チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

400デイズ

マット・オスターマン監督作「400デイズ」("400 Days" : 2015)[DVD]

宇宙船内での長期滞在を仮定した、400日間の模擬実験に挑む4人の飛行士候補者達が、孤立無援の環境で生活する内に、やがて想像を絶する事態に直面していく様を描くSFスリラー作品。

 

米国のケプラー産業は、火星への有人探査船打ち上げを数年後に控え、航行中の飛行士の心理的影響を探るべく、社会実験と称して、辺境の地に埋設された宇宙船に擬えた地下施設内で、4名の飛行士候補者の400日間の危機対応能力を見極めるリハーサルを行う事になる。ケプラーの代表ウォルターは現地に記者達を招いて会見を行い、4人の候補者、船長セオ、医師エミリー、科学者バグ、技師ドボラクを紹介する。会見の後、ウォルターの手で施設へのハッチが開かれる。ウォルターは脱落者がキャリアを失う事になると発破をかけ、4人は架空の任務でありながらも意気込み新たに施設内へ向かう。その際、セオはウォルターがエミリーに対してのみ、密かに言葉をかけるのを目撃する。セオはエミリーと婚約していたが、任務直前になってエミリーの方から破断を申し入れられ、未だ立ち直れずにおり、その事との関係を疑う。

ハッチがロックされると、4人は直ちに発射シークエンスに臨み、課題として設けられたトラブルを難なく解決する事で、宇宙空間へ到達して巡航モードへ移行すると、管制のウォルターとの通信を終える。一同は400日を過ごす居住モジュールのそれぞれの部屋へ向かう。船内の様子は、全ての部屋に設置された監視カメラで常時つぶさに記録され続ける。

バグは自らが離婚した時の経験から、セオの心情を慮る。セオは破談の理由についてエミリーに問い質すが、エミリーは複雑な事情があるとのみ答える。エミリーは任務の一環で、食事時に合わせて皆に定期的なワクチン接種を行う。

一同はそれぞれに日課をこなしながら、時間が経過していく。26日目、一同に疲労やストレスが溜まり始める。その日、エミリーによる一ヶ月に一度の記憶力測定テストが行われる。その最中、突然、船体が大きな振動に見舞われる。一同はウォルターに連絡を図るが、応答は無く、間もなく太陽エネルギーの電力系統に異常が警告される。ドボラクの調査の結果、太陽電池に異常は無い事が分かり、重要システムを動かす電力が確保されている事から、セオは節電をして様子を見る事を決める。

200日目。ドボラクは任務として課せられている、船内の様子を記録・編集した動画の、管制への送信を試みるが失敗し続ける。バグは科学モジュールに侵入していたネズミを見つけ、皆に紹介する。ドボラクは不衛生だから処分すべきだと主張する。バグがそれを拒否すると、ドボラクは有無を言わさず、ネズミを踏み潰して殺す。それをセオが非難した事で、ドボラクと殴り合いの喧嘩に発展し、エミリーが2人を制止する。

その頃からドボラクは不可解な幻覚に苛まれる様になり、エミリーに不調を訴える。エミリーは脱水症状だと諭すと、ドボラクが家族の話をしない理由を尋ねる。ドボラクは幼くして両親に捨てられた事を明かし、人生を学んだのだと説く。エミリーは自分達が家族同然だと諭す。ドボラクはエミリーに好意を寄せるが、エミリーはそれを受け容れられず、理解を求める。幻覚は尚もドボラクを苛み続ける。一方、バグは幼い息子サムを喪った事に対する罪悪感をエミリーに吐露する。

管制との連絡が途絶えたまま、360日余りが経過する。バグは部屋に篭りがちになり、エミリーはバグの様子を心配する。バグは室内の壁にペンで迷路を書き続け、やがてサムの幻覚と幻聴に苛まれる様になる。エミリーは心労が募り、精神安定剤を常用する様になる。

373日目。突然、何者かがハッチを外部から執拗に叩きつける音が聞こえてくる。ドボラクは施設が非公表の場所にあり、無視すべきだと主張する。皆が寝静まった後、ドボラクは物音を聞きつけ、ハッチのある中央モジュールに向かい、そこでパンツ姿の不気味な風貌の男を目撃して驚愕する。そこにセオが駆け付け、ハッチに上がろうとする男を呼び止めるが、その直後に男は気絶する。男は医療モジュールへ運び込まれる。ドボラクは男が科学モジュールの点検口から何らかの意図で侵入したのだと推察する。バグは地上で何かが起きた可能性を疑うが、その直後に心労で気を失う。

その夜、船内の酸素レベルが低下し、逆に二酸化炭素レベルが急上昇する。異変を察知して目覚めたセオは、エミリーが呼びかけに応じない為に部屋に押し入り、心停止したエミリーを発見する。セオの救命措置により、エミリーは蘇生する。バグは自室に持ち込んだサムのぬいぐるみが、いつの間にか無くなっている事に気付く。その直後、一同は男が医療モジュールから忽然と姿を消した事に気付く。

外部の酸素量が減っている事から、ドボラクは男の侵入と共に船内に異常が起きたのだと推測する。エミリーはやがて低酸素症や妄想、記憶障害、幻覚などを招く事を危惧する。残りの酸素が長く持たない事から、ドボラクは破損部分の修理を提案する。セオは契約外の事態に直面しており、外に出るべきだと主張するが、ドボラクは全てが訓練で、任務達成が目前であり、留まって対処すべきだと反論する。両者が啀み合うと、バグはドボラクを背後から殴って昏倒させる。

