チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

あと1センチの恋

クリスチャン・ディッター監督作「あと1センチの恋」("Love, Rosie" : 2014)[DVD]

思いを寄せ合うカップルが、気持ちのすれ違いから結ばれる機を逸してしまい、運命に翻弄されていく様を描くロマンチック・コメディ・ドラマ作品。

 

英国の住宅街で両親や弟と暮らすロージーは、18歳の誕生日を幼馴染で親友のアレックスと共にクラブで過ごし、深酒をしてハメを外す。二人は互いに好意を寄せあってはいるものの、一線を超えられず、アレックスは勢いに任せて、ロージーに初めてのキスをする。しかし、泥酔したロージーはその直後に意識を失い、病院へ搬送される。

翌日、ロージーは自宅で目を覚まし、見舞ったアレックスはロージーに昨晩の記憶が無い事を知る。その後、同じ学校のベサニーから好意を寄せられたアレックスは、セックスに持ち込む方法をロージーに相談する。ロージーもまた、同じ学校のグレッグから誘いを受ける。程なく、アレックスは童貞を卒業した事をロージーに報告する。

卒業パーティの日を迎え、ロージーはグレッグの誘いに乗り、セックスに応じるが、童貞のグレッグが避妊に失敗した為に、ロージーは慌てて病院へ駆け込み、事なきを得る。病院から自宅へ送る際、アレックスはハーバード大に行く意向をロージーに伝えると、ホテルマンの父の影響を受け、自分のホテルを持つ事を夢見るロージーに、ホテル経営を学べるボストン大に行く様に勧める。ロージーはアレックスに同行して渡米できる事を喜び、賛同する。ロージーの母は渡米に反対するが、父はロージーの背中を押す。

ボストン大の合格通知が届くと、ロージーはその事を真っ先にアレックスに伝えようとするが、その直前に体調不良に見まわれる。ロージーは駆け込んだ薬局の店番ルビーに妊娠検査薬を勧められ、妊娠が判明する。ロージーはアレックスに事実を打ち明けようとするが、アレックスはベサニーと交際を発展させている事を知り、伝える事を断念する。ロージーは思いがけぬ妊娠で、夢を諦めざるを得ない事を悲嘆する。

程なく、ロージーはアレックスからハーバード大に合格した事を伝えられるが、ボストン大に合格した事をアレックスに伏せる。アレックスの出発の日を迎え、ロージーは空港へ見送りに行く。ロージーはアレックスを抱きしめると、キスをしようとするが、アレックスを自分の事情に巻き込むのを恐れ、思い留まる。

グレッグはロージーから妊娠を告げられた途端、逃げ出してしまうが、ロージーは子供を堕ろすわけにもいかない為に途方に暮れる。ルビーは夢を諦めようとするロージーを慮り、養子に出す事を勧める。ロージーは妊娠と出産の事実をアレックスに秘密にして、養子に出す事を決める。ところがお腹が大きくなるにつれ、ロージーに我が子へ愛情が芽生え始める。やがてロージーは自宅で女児を無事に出産する。ロージーはケイティと名付けたその子を抱きかかえ、我が子の愛おしさを実感すると、母親になる事を決意する。

ロージーは両親の支えを得ながら、ケイティの育児に奮闘する。ある日、ロージーは街中でベサニーと遭遇し、出産の事実を偽ろうとするが、ベサニーは事情を悟る。ベサニーからロージーの出産の件を聞いたアレックスは、週末に帰国し、ロージーを訪ねる。ロージーはアレックスの障害になるのを恐れ、また夢を持ったままの自分の姿を見ていて欲しかった事を打ち明ける。ロージーとアレックスは互いに思いを寄せあいながらも、再び別れる。

ボストンに戻ったアレックスは、バーで出会ったフィルに妹のサリーを紹介され、やがて交際に発展し、同棲を始める。ロージーとアレックスはネットで互いの近況を伝え合いながら、5年の歳月が流れる。

ケイティは順調に成長し、ロージーはルビーの伝手でホテルの清掃職に就いて働き始める。ロージーはベサニーがファッション誌の表紙を飾るトップモデルになった事を知る。一方、アレックスは神経質なサリーと価値観の違いが浮き彫りとなり、気持ちがすれ違う様になる。アレックスは心の拠り所をロージーに求め、ボストンへ遊びに来る様に誘う。

ロージーはアレックスの誘いに期待を寄せ、ケイティを実家に残してボストンへ赴く。ロージーはアレックスの大学のパーティに同行し、夜明けまで飲み明かす。ロージーはボストンで暮らす夢を諦めたが、ケイティを産んで後悔していない事を伝え、アレックスへの気持ちを仄めかして、キスをしようとするが、アレックスはそれを拒む。アレックスはロージーを連れて、自宅へ戻り、サリーとフィルを交えて食事する。サリーはその席で、ロージーに妊娠を明かす。戸惑うロージーに、アレックスは話せなかった事を弁解する。

その後、サリーの知己の芸術家ハーブの個展にロージーも同行するが、ロージーは苛立ちを抑えきれず、会場を飛び出す。アレックスは説得を試みるが、ロージーは妊娠を黙っていた事に憤慨し、アレックスが自分をボストンに呼んだ理由が、過去に縋って惨めな状況から現実逃避したかったからだと詰る。アレックスは売り言葉に買い言葉で、挫折を味わったロージーが自分の成功を見たら辛いと思い、同情したのだと応じる。ロージーはアレックスを憐れむが、アレックスは自分は生まれてくる子に寂しい思いをさせないと畳み掛け、口論の末に二人は別れる。

