チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ラザロ・エフェクト

デヴィッド・ゲルブ監督作「ラザロ・エフェクト」("The Lazarus Effect" : 2015)[DVD]

研究者が蘇生を可能にする血清を開発し、不慮の事故で死んだ妻にそれを使用するも、意図せぬ脳機能の進化をもたらし、脅威的な存在へと変貌していく様を描くSF超自然ホラー作品。

 

カリフォルニア州、聖パテルヌス大学で、ラザロ計画を主導する研究者夫妻フランクとゾーイは、ワーナー・ゴス社から研究費を得て、昏睡患者の神経細胞死の抑制法を研究していた。ある時、二人は神経線維の再増殖を早める細胞腫瘍から「ラザロ血清」を生成する事に成功する。二人はクレイ、ニコと共に、その血清を死んだ動物の脳に注入し、パルス・アレーにより電気刺激を与える事で活性化させ、神経反応を引き起こす実験を繰り返すが、一度も成功に至らず、分析と改良に明け暮れる。その一方でゾーイは幼少期に経験した火事のトラウマを抱えており、尚も悪夢に魘される日々を送る。

フランク達は実験の撮影係として学生エヴァを採用する。クレイが発案した画期的な改善策に従い、フランク達は白内障を患って安楽死させられた犬ロッキーの亡骸を使って血清の実験を試みる。脳への血清の注入後、電圧を上げても反応が無い事から、一同は実験を中断する。その矢先にロッキーは蘇生し、更に白内障の治癒が確認される。フランクは状況が判明するまで外部への成果の秘匿を決定し、自宅でロッキーの面倒を見る意向を示す。ゾーイはロッキーが食欲を示さない事を不安視するが、フランクは神経回路の再起動まで時間がかかるのだと推測し、宗教的、倫理的な問題を孕む研究であっても、大勢を救う事になる、価値のある研究だと主張する。

翌日、フランク達は再び研究室にロッキーを連れて行く。フランクはエヴァの疑問に答える形で、松果体にて生産される血清の基本成分にして、地上で最も強力な幻覚剤と称されるDMTがもたらす作用が、臨死体験の源だと主張する。信仰に厚いゾーイはただの幻覚では臨死体験が片付けられないと反論し、人が死ぬとDMTが魂の転移を助けるという持論を説く。ロッキーの脳のMRIの結果、数時間で消えるはずの血清が、血液内に残存している事が判明する。クレイは脳幹の活動の異常ぶりを指摘し、凶暴化を懸念する。その後、クレイが研究室で寛いでいる最中、ロッキーは檻を飛び出し、食料を漁った後、クレイに牙を剥く。クレイはロッキーを安楽死させるべきだと主張するが、フランクはその場を執り成すと、ロッキーの脳が新しい神経回路を驚異的な速さで作り続けている段階だと推測する。

翌日、フランク達の無許可の実験が、サーバーに上がった動画の監視により大学側に発覚する。フランクは学長に呼び出され、研究費の契約に違反している事を咎められる。間もなく、ワーナー・ゴスを買収したクライロニス製薬の面々が研究室に乗り込んできて、規定違反の際には知的所有権が出資会社に帰属するという契約に基づき、強制的に財産を差し押さえる。ゾーイは新入りのエヴァの関与を疑い、4年間の成果が水の泡だと嘆く。フランクは血清について知ったクライロニスが、それを奪う為に全てを画策したのだと主張する。成果が横取りされる事を危惧するフランクは、翌朝まで研究室が保全された状態になっている事から、研究室に侵入して実験を再現し、それを撮影して成果を取り戻す事を提案し、ゾーイは不測の事態の為に隠し持っていた血清を提供する。

その夜、カードキーの没収を免れたエヴァは撮影の名目で警備を欺き、研究室に入ると、裏口からフランク達を手引し、侵入させる。フランク達は早速、別の死んだ犬で実験を開始するが、ゾーイがパルス・アレーのレバーを上げる際に感電し、心停止に陥る。フランクはAEDで蘇生を試みるも徒労に終わると、クレイ達の制止を振り切り、血清を用いて蘇生させる決断を下す。クレイ達はやむなくそれに応じる。

