チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ザ・ボーイ ~人形少年の館~

ウィリアム・ブレント・ベル監督作「ザ・ボーイ ~人形少年の館~」("The Boy" : 2016)[BD]

老夫妻から、息子として愛でる人形の留守中の世話と、屋敷の管理を任された女が、人形のもたらす奇妙な現象に翻弄されていく様を描くサイコ・ホラー作品。

 

モンタナ在住のグレタは交際相手コールの暴力とつきまといから逃れるべく、英国に渡って程なく、郊外に暮らすヒールシャー老夫妻の留守中の屋敷における子守の職を得る。屋敷に訪れたグレタは老夫妻から正装した子供の磁器人形を息子ブラームスと紹介され、面食らうが、直ちに夫妻が真剣なのだと理解する。夫妻はまた、週に一度、屋敷に日用品を配達しに来るマルコムを紹介する。夫人は任せたい仕事がブラームスの世話と屋敷の管理であり、候補者が何人もいたものの、ブラームスの気に召さなかった事を明かすと、ブラームスを毎朝7時に起こして着替えさせる事、毎日3時間をブラームスの勉強に充て、本を読み聞かせたり、クラシック音楽を大音量で聞かせる事、食事の残り物は害獣から守る為に捨てずに冷蔵庫に保管する事を教示する。次に主人は、ネズミ捕獲用の罠の扱い方を教示すると、屋敷の全ての窓が密閉されている事を明かし、不可解な状況について理解を求める。間もなく、グレタはブラームスに子守として受け入れられた事を知る。グレタは姉サンディに連絡し、人形の子守を任された事に加え、屋敷が完全に密閉され、携帯もネットも繋がらず、固定電話だけの特異な状況を伝える。サンディはコールが家に来たものの、居場所を知らせなかった事を伝える。

翌日、夫妻は仕事に関する厳守すべき10項目のルール「人を入れない事、ブラームスを一人にしない事、食事は冷蔵庫の中に入れる事、ブラームスの顔を覆わない事、寝る前に話を読み聞かせる事、好きな音楽を大音量で聞かせる事、罠を掃除する事、配達はマルコムだけに任せる事、ブラームスを連れ出さない事、おやすみのキスをする事」を記したメモをグレタに渡すと、ブラームスを大切に扱う様に頼んで、人形をグレタに託し、長期の旅行に出発する。その際、夫人はグレタの耳元で詫びる。グレタは夫妻を見送ると、人形を玄関の傍の椅子に座らせ、覆いをかけて放置する。グレタはワインを飲んで寛ぎ、そのまま日暮れまで寝入る。その後、グレタは人形から覆いが外れている事に気付き、不気味に感じて、子供部屋の椅子に人形を乱暴に放置する。翌日、グレタは子供の泣き声を聞き、人形の元へ駆け付けるが、異常が無い事を知ると、人形をベッドに寝かせる。その後、不気味な無言電話がかかってくる。

程なく、マルコムが配達に訪れ、グレタは夫妻からの高額な初任給を受け取る。グレタはブラームスについてマルコムに尋ねる。マルコムはグレタをブラームスの墓へ案内すると、同じ年頃のブラームスが20年前の8歳の誕生日に火事で死んだと同時に人形が現れた事を明かし、夫妻が子供を亡くした悲しみを癒やしているのだと推察する。マルコムはグレタに息抜きを勧め、デートに誘う。その夜、グレタはドレスを着て出かけるべく、準備を始める。グレタはシャワーを浴びた直後に、いつの間にか髪の一部が切り取られている事、また傍に置いておいたドレスとネックレスが消えた事に気付く。寝室に戻ったグレタは、更に全ての服が消えている事に気付く。グレタは屋根裏に通じる梯子が降りているのを目の当たりにすると、何者かの侵入を疑い、様子を覗いに行く。グレタが屋根裏に上がった途端、梯子が跳ね上がり、降りられなくなる。その直後、グレタは何者かの足音を聞く。間もなく、マルコムが迎えにやってくると、グレタは居場所を知らせようと奮闘するが叶わず、マルコムは引き返す。グレタは暗闇の中に立つ人影に驚いて気絶する。

翌朝、目覚めたグレタは人影が錯覚だった事に気付く。グレタはそこで古いアルバムを見つけ、幼少期のマルコムの写真と肖像画を確認する。間もなく、梯子が勝手に下がると、グレタは寝室に戻り、服が乱雑に戻されている様子を目の当たりにする。グレタはマルコムを呼んで事情を明かす。マルコムは屋敷の隅々まで調べ、誰も入りようが無い事を確認する。グレタはブラームスがどんな子だったのか尋ねる。マルコムはある時、泥酔した主人が限界だと呟いた為、本当のブラームスがどんな子だったのか聞いたところ、悲しそうな顔でおかしな子だったと述懐していた事を明かす。その後、サンディは、コールが謝罪の手紙を書くと称してサンディの息子から住所を聞き出した事をグレタに伝える。

