チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

戦慄病棟

マーカス・ニスペル監督作「戦慄病棟」("Exeter" : 2015)[DVD]

廃墟と化した精神病棟に集まった若者達が、悪ふざけにより呼び起こした悪霊に襲われていく様を描くスーパーナチュラル・ホラー作品。

 

エクセター児童院は知的障害児や精神障害児を教育し、社会に送り出す事を目的として、1916年に設立された。しかし、設立以来、入院児童の虐待や放置が蔓延し、死亡が相次ぐ様になった。やがて重大な人権侵害を問われて、施設は1970年代後半に閉鎖された。その後、1980年代に教会が建物を買ってリハビリ施設に改築したが、火事に見舞われて以降、誰も立ち入らぬ場所となった。現在も施設跡に子供達の幽霊が彷徨っているという噂がある。

高校卒業後、進路を決めかねているパトリックは、教会ボランティアの一員として、コンウェイ神父の指示の元、施設のユースセンターへの改築作業に従事している。ある夜、パトリックの友人ノウルズが、パトリックの反対を遮り、施設での乱痴気パーティの開催を呼びかける。施設には大勢の若者達が集い、酒、ドラッグ、セックス、ロック演奏に興じる。

夜が明け、皆が帰った後、施設にはパトリックとノウルズの他、初対面で意気投合したレイン、パトリックの友人ブラッドとアンバー、更にその知人のドリュー、パトリックの弟ロリーが残って、二次会に突入する。ノウルズはかつて施設で一人の子供が狂暴化したのに伴い、他の患者も錯乱した事により、相次いだ自殺や暴行を隠すべく、施設に火が放たれたのだと説くと、コンウェイには拷問の趣味があり、悪魔祓いまがいの虐待があった事を明かす。ノウルズは、事件当時の報道で、コンウェイがロックと黒魔術が火事の原因だと証言している、ネット上の動画を提示する。ネット上には更に施設内で空中に浮遊する少女の動画があり、一同はその真偽を確かめるべく、実験に乗り出す。

ロリーが実験台に志願し、皆は仰向けのロリーを取り囲んで、各々が二本指をロリーの体の下に入れ、浮くように念じる。するとロリーの体が僅かに浮き上がる。ロリーは慄いてその場から逃げ出す一方、皆はそれを信じずに茶化す。パトリックはレインに促され、階上へロリーを探しに行く。一方、残りの4人は一階で王様ゲームに興じ、馬鹿騒ぎを続ける。

パトリックはトイレで額に三日月の傷を刻みつけるロリーを見つけて制止する。悪霊が取り憑き、狂暴化したロリーはパトリックに襲いかかる。パトリックはロリーを寝室だった広間に担ぎ込む。レインはロリーの異常な瞳孔の開きぶりを見て、聖職者を呼ぶべきだと訴える。パトリックはコンウェイにパーティが発覚する事を恐れ、難色を示す。ロリーは尚もパトリックに襲いかかろうとする為、パトリックはロリーをベッドに縛り付けると、コンウェイに電話し、聖水の持参を請うメッセージを残す。

パトリックは一階の4人にコンウェイを呼んだ事を伝える。4人はロリーが薬でハイになっているだけだと指摘し、パトリックを非難する。そこに施設を管理するグリアがショットガンを持参して現れる。グリアは施設内の様子を見渡すと、警察を呼ぶ意向を示して一同を脅す。グリアは二階から響き渡るロリーのうめき声を聞くと、確認に向かう。グリアはロリーの拘束を解いた途端、ロリーに首を拗じ回され、駆け付けたパトリック達の前で自らショットガンで頭部を吹っ飛ばして死ぬ。

驚愕し、当惑したブラッドとアンバーは車で施設から逃げ出そうとするが、施設前に到着したばかりのコンウェイを誤って撥ねてしまう。コンウェイはフロントガラスに突き刺さり、レインがその死を確認すると、ブラッドとパトリックは互いに責任を擦り付け合い、一同はどう対処すべきかで揉める。ブラッドは解体して遺棄する事を提案する。

