チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

宇宙人王(ワン)さんとの遭遇

アントニオ・マネッティ,マルコ・マネッティ監督作「宇宙人王(ワン)さんとの遭遇」("L'arrivo di Wang" : 2011)[DVD]

謎の組織により、中国語を話す宇宙人に対する尋問の通訳を依頼された女が、宇宙人を拷問から救うべく奮闘する様を描くSFコメディ作品。

 

ローマで中国語の翻訳業を営むガイアは、取引先のディ・レンツィから連絡を受け、急を要するという同時通訳の案件を依頼される。ガイアは別の案件に取り掛かっており、難色を示すが、数時間程度の通訳で2000ユーロという高額の報酬を提示され、快諾する。程なくして、先方の迎えの車がやって来ると、ガイアは同棲する恋人にメッセージを残して、家を出る。ガイアが車に乗り込むと、局長と称するキュルティは、国家に係る極めて特殊な案件だと説き、機密保持の為に、ガイアは目的地まで目隠しを強いられる。

やがて車はとある施設に到着する。ガイアはキュルティに連れられ、堅牢なセキュリティを抜けると、階段を下った先の真っ暗な部屋に通され、着座する。キュルティは目の前に質疑する相手、王(ワン)が座っている事を明かすと、ガイアの目隠しを外し、暗闇の中で王に対する質疑を通訳する様に求める。

キュルティは報告に基づき、王が二週間前にローマにやって来て、アモニーケの家に侵入した事実を挙げ、それがいつからで、なぜそこにいたのかと王に問い質す。王はそこにいたのが数時間で、それが空き家だと思ったからであり、その後は逃げ隠れしたわけでは無く、自分に適した場所にいた事を明かす。キュルティはそれを真に受けず、本当の事を話す様に詰め寄る。ガイアはキュルティの脅迫めいた質問の仕方を非難するが、キュルティは口出しを許さず、通訳に専念する様に命じる。キュルティは、王が今朝方、危険を承知の上で、アモニーケの家に戻ってきた理由を問い質す。王はアモニーケに状況を説明したかったのだと答える。キュルティはそれが嘘であり、忘れ物を取りに行ったのでは無いかと指摘する。王は、自分の故郷では礼儀が重んじられる為に、アモニーケに謝罪する必要に駆られたのだと説く。キュルティは改めて、ローマにやってきた理由を尋ねる。王は、文化交流をして相互理解を図るのが目的だと答える。キュルティは憤慨し、なぜ中国語を話すのか尋ねる。ガイアはその真意が掴めずに困惑するが、通訳に応じる。王は、中国語が世界中で一番使われる言語であり、多くの人と会話できると思ったからだと答える。ガイアは事態を飲み込めず、混乱を来し、キュルティは一旦休憩する事を認める。

ガイアは、休憩所に留置されているアモニーケと対面し、状況を尋ねられるが、その意味が分からずに更に混乱する。ガイアは通訳を続けるに当たり、暗闇では表情が分からず、ニュアンスを掴みづらいと主張し、電気を付ける様にキュルティに請う。キュルティは王の姿を見たら別の問題が生じるとガイアに警告した上で、電気を付ける。ガイアは目の前に座っているのが異形の姿をした宇宙人だと知り、当惑する。王は、話がしたいだけだと諭す。ガイアは落ち着きを取り戻り、キュルティによる質疑が再開される。

王は地球に訪れた経緯を明かす。5年前に生命体が存在する惑星を発見した王の仲間達は、開拓すべきだと考え、観察を続けた後、偵察隊を派遣した。その後、王は遠い惑星から宇宙船で長く困難な旅を経て、地球へと到達した。最初のプロジェクトは文化、科学、医療の交流であり、王は概念的シンセサイザーと称する発明品を用いて、中国語を学んだ後、二週間前にローマにやってきたのだった。王は言葉は通じないものの、ローマで任務を続ける意向を示すと、両者の惑星が友好関係を築く事を希望する。キュルティは、王が文化交流が目的と言いながら、アモニーケの家で床を掘っているところを見つかって逃走した後、二週間の間、隠れていた理由を問い質す。王は人間に受け入れられるのが困難だと悟り、アモニーケへの謝罪が受け入れてもらうチャンスと考えたのだと説く。キュルティはそれが出任せだと指摘し、アモニーケの家に戻った理由と、地球にやってきた本当の狙いを詰問する。その途端、王は脱水症状を呈し、不調を訴える。ガイアは密かにキュルティのやり方に賛同していない事を王に伝える。王はガイアの主張に理解を示し、友好的に迎えて欲しかったと吐露する。ガイアは王の体調を案じ、水を与える様にキュルティに請う。キュルティはバッグから謎の装置を取り出すと、水と引き換えにそれが何かを答える様に要求する。王は水を求めて苦悶し、見かねたガイアは休憩所へ水を取りに行く。アモニーケは、自分が怪物を通報しただけなのに帰してもらえず、この機関が秘密だらけで怪しいと説き、ガイアに信じない様に促す。

