チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

グランド・ジョー

デヴィッド・ゴードン・グリーン監督作「グランド・ジョー」("Joe" : 2013)[DVD]

希望を失い、孤独に生きる男が、放浪一家で不遇を強いられる少年との出逢いを経て、人生を見つめ直し、少年に寄り添う様を描くドラマ作品。

 

15歳のゲリーは父、母、妹と共に放浪しながら暮らしており、やがて一家はテキサスの山林の廃屋に住み着く。ゲリーは飲んだくれで定職に就かず、やりたい放題の父ウェイドの尻拭いばかりさせられる事に嫌気が差し、ウェイドを詰るが、ウェイドはゲリーに手を上げる。その一方で、ゲリーはウェイドの代わりに、健気に母と妹ドロシーの面倒を見る。

テキサスの小さな町で番犬フェイスと共に孤独に暮らすジョーは、山林にマツを植える為に不要な樹木を薬品で枯らせた後、伐採する仕事を木材業者から請け負っており、粗野だが面倒見の良いその性格故に、雇っている労働者達に慕われている。ある金曜日、作業場にゲリーが現れ、引っ越してきたばかりで仕事を探している事を伝えると、雇って欲しいと請う。ジョーはゲリーのやる気を見込んで雇い入れる。ゲリーは早速その日から同僚に仕事を教わり、懸命に働く。ジョーはゲリーにその日の給料を手渡すと、月曜にまた来る様に伝える。ゲリーは帰宅すると、母に仕事が見つかった事を報告する。

ジョーは帰路で馴染みの娼館や雑貨屋をはしごした後、知人ステーシーの家に寄る。その帰り際に、ジョーはかつて殴って、顔に深い傷を負わせたウィリーの待ち伏せに遭い、猟銃で肩を撃たれて負傷する。意趣返しを果たしたウィリーは、車で逃走し、町から離れた山中の橋から猟銃を投げ捨てる。その頃、橋の傍で酔いつぶれたウェイドを誂っていたゲリーは、ウィリーに車で町まで送って欲しいと頼むと共に、銃を捨てた理由を尋ねる。ウィリーは武器が人を駆り立てるのだと説くと、ゲリーの傍に寄って顔の傷を見せつけ、また殴ったら殺してやるとジョーへの憎悪を露わにする。ウィリーは姉妹の有無をゲリーに尋ねると、ゲリーは妹の話をする事を拒む。ウィリーはゲリーの態度に憤慨し、掴みかかる。ゲリーがそれを振り払うと、ウィリーはゲリーを殴りつける。激昂したゲリーはウィリーを殴り飛ばし、馬乗りになって何度も殴りつけると、ウェイドと共にその場を後にする。

ジョーは帰宅すると、傷口から弾の破片を除去し、手当を行う。程なく知己の女コニーがやってくる。コニーは母親の連れ込んだ男と折り合いが悪い為に居させて欲しいと請う。

翌日、ゲリーがウェイドを連れて作業場にやって来る。ジョーはウェイドを働かせる事にしたものの、その勤務態度の悪さと、現場のボスに反抗する様に愛想を尽かす。ジョーは二人を送り届けた後、ゲリーの働かせて欲しいという意向を遮り、ウェイドをクビにする。帰り際、ジョーはウェイドがゲリーに暴力を振るっているのを目撃する。ゲリーはウェイドが母にまで暴力を振るっている事に憤慨するが、母はウェイドが苦労続きだからだと説くと、家族だけが味方であり、家族を守るのがゲリーの務めだと諭す。

大雨の日、ジョーの家にゲリーがやってきて、仕事がしたいと希望する。コニーはゲリーの顔の傷痕を指摘すると、ジョーはゲリーが父親に殴られている事を明かす。コニーは見ていただけなのかと問い質し、助けられるはずだと訴える。ジョーは自分を買いかぶらぬ様にといなす。コニーは誰も殴る権利は無いとゲリーに諭す。ジョーはゲリーに食料を買い与え、雨が止み次第、仕事に来る様に命じると共に、友達の様に気楽に接する様に促す。

ジョーは自分が無力であり、言われた事しかしない人間だと嘆き、自制心だけが自分を生かし、また、刑務所から遠ざけてくれているのだとコニーに説くと、その一方で懸命に働く男達は傷を負い、病んで年老いていくだけで、宝の山などもう無いのだと憂う。またジョーは、ゲリーが世間に見捨てられた子であり、良い様にも悪い様にもなると説くも、余計な感情を持てば押し流されてしまうと、自らの人生を悲観する。