翌日、グレタは寝室で子供の笑い声を聞く。間もなく、グレタは屋敷に訪れた直後に無くなった靴が、寝室の扉の前に置かれているのを見つけ、更に子供部屋のベッドに、人形がルールを記した紙と並んで座っているのを目の当たりにする。グレタは恐れ慄いて、自室に逃げ込む。そこに電話がかかってきて、子供の声がルールを破った事を咎め、グレタに部屋から出てくる様に求める。更に、何者かが扉の向こうに現れ、グレタの好物だと称して、皿に盛ったサンドイッチを置いていく。以後、グレタは考え方を改め、人形を大切に扱い始める。一方、ヒールシャー夫妻は旅先でブラームス宛の遺書を認めると、入水自殺する。

グレタはルールに従い、人形の世話を続ける。他の手紙と混じって遺書が届くが、グレタはそれを見過ごす。マルコムは再びグレタをデートに誘うが、グレタは人形を一人にさせるのを拒み、誘いを断る。グレタは人形に霊が宿っていると信じ、合図を送る様に請うが、返事が無い事に呆れる。その矢先に、人形が忽然と姿を消し、移動する。グレタはマルコムを呼び戻し、人形が生きているものの、人前では動かないのだと主張する。マルコムはグレタの正気を疑うが、2人が人形を残して部屋から出た後に足音が聞こえ、再び確認すると人形が移動している事が証明される。

グレタはマルコムに、コールから暴力を振るわれ、別れようと思った矢先に妊娠が判明し、殴らないと誓ったコールを信じたものの、再度の暴力で流産した事を明かすと、子を亡くした夫妻の気持ちが分かり、ブラームスと屋敷に運命めいた縁を感じると主張する。その夜、グレタは人形を寝かしつけると、寝室でマルコムと関係を持とうとする。その最中、突然レコードが大音量で鳴り始め、その傍に移動した人形が見つかる。

マルコムはグレタに一旦町に出る様に勧めるが、グレタはそれがブラームスとの約束を破り、夫妻を裏切る事になる説き、屋敷から離れる事を拒む。マルコムは、かつてブラームスの元に遊びに来ていた少女エミリーが、ブラームスの誕生日に行方不明になり、後日、頭蓋骨が陥没した遺体が発見された事、それを受け、警察はブラームスの聴取の為に屋敷に向かったが、既に火の海で、夫妻は助かったものの、ブラームスが焼け死んだ事、エミリーを殺した犯人は捕まっていない事を明かし、屋敷の危険性を説く。グレタはその話を真に受けず、マルコムを帰らせると、人形を寝かしつける。

その夜、グレタは屋根裏でアルバムを紐解き、ブラームスとエミリーの写った写真を確認する。程なく、コールが屋敷に当然押しかけてくる。コールはグレタが子供では無く、人形の世話をしている事に安心すると、復縁を強要し、グレタを米国に連れ帰る意向を示す。そこにマルコムが駆け付け、グレタの身を案じるが、グレタは腹案を仄めかし、マルコムを帰らせる。コールはグレタを手放すつもりが無い事を伝えて脅すと、朝までに荷物を纏める様に命じる。グレタは人形に助けを請い、眠りに就く。

その後、娯楽室で眠っていたコールは、滴り落ちる血で目を覚ます。コールに呼び出されたグレタは、娯楽室でネズミの死骸とその血で描かれた「出て行け」という文字、更に寝室から移動した人形を目の当たりにする。コールはグレタが抱える人形を強引に奪い取る。そこに屋敷の外で待機していたマルコムが駆け付ける。コールはグレタの制止を振り切り、人形を叩き壊す。その途端、部屋を激しく叩きつける音が生じる。コールが鏡に近づき、様子を窺った矢先に、マスクで顔を覆った男が鏡を割って現れる。グレタ達はその男が成長したブラームスであり、ずっと壁の中に潜んで、生き続けていたのだと悟る。ブラームスはマルコムとグレタを退けると、コールを人形の破片で刺し殺す。マルコムはグレタを連れて寝室に逃げ込むが、ブラームスはドアを破って押し入ろうとする。2人はブラームスの寝室に移動し、そこで壁の裏に続く隠し通路を見つける。2人は通路を経て、ブラームスが生活している隠し部屋に辿り着く。グレタはそこで奪われたドレスを着た粗末な人形を見つけ、屋敷に来てからずっと監視されていた事を悟る。更にグレタは夫妻の遺書を見つけ、夫妻がグレタをブラームスに充てがう為に雇い、もう戻らない事を知る。

2人は部屋を抜け、出口を探す。屋敷の構造を熟知するブラームスは先回りして2人を襲撃する。マルコムは身を挺してブラームスを引き留め、グレタを脱出させる。ブラームスはマルコムを木材で殴って気絶させると、グレタに戻る様に命じる。一旦屋敷の外に逃れたグレタは、マルコムを助けるべく、正面玄関から屋敷に侵入すると、ドライバーを忍ばせ、ブラームスと対峙する。グレタは気丈に振る舞い、ブラームスに対して寝る時間だと命じ、寝室へ導き、ベッドに寝かしつける。ブラームスはルールに従い、おやすみのキスを求める。グレタはそれに応じ、不意を突いて、ブラームスの腹部をドライバーで突き刺す。ブラームスは激しく抵抗するが、グレタは尚も深くドライバーを突き刺し、ブラームスを撃退すると、マルコムの元へ向かう。ブラームスの割れたマスクの下から、ケロイド化した顔が露わになる。グレタはマルコムと共に車に乗って、屋敷を後にする。死を免れたブラームスは、自室で人形を修繕する。

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