チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ハリケーンアワー

エリック・ハイセラー監督作「ハリケーンアワー」("Hours" : 2013)[BD]

超大型ハリケーンの災禍に見舞われた病院内に、未熟な産子と共に取り残された男が、子の延命を図りながら、絶望的な状況から脱するべく奮闘する様を描くスリラー作品。

 

2005年8月29日午前6時半。ニューオーリンズに超大型ハリケーン「カトリーナ」が接近し、地域一帯は猛烈な暴風雨に見舞われる。ノーランは妊娠中の妻アビゲイルが出産予定より5週間も早く体調の異変を訴えた事から、アビゲイルを病院へ搬送する。アビゲイルは危険な状態に陥り、医師らによる救命措置が行われる。病院にも次第にハリケーンの被害が及び始める中、ノーランはアビゲイルの無事を祈ってひたすら待ち続ける。

程なく、医師エドモンズが現れ、アビゲイルが女児を出産した事と、その際の失血が原因でアビゲイルが死亡した事をノーランに伝える。ノーランはアビゲイルの死が受け入れられず、しばしの間、当惑する。その後、ノーランはエドモンズに促され、病室で人工呼吸器による補助と、生理食塩水による点滴を受ける赤子と対面する。エドモンズは赤子が泣き声を上げたら安心だとの見通しを伝えるが、ノーランはアビゲイルを亡くした悲しみに打ちひしがれると共に、赤子と二人きりで残されるという想像だにしない事態に途方に暮れる。

その後、ノーランは遺体安置室に入れられぬままに、幾つかの遺体と共に通路に寝かされたアビゲイルの遺体を見つける。ノーランは赤子よりアビゲイルが必要だと遺体に呼びかけ、悲嘆する。ノーランは人出が足りないと説く職員に、アビゲイルを遺体袋に入れて、寝台に乗せる様に請う。

9時半、携帯が不通となる。ノーランは看護師のシェリーに出生証明書の記入を促され、赤子にアビゲイルと名付ける。ノーランは病院がハリケーンにより停電する事を不安視するが、シェリーは院内に発電機があり、更に機器にも予備のバッテリーがある事を伝え、ノーランを安心させる。

10時半過ぎ、スタッフ不足の為に一部の患者が一斉に別の病院に避難を開始する。その最中、病院が停電し、発電機による電気の供給に切り替わる。エドモンズは全員の避難命令が出次第、大病院へ移送するとノーランに伝える。

正午、コックが別の病院へ応援に向かい、食堂がもぬけの殻となると、ノーランは自販機で食料を買い集め、長丁場を覚悟する。程なく、風雨は収まるが、町にほど近い湖の堤防が決壊し、洪水が押し寄せ、町が浸水する。

午後2時過ぎ、病院の一階が浸水し、ノーランは赤子の病室がある二階に取り残される。更に発電室が浸水した為に、院内は完全に停電する。人工呼吸器は内蔵バッテリーによる運転に切り替わるが、老朽化により3分間しか持たない事が判明する。ノーランは助けを求めるが、院内が既に無人と化している事を悟ると、備品室でハンドルによる手回し式の発電機を見つけ、それを病室に持ち込んで呼吸器のバッテリーに接続する。ノーランは手回しで充電を試みるが、3分以上は充電できない事が分かると絶望視し、再び助けを求める。そこに患者の子を連れて避難する直前のシェリーが駆け付ける。シェリーは町が浸水した事を伝え、エドモンズが患者の運搬後に戻れなくなった事を明かすと、ノーランにも避難を促す。ノーランは人工呼吸器と発電機を運び出す手段を模索し、シェリーに協力を求める。シェリーは助けを呼ぶ意向を示し、病院を離れる。ノーランは手回しで充電を続け、赤子の延命を図る。

午後4時過ぎ、バッテリーの劣化が進み、徐々に持続時間が短くなる。ノーランは理性を保つ様に、充電の合間を縫って、生前のアビゲイルの人となりや、馴れ初めに関する話を赤子に語り聞かせる。午後7時過ぎ、点滴が尽きると、ノーランは薬品室で点滴を確保し、交換する事で窮地を脱する。翌日午前3時半、ノーランは赤子に写真を見せながら、プロポーズや妊娠後のアビゲイルの様子を語り聞かせ、助けを待つ。