レインとパトリックは屋根裏で14歳のデヴォンという患者の記録を発見する。その中で、治療に当たったコンウェイにより、デヴォンには、生まれつきの中毒があり、両親は不明とされ、数ヶ所の施設を脱走した事、非常に凶暴で病的な虚言癖と反社会的な行動がある事が記される。レインは同じ事がロリーにも起きていると説く。二人は付属のビデオテープを再生する。その中でコンウェイは、デヴォンが人々を操る能力に優れており、奇行や暴力を行わせていた為に、デヴォンを拘束して監禁したものの、逆に能力を強める結果になった事を証言する。レインはテープの中でデヴォンが口走った意味不明の言葉を訝り、それを逆再生する事でデヴォンが「ここは火事になる」と告げた事が判明する。その時、突然、施設内の全てのドアと窓の鍵が閉まり、二階の広間から叫び声が轟く。一同はロリーの様子を確かめに行き、そこで天井に浮かび上がりロリーを目の当たりにすると、それが悪霊だと確信する。

一同は悪魔祓いの必要性を悟り、ノウルズがネットで見つけた悪魔祓いのサイトの情報を元に、マットレス、聖書、十字架、ラップ、ライター、キャンドルを手分けしてかき集める。パトリックは聖水が無い事に気付くと、コンウェイに当たりをつけて、車に戻る。しかし、そこに死体は無く、一同は当惑する。

コンウェイの鞄から聖水を持ち出すと、一同はサイトの手順通りに悪魔祓いを始める。パトリックが聖書の文言を読み上げ、ロリーに聖水を振りまくと、ロリーは激しい苦悶の叫びと共に超常現象を引き起こした後、落ち着きを取り戻す。パトリックはロリーが悪霊から解放された事に安堵し、抱き締める。その途端、ロリーは再び狂暴化し、一同に襲いかかる。一同はロリーを再び拘束し、途方に暮れる。

その時、階下のPCが大音響を轟かせる。一同が駆けつけると、天井に「私に聞け」という文字を発見する。レインは霊が何かを伝えようとしているのだと説き、ウィジャボードで聞いてみる事を提案する。一同は即製でボードを作ると、レインとアンバーがグラスをブランシェット代わりにして、霊との交信を試みる。レインの問いかけに対し、霊は自らの名をデヴォンと明かすと、「僕を見つけて」「箱」「助けて」と示した後、グラスが砕け散る。それと同時に、階上のロリーが宙に浮かび、もがき苦しみだす。

パトリック達はロリーの元に駆け付ける。一方、階下ではアンバーがグラスの破片に手を押し付け、血液をボードに擦り付ける。その途端、ロリーは悪霊から解放されるが、今度はアンバーが悪霊に取り憑かれて狂暴化し、一同に襲いかかる。アンバーはノウルズを負傷させ、ドリューの舌を噛み切ると、ブラッドに薬品で目を焼かれて逃走する。ドリューは吊具の下敷きになって死ぬ。

パトリックとレインはノウルズとロリーを退避させると、非常口を探しに向かう。その途中、二人はアンバーの接近を察知すると、クローゼットの中に身を隠してやり過ごす。一方、ロリーはノウルズの傍を離れて、小便をしに行くが、そこでコンウェイに捕らえられる。

レインはクローゼットの下の引きずった跡に気付き、クローゼットの裏に隠し扉を発見する。二人はその奥の部屋で、壁に刻み付けられたデヴォンの名や魔法陣、三日月、悪魔の顔を目の当たりにし、更に壁に掛けられた十字架に隠された穴から、パトリックとコンウェイが写った写真と手紙を発見する。手紙には「ここに助けを求めに来た」「私の血は神父様のもの」「もういじめないで、コンウェイ様」と記されており、二人はコンウェイがデヴォンの父親である可能性を疑う。一方、ノウルズはロリーがいなくなった事に気付くと、ウィジャを行った部屋に向かい、ボードに擦り付けられた血の三日月の形状をネットで参照し、それが召喚の警告だと知る。

