チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ダークホース ~リア獣エイブの恋~

トッド・ソロンズ監督作「ダークホース ~リア獣エイブの恋~」("Dark Horse" : 2011)[DVD]

実家暮らしで放蕩オタクの独身中年男が、好意を抱いた女との恋を実らせるべく、障害を乗り越え奮闘する様を描くコメディ・ドラマ作品。

 

エイブは35歳独身にして実家で放蕩暮らしを続ける傲岸不遜な中年男。不動産会社を経営する父ジャッキーは、学位を持たないエイブを渋々雇っているものの、勤労意欲の無いエイブに愛想を尽かしている。その一方、母フィリスはエイブを溺愛し、甘やかす事で、エイブを増長させている。エイブはフィギュア収集に執心しており、ある時、トイザらスに傷物の返品を強要し、責任者を呼ぶ様に命じるが、店員は不在だと弁解する。

エイブは結婚式に出席し、会場で鬱々とした雰囲気のミランダに声をかけ、半ば強引に電話番号を聞き出す。後日、エイブは意を決してミランダに連絡を試み、会う約束を取り付ける。エイブは花束を持参し、約束の日時にミランダの自宅を訪ねるが、留守だと知って車内で帰りを待つ。その間に寝入ったエイブは、夢の中で、会社の同僚で熟女のマリーに、ミランダが高嶺の花で望みが無い為に諦める様に促される。

帰宅したミランダは約束を覚えておらず、両親と暮らす自宅の中へエイブを渋々招き入れる。エイブは自分が先行馬タイプでありながら、戦略としてダークホースを演じているのだと主張すると、一方的にミランダに求婚する。しかし、ミランダはそれを断る。

その後、エイブは仕事を期日までに仕上げていない事をジャッキーに詰られて癇癪を起こし、辞めると告げて会社を飛び出す。ジャッキーは家から出て行く様にエイブに命じる。フィリスはそんなエイブを優しく慰め、エイブは家を出る意向を示す。フィリスはかつて夫婦の離婚の危機を救った精神科医のカウンセリングを受けるか、薬を服用する様に促すが、エイブはそのどちらも拒み、ジャッキーへの恨み節と人生への不満を言い連ねる。

会社に戻ったエイブは、マリーの協力を得て、仕事を終わらせる。ジャッキーはエイブに復学して卒業する様に勧めると、カリフォルニアで医者として自立しているエイブの弟リチャードに相談する様に促す。エイブはリチャードと久しく絶交中である事を理由にそれを断る。

程なく、リチャードはフィリスの要請を受けてエイブに連絡し、相談に乗る意向を示す。エイブはリチャードの10年前の失態や、自分への上から目線の態度等を論って非難し、関係を拒絶する。その直後にミランダから連絡が入る。ミランダは求婚を無碍に断った事を詫びると、エイブを自宅に招く。尚も鬱状態ミランダは、エイブの思いが本気なのか問い質し、エイブはそれを認める。ミランダは元カレのマフムードと連絡を取り、マフムードがエイブに関してミランダと正反対のタイプでありながら、二人の交際に賛成した事を明かすと、二度とリストカットをせず、小説家になる夢や野望、自立などを全て諦め、結婚して子供を産む決意を示す。エイブはミランダにキスを迫り、ミランダはそれを受け入れる。

後日、エイブは自宅にミランダとその両親を招き、両家の顔合わせを行う。エイブはミランダに自宅を案内し、その際に、かつてジャッキーがエイブとリチャードの成長の目印を付けながら、今はリフォームで壁紙を貼って見えなくなっている柱を紹介する。その後、エイブはフィギュアがひしめき合う自室へとミランダを案内すると、両親が近く移住する観測を明かし、新居は買わずに二人で実家を受け継いで暮らす事を提案する。ミランダは意を決し、自らがB型肝炎を患っており、エイブに感染させた可能性があるものの、治療中でマフムード以外には言い出せなかった事を明かす。その上でミランダは、エイブの気持ちが変わったのでは無いかと問い質す。エイブは困惑しながらもそれを否定する。

その後、エイブは肝炎の実態について調べ、苦悩を募らせる。夢の中でエイブは、ミランダが財産を奪った上で死の病に侵そうとしているのだとマリーに警告されるが、ミランダを愛していると強弁する。しかし、エイブはミランダとの関係の継続を迷い始める。そんな折、ミランダが嬉々として連絡を寄越し、マフムードがドバイから戻ってくる為に、一緒に会う様にエイブに請う。一方、ジャッキーはフィリスと相談した上で、エイブに家を購入する気があるのなら援助すると提案するが、エイブが明言を拒んだ為に、ミランダに振られたのでは無いかと疑い、エイブは気分を害す。

