チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ファンタスティック・プラネット

ルネ・ラルー監督作「ファンタスティック・プラネット」("La Planète sauvage" : 1973)[DVD]

奇怪な風土と高度な科学技術が共存する惑星を支配するドラーグ族と、彼らに虐げられるオム族との間で繰り広げられる、争いの行方を描くSFアニメ作品。

 

多様な自然環境と奇妙な動植物で構成され、3つの異なる季節が巡る惑星イガム。そこでは高度な科学技術を有するドラーグ族が、地域を幾つかの県に分けて支配している。その一方で、ドラーグ族より圧倒的に小さいオム族は、害虫、或いは家畜の様に扱われており、野生化した者達は野蛮人種として、家畜にされた者達は高等人種として、オム族間でも分断されている。ドラーグ族は瞑想と称して、思念を球体と化し、宙へ飛ばす儀式に大半の時間を費やしている。イガムではドラーグ族の一週間はオム族にとって一年に当たる。イガムの近傍には野生の惑星と称される星が存在する。

ある時、赤子を抱えたオム族の女が、ドラーグ族の子供達におもちゃの様に扱われ、殺される。そこにテレーズ県の知事シンと、その娘ティバが通りがかり、取り残された赤子を発見する。ティバはシンから赤子を飼う許可を貰い、自宅へ連れ帰る。ティバは赤子にテールと名付けると、首輪状の装置を付け、自らの腕輪状の装置で引き寄せる事で逃げられぬ様に計らう。

シンは各県の知事とオム族の処遇に関する会合を持ち、その様子をホールに集まった聴衆が見守る。知事達は、高い知能と適応能力を併せ持つオム族が、その生命の短さ故に繁殖を繰り返す事で進化を遂げ、ドラーグ族にとって危険な存在になっている事から、季節ごとのオム族狩りでは手ぬるく、早急に新兵器を開発し、断固たる手段を取るべきだという見解を共有する。

テールはティバにペットとして可愛がられ、みるみる成長していく。その一方でテールは、オム族とはまるで異なるドラーグ族の奇妙な生活ぶりを観察し、その生態をつぶさに学んでいく。ドラーグ族は、レシーバーと称する、頭部に装着する機械で学習を行う事で、知識を直接記憶に定着させており、テールは首輪を通じて、ティバのレシーバーの講義を受信し、学問を吸収していく。

ティバは初めての瞑想に参加する日を迎える。その儀式は認識への道の第一歩とされており、ティバは他の子供達と施設に集まり、思念の球体を一斉に宙に飛ばす。その頃からティバはテールと遊ばなくなる。青年へと成長したテールは、ある時、レシーバーを持ち出し、ティバの元から逃走を企てる。それを察知したティバは腕輪を使ってテールを呼び戻そうとするが、テールは偶然出会った野蛮人種の女に首輪を外してもらい、窮地を脱する。女はテールに行く宛が無い事を知ると、庭園の大木に隠れ住む仲間の部族の元へ案内する。テールは高等人種と見做され、部族から嘲笑されるが、レシーバーを持ち出した事に加え、ドラーグ族の考えを読める事を明かし、族長から一目置かれる。その夜、ティバは部族の生殖の儀式を目の当たりにする。

翌日、レシーバーとそれを持ち込んだテールの処遇を巡って部族の中で意見が衝突する。テールは部族の法に従い、野獣を用いた闘争を強いられる。命からがら勝利を収めたテールは、部族に留まる事が許可され、ドラーグ族の食料や物資を盗みに行く探検隊への参加を認められる。程なく、テールは最初に出会った女と愛しあう関係になる。

季節が進み、部族が住む庭園の壁に、ドラーグ族の文字で「オム族撲滅作戦」と記される。族長はオム族の皆殺しが始まると確信し、見張り番を立て、大木の中に篭もる事で、ドラーグ族の出方を探る方針を示す。仲間の中にはそれが学問を盗んだ罰であり、野生の惑星に逃げる様に主張する者が現れる。その夜、テールは大木を抜け出し、単身、偵察に赴くが、その先で別の部族に捕らえられ、彼らの住処に連れ去られる。テールはその部族を率いる老婆に、ドラーグ族が皆殺しにやってくると警告するが、信用されずに監禁される。

翌朝、ドラーグ族が毒ガス発出兵器を用いて、オム族の駆除を一斉に開始する。老婆に解放されたテールは大木の仲間の元に逃げ帰り、族長を始めとする生き残りの者達と合流する。そこにドラーグ族の二人が現れ、オム族を見つけるや否や、踏み潰して殺し始める。オム族は総出になって反撃を企て、二人の内の一人を倒し、もう一人は逃走する。しかし、戦いの最中、族長が命を落とす。老婆の率いる部族は、隠れ場所と称する、ドラーグ族のロケットの墓場へとテール達を案内する。

ドラーグ族の知事達は、仲間の一人がオム族に殺されたとの報せを受け、直ちに協議に入る。知事達はオム族が予想以上に大繁殖し、日毎にその力を増しており、手に負えなくなる事を危惧する。知事達は、季節毎のオム族狩りを二回に増やすのと同時に、その飼育と売却を厳しく制度化し、野生化を食い止めるなどの対策を直ちに講じる必要性を確認する。その際、新種の兵器でオム族を抹殺すべきだという強硬な意見も提示される。シンはオム族が有害だと考えるのは誤りだと説き、ドラーグ族が重大な間違いを犯していた可能性を指摘する。

テール達はロケット墓場の内部に都市を作り、3つの季節が過ぎる。都市には大勢のオム族が集結する。テール主導の下、野生の惑星を目指すべく、レシーバーで得た高度な技術を駆使し、オム族用に改良された二台のロケットが完成する。スパイの情報により、オム族狩りの兆候を察知したテール達は、都市が発覚する事態に備える。

その直後、ドラーグ族が送り込んだドローンによる探索を首尾よく逃れると、テール達は野生の惑星が生存可能か、ロケットで調査する事を決意する。老婆の族長は、次の世代の人類が幸福に生きられる世界を、野生の惑星に築く様に願いを託し、息を引き取る。オム族狩りが熾烈を極める中、二台のロケットが野生の惑星目指してイガムを飛び立つ。

オム族は野生の惑星に到着すると、そこで頭部の無い無数の男女ペアの人型の像が立ち並んでいるのを目の当たりにする。ドラーグ族は、瞑想時の思念の球体を野生の惑星まで飛ばし、像の頭部に乗せる事で、同じ様にやってきた異星人と出会い、婚礼の式を挙げる。これによってドラーグ族は生命エネルギーを得て、種を保存していたのである。ドラーグ族の弱点を発見したオム族は、直ちにロケットに備えたレーザー砲で像の破壊を始める。ドラーグ族はたちまち前代未聞の窮地に陥り、それに伴い、イガムでのオム族狩りが終わりを告げる。シンは破壊がドラーグ族とオム族の双方にとって有益で無いと説き、停戦を決定すると、オム族に和平交渉を提案する。

その後、野生の惑星とは別に、オム族による人工の惑星テール(地球)が作られる。オム族はドラーグ族から学んだ哲学と技術を更に発展させて、ドラーグ族に逆輸入し、ドラーグ族の文明もまた驚異的に発展する。イガムではドラーグ族とオム族が共存し、繁栄する。

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