チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

マギー

ヘンリー・ホブソン監督作「マギー」("Maggie" : 2015)[DVD]

世界中で蔓延するゾンビ化ウィルスに感染した娘を、父親が隔離を強いる当局から守り、その最期を見届けるべく苦闘する様を描くホラー・ドラマ作品。

 

世界中で感染者をゾンビ化するウィルス性の伝染病「腐歩病 "necroambulist"」が蔓延し、人類は深刻な危機に陥り、数ヶ月が経過する。米国政府は市民に外出禁止令を発すると共に、ウィルス抑制対策を講じる一方、被害の拡大を防ぐために感染した農作物の焼却を勧告する。甚大な被害に見舞われ、荒廃した都市部では、隔離対策が奏功し、感染率が低下し始める。治療法やワクチンに関して当局は沈黙し続ける一方、感染者は嗅覚が鋭くなる事から、それが変転を見分ける兆候と周知される。

農場で農夫の父ウェイドと継母キャロライン、弟ボビー、妹モリーと暮らすマギーは、外出禁止令を無視して家出する。街に訪れたマギーは兵士に発見され、無断外出者として連行された後、感染している事が判明し、隔離所に収容される。ウェイドはマギーの捜索に明け暮れる最中、マギーが発見されたとの報せを受けて収容所へ駆け付ける。医師はマギーが左腕を噛まれており、いずれ凶暴化すると説くと、ウェイドの知己の医師ヴァーンからの依頼を受け、本来認められない帰宅を認める意向を示し、一度失った食欲が再び戻り次第、マギーを隔離所へ直ちに連れてくる様に要求する。ウェイドはマギーを自宅へ連れ帰る。

感染したマギーの帰宅に伴い、キャロラインはボビーとモリーを親戚の家に移住させる。ウェイドは食欲不振を訴えるマギーに、食事を摂る様に促す。キャロラインはマギーの症状を慮り、やりきれない気持ちを露わにする。その夜、ウェイドは勧告に従い、農場を焼き払う。

翌日、徒に時を過ごすマギーはブランコから転落して人差し指を骨折する。キャロラインは直ちに救急連絡するが、当惑したマギーは人差し指を自ら包丁で切り落とし、家を飛び出す。キッチンには黒ずんだ血液が飛散する。マギーは森の中に駆け込み、悲嘆する。そこに近隣に住む男ネイサンとその幼い娘ジュリアが感染した姿で現れ、マギーは悲鳴を上げる。間もなくウェイドが駆け付け、ネイサン達が既に自我を失っている事を知ると、斧で殴り殺す。

日が暮れると、保安官のレイとホルトが駆け付ける。レイはウェイドの対応に理解を示し、ネイサンの妻ボニーが感染を誰にも知らせずに二人を家の中に隠し、失踪した事を明かす。レイはその時が来たらマギーも隔離すべきだと諭すが、ウェイドはマギーを誰にも渡さないと主張する。レイはウェイドに翻意を促して引き上げる。キャロラインはウェイドに自分を責める必要は無く、今はマギーとの時間を大事にすべきだと諭す。

夜更けにボニーがウェイドを訪ねてやってくる。ボニーは隔離所では監禁されて酷い扱いを受けると説き、二人を匿っていた事に理解を求めると、ネイサンがジュリアから感染した経緯を明かす。ウェイドは二人の亡骸の元へボニーを案内する。ボニーは亡骸に寄り添い、慟哭する。夜が明けると、ボニーは亡骸の回収にやってきた警察に連行される。ウェイドはボニーの家を訪ねると、感染した二人を匿っていた部屋の惨状を見渡し、涙する。その後、ウェイドは病院の隔離班から連絡を受け、ヴァーンに会ってマギーの病状確認を行う様に命じられる。

翌日、ウェイドはマギーを連れてヴァーンの病院を訪ねる。ヴァーンはマギーの病状と傷口の具合を診断すると、マギーの親友アリーが心配し、会いたがっている事を明かし、電話してやる様にマギーに促す。ヴァーンはウェイドにマギーの病状の進行がかなり早い事から、マギーが直に食事を拒否し、人の匂いで食欲を感じ始める事を推察すると、その時に取りうる3つの選択肢、「1.隔離所に入れる」、「2.隔離所で使う薬を投与し、最後まで家族と一緒に暮らす(但し、今は痛みの感覚が無くても、薬の使用により最後まで極度の苦痛を感じる事になる)」、「3.ひと思いに殺す」を示す。

