チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ロブスター

ヨルゴス・ランティモス監督作「ロブスター」("The Lobster" : 2015)[DVD]

独身でいる事が許されず、、パートナーを見つけなければ動物に変えられてしまう社会で、一組の男女が恋に落ち、障害を乗り越えて結ばれんとする様を描くディストピア的恋愛コメディ・ドラマ作品。

 

その社会では独身でいる事が許されず、同じ特質を有するパートナーを見つけて恋愛し、婚姻する事が義務付けられており、違反者は厳しく罰せられる。独身者は町から離れた海沿いに位置するホテルに宿泊し、そこで適当なパートナーを見つける事が求められる。定められた期限内にパートナーを見つけ、恋愛関係に至らない者は、動物に姿を変えられて自然界に放逐される。また、ホテルでは自慰行為が禁じられており、違反者は罰せられるが、自慰行為の代わりとして、接客係により定期的に陰部へのマッサージが行われる。一方で、社会に反旗を翻して独身を貫く者達も存在しており、彼らは森に身を隠す事で密やかに暮らしている。ホテルは定期的に宿泊客を動員し、森の独身者達の狩りを行わせ、その成果に応じて滞在期間が延長される。

建築家のデヴィッドは、近視という共通点で結ばれた妻と11年余りの結婚生活を送っていたが、離縁を求められた事で、独身者となり、先だって犬に変えられた兄ボブを連れて、件のホテルのシングルルームに宿泊する。デヴィッドは滞在期間の45日以内にパートナーを探す必要に迫られる。デヴィッドが部屋に入居して間もなく、支配人の女が挨拶にやってきて、パートナーが見つからなかった場合に変わる動物について選択を迫る。デヴィッドは迷う事なく、ロブスターを希望し、その理由として長生きでき、貴族の様に由緒があり、また死ぬまで生殖能力があり、更に自らが海が好きな事を挙げる。支配人はその選択を評価する。デヴィッドはマスターベーションができない様に、右手を後ろに回してベルトに固定された状態での生活を余儀なくされる。

翌朝、デヴィッドは食堂で他の宿泊者達を観察する。独身者の席とカップルの席は明確に隔てられ、デヴィッドは独身者席の、鼻血を出しやすい女、ビスケット好きな女、血も涙も無い薄情な女などを目の当たりにする。その中の滑舌が悪い男ロバートと、脚が悪い男ジョンがデヴィッドを散歩に誘い、互いに親しくなる。

ホテルが催す集会にて、デヴィッド、ジョン、ビスケット好きな女ら、同じ入居日の者達が独身者達の前で自己紹介を行う。集会はダンスパーティーに移行し、デヴィッドは鼻血を出す女をダンスに誘う。その後、独身者達は麻酔銃を携えて一斉にバスに乗り、森の独身者達の狩りに出かける。デヴィッドは一人も捕獲できずに滞在期間延長の機会を逸する。

デヴィッドはその後もホテルが催すイベントや狩りに参加しつつ、その合間の余暇を利用して、近視のパートナー探しを行う。ある日、ビスケット好きな女がデヴィッドに性行為を求めると共に、パートナーが見つからなければ近い内に投身自殺を図る意向を示す。一方、ジョンは鼻血を出す女にアプローチすべく、自ら鼻を痛めつける事で鼻血を出しやすい体質であるかの様に女を欺き、取り入ろうとする。デヴィッドは一部始終を目撃し、それをジョンに指摘しながらも、運営に黙秘を貫く意向を示す。程なく、ジョンは鼻血を出す女とカップルになり、集会で支配人に称揚される。ジョンは規則通りに、女と共にダブルルームで2週間、その後、更にヨットに移って2週間を過ごし、問題が生じなければ満を持して、町に戻る運びとなる。

滞在期間が残り7日となり、デヴィッドは薄情な女をパートナーにする事を決意する。デヴィッドは薄情な女の前で、冷酷な性格であるかの様に振る舞う事で取り入ろうとする。その矢先に、デヴィッドにアプローチを無視されたビスケット好きな女が窓から投身自殺を図る。デヴィッドはそれをも利用して、女に自らの薄情ぶりをアピールする。薄情な女はデヴィッドが本当に薄情か否かを試し、それを確認すると、デヴィッドをパートナーとして認める。

デヴィッドは薄情な女と共にダブルルームに移り、セックスを伴う同居生活を始める。程なく、薄情な女はデヴィッドに犬を蹴り殺した事を明かす。デヴィッドは意に介さぬフリをするが、バスルームに転がる血塗れのボブの遺体を見て激しく動揺し、悲嘆する。薄情な女はデヴィッドが嘘を付いていた事を咎めると、誰も望まない動物に変えられるという罰を受けさせるべく、支配人の元へデヴィッドを連行しようとする。デヴィッドはその途中で女を振り切って逃走を図る。デヴィッドはどういう理由か、接客係の女の協力を得て、薄情な女を麻酔銃で眠らせると、動物への転換室に運び込む。