パトリックとレインはバスタブの並んだ浴室のダクトから外気を感じ取り、レインが内部の様子の確認に向かう。その直後、パトリックはアンバーに不意を突かれて襲撃される。パトリックは駆け付けたレインと共に二人がかりでアンバーを撃退し、頭を叩き潰して殺す。その頃、ブラッドは制御室でコンウェイと遭遇する。ブラッドは慌てて逃げようとして転倒し、携行していたツルハシが胸元に刺さって絶命する。コンウェイはその場から立ち去る。

パトリック達は、ロリーとノウルズがいなくなった事を知る。ノウルズは自らのタブレットに残した動画で、三日月が魔術の召喚サインであり、彷徨える霊が襲ってきたのは生きている人間の仕業だと説く。パトリック達がそれを観た直後、取り憑かれたノウルズが二人に襲いかかる。パトリックはレインと共にノウルズを撃退し、斧で叩き殺すと、ロリーの捜索に向かう。

程なく、二人は辿り着いた一室で金属の箱を発見し、その中に監禁されていたロリーを救出する。ロリーはコンウェイが黙示録や再臨について話し、自分を守る為に閉じ込めた事を明かす。箱には三日月の刻印が施されている事から、レインはデヴォンが死んでおらず、虐待された人々の霊を呼び起こして恨みを晴らしているのだと主張する。

三人は制御室に辿り着き、そこでブラッドの死体を発見する。パトリックが施錠の解除を試み、レインが窓の様子を確認しに向かうが、窓が開いた途端、コンウェイがレインに襲いかかる。コンウェイはレインに「私の子供」と語りかける。レインはコンウェイを退け、逃げ惑う。パトリックはロリーを窓から外へ逃すと、レインの救出に向かう。しかし、パトリックはコンウェイにハンマーで殴られ、昏倒させられる。

レインはコンウェイに脚を負傷させられるが、コンウェイに油をかけて退けると、格子戸で閉め出す。コンウェイはレインの体を格子越しに棒で貫き、パトリックが駆け付けるも、レインは絶命する。コンウェイはパトリックを守る為だと説き、デヴォンが子供では無く、悪の化身だった事を明かすと、神に祈りを捧げ始める。パトリックはデヴォンがコンウェイの息子だと指摘するが、コンウェイは自分に息子はいないと主張する。パトリックは迫り来るコンウェイに火を放ち、コンウェイは焼死する。

悲しみに暮れるパトリックは、レインが母から貰ったという手作りのブレスレットが落ちた事に気付き、そこに編み込まれたデヴォンの文字を見つける。その時、レインが息を吹き返し、デヴォンとしての本性を表す。デヴォンは、依存症の母がコンウェイを愛したものの、結局捨てられて自殺した事、残された自分は絶望を受け容れ、13歳の時に施設に来たものの、コンウェイは助けるどころか監禁した為に、生き延びて虐待された人々の霊を呼び起こした事、コンウェイが血を分けた娘より特に目をかけていたパトリックを利用し、首尾良くコンウェイを殺させた事を明かす。デヴォンはパトリックもまた皆と同じで、自分以外は誰が苦しんでも平気だと説くと、超常現象で芝刈り機を作動し、パトリックを押し当てようとする。そこにロリーが駆けつけ、パトリックに加勢し、デヴォンを退けると、パトリックは芝刈り機でデヴォンの腕を削ぎ落とし、大鋏で致命傷を与える。パトリックはロリーと共にデヴォンを監禁箱に閉じ込めると、炎上する施設から脱出する。デヴォンは助けを求めて絶叫する。

消火後の施設に警察が見分に入る。箱は開かれた状態で見つかる。

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