帰国したロージーは、グレッグの気を引こうと考え、ケイティの描いた絵を送る。程なく、ロージーの職場に突然グレッグがやってくる。ロージーが母親一人の子育てがいかに辛いか訴えると、グレッグは父親になるチャンスが欲しいと請う。ロージーはグレッグを許し、ケイティと一緒に三人で過ごす様になる。ケイティはグレッグによく懐き、ロージーも誰かと一緒にいたいと願っていた為、ロージーはグレッグとの結婚を決める。アレックスはロージーからの結婚式の案内状を受け取るが、式には出席せず、その日にサリーと別居する。

式からしばらく経った後、新居で生活を始めたロージーは、アレックスに連絡を試みるが、サリーから出て行った事を伝えられる。ロージーはアレックスとメールでやり取りし、サリーがハーブと浮気しており、生まれた子の父親もハーブだと知る。ロージーはアレックスの心情を気遣うが、アレックスは気丈に振る舞い、心配の無い事を伝える。

更に5年の歳月が流れる。ロージーの両親は地中海へ旅行に出かける。ロージーは清掃から受付スタッフに登用される。ある日、ベサニーが宿泊に訪れると、ロージーはアレックスを喜ばせようと考え、アレックスの連絡先をベサニーに伝える。

程なくして、ロージーの父が旅先で急逝する。葬儀にアレックスが駆け付け、父への尊敬と弔意を伝えると、ロージーを慰め、抱きしめる。そこに酔い痴れたグレッグが現れ、それを制止する。アレックスは夫らしくロージーを支える様にグレッグに諭す。アレックスはロージーがグレッグから愛されていないと悟り、真摯な気持ちを綴った手紙を帰国前に投函する。

程なくして、自宅に届いた手紙をグレッグが先に開封し、隠匿する。ロージーは父が生前に旅先で綴り、投函した手紙を受け取る。その中で父は、ロージーを誇りに思っている事を伝え、夢を諦めないように激励する。ロージーは父が残した遺産で田舎にホテルを開業する意向をケイティに伝え、賛同を得る。

アレックスは連絡が途絶えたロージーにメールを送り、幸せかどうか尋ねる。ロージーは自分より家族の幸せを優先する意向を伝える。それを受け、アレックスはベサニーとよりを戻す。ある時、ロージーはグレッグが出張と偽って、浮気をしている証拠を掴み、現場に乗り込んで殴り飛ばす。ロージーはグレッグと決別し、家を出る準備を始めるが、その際にグレッグが隠していたアレックスの手紙を発見する。その中で、アレックスはロージーを手放したのが怖かったからで、今なら幸せにできるから連絡して欲しいと告げる。ロージーはアレックスに連絡を取るが、既にアレックスがベサニーと同棲しており、結婚する予定だと伝えられる。

ロージーはアレックスとは親友止まりで結ばれない運命だとルビーに嘆くが、ルビーに結婚式直前のチャンスに賭ける様に説得される。ロージーはルビー、ケイティ、更にケイティの幼馴染トビーを連れ、ボストンへ発つ。しかし、折り悪く火山灰の影響で出発が遅れ、式に遅刻して計画は台無しになる。ロージーは親友としてスピーチを行い、アレックスへの真摯な気持ちを伝えて祝福するが、心の内では悲嘆する。ダンスタイムの途中、ケイティがトビーに不意にキスをされて、会場を飛び出す。ロージーとアレックスが駆け付け、二人がお似合いで、絆で結ばれていると諭す。ケイティはトビーとのキスを無かった事にしたいと訴える。アレックスは、そうすればトビーが大きな傷を負い、心の穴を埋める様に別の女の子を探し求め、やがて結婚すると、幸せだと自分に言い聞かせる様になるものの、それでも心の穴は埋まらないのだと説く。ケイティは二人にキスの経験を尋ねるが、ロージーは記憶が無い為に否定する。ケイティがトビーと和解すると、アレックスはロージーの18歳の誕生日にキスをした事を打ち明ける。ロージーは自分がキスを覚えていなかったせいで、アレックスがベサニーの誘いを受けたのだと知る。

ロージー達の出発をアレックスとベサニーが空港で見送る。ロージーとアレックスは心に蟠りを抱えたまま別れるが、ベサニーは二人が想い合っている事を悟る。帰国してしばらくした後、ロージーは海岸沿いに立つ屋敷を購入して、ホテルへと改装する。ロージーはケイティやスタッフに迎えたルビーと共に開業記念パーティを開く。そこへ客としてアレックスがやって来る。アレックスはベサニーと別れ、荷物を全てボストンに置いてきたと告げると、ロージーへの思いを伝え、二人は12年越しのキスをして結ばれる。

 

 

イケ男イケ女によるサレオツなラブストーリー。僕は恋愛未経験なのに、この手の恋愛映画が結構好きなおっさんなのだが、本作の巷の評価は芳しく無いようだ。何故だろう。リリー・コリンズが茶目っ気たっぷりの演技で、18歳から30歳までを演じきっているのがとにかく愉快なのに。変わっているのは髪型くらいで、老けていかないのはまあ良いじゃないか。序盤、多少下ネタがあるのもご愛嬌だろう。アソコにコンドームが残ったままになって、ロージーが鏡で覗きこんでるシーンなんか微笑ましいぞ。片やロージーは若くしてシングルマザーとなり、片やアレックスはトントン拍子にエリートになり、互いに素直になれないままに12年間も運命に翻弄されっぱなしでも、愛は変わらずっていう展開がベタでも良い。小さい頃のケイティが、ロージーと連れ込んだ男でホニャララしてるのを目の当たりにした時の顔が最高に可愛かった。

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