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チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

スポットライト 世紀のスクープ

トム・マッカーシー監督作「スポットライト 世紀のスクープ」("Spotlight" : 2015)[DVD]

長年に渡って繰り返される神父の子供達への性的虐待と、それを隠蔽する教会組織の実態を暴くべく、気鋭の新聞記者チームが奮闘する様を描く史実ドラマ作品。

 

2001年7月、ボストン。ボストン・グローブ新聞社、編集部にて特ダネをスクープする精鋭記者チーム「スポットライト」。チームはデスクのウォルター・ロビンソン(ロビー)、マイク・レゼンデス、サーシャ・ファイファー、マット・キャロルの4人からなり、編集部長ベン・ブラッドリー・ジュニアが統括している。チームの追いかけるネタは全て極秘扱いとされており、4人による長期に渡る粘り強い取材を経て、特設のスポットライト欄に掲載される運びとなる。

チームが目下、建築基準の改竄問題を追跡する最中、新編集局長に、親会社タイムズから派遣されたマーティ・バロンが就任する。紙面の改革を志向するバロンは就任直後の編集会議にて、「ゲーガン事件」に関する記事が半年で2本きりに留まっている理由を問い質し、もっと掘り下げるべきだと主張する。その事件とは、ボストンの教会に在籍する神父ゲーガンが、過去30年の間に6つの教区で転属を繰り返し、80人に及ぶ子供達への性的虐待を行っていながら、教会が事実関係を真っ向から否定しているというものである。被害者側の弁護士ガラベディアンは、枢機卿ロウが15年前から虐待を把握していながら黙殺した証拠があると主張しているものの、その証拠は教会によって封印されている事から、バロンは教会と対立する事を覚悟の上で、会社として裁判所に封印解除の申し立てを行う意向を示すと、ロビーにゲーガン事件を優先する様に命じる。ロビーはチームに対し、会議の決定を伝えると、ライバル紙ヘラルドに察知されぬ様に、確実な情報を掴むまで極秘取材を貫く様に命じる。

ロビーとファイファーは、神父ポーターが10年前に十数人の子供に対して性的虐待を行ったとされる、ポーター事件において被害者側弁護士として訴訟に関わったマクリーシュの元を訪ねる。マクリーシュは時効期限が3年と短く、また被害者が表に出たがらず、更に免責法で賠償額が最高2万ドル程度でしかない為に難儀な案件である事、マスコミを利用したが教会の力に苦慮した事を明かし、ガラベディアンの主張する証拠にも不審感を露わにする。

一方、レゼンデスは、ロウを訴え、山積する案件に忙殺されるガラベディアンを訪ねる。ガラベディアンは教会が自分を監視し、弁護士資格の剥奪を目論んでいる事を明かすと、教会は新聞が勝てる相手では無いと説き、一切の取材を拒絶する。レゼンデスは取材の重要性を説く事で食い下がり、被害者に会わせる様に請うが追い返される。

キャロルは社の記録室に保管されている、当該事件に関する資料を寄せ集める。その資料から、サヴィアノが代表を務める被害者団体SNAP(聖職者虐待被害者の会)の存在と、新たに神父バレットによる虐待事件が判明し、虐待を犯した神父達は皆、教区を数年で転属しており、パターン化している事が強く示唆される。

ロビーは教会側で事件の始末を担った旧知の弁護士サリヴァンに会い、バレット事件の弁護について尋ねる。サリヴァン守秘義務を盾に証言を拒み、事件に近づかぬ様に促す。一方、バロンはロウの元へ、慣例になっている就任の挨拶に訪れる。ロウは新聞と教会が手を携え、町を発展させようと持ちかけるが、バロンは新聞社の独立と不偏不党を主張する。

チームはサヴィアノをオフィスに招いて取材を行う。サヴィアノは神父がその立場を利用して、貧しい子供達の信仰心に付け込み、性的虐待を行っている実態と共に、自らも幼い頃に餌食になった事を明かす。サヴィアノは虐待が信仰をも奪う事から、肉体だけでなく精神への虐待でもあると説き、被害者が往々にして悲惨な人生の末路を辿る事を明かす。更にサヴィアノは語気を荒げ、5年前にも資料一式をボストン・グローブに送ったものの反応が無かった事、ボストンだけで13人の神父が虐待を行っている事を明かすと、虐待が世界中で起きており、その黒幕がバチカンだと主張する。