その後、デヴィッドはホテルから脱走を果たすが、行く宛も無く、森に逃げ込む。程なく、独身者グループの男がデヴィッドを発見し、グループのリーダーの女の元へ連行する。リーダーはデヴィッドを歓迎すると同時に、グループでは恋愛やセックスが禁じられており、いちゃつくだけで厳しく罰せられるという規則を明かす。

森で暮らし始めて程なく、デヴィッドは狩りに来たロバートと遭遇する。ロバートはデヴィッドが薄情な女との経緯について、支配人に正直に離せば許してもらえるとの見通しを示すが、デヴィッドはもうホテルに戻らない決意を示す。そこへグループの女が助けに現れ、デヴィッドは麻酔銃を奪ってロバートを昏睡させ、服を剥ぎ取って置き去りにする。女はリーダーに秘密にする代わりに、ウサギを獲って持ってくる様に求める。

リーダーは内通者として送っていた接客係の女と森で落ち合う。接客係は盗み出してきた拳銃と部屋の鍵を渡し、ホテルの警備が手薄になるタイミングについて明かすと、パートナーとの生活に限界だと訴え、これを最後に任務から解く様に請う。リーダーはそれに理解を示すと、襲撃の後で任を解く事を約束し、これまでの労をねぎらう。一方、デヴィッドはウサギを獲って、助けてくれた女の元へ持参する。

ある日、リーダーは独身者の男、デヴィッド、デヴィッドを助けた女を連れて、身なりを整えた2組のカップルを装う事で、独身者と悟られぬ様に町へ赴く。一同は薬や生活用品などの物資を調達した後、リーダーの両親の家を訪ねる。リーダーは優良企業に勤めており、デヴィッド達が同僚であるかの様に両親を欺く。森へ戻る途中、デヴィッドは助けてくれた女が近視だと知る。以後、デヴィッドは多くの時間を近視の女と過ごす様になる。

ある夜、リーダーはグループから少数の者達を選出し、ホテルの襲撃に出かける。各々に標的とする部屋が割り振られ、デヴィッドはジョンが鼻血を出す女と暮らすヨットを志願する。デヴィッドは港の警備員を退けヨットに押し入る。ジョンは鼻血を出す女、運営から充てがわれた娘役と夕食に興じており、デヴィッドはジョンの鼻血が自然なものでは無く、無理に出している事を明かし、不自然なカップルだと指摘するが、ジョンに追い返される。一方、リーダーは近視の女を連れて、支配人とそのパートナーが暮らす部屋に押し入り、寝込みを襲うと、支配人を椅子に縛り付け、パートナーに拳銃を突きつける。リーダーはパートナーに支配人をどれくらい愛しているか、独りでも生きられるのはどちらかと問い質す。パートナーは自分は独りでも平気だが、支配人は違うと答える。リーダーはパートナーに拳銃を手渡し、支配人を殺す様に命じる。パートナーは死を恐れて喚く支配人に向けて引き金を引くが、弾は入っておらず、その様子を見て、思惑を達したリーダーはほくそ笑み、引き上げる。

森に戻ると、各々が個別にイヤホンをして音楽に合わせて踊る、恒例のダンスナイトが催される。リーダーはデヴィッドに対し、メンバーの皆がそうする様に、早い内に適切な場所を探して、墓穴を掘る様に命じる。デヴィッドは近視の女に、メンバーに悟られぬ様にアプローチをかけ、禁じられている二人きりでのダンスに誘い、キスをする。恋に落ちた2人は無数のボディサインを作り、密かにコミュニケーションを図る様になる。

数週間が経ち、相思相愛を確信したデヴィッドと近視の女は、森を離れて町で一緒に暮らす決意を固める。2人は狩りの最中に姿を消す事で、捕獲されたと欺こうと画策する。ところがその矢先に、近視の女が落とした日記がメンバーに発見され、彼女が綴ったデヴィッドへの思いの数々や森を離れる計画がリーダーの知るところとなる。

リーダーはデヴィッドを呼び出すと、直ちに墓穴を掘らせ、更にその中に入り、顔まで土を覆う様に命じる。次にリーダーは、近視の女を町の眼科に連れて行くと、躊躇う女を説き伏せ、治療と偽って手術に応じさせて失明させる。森へ戻る途中、失明したと知った女は憤慨し、ナイフでリーダーを殺そうとする。リーダーは身代わりに接客係だった女を殺させると、失明した女を森へ連れ帰る。

失明した女は脱走を予定していた日に、企みを気付かれて失明させられた事をデヴィッドに明かす。脱走の計画は頓挫し、デヴィッドは新たに失明した女との共通点を模索し始める。程なく、デヴィッドはある決断に至り、それを失明した女に伝える。

翌日、デヴィッドは不意を突いてリーダーを襲撃すると、掘らされた穴にリーダーを入れて野犬に襲わせる。その後、デヴィッドは失明した女を連れて森を抜け出し、町に辿り着くと、レストランに入る。デヴィッドは失明した女の容姿を目に焼き付けると、ステーキナイフを持ってトイレに入り、切っ先を目に突きつける、失明した女はデヴィッドが戻るのを座って待つ。

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