チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

多重人格ストリッパー フランキー&アリス

ジェフリー・サックス監督作「多重人格ストリッパー フランキー&アリス」("Frankie & Alice" : 2010)[BD]

過去の陰鬱な出来事が原因で人格障害を患う女が、精神科医の助力を得る事で、心の中に秘められた真実と向き合っていく様を描くドラマ作品。

 

1973年、ロサンゼルス。ストリップクラブの売れっ子ダンサー、フランキーは、その肢体で毎晩、客達を魅了し、虜にする。その一方で、フランキーは日常的に心と体が解離する様な感覚に苛まれる。ある夜、フランキーは同僚で妻子持ちのDJクリフの自宅に雪崩れ込み、セックスに興じようとする。その際、フランキーはクリフの子供の人形を踏んだ事で、自らの少女時代の記憶が交錯し、人格が豹変する。フランキーは体を求めるクリフを拒絶し、殴って負傷させると、部屋から飛び出し、錯乱した状態で車道に倒れ込む。そこに駆け付けた警官は、フランキーをヤク中と見做して逮捕する。

大学病院の精神科の研究医オズワルドは、不在の医師の代理を看護師に依頼され、専門外でありながらやむを得ずフランキーの外傷の診察を行う。尋問に対し、フランキーは錯乱時の事を思い出せない為、オズワルドはフランキーを入院させて検査すべきだと判断し、精神科主任バックマンにその旨を伝えるが、バックマンはコカイン中毒を疑い、入院を却下し、応急処置のみに留めて警察に任せる様に促す。

明け方、フランキーは退院し、アパートに帰宅する。程なく、フランキーの部屋に大家がやってきて、小切手の不渡りを指摘し、立ち退きを通告する。フランキーは手持ちから家賃の一部を支払い、その場を切り抜けると、通帳を確認し、自分の関知しないブティックでの使い込みの形跡を発見する。その後、クローゼットの奥から、ブティックで購入した高額なドレスや、ウィッグが見つかる。その夜、店に出勤したフランキーは、クリフを負傷させた事を咎められ、店長に解雇を言い渡される。

翌日、フランキーは母エドナの誕生日を祝うべく、プレゼントのペンダントを持参して実家に赴く。フランキーはストリッパーとして働いている事をエドナに伏せており、夜学に通って大学の資格を取る意向を伝える。エドナと同居するフランキーの妹マキシンは、かつてフランキーの親友だったペイジが、地元の御曹司と結婚する事を伝える。ペイジはかつて母がメイドとして働いていた屋敷の娘であり、その兄ピートとフランキーは特別な関係にあった。

その後、フランキーは当時の記憶がフラッシュバックした事で、錯乱し、人格が入れ替わる。フランキーはドレスを纏い、ウィッグを身に付け、別人の姿で、ペイジの披露宴が行われるホテルに赴く。フランキーは花嫁姿のペイジの前に現れ、祝意を伝えると、かつて交わした、互いの式に出るという約束を伝える。ペイジはその言葉で、その女がフランキーだと気が付くと、途端に憤慨し、平手打ちを浴びせる。フランキーは人違いをしていると指摘するが、駆け付けた客達はフランキーを追い出そうとする。フランキーは錯乱し、傍にあったナイフを手に取り、警察を呼ぶように要求すると、取り押さえようとする客に抵抗して負傷させ、逮捕される。

フランキーは精神科病院に入院すれば、刑務所に入らずに済む事を知ると、オズワルドに連絡し、精神鑑定を依頼する。オズワルドは自分の検査と治療を希望すると署名する事を条件に課し、応じる意向を示す。程なく、フランキーは精神科病院に入院し、オズワルドの検査を受ける運びとなる。オズワルドはフランキーの過去のカルテを参照し、検査の時期によって、IQテストの結果が凡人から天才レベルへと大幅に異なり、また利き腕や視力も変化している事を知り、極めて異例だと指摘する。フランキーは、幻視や幻聴の自覚が無く、記憶障害がいつから起こり始めたかも分からず、ホテルへ行こうとした動機も思い出せない事を明かす。オズワルドはフランキーの眼球にライトを当て、その動きを確かめる。その途端、フランキーの人格が豹変する。オズワルドはフランキーに、体の外に抜け出し、自分の行動を離れた所から見る様な経験の有無を尋ねるが、フランキーはそれを否定する。また、フランキーはヘビースモーカーであるにも関わらず、喫煙癖自体を否定する。

翌日、オズワルドはフランキーに鎮静剤を投与し、催眠暗示を掛ける事で、彼女の潜在意識を探る事を試みる。フランキーは10代の頃にピートの屋敷で下働きしていた頃を回想し、それに伴い、幼い少女の人格が露呈する。オズワルドはフランキーを助ける為に、その少女に協力を請うが、その矢先に少女は、前日に出現した高潔に振る舞う婦人の人格に取って代わられる。婦人は、フランキーが人格を失っている間の会話を覚えていない事を明かすと、その理由が弱くて怖がりで無能だからだと説く。オズワルドは過去に何があったのか尋ねるが、婦人はそれを聞き流す。