ガイアは水を持参し、王に飲ませる。アモニーケの寝室で見つかったその装置について、王はそれが宇宙発信器と称する生存確認の為の装置であり、仲間と連絡を取る唯一の方法だと明かす。キュルティは星に帰る時の方法を尋ねる。王は戻る事はできず、地球に永住する意向を明かす。キュルティは、王がアモニーケの家で中止した作業を他の隠れ家で終わらせ、任務完了を知らせる為に装置を取りに戻ったところ、それを予測していたアモニーケの待ち伏せに遭い、昏倒させられ、捕獲されたという見立てを示すと、最後に4つの質問をする。アモニーケの家で作ろうとしていたものは何か?隠れ家はどこか?アモニーケに殴られる前に装置のボタンを押し、仲間と連絡が付いたのか?地球へ来た本当の目的は何なのか?王はそれらに対し、1.寝床を作っていた、2.正確には特定できないが最初に到着した場所からさほど離れていない、3.発信器はまだ使っていない、4.相互理解を深め、地球人と接触する事だと答える。キュルティはそれらが全部嘘だと一蹴し、事前に偵察隊に指定された隠れ家で、何らかの準備をしていたのでは無いかと詰問する。ガイアは、キュルティの尋問が高圧的に過ぎ、人道に反すると非難する。キュルティは、王が欺こうとしているかも知れず、そうだとすれば全人類が危機に陥ると主張し、ガイアに責任の重大さを理解する様に命じる。

キュルティは再び隠れ家の場所を明かす様に王を追求する。その時、キュルティは電話に呼び出される。ガイアは地球人が皆こういうわけでは無いと王に弁明する。王は自分は無実だと主張する。キュルティは、王が同じ回答を繰り返す事に痺れを切らし、ファルコを呼び寄せると、電気ショックによる拷問にかける。ガイアはそれが条約に反していると激しく非難するが、キュルティはそれが適用されるのは人間だと一蹴し、拷問を繰り返させる。キュルティは、王が平和の為に来たなら、なぜ隠れ家の場所を答えられないのかと尋ねる。王は真実を伝えていると主張する。キュルティは納得せず、ファルコに更に電圧を上げる様に要求する。その時、キュルティは再び呼び出しを受け、予想以上の最悪な状況に陥っている事を知らされる。キュルティは一旦席を外す事になり、拷問は中断される。ガイアは王にアムネスティの存在を明かし、法律を守る必要性を説く。王はそれが徒労であり、無理をせぬ様に諭すが、ガイアは正しい事をすべきだと主張する。

ガイアはSPのマックスを欺き、トイレに行くと、携帯で外部への連絡を試みるが、電波が入らずに断念する。ガイアはマックスが他のSPと会話をしている隙を見計らって、通路へ抜け出すと、他の部屋に忍び込み、外線電話でアムネスティに連絡するが、すぐに遮断され、マックスがやってくる。ガイアはマックスを押し倒して昏倒させると、ロッカーの中に身を潜めて、様子を見に来た警備をやり過ごす。間もなく、警報が鳴り始め、職員が一斉に避難を始める。ガイアは深手を負ったマックスから鍵を奪い取るが、目を覚ましたマックスの反撃を受け、窮地に陥る。そこにアモニーケが駆け付け、消火器で殴打してマックスを撃退する。ガイアはアモニーケを先に逃がし、王を助けに行く。

ガイアは王の拘束を解き、連れ出す。王は装置を携え、ガイアと共に地下から脱出する。ガイアは窓外で繰り広げられる、無数の宇宙船による街への襲撃の様子を目の当たりにし、茫然と立ち尽くす。その頃、軍は戦闘機の出動命令を発し、反撃を始める。同席していたキュルティは装置の存在に思い当たり、地下に戻るが、王が逃走した事を知る。王は装置を使用し、隠れ場所に忍ばせていた兵器を遠隔で起動させる。間もなく、街に巨大な兵器が姿を現し、シールドを張って戦闘機を駆逐する。王はガイアに馬鹿だと詰り、本性を露わにする。その後、地球近傍に宇宙人の母船が到着し、夥しい数の攻撃機が地球へと飛び立っていく。

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