チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

キューティ・コップ

アン・フレッチャー監督作「キューティ・コップ」("Hot Pursuit" : 2015)[BD]

堅物の女警官が麻薬王訴追の為の証人の護衛役に任じられるも、証人共々命を狙われる事になり、任務を遂行すべく奮闘する様を描くコメディ作品。

 

テキサス州サンアントニオ署に勤務する巡査ローズ・クーパーは、仲間に尊敬される警官だった父の影響を幼少の頃から受け、自らも警官になる。クーパーは仕事熱心でありながら空回りする事が多く、ある時、現場で誤解に基づき、市長の息子をテーザー銃で撃ち、更に引火させるという派手な失態を演じてしまう。クーパーはその後、証拠保管係に異動させられ、更にその失態が「クーパー撃ち」として署内外で語り草となっている不名誉を恥じている。また、クーパーはその生真面目で堅物な性格が災いし、男に敬遠されがちで、関係が長続きしない事を嘆いている。

ある時、ダラスで麻薬王のビセンテ・コルテスが逮捕される。コルテスは麻薬取引の他、100件以上の殺人への関与が疑われており、証言の準備が進められる。クーパーは突然、警部エメットに呼び出される。エメットは連邦保安官補のジャクソンを紹介すると、コルテスの右腕的存在であるフェリペ・リヴァとその妻ダニエラが翌々朝8時に証言台に立つ事を明かし、フェリペを護衛するジャクソンに同行し、ダニエラを護衛する様にクーパーに命じる。名誉を挽回して現場復帰する機会を待ちわびていたクーパーは、久しぶりの任務でエメットの期待に応えるべく意気込む。

クーパーはジャクソンに同行し、ダラスのリヴァ邸に到着する。クーパーは二階で呑気に身支度をするダニエラに出発を促すが、気性の荒いダニエラは、服や装飾品、靴の類をスーツケースに詰めるだけ詰めて持ち出すべく躍起になる。その最中、突然階下で銃声が鳴り響く。覆面の男二人組がフェリペを殺しに来たと察したクーパーはジャクソンに加勢しようと試みるが、そこにコルテスの手下と思しき二人組が新たに現れ、覆面の二人組と交戦状態となる。クーパーはその最中に、覆面の男の腕にタトゥーを確認する。フェリペが手下の男に射殺されると、ジャクソンはクーパーに車に戻って応援を呼ぶ様に命じる。その直後にジャクソンも射殺され、手下の二人組は逃走を図り、覆面の二人組はダニエラの捜索を始める。クーパーはガレージの車内に隠れるダニエラを発見すると、車を押収し、ダニエラを乗せて邸宅から逃走する。

フェリペが死んだ事を知ったダニエラは号泣する。邸内で無線を落としたクーパーは、携帯で応援を呼ぼうと試みるが、ダニエラが携帯を車外に落としてしまい、ふいになる。クーパーは言うことを聞かないダニエラを手錠で自分と繋ぐと、道路沿いに見つけたバーの近くの公衆電話から署に連絡し、応援を要請する。

程なく、同僚の巡査部長ハウザーとディクソンが車で駆け付ける。クーパーはサンアントニオからの応援にしては到着が早過ぎると訝り、ハウザーの腕を確認すると、覆面の男と同じタトゥーを発見し、二人がコルテスに買収されていると察知する。クーパーは二人を欺く事で、ダニエラと共にバーのトイレに入り、窓から密かに脱出を図るが、二人に企みが察知される。クーパーは二人の追跡を躱すと、ダニエラと共に車で逃走する。

ところが間もなく車がオーバーヒートを起こし、二人は立ち往生を余儀なくされる。その時、ダニエラが携帯を隠し持っていた事が判明する。クーパーはそれで警察無線を傍受し、クーパーが保安官補を殺害した逃亡犯として指名手配されている事を知る。クーパーは足が付かない様に携帯を破壊すると、ダラスに行く方法を模索する。その時、停車中の車にトラックが衝突する。車からは隠して積み込まれていたコカインが飛散する。車を失った二人は、トラックに同乗して売店に辿り着くと、服を新調して変身する。クーパーは店にコルテスの手下二人組がやってきた事を察知すると、店の外のトラックの荷台に忍び込む。店を出発したトラックは程なく老夫の自宅に辿り着く。

