドに上る口座番号の全てを記憶し、指定場所へ向かう。

指定場所のカフェテラスには、時限爆弾を仕掛けられ、遠隔でレーンの意のままに操られるベンジーと、メモリを受け取り次第イーサンを殺す様に命じられたイルサが待ち受ける。イルサは爆弾で市民まで巻き添えになる危惧を伝える。イーサンは、レーンが殺し過ぎて人命を尊ぶ気持ちが薄れ、誰の命令で何故殺すのか疑問を抱くようになり、社会システムそのものに悪を見出した事を喝破し、復讐する為の人出と莫大な資金が必要だと指摘する。イーサンは全口座番号を記憶した自分自身がメモリであり、自分を殺せば全てが失われると伝える。レーンは爆発寸前に時限装置を停止する。イーサンは顔を突き合わせ、一対一で決着を付ける事とベンジーの解放を要求する。レーンはベンジーに解除コードを伝えると、イルサの殺害とイーサンの捕獲を手下に命じる。

イーサンとイルサは手下達の猛攻を退けながら逃走を図り、二手に別れる。イルサはヴィンターと遭遇し、格闘の末に殺す。イーサンはレーンを誘き寄せると、首尾良く罠に嵌め、ルーサー達が仕掛けたクリアボックスの中に閉じ込める。レーンをガスで昏睡させると、イーサン達は警察車両に扮したトラックにクリアボックスごと積み込む。イーサンはイルサが自由の身である事を伝え、その幸運を祈る。イルサは自分を探し出せると告げ、車で走り去る。

その後、ハンリーは上院委員会において、IMF解体がシンジケート摘発の為の非常措置だった事を明かし、解体を撤回する。果たしてIMFは復活し、ハンリーが長官に就任する。

 

 

シリーズ五作目ともなるとマンネリ化して来そうなものだが、そこはトム・クルーズ主演作だけあって、全く衰えを感じさせないどころか、より進化しており、観ていて何度も驚かされた。脚本もアクションも素晴らしくて、今年の最高傑作の一つだと言える。特に発電所への侵入から始まる一連のアクションに継ぐアクションてんこ盛りのシーンは、文字通り息も付かせぬ手に汗握る展開で、目眩がする程によく出来ている。しかし、イーサンは超人過ぎるにも程があるんじゃないか。窒息して蘇生し、その直後に車があり得ないほど回転して大破し、更にその後、何食わぬ顔でバイクに乗り、高速走行中にド派手に転倒し、ほとんど無傷ってどんだけ不死身なんだよと苦笑した。更に終盤、超人的な記憶力を発揮するし。スタントは相当大変だろうと察するが、このままエスカレートするとトム・クルーズは撮影中に命を落としやしないかと心配してしまう。今回、物語を彩るのがヒロインのイルサ役を演じるレベッカファーガソンで、美しくてカッコ良い、エージェントにどハマりする女優だ。キャリア自体はそんなに長くは無い様だが、今後の活躍が期待される。奇しくも先日、次回作への続投が決まったらしい。ヒロインの続投はシリーズ初との事だから、やはりその存在感が次回作でも欠かせないのだろう。サイモン・ペッグ演じるベンジーも良いムードメーカーになっていて良かった。しかし、ここ数年のトム・クルーズの作品はどれも完成度が高いよなぁ。

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