ゲリーは、ジョーが新車に買い替えを検討している事を知ると、中古で年季の入ったトラックを売って欲しいと請う。ジョーはゲリーの必死で働いて買うという熱意に押され、900ドルで売ると約束する。一方、ウェイドは飲んだくれの老人を尾行し、人気の無い場所で殴り殺して追い剥ぎを犯す。

馴染みのバーで寛ぐジョーの前に、ウィリーが姿を表し、殺そうと思えば殺せたのにわざと外したのだと告げ、水に流そうと提案する。ウィリーがゲリーに危害が及ぶ事を仄めかすと、ジョーは激昂してウィリーを苛烈に痛めつけ、殺そうとするが、我に戻って、車で走り去る。

ジョーはその足で娼館を訪ねると、怒りに任せて、自宅から連れてきたフェイスに忌み嫌う番犬を殺させた後、娼婦で性欲を発散して帰路に就く。道中、ジョーはパトカーに停車させられると、保安官を挑発し、逮捕される。その際、フェイスが車外に飛び出し、走り去る。一方、ウェイドは帰宅するや否や、ゲリーに父親がジョーでは無く、自分であり、面倒を見るのも自分だと説くと、抵抗するゲリーから強引に金を奪い取る。

ジョーは知己で理解者の保安官アールの助力を得て保釈される。帰宅したジョーの元に、ゲリーが心配してやって来る。ジョーはかつて警官とトラブルを起こし、不本意に負傷させた為に、二年以上服役した事を明かす。ジョーはフェイスの捜索がてら、ゲリーにトラックの運転を練習させる。ゲリーの提案でフェイスを最後に見た場所に訪れ、ジョーはそこで座って待っているフェイスと再会する。ジョーはゲリーを送り届けると、因縁をつける奴がいたら教える様に告げる。その帰り道、ジョーはウェイドを見つけてトラックに乗せる。ジョーは、ゲリーの金を当てにしていながらゲリーを馬鹿呼ばわりするウェイドに、ゲリーが必死で働いてトラックを買おうとしている事を伝え、ゲリーに危害を及ぼせば叩きのめすと言い渡す。

後日、ジョーはゲリーに、危険な場所に住まずに、自立する様に勧める。ゲリーは母と妹の面倒を見なければならないと伝え、妹がある時を境に喋れなくなった事を明かす。一方その頃、ウィリーがウェイドに接触する。

程なくして、ジョーは新車に乗り換えると同時に、ゲリーにトラックを譲る。コニーはジョーに相手にされない事に愛想を尽かして出て行く。ジョーの家にアールがやってきて、ジョーが刑務所に戻る様な粗暴な事を繰り返している事について戒め、その身を案じる。

その夜、ジョーの家にゲリーが顔を腫らしてやって来る。ゲリーはウェイドにトラックを奪われた為に新車を貸して欲しいと請い、ウェイドを殺してトラックを取り戻す意向を伝える。ジョーはゲリーがやる必要は無いと説くと、母親と妹を連れて来て、この家に住むように促す。ゲリーはかつて自分が殴った、顔に傷のある男がウェイドを唆し、妹を連れて行った事を明かすと、自分のせいであり、自分で片を付けると説く。ジョーは拳銃を持ちだすと、ゲリーを連れて、ウェイドが向かった先へ急行する。

ウェイドはかつてゲリーと訪れた橋の先の空き地で、ドロシーをウィリーに30ドルで売春させようとする。そこにジョー達が駆け付ける。ジョーはトラックからウィリーを引きずり下ろすと、銃を突き付ける。ゲリーはその隙にドロシーを救出すると、ジョーの指示通り、新車で雑貨屋へ向かう。ジョーはウィリーの相棒の男に立ち去る様に命じる。ジョーはウィリーに月を見上げる様に促すや否や、男が背後から猟銃を発砲し、ジョーは腹部に致命傷を負う。ジョーは男とウィリーを射殺すると、橋の真ん中で佇むウェイドの元へ向かう。ジョーはウェイド目掛けて発砲するも外れ、弾切れになる。ウェイドは橋の下に身投げして死ぬ。程なく、ゲリーがアールと警察を連れて戻ってくる。ジョーは駆け寄ったゲリーの目の前で息絶える。

その後、ジョーの車とフェイスを受け継いだゲリーは、ジョーの現場で働いていた事が見込まれ、マツの移植作業の現場で雇われる。

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