クーパーは老夫が離れた隙を見計らってトラックを盗み、逃走しようと目論むが、ダニエラがスーツケースに執着する様を見て呆れる。ダニエラはその中に詰め込まれた高価な靴の数々が、コロンビアで殺された兄からもらった唯一の形見だと明かし、死んでも持っていくと主張する。クーパーはダニエラに互いに信用し合う様に促すと、トラックを奪おうとするが、ダニエラはそれを横目に一人で逃げ出す。その直後に老夫がクーパーの企みを察知し、ライフルを突き付ける。見兼ねたダニエラは引き返して助けに入ると、自分が獣医であり、二人が同性愛のカップルだと偽る事でやり過ごそうとする。ダニエラは通報を始めた老夫の気を逸らすべく、クーパーといちゃついている姿を見せる。老夫はその様子に見とれている内に、ライフルを暴発させ、自分の指を吹き飛ばす。クーパーは老夫の指を見つけると、返すのと引き換えに騒がない様に命じ、二人はその場から逃走する。

クーパーは隣近所でキーの付いたままのトラックを見つけると、それを奪取してダニエラと共に逃走する。その夜、トラックがダラスを目指してひた走っている内に、荷台で眠っていた酔っぱらいの男が突然目覚める。驚いたクーパーは急ブレーキをかけ、その衝撃で男は昏倒する。クーパーはトラックを川辺に停め、男を降ろすと、その足に出所者が付けられる監視装置を発見する。目覚めた男ランディはトラックの所有者である事を明かし、クーパー達が指名手配犯だと指摘する。クーパーはそれがデタラメで、ダラスに行けば解決できると諭す。ダニエラはダラスに行けば殺されて証言どころでは無いと主張する。クーパーは早く着いてしまうと命を狙われ危うい為に、ダニエラが出廷する朝まで身を隠せる場所をランディに尋ねる。ランディは警察が手出しできないカジノが安全だと明かすと、クーパーに同情を寄せ、案内を買って出る。クーパーはランディの監視装置を外して川に投げ捨てると、ランディの運転で一行はカジノを目指す。

道中、クーパーは「クーパー撃ち」の不本意な伝説の件をダニエラに明かすと、皆から尊敬され、殉職した父の名を汚した事を後悔しており、名誉挽回への強い意思を示す。トラックが警察の検問に遭遇すると、クーパーとダニエラはトラックの荷台に積まれた狩猟用の鹿の皮を被る事で、鹿を装って検問の傍を無事通り抜ける。

一行はカジノに到着すると、併設されたホテルに身を寄せる。クーパーはダニエラの逃亡を防ぐ為に、ベッドの柱にダニエラを手錠で繋ぐ。ダニエラは自分を守ってくれる事への感謝を伝え、クーパーにハグをする。クーパーは別室のランディに食事の用意を頼みに行き、そこで裸姿のランディと対面する。ランディは妹に暴力を振るった男を殴った事で捕まった事を明かす。ランディはクーパーへの好意を伝え、キスを迫り、クーパーはそれに応じる。

ランディが食事の用意に向かい、クーパーが部屋に戻ると、ダニエラはハグした時に奪った銃をクーパーに突き付け、手錠を外す様に命じる。ダニエラは最初からフェリペとは別れるつもりで、証言する気が無かった事を明かす。手錠を外したクーパーは、不意を突いてスーツケースで殴りかかり、取っ組み合いの争いの末に銃を奪い返す。証拠保管係で物品の重さに通じるクーパーは、スーツケースの重さから中身が靴だけでは無いと指摘し、ケースを開ける様に命じる。ダニエラはケースを開けると、靴が全てゴールドとダイヤであしらわれた一足時価数百万ドルの代物で、フェリペが現金を靴に変え、妻に贈る名目で国内に運び込んでいた事を明かす。その時、ハウザーとディクソンが部屋に押し入り、急襲を仕掛ける。クーパー達は部屋から脱出し、カジノへ逃れるが、そこでハウザーと鉢合わせになる。そこにランディが駆け付け、ハウザーを撃退する。クーパーはその場をランディに任せて、ダニエラと共にダラス行きのテキサス観光バスに乗り込み、逃走を図る。

間もなくハウザー達が車で追いつき、銃撃を始める。慄いた運転手が一人でバスから脱出すると、クーパーが代わりに運転し、ハウザー達の車を退けようと奮闘する。そこへコルテスの手下二人組が車で駆け付け、クーパー達に加勢し、ハウザー達の車は横転する。バスは工事現場で辛うじて急停車し、事なきを得る。安心したのも束の間、クーパーはダニエラに昏倒させられ、手錠を外される。

