チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ミラクル・ニール!

テリー・ジョーンズ監督作「ミラクル・ニール!」("Absolutely Anything" : 2015)[BD]

エイリアンに与えられた全能の力により、どんな願いも叶えられる様になった中年男が、人類の命運が懸かっているとも知らずに、騒動を巻き起こす様を描くSFコメディ作品。

 

ロンドンのしがない高校教師ニールは、愛犬デニスと共にアパートで独身生活を送る一方、階下の住人キャサリンに密かに好意を寄せる。BBCで番組制作に携わるキャサリンは、上司から昇進と引き換えに関係を求められる一方、酒の席で会った、独占欲が強くて病的に嫉妬深いグラント大佐から執拗に付きまとわれており、弱っている。期せずして、40年余り前に知的生命体の探索を目的に、地球から打ち上げられた探査機が太陽系を抜けて程なく、4人のエイリアン達が乗る宇宙船に発見、回収される。優等種銀河間評議会の使いとして、数多の星々を滅亡に追いやってきた彼らは、探査機に搭載されていた、人類の男女の絵と地球の場所を記した金属板を元に、地球人について調査を始める。エイリアン達は地球人の愚かしい生態について知ると、処遇について議論を行った末に、地球を破壊する前のテストで地球人が優等種と証明できれば仲間に入れる決定を下す。エイリアン達はこれまでもそうしてきた様に、地球人が善悪の違いを理解しているかを確かめるべく、地球人の中から一人を無作為に選び、優等種が持つ全能な力を与え、10日間でそれを善用と悪用のどちらに使うかを見極める事にし、その被験者としてニールが選出される。

ある朝、自転車で通勤中のニールにエイリアンの宇宙船から銀河パワーが照射され、能力が付与される。その瞬間から、ニールは願い事を口にして右手を振ると、それが何でも叶う様になる。しかし、ニールはそれに気付かずに、手が付けられない程に酷い自分のクラスが破壊される様に願う。すると、教室にエイリアンの攻撃機から発せられた強力な光線が教室を直撃し、爆発により生徒全員が死ぬ。

悲壮感を抱いて帰宅したニールは、程なく自分が願った事が全て実現する様を目の当たりにし、自らの能力を悟る。ニールは早速、生徒達を生き返らせる事に思い至ると、爆発が無かった事にする様に願い、爆発直前の時間に遡る。一方、キャサリンは職場にまで押しかけてくるグラントに、明確に好意が無い事を伝え、追い返すが、グラントはBBCに圧力をかける事を示唆し、キャサリンを困惑させる。

ニールは自らのクラスをこれまでと正反対に礼儀正しく勤勉な生徒達に、また自分に冷徹な校長を親切に変える。また、ニールは同僚で親友のレイが好意を寄せながら、全く相手にされない同僚ドロシーに、レイを崇拝させる様に変える。その後もニールは、米国大統領を経験したり、肉体を筋骨隆々に変えたり、キャサリンの部屋を覗くなどに能力を使う。ニールは自らの能力についてレイに打ち明け、実際にそれを使用して見せる事で証明する。レイはその力があれば、富、名声、女のいずれも手に入ると説く。一方、キャサリンの前に再びグラントが現れ、一方的に関係を求めると共に、2人で暮らす為の高級マンションを借りた事を明かし、その部屋の鍵をキャサリンに手渡して去る。

その夜、キャサリンは自宅で親友ロージーと酒を飲み交わす。ロージーは男運に恵まれれないキャサリンに、人当たりが良いニールと関係を持ってみる様に促し、キャサリンは酔った勢いでその気になる。一方その頃、エイリアン達の銀河パワーの装置に不具合が生じ、ニールの能力が一時的に途切れる。そうとは知らずにニールは自宅で、キャサリンが自分を愛する様に願う。そこへロージーに焚き付けられたキャサリンが訪ねてきて、2人は勢いに任せて肉体関係を持つ。キャサリンの行動を屋外で監視していたグラントは、ニールとキャサリンの関係を知る。

翌朝、銀河パワーが復旧し、再びニールに能力が戻る。ニールは能力を恣に使う事で、私欲を満たし、遂にはデニスを話せる様にし、更に合理的な思考ができる様にする。そこへ再びキャサリンがやってくる。ニールはデニスを隠す事でキャサリンに応対するが、デニスは命令に反して本能のままに卑猥な言葉を喋ってしまい、その存在が察知される。ニールは弟がいると弁解するが、キャサリンはロージーが当初指摘した様に、ニールのゲイ疑惑が本当だったと誤解し、失望してその場を後にする。ニールは直ちにキャサリンの後を追い、誤解を解こうとするが、キャサリンに拒絶され不振に終わる。一方、レイは、信者を集め、狂信的に自分を崇拝する様になったドロシーから逃れるべく、苦慮する。