ウェイドはマギーを連れ帰ると、一緒に穏やかな夜を過ごす。ウェイドはマギーが亡き母サラの本を読んでいるのを知ると、園芸家のサラが聡明で美人で完璧な女だった事、本の虫だったサラがウェイドを読書好きに開花させ、ウェイドはひなぎくの旅という本を幼いマギーに読み聞かせた事、サラがひなぎくが好きでマギー(マーガレット)の名の由来になっている事を明かし、マギーが強かったサラに良く似ていると説く。その夜、マギーは傷口の悪化に伴う悪夢で目を覚まし、悲嘆する。

翌日、心配したアリーがやってきて、親友達と共に貯水池に遊びに行く事を明かし、皆が会いたがっている事を伝え、マギーを誘う。マギーは好意を抱くトレントが感染した体を押して来る事を知り、誘いに応じる。その夜、マギはアリーの車に乗って貯水池へ行き、皆で花火に興じた後、語らいあう。トレントは感染を恐れる親友に、病院に勤務するおじから聞いた話と称して、患者が大部屋に放り込まれた後、共食いを強いられる事を明かし、隔離より自殺を望む意向を示す。その後、トレントはマギーと二人きりで時間を過ごし、感染させられた経緯を明かす。マギーはトレントとキスを交わす。

翌朝、アリーはマギーを自宅に送り届けると、週末にまた会うという叶わぬ約束をし、抱き合って別れる。帰宅したマギーはキャロラインに食べ物の匂いがすると訴える。キャロラインはマギーにその時が近づいていると悟ると、刃物を忍ばせる。程なく、マギーはトレントが自室に立てこもっているとの連絡を受け、トレントの家に駆け付ける。トレント父親は銃を構えて、トレントに出てくる様に促す。マギーは説得を申し出る。トレントは父の匂いを感じた事を明かし、隔離所に連行されるのを拒む。マギーは自分を中に入れる様に請う。そこへレイ達が警察と共にトレントの確保にやってくる。レイ達はマギーを退けると、部屋に押し入り、トレントを連行する。マギーは帰宅を命じられる。

帰り際、マギーは森から聞こえる動物の鳴き声に触発されると、ウェイドのライフルを持ち出し、森へ向かう。マギーは森の中に仕掛けられた罠にかかったキツネに食らいつく。程なく、血塗れで戻ってきたマギーの姿を目にしたキャロラインは、通報して隔離所に入れるべきだとウェイドに主張する。マギーは自制できずにキツネを襲った事を打ち明ける。ウェイドは当惑するマギーを宥めると、自分に任せる様にキャロラインに説く。キャロラインは通報の頼みを頑なに拒むウェイドを残して家を出る。

翌日、レイとホルトが様子見にやってくる。ウェイドは二人を家に入れるのを拒む。ホルトは住民を守る為にも隔離が必要だと説くと、力づくでウェイドを退けようとし、二人は取っ組み合いの争いを始める。そこにマギーが現れ、自分は大丈夫であり、放っておいて欲しいと訴える。マギーの様子を見て、病状が深刻だと判断したレイは、次に来る時までにどうするか考えておく様にウェイドに命じ、引き上げる。

ウェイドは心配するマギーに隔離所行きにさせないと約束し、安心させると、マギーが家出している間に森の中に設えた、ひなぎくの小畑へ案内する。マギーはそれを見て甚く喜ぶと、これ以上は堪え切れないと打ち明け、苦しみを終わらせて欲しいと哀願する。ウェイドは応じる意向を示す。

その夜、ウェイドはヴァーンから隔離所で使う薬を受け取る。ヴァーンは銃を使う事を勧める。マギーはビリー、モリーに最後を覚悟した連絡をし、愛を伝える。その矢先にマギーは自我を失い、ウェイドに襲いかかろうとする。ウェイドは今一度マギーに理性を取り戻させる。

夜が更け、マギーが眠りに就くと、ウェイドは居間でショットガンを携えたまま、椅子に腰掛け、苦悩する。そこへ病状が極度に進行したマギーが現れ、目を閉じたウェイドの傍に寄って、匂いを嗅ぐ。マギーはウェイドの額にキスをすると、その場を後にする。ウェイドは意を決してショットガンの弾を込める。マギーは屋根に上ると、母と過ごした幼い頃に思いを馳せながら、投身自殺を図る。

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