オズワルドはフランキーが極端な解離性同一性障害を患っており、本人格の他に2つの人格が存在すると確信すると、少女の人格にジーニアス(天才)と名付ける。オズワルドはそれをフランキーに明かし、原因を調査する意向を伝える。オズワルドは再びフランキーに催眠による検査を行い、婦人の人格が現れる。婦人はフランキーの悪癖に耐えているのが苦痛だと説く。オズワルドはフランキーの秘めたる苦痛について尋ねるが、婦人はフランキーと不幸にも一つの体を共有しているだけで別人なのだと主張し、非協力的な態度を貫く。オズワルドは婦人が自らを白人だと思い込んでいる事を察知する。オズワルドは、フランキーとペイジ、ピートとの関係について尋ね、婦人はフランキーがピートとは不釣り合いだったと答える。

オズワルドは婦人は自我が強く、非協力的である事から、ジーニアスと接触する事がフランキーの治療の要だと悟る。フランキーの不起訴が決まり、入院の義務が消失すると、バックマンはフランキーの退院を促すが、オズワルドはフランキーの抱えるいずれの人格も見捨てられず、自発的な検査入院扱いにして、治療を続ける意向を示す。

病棟でナースがフランキーの髪の毛の手入れをしようとする。その時にラジオから流れていた古いポップスが、フランキーに過去の記憶を想起させる。その昔、使用人として屋敷で働く様になったフランキーは、ピートと相思相愛の仲となった。ある時、フランキーはピートと部屋で密会しているところをペイジに見つかり、激しく詰られた挙句、屋敷を追い出されたのだった。その記憶により、婦人の人格に豹変したフランキーは、錯乱してナースに襲いかかった為に、拘束される。程なく、オズワルドがフランキーを見舞うと、ジーニアスの人格が現れ、ピートがフランキーを一番傷付けたのだと明かす。フランキーは婦人の人格の名を問い質し、ジーニアスはそれがアリスだと明かす。オズワルドは3人の人格それぞれに、治療の同意書への署名を求める意向を固める。

翌日、オズワルドはアリスに、ピートがフランキーを傷付けた経緯を尋ねるが、アリスはフランキーを救う為に時間を費やす事を惜しむと、フランキーの力が段々弱まっている事から、人格が取って代わられるのも時間の問題だと明かす。オズワルドはアリスがフランキーと一体だと諭す。アリスはフランキーに対する敵意を剥き出しにすると、鏡に額を打ち付け、それを境にフランキーの人格に入れ替わる。オズワルドは、それぞれの人格の署名欄を設けた治療同意書をフランキーに託す。

その後、オズワルドの留守中に、バックマンがフランキーの元を訪ねる。バックマンはフランキーが不起訴になった事と、オズワルドがそれを意図的に伏せている事を明かす。入院が裁判所による命令に基づく措置だと思っていたフランキーは、オズワルドに真意を問い質すべく、研究室を訪ねる。フランキーはオズワルドの不在を知るも、3つの人格の分析を記した板書を目の当たりにする。フランキーはそこにピートの名を見つけると、ピートの発案で駆け落ちした時の記憶が蘇る。フランキーはアリスの人格に変化し、自らの意思で退院する。

程なく、フランキーが退院した事を知ったオズワルドは憤慨し、バックマンを問い詰めると、3つの人格全ての協力を得て、慎重に治療すべきだと主張する。オズワルドはフランキーの実家を訪ね、エドナとマキシンにフランキーの入院について明かす。マキシンは、フランキーが取り乱した様子で訪れ、金を要求し、エドナの首を絞めてネックレスを奪い取った事を明かす。オズワルドはフランキーが、抑圧された心の傷が原因となって、別人に変わる事を明かし、その鍵がピートだと説く。エドナはピートがずっと前に亡くなった事を明かすと、互いの世界で満足しなかった罰だと説く。オズワルドはそこで初めて、ピートが白人だと知る。エドナはフランキーの為に最善を尽くしたと主張する。マキシンはフランキーが勤めていたクラブをオズワルドに伝える。オズワルドはクラブを訪ね、同僚からフランキーが豹変した時に向かうであろう場所を聞き出す。オズワルドは高級ホテルのバーで男達に絡まれているアリスを発見し、連れ出す。

フランキーはアリスに会う事を希望する。オズワルドは、カメラで催眠の一部始終を録画する事に思い至る。フランキーは催眠により、駆け落ちの顛末を思い出す。1957年、ジョージア州サバンナ。フランキーはピートの運転する車に乗り、サバンナを離れ、新天地へ向かおうとしていた。その矢先に、車がトラックと衝突し、ピートは即死したのだった。フランキーはピートの子を身籠っていた為、自宅でエドナの助けを得て、出産する事になった。催眠中のフランキーは、その出産の様子を再現し始める。エドナは誕生した赤子を取り上げると、そのまま持ち去ったのだった。

催眠が終わると、オズワルドはフランキーに録画した映像を見せる。フランキーはエドナが赤子を殺したのだと主張するが、オズワルドは記憶が時として不確かだと説く。フランキーは赤子の名をアリスと名付けるつもりだった事を思い出し、人格障害の真実が明らかになる。オズワルドはフランキーとエドナが、それぞれに自分の過去と向き合う様に促す。フランキーはエドナと話し合い、過去を精算する。

その後、フランキーを人格を統合し、自己制御ができる日を目指して治療を続ける。オズワルドは2001年に死去する。フランキーはジーニアスの助力を得て、高校教師になり、その後、精神科医と結婚する。

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