後日、エイブはバーでマフムードを交えてミランダと会う。マフムードは住む場所を早く決める様にエイブに促すなどし、節介を焼く。エイブは不調に見舞われ、トイレに駆け込むと、そこにマフムードもやってくる。エイブはマフムードがミランダに肝炎を移したのだと思い込んで、顔面を殴り飛ばすと、当惑して店を出る。そこに会社での雰囲気とはまるで異なる妖艶なマリーが現れ、エイブを慰めると、瀟洒な豪邸へと招く。マリーは夫とは疎遠であり、エイブと同じ年頃の双子がいたものの、どちらも自殺した事を明かすと、エイブがこのまま実家暮らしで50歳を迎えると警告する。エイブは引っ越す金が無いと弁解するが、マリーはエイブが両親にたかっているのだと詰る。エイブは両親には自分が必要なのだと強弁するが、マリーはそれを否定し、成長する様に命じる。

夢から覚めたエイブは、ミランダからの連絡で、マフムードが緊急治療室で顎の手術をした事を知る。その日、エイブは腹の不調で会社に遅刻する。ジャッキーはエイブの勤務態度に痺れを切らし、エイブのいとこにあたるジャスティンにポジションを譲る意向を示す。エイブは仮病では無く、本当に出血性の腹痛だと訴えると、ダークホースの自分がこの年で見放されたら生きる術を無くすと憤慨し、車で会社を飛び出す。

車内にフィリスとリチャードが現れ、エイブがいかに出来損ないの人間かについて論って軽侮する。エイブはミランダと駆け落ちする意向を示すが、二人はそれに耐えられるのかエイブに問い質す。当惑したエイブは、車を停めて二人を追い出そうとする。そこにマリーが現れ、学位を取ったジャスティンと関係を持っている事を明かすと、エイブを再び自宅に招き、裸のジャスティンと引き合わせる。前後不覚に陥ったエイブは、その足でトイザらスへ彷徨い着く。エイブは店員に婚約者を探しに来た事を明かし、押し問答を続ける。そこへ揉め事を察知して、責任者のマフムードが現れる。マフムードは顎に一生後遺症が残る事を明かすと、皮肉のセンスも意味も分からないエイブが父親似の屑だと罵る一方で、ミランダに対しては勇敢で忠実であり、死の感染症も恐れないと評す。更にマフムードは、エイブが本心ではミランダが本気では無いと分かっているはずだと指摘し、リチャードにこそお似合いだと説くと、おもちゃ収集が心の病だと指摘する。エイブは返品用のレシートを提示するが、マフムードは誰もがレシートを持っているのだと諭す。

実際のエイブは、会社の駐車場で大事故を起こした末に両足を失い、二ヶ月間の昏睡の末に意識を取り戻す。エイブは回復を待ち望んでいた家族に、ミランダに会う事を希望する。程なく病室にミランダが現れ、治療の末に肝炎が治った事を明かす。エイブは一緒にいたいと訴えるが、ミランダは互いを知らず、共通点も無いと説くと、惹かれないと分かっていたのに、こんな気持ちになったと明かす。エイブはその真意を尋ねるが、ミランダはそれをはぐらかす。エイブは自分の子を妊娠しているのかどうか尋ね、ミランダはそれを否定し、病室を後にする。

間もなくエイブは肝炎を発症し、重篤な症状を呈す。エイブは病室に駆け付けたマリーに、トイザらスへの返品を依頼すると、マリーを傍に寄せてキスをする。エイブは意識下で、誰もいない自宅に戻ると、かつてジャッキーが柱に付けた目印の傍の壁紙を破り、そこに「エイブ 93年6月 パパのダークホース」のメモ書きを見つける。

エイブが死去すると、両親、リチャード、赤子を抱えたミランダ、マリー、ジャスティンが墓前でエイブを弔う。リチャードは墓に刻まれたエイブの死亡日が一日ずれている事をジャッキーに指摘するが、ジャッキーは黙っていれば問題無いと説く。

後日、マリーはオフィスのデスクに座りながら、エイブとダンスに興じる妄想に耽る。

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