目覚めたクーパーは、ダニエラが手下二人組と共謀し、兄を殺したコルテスに復讐を企てている事を知る。ダニエラはコルテスを刑務所に入れるだけでは足りないと主張し、命の恩人のクーパーを殺さないと告げると、クーパーをバスに手錠で繋ぎ、手下達と共に立ち去る。

フェリペが殺され、ダニエラが失踪した為に、当局はコルテスの公判維持を断念する。釈放されたコルテスは娘テレサの15歳の誕生日パーティの会場へ向かう。署に戻ったクーパーは、ハウザー達が逮捕された事を知ると、ダニエラがコルテス殺害を企てている事をエメットに伝え、阻止すべきだと主張する。エメットはクーパーが汚名を晴らした事を喜び、帰宅して休む様に促す。クーパーはそれに反対し、パーティ会場に潜入する意向を示すが、エメットは警備が厳重過ぎて無理だと説くと、クーパーを証拠保管係から昇格する事を約束し、翻意を促す。クーパーはこれまでの生真面目な自分と決別し、エメットに無断でパーティに潜入する事を決意する。

ダニエラは拳銃を忍ばせ、パーティ会場を訪ねると、フェリペから証言を強要されたとコルテスを欺き、独り身になった事を嘆く。コルテスはダニエラの忠誠に報うべく力になると諭し、ダニエラを別室に招く。一方、クーパーは少年に成り済まして会場に潜入し、ダニエラと再会する。クーパーはダニエラの身を案じ、盗聴器を忍ばせた上でコルテスに罪を白状させ、終身刑に導く様に提案する。ダニエラは応じる素振りを見せるが、クーパーが変態扱いされて会場から追い出されると、提案を無視してコルテスの元へ向かう。

クーパーは給仕に扮して再び潜入を試みるが、会場内でエメットと遭遇し、銃を突き付けられる。クーパーはエメットがコルテスに買収されている事を知ると、隙を見て厨房へ逃げ込む。エメットはクーパーを追い詰め、融通が効かない事を指摘すると、殉職した父の事を罵り、同じ目に遭わせようとする。クーパーは咄嗟に酒を引っ掛け、スタンガンで「クーパー撃ち」し、エメットを昏倒させると、ダニエラの元へ向かう。

ダニエラはコルテスと二人きりで対峙すると、銃を突き付けるが、その企みを察知していたコルテスもまた銃を突き付ける。そこにクーパーが駆け付け、コルテスに銃を捨てる様に命じるが、その矢先にコルテスから銃撃を受ける。コルテスがダニエラを撃った瞬間に、クーパーは身を挺してダニエラを庇い、コルテスを撃って負傷させる。クーパーは罪状を告げた後、コルテスを拘束するが、ダニエラはコルテスに銃を突き付け、殺そうとする。クーパーは撃てば一生刑務所暮らしだと説き、ダニエラに翻意を促し、銃を降ろす様に命じる。その直後、コルテスが隠し持っていた銃でダニエラを殺そうとするが、既の所でクーパーがコルテスを射殺する。ダニエラは六年も殺す機会を待ち続けたのに台無しだと嘆くが、負傷したクーパーを労る。

それ以来、クーパーは「クーパー撃ち」では無く、コルテスを葬った偉業が署内で語り草となり、名誉を挽回する。クーパーは、司法妨害の罪で懲役三ヶ月の刑期を終えたダニエラを刑務所に迎えに行くと、規則違反を承知の上で、押収した靴をダニエラに返す。ダニエラは見違える様なクーパーの変わりぶりに驚く。クーパーはダニエラをパトカーに乗せ、出発すると、同乗するランディと密かに付き合っている事を明かす。

 

 

最近のリース・ウィザースプーンは割りと堅めの作品に出演していたのだが、ここへ来てまたユルいコメディの主演として、ややヨゴレな役どころを演じている。生真面目で堅物、その容姿はスッピンに近く、男っ気に乏しい女警官クーパーと、対照的にナイスバデーで気性の荒い証人の女ダニエラの凸凹コンビが、刺客に追われながらお騒がせな珍道中を繰り広げる、いわばおバカ系コメディである。ストーリーにやや締まりが無いのが残念なところだが、ウィザースプーンがその小柄な体をネタにしつつ、胸の谷間を曝け出して、空回りしながらもワチャワチャと奮闘している様が面白い。中でも「ペニス!ペニス!」と連呼するシーンに爆笑した。ズラを被って少年を装うシーンもノリノリで演じている様子が面白かった。むこうの女優はこうやって硬軟演じ分けられるからとても好感が持てる。アラホーで僕と齢が近い事もあり、これからの活躍にますます期待したい。

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