エイリアン達はニールに善行を積む気が無いと判断する。帰宅したキャサリンは、部屋に忍び入ったグラントの待ち伏せに遭う。そこにニールが駆け付け、自分の部屋に身を寄せる様に促す。ニールは能力について打ち明けると、キャサリンが予てから望んでいる大きなデスクと良い景色が見えるオフィスを願ってみせ、何でも叶えられるのだと説くが、キャサリンはニールが心に問題を抱えていると誤解する。そこにグラントが窓を破って押し入り、自らがキャサリンの婚約者だと主張し、ニールに拳銃を突きつける。ニールは右手を振れば何でもできると明かし、弾が跳ね返る様に願うと、グラントに撃ってみる様に挑発する。ニールがグラントから銃を手放させ、格闘を始めると、キャサリンは2人に呆れてその場を後にする。ニールは能力でグラントを手酷く痛い目に遭わせると、惨めな人生を送るか、100万ドルを手に入れるかの選択を迫る。グラントはニールの能力が本当だと知ると、不意を突いてニールを気絶させ、連れ去る。

翌朝、出社したキャサリンは、希望通りのオフィスが用意されている事を知り、ニールの能力が本当だと確信する。キャサリンは直ちにニールの部屋を訪ね、ニールが連れ去られたのだと悟る。キャサリンは同じくニールを探しに来たレイと共に、グラントが借りた高級マンションに向かう。グラントはマンションの部屋でニールを椅子に拘束し、デニスを人質に取った状態で、ニールに願い事のリストを読み上げさせ、その都度、右手を振る様に強要する。グラントは願いを次々と叶え、ニールを弄ぶ。夜が更け、キャサリンとレイがその部屋に駆け付ける。グラントはキャサリンが自分を愛し、セックスを求めて飛びつく様にニールに願わせる。ニールはやむを得ず、それに応じ、キャサリンがグラントに飛びついた矢先に、デニスを解放し、グラントを犬に変える。ニールはグラントの望みを全てキャンセルすると共に、ドロシーの崇拝も止めさせる。キャサリンとレイはニールに愛想を尽かして引き上げる。一方、エイリアン達は協議の末に、地球人には善悪の概念が無いという見解で一致する。

翌日、ニールは改めてキャサリンを夕食に誘うが、キャサリンは操られた事に憤慨し、ニールを拒絶する。ニールはキャサリンとレイに嫌われた事で失望するが、自分本位だったこれまでの願いを改め、世界中の諸問題を解決し、人を幸せにしようと企てる。早速、ニールは飢餓やホームレス、地球温暖化など諸問題の解決と、戦争の理由の消滅を願う。しかし、それは同時に、肥満問題とサハラ砂漠南極大陸にまで及ぶ宅地開発の問題を生じさせ、更に理由の無い戦争が各地で勃発し、地球は急激に寒冷化するなど、予期せぬ結果を招き、ニールは願いを撤回する。ニールは全能の力を有する責任に耐え兼ね、川に身投げを図る。デニスはすかさず助けに飛び込むが、泳げない為に、結局ニールがデニスを救出する。

エイリアン達は地球破壊の前にニールのテストを総括する。実は「死の使い」と称し、破壊こそが唯一の善と考える彼らは、ニールが地球を良くしようと考えた事を問題視し、弱さを銀河から滅ぼすべく、星ごと破壊する決定を下すと、破壊装置のチャージを開始する。一方、ニールは公園のベンチに佇み、キャサリンに連絡するも、出てもらえない事で失意に暮れる。デニスは自分に能力を預けて手放す事で、使いたい時に命令する様にニールに提案する。ニールはそれに応じ、デニスに能力を譲る。デニスは約束を反故にし、力の源を破壊して永遠に使えなくする様に願う。すると、地球に到達寸前のエネルギー波が逆流して、宇宙船をエイリアン諸共破壊し、更に評議会のネットワークをも連鎖して完全に破壊する。

ニールは平凡な日常に戻ると、キャサリンに力を捨てた事を明かし、改めて夕食に誘う。キャサリンはそれを快諾する。デニスとグラントは共に喋れる犬として一緒に暮らす。

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