レゼンデスは再びガラベディアンを訪ね、被害者への取材を申し入れる。ガラベディアンはレゼンデスの熱意に折れ、被害者の一人を紹介する。レゼンデスはその男が幼い頃にゲーガンから虐待されるに至った経緯を聞く。一方、ファイファーは別の被害者を訪ね、その男が幼い頃に神父シャンリーに虐待された経緯を聞く。その男はかつてマクリーシュに会ったものの、訴訟をしても無駄だと諭された事を明かし、マクリーシュが何件も神父による虐待事件の訴訟を担っていた事が判明する。

レゼンデスは1965年から5年間、教会が有する精神療養所に心理療法の研究員として勤め、その後30年間、虐待神父と被害者の研究を行っている元神父サイプと連絡を取る。サイプは自らの研究に基づき、神父の小児性愛に拠る虐待を精神医学的現象と称すと、それを公表したものの教会の中傷運動に遭って潰された事を明かす。一方、キャロルは大教区年鑑で過去の神父の足跡を調査し、その結果、虐待を犯した神父達が「病気休暇」という名目で転属させらている事が判明する。ロビーは年鑑から全ての足跡を洗い出す様にチームに指示する。

ロビーはファイファーと共に再びマクリーシュの元を訪ねると、マクリーシュが名神父に対して何件も訴訟を起こしていながら、裁判所に訴訟記録が無い理由を尋ねる。マクリーシュは守秘義務を盾に口を噤むも、裁判所を通さずに教会と直接示談交渉した事を明かす。その後、ロビーは再びサリヴァンと会うと、大司教区が虐待事件を示談にしてきた件について触れ、何人の事件に関わったのか尋ねるが、サリヴァンは弁護士の倫理規定を盾に証言を拒む。一方、キャロルは年鑑において、「病気休暇」だけが虐待を犯した神父を表す用語では無く、「休職中」「出向不能」「緊急対応」など複数のパターンがあり、更にその神父達の転属が通常より早く、長くて3年である事を掴む。

チームはサイプが研究の末に導き出した、神父全体の6%が小児性愛者だという予想に基づき、ボストンには虐待神父が90人程度存在しており、その全てを教会が把握していると推測する。その後、チームは年鑑を元に転属を繰り返している神父の洗い出しを行い、虐待への関与が疑われる87人をリストアップする。ロビーはサリヴァンに会ってその数を示すが、サリヴァンは事件から手を引く様に促す。次にロビーはマクリーシュに会ってその数を示すと、その内の何人を示談にしたのか問い質すが、マクリーシュは口を噤む。ロビーは児童虐待で儲ける弁護士という趣旨の記事を掲載する意向を示し、証言を要求する。マクリーシュはポーター事件の後に、ボストンだけで虐待神父が20人いる事を掴み、何年も前にそのリストをボストン・グローブに送付したものの、黙殺された事を明かしてロビーを詰る。レゼンデスはかつてサヴィアノがボストン・グローブに送った資料に、なぜ誰も興味を示さなかったのか訝る。

バロンは個々の虐待神父の事件について報じても、ポーター事件同様、一時的な騒ぎになるだけで何も変える事はできないと説き、標的を教会組織に据える事で、隠蔽システムの全貌を暴く方針を立てる。チームは被害者全員のリスト作成に着手し、各被害者に対する取材に奔走する。その結果、被害者家族が教会から秘密を守る様に圧力をかけられており、また、警察署長も事件を把握していながら黙殺している事実が判明する。

ガラベディアンは、かつてゲーガンの虐待を告発して転属させられた神父の再供述を申請する訴訟に、教会側の弁護士が反対訴訟を起こした事に伴い、結果的にボストン・グローブが開示請求している封印された証拠文書が公になっている事をレゼンデスに明かす。レゼンデスは公判の判決を待つ必要が無いとしながらも、教会が文書を隠匿しており、裁判所の記録保管所には無いはずだと説く。レゼンデスは直ちに保管所を訪ね、当該資料を確認するが、全て抜き取られている事を知る。