午前7時半、ノーランは屋外に放置された救急車を発見すると、無線を使って救助を要請するが、充電に戻るのと行き違いで、沿岸警備隊との交信をふいにしてしまい、そのまま無線が途絶える。やがて充電の持続時間が二分と持たなくなると、ノーランは浸水した発電室に訪れ、水没した発電機を台座の上に引き上げる。しかし、その直後にショートを起こし、ノーランはその衝撃で気絶する。間もなく衝撃から回復すると、ノーランは病室に戻って充電を再開し、辛うじて赤子の命を救う。

午前9時半、ノーランは救助ヘリの接近を確認すると、屋上へ上がって発煙筒で居場所を知らせる。ヘリがノーランを確認した直後に、近隣のビルで同じく救助を待つ集団がヘリ目掛けて発砲する。ヘリは集団に救助を強要され、病院から遠ざかる。

午前11時半、ノーランは疲労の蓄積により、手回しによる充電に苦慮し始める。その直後、ノーランは院内に何者かの気配を感じ、様子を窺いに向かった先で、ロープが脚に巻き付いて身動きが取れない犬を発見し、助けてやる。ノーランはその犬が首輪に付けたタグから救助犬だと知り、恥だと指摘する。

午後6時過ぎ、残り一つとなった点滴を使用する。ノーランは手回しに耐えかね、脚で回せるように工夫する。犬が病室の外に駆け出していくと、その直後に銃声が轟く。程なく、銃を持った男が病室に現れ、ノーランに食料を要求する。ノーランは食料と助けが必要だと伝え、時計と金を差し出して、助けを呼んでくるように請うが、男はそれを拒む。そこへ犬が戻ってきて、男のバッグに噛みつくと、ノーランはその隙を突いて男を取り押さえようとするが、男は逃亡する。ノーランは男がバッグから落とした生理食塩水の点滴を発見し、その近くで倒れたシェリーを発見する。ノーランはシェリーが自分を助けに戻ったが為に、男に殺された事を知り、激昂する。

翌日午前4時半、ノーランは孤独に充電を続け、赤子の命を繋ぐが、疲労は限界に近づき、良い父親になれないと不安を漏らす。午前7時半、ノーランは薬品室からアドレナリンを持ち出し、自らに投与する事で、気力の回復を図る。程なく、ノーランが病室から離れた直後に、銃で武装した二人組の男が病院に侵入する。男達は薬品室が開いている事に気付くと、一人が薬の物色を始める。もう一人は病室のアラームに気付き、そこで赤子を発見する。ノーランは薬品室から出た男の背後から、アドレナリンを一気に大量に注入してショック死させると、銃を奪ってもう一人の男を射殺する。

午後0時半、停電から46時間後。発電機のハンドルが根元から折れ、赤子が絶体絶命の窮地に陥る。呼吸器が停止すると、ノーランは人口呼吸で赤子の延命を図る。程なく、ノーランは救急車のサイレンを聞くと助けを呼びに行こうとするが、病室を出たところで精魂尽き果て、意識を失う。そこに犬が戻ってきて、二人の救助隊を呼び寄せる。救助隊はノーランの生存を確認するとストレッチャーに乗せるが、赤子の存在に気付かずにノーランの搬送を始める。ノーランは赤子の存在を伝えようと声にならない声で訴える。その時、赤子が泣き声を上げ、救助隊は初めてその存在を確認する。ノーランは、自発呼吸ができるまでに回復した赤子を、救助隊の手を介して受け取り、抱き寄せる。

 

 

店頭でジャンルがアクションになっていたし、パッケージも完全にアクションを意識したビジュアルになっていたから、当然アクション作品だとばかり思っていたのだが、ストーリーが進展しても一向にそんな雰囲気にならないから、どういう事かと思ったらスリラー寄りのドラマ作品だった。パッケージの様に拳銃を構えるシーンなんかワンカットも無いのだから、アクションファンの関心を引くにしてもやり方がちょっと酷く無いか?しかし、超大型ハリケーンの直撃と、妻の死に伴う未熟児の出産と、人工呼吸器のお粗末なバッテリー具合が重なるってどんだけ~って感じではある。手回し充電で2~3分毎にクルクル回すポール・ウォーカーの姿に悲壮感と、ある種の和みを感じてしまって、絶望的な状況の割には切迫感がやや薄い。人懐こい犬が出てくるのが反則。ポール・ウォーカーは本作公開直前に事故死したらしい。僕とそう齢が変わらないのに、とても切ない。

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