ハッチは中から開けられない為に、セオは科学モジュールの点検口から地上へ出る。セオは、かつて温暖で緑豊かな平野だった周辺一帯が、上空を覆うドームに光が閉ざされ、極寒で砂塗れの暗黒の荒野と化している事に気付く。バグによる採取した砂の分析の結果、それが月の組成と一致する事が判明する。セオは宇宙服を着て、偵察に出かける事を皆に提案する。

一同は非現実で異様な暗黒の世界を彷徨い歩き、やがて一軒の民家に辿り着く。荒みきった屋内で、一同は船に侵入した男の変貌する前と思しき人物が写った家族写真と、地図を発見する。周辺の町で唯一バツ印が付いていない場所があり、テオはそこを目指す事を決める。ドボラクは尚も訓練の一環だと疑い、マイクやカメラを執拗に探す。

民家を発った後、一同は明かりを見つけ、誘われる様に目的地の町トランクウィリティーに到着する。ドボラクはマスクを取り、問題が無い事を確認すると、皆もそれに従う。食堂から男が現れると、セオは何が起きたのか尋ねる。その男ゼルは答えようとせず、一同を中に招き入れ、スープを振る舞う。ドボラクは店内の不審な客が皆、会見に来ていた記者達だと見抜く。セオはずっと隠れていた事を明かすと、改めて何が起きたのか、ゼルに尋ねる。ゼルは誰も信用できず、協力しあう事が肝心だと説くと、光の塊が月に衝突して粉々になった後、砂埃が降ってきて地球を覆ったのだと明かし、真実は誰にも分からず、生存者が自分達だけかもしれないという懸念を示す。ドボラクがスープを口にすると、ゼルはそれが秘伝の味だと明かす。ドボラクは会見にゼルがいなかった事を指摘する。ゼルは気が触れていると一笑に付すが、ドボラクはゼルが右耳にイヤホンを付けている事を指摘し、ウォルターから指示を受けているのだと詰問する。ゼルが熱り立つと、セオは生き延びた理由をゼルに尋ねる。ゼルは運が良かったのだと説くと、一晩泊まる事を許可し、夜が明けたら出て行く様に命じる。

ドボラクは、バグの分析結果から始まり、地図を元に町に辿り着き、月に衝突の話が出てくるのは出来過ぎていると訝る。セオは辻褄は合うと理解を示す。ドボラクは気晴らしにバーへ行く事を提案し、皆もそれに応じる。バーでは特別酒と称する酒が出され、ドボラクだけがそれを口にし、店内の女を口説きに向かう。3人が目を離した隙に、ドボラクが忽然と姿を消す。その後、ドボラクは戻る事無く、閉店の時間を迎え、3人はやむを得ず、食堂に戻る。バグはドボラクの主張通り、全てが訓練の一環ではないかと疑い始める。

バグが最初に見張りを務め、セオとエミリーが眠りに就く。バグはトイレに入った途端に、サムを喪った時の病室の様子がフラッシュバックする。その直後、バグは食堂のメニュー表を偶然見つけ、食堂の本当のオーナーがゼルではない事を知る。バグはトイレから出ると、サムの幻影に誘われ、そこでゼルと対面する。

399日目。目を覚ましたセオとエミリーは、バグもまた姿を消した事に気付く。セオはゼルにバグの行方を問い質すも、ゼルはセオ達が酸素不足で虚実の区別が付いていないのだと指摘する。セオがカメラとマイクを探し始めると、ゼルは宇宙船に戻る様に促す。セオは船の存在を知っている理由を問い質すが、ゼルはナイフを見せて、セオを威嚇する。セオは訓練がもう十分だとウォルターに伝える様に言い放ち、エミリーと共に外に出る。

セオは吹き荒れる砂嵐でエミリーを見失い、建物の中に逃げ込む。セオは血塗れの厨房の奥で、船に侵入した男が檻に閉じ込められているのを発見する。男は鍵の位置を指し示し、助けを請う。セオがそれに応じると、男は謝意を示して逃走する。セオは後を追おうとするが、そこに偶然居合わせた女に包丁で刺される。セオは建物から脱出した直後にエミリーと再会する。エミリーがセオの傷の止血を施した後、2人は住民から逃れ、町を脱出する。

2人は再び民家に逃げ込み、エミリーはセオの傷の手当を行う。セオはエミリーが乗船前にウォルターから何を言われたのか問い質す。エミリーは任務開始の2週間前に、セオとの関係を終わりにしなければ、任務から外すとウォルターに言われていた事を明かす。セオは別れるフリもできたはずだと説くが、エミリーは監視されていた為に、一緒にいるにはこうするしか無かったのだと理解を求める。セオは自分ならリスクを冒しても打ち明けたと詰り、エミリーは怖かったのだと応じる。2人は悪夢の様だと嘆いた後、眠りに就く。

目を覚ました後、2人は船に逃げ帰る。程なく、2人を追ってゼルがガルシア、スケッチと共にやってくる。中からはハッチのロックができない為に、セオは戦って船を守る事を決意する。エミリーが身を隠すと、ゼルとガルシアがハッチから船内へ侵入する。セオは点検口から出ると、地上で待機するスケッチを不意を突いて倒し、その後、船内に戻ってガルシアを撃退する。ゼルはバグやドボラクが町で待っており、セオ達を連れ戻しに来たのだと説くと、一緒に帰る様に促す。セオはそれに応じず、ゼルと格闘するも、ナイフを胸に突き立てられて窮地に陥る。そこへエミリーが駆け付け、ゼルを背後からナイフで刺し殺す。間もなく、400日達成が伝えられ、予め記録されていたウォルターによるねぎらいと称賛、感謝のメッセージが再生される。ウォルターは任務終了を告げ、外で大勢の人々が待っていると明かす。その直後、何者かによりハッチが叩かれ、開放される音が響く。セオとエミリーは手を繋いで身構える。

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