程なくして、911同時多発テロ事件が発生する。編集部は総力を挙げてテロ事件に集中すべく、チームによる虐待事件の取材は一旦中止を余儀なくされる。数週間が経過する頃、チームは再び虐待事件の取材を再開する。ロビーは出身高校の神父タルボットに虐待を受けた同窓生に取材を行った後、ファイファーと共に高校を訪ね、理事長とボストン大の広報ジャック、ロビーの同窓生コンリーが応対する。ロビーは理事長に事実関係を問い質す。理事長は、当時の理事長が事件を知ってタルボットを転属させたのだと推察する。教会側のジャックとコンリーは事を荒立てまいと図るが、ロビーは被害者が涙ながらに虐待の事実を訴えた事を明かすと、神父が部活の顧問だった為にたまたま彼が餌食になったのであり、誰が被害者になってもおかしく無かったのだと説く。

一方、レゼンデスは取材に復帰するや否や、証拠保管所で機密資料の開示を求め、かつてゲーガンの教区にいた女がロウへ宛てた手紙を入手する。そこから、女は息子7人をゲーガンにレイプされながらも、教会に沈黙を強いられてきたが、その後もゲーガンが教区に留まっている事に耐え兼ね、教会を非難していた事が判明する。また別の手紙では司教補のダーシーが教会に逆らう形で、転属後のゲーガンについて虐待行為が減らせたのかとロウを糾弾していた事が判明する。

レゼンデスはそれらが、ロウが事件を無視した確固たる証拠だとロビーに説くと、他紙に抜かれる前にすぐに報じ、教会による隠蔽に先んじるべきだと主張する。ロビーは報じるに足るのがまだゲーガンだけであり、全体像を暴かねば再発を防げないと反論し、標的はあくまで教会組織だと説く。レゼンデスはそうしている今も子供達が神父に狙われているのだと主張し、激しく反発する。ファイファーは事件を境に教会に行けなくなった事をレゼンデスに吐露する。レゼンデスはかつて失った信仰に、いつの日か復帰する為のよすがを事件で失った事を嘆く。また、ロビーはコンリーの呼び出しに応じる。コンリーは現在の様に国が大変な時こそ、教会が必要であり、少しの悪の為に多くの善は捨てられないのだと説くと、新任のバロンが手柄を立てたいだけだと諭す。

程なく、ボストン・グローブの申し立てが判事に認められ、証拠文書の封印解除の判決が下る。ロビーは既に文書を入手していた事をバロンとブラッドリーに明かすと、ロウの黙殺が明らかでありながらも、手紙だけではロウの謝罪だけで終わってしまう事を危惧し、更なる取材を重ねた上で、ロウのみならず、教会全体を断罪する決意を示す。ブラッドリーは紙面への掲載を、証拠が公になる前の年明け直後に、また、初稿の締め切りをクリスマスに設定する。

期限まで6週間、チームは証拠固めの取材に奔走し、レゼンデスは記事の執筆を急ぐ。締め切り直前の夜、ロビーはサリヴァンの元を訪ね、70人の虐待神父に関する記事を書いた事を明かすと、掲載に当たって教会側の確認を取るべく、その70人のリストを提示する。サリヴァンはロビーを追い返そうとする。ロビーは自分達の町で何かが起きていると知りながら何もしなかった事の責任を説き、ここで終わらせるべきだと諭す。サリヴァンはロビーにもその責任を問い質し、リスト上の神父について全面的に認める。

締め切り当日になり、ロウはボストン・グローブの要請に対してコメントを正式に拒否する。バロンはそれを教会側の態度として記事に添える決定を下す。ロビーはポーター事件の後、マクリーシュが社に送ってきた20人の虐待神父に関する記事を受け取っていながら、当時自らが引き継いだばかりの首都圏欄の埋め草に用いただけで済ませた事を告白し、悔悟の意を示す。

ボストン・グローブは教会と信者による反発を覚悟しながらも、2002年1月6日の日曜版一面に初報を掲載する。その直後から、オフィスに設けたホットラインには、神父による虐待の被害を訴える信者達からの連絡が相次ぎ、チームは総出で対応に乗り出す。その年、スポットライト欄では600本近い虐待の記事が掲載され、その結果、249人の神父が性的虐待で告発された。被害者の数は推定1000人以上とされている。12月、ロウはボストン大司教を辞任すると、カトリック教会最高位と称されるサンタ・マリア・マッジョーレに転属となった。その後、虐待の判明した都市は世界で200に上る。

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