フランクはゾーイの脳に血清を注入し、電気刺激を与えるが、反応が無い事から、更に電圧を上げようとする。その時、ニコは警備員が巡回に迫っている事に気付く。一同は実験を中断し、身を潜めて警備員をやり過ごす。その直後、一同はゾーイが蘇生している事に気付く。フランクはゾーイがショック状態に陥っている事から、MRIで検査を行い次第、脱出する意向を示す。

MRIの結果、ゾーイの体は回復しているものの、本来は同時に10%しか使わない脳の活動が全領域に広がっている事が判明する。フランクは不安を訴えるゾーイを落ち着かせる。間もなくゾーイは他人の考えている事が読めたり、物に触れずに動かしたりする力が備わった事を自覚し、更に肉体に不気味な変化が生じ始めた事に当惑する。ゾーイは、檻を飛び出して自らに牙を剥くロッキーを密かに殺す。

ゾーイは改めて体に起きている異常をフランクに訴え、死んでいる間に終わりなき火事の悪夢に閉じ込められ、それが何年も覚めなかった事を明かす。フランクはDMTのせいで幻覚を見たのだと諭す。ゾーイは人生最悪の瞬間が無限に繰り返される地獄だと主張する。フランクはゾーイに睡眠薬を投与して休憩室で休ませる。程なく、様子を見にゾーイに近づいたエヴァは、その拍子にゾーイの見せる悪夢に取り込まれる。エヴァは火災の発生したアパートに転移し、煙の充満する廊下で何かを握りしめる少女と遭遇すると、その矢先にドアの向こうで助けを求める黒焦げの人に腕を捕まれ、悲鳴を上げると同時に現実に戻る。

エヴァはフランク達に状況を伝え、掴まれた部分が爛れている事に気付く。クレイはフランクに事情を問い質し、フランクはゾーイが幼い頃に火事に遭った事を明かす。エヴァはゾーイが語っていたDMTによる魂の転移の話を挙げ、ゾーイの魂が転移されずに悪夢に閉じ込められたままでいる可能性を指摘する。フランクはそれを真に受けず、ゾーイへの対策を練る意向を示す。クレイは血清の力でゾーイが何百万年分もの進化を遂げ、脳の力を解放する事を可能にしたのだと推測する。

ニコは何者かが偽アカウント経由で研究室の全データを数ヶ月前から監視していた事に気付く。フランクはそれがクライロニスだと確信し、いなくなったロッキーを手分けして探し、直ちに研究室を脱出する様に促す。その直後、休憩室で休んでいたゾーイが覚醒する。ゾーイはニコの前に現れると、助けを求めると同時にキスをする。ニコはゾーイが混乱しているのだと諭す。ゾーイは過ちを償う為に人生を費やしてきたのに地獄から抜けられない事を明かすと、手遅れだと告げ、念動力でニコをロッカーに閉じ込め、圧殺する。

その後、ゾーイは何事も無かった様に休憩室に戻る。一同はニコが見当たらない事を訝る。クレイは痺れを切らし、逮捕覚悟で脱出すべく、フランクの制止を振り切って、非常電話から連絡しようとする。その矢先に、汚染物質の拡散防止措置が取られ、全ての出入り口が封鎖される。クレイはゾーイにニコの居場所を問い質すが、念動力で窒息死させられる。ゾーイは電力を遮断すると、念動力で部屋中の物を飛散させた後、フランク達の前から姿を消す。

フランクはエヴァに動物安楽死用の鎮静剤を手渡すと、決死の覚悟でゾーイの元へ向かう。フランクは自分の非を認め、一緒に解決する様にゾーイに促す。ゾーイはフランクに愛を確認するが、フランクが心の中では自分を殺そうと企てている事を知ると、フランクの頭部を圧迫して殺す。ゾーイは自らDMTを脳内に注入し、更なる進化を図る。エヴァは鎮静剤の注射を忍ばせ、ゾーイの行方を追う。姿を現したゾーイは、エヴァを再び悪夢の中に放り込む。エヴァは煙の充満する廊下に佇む少女の握りしめているのがマッチだと知ると、幼いゾーイがアパートに火を放ったのだと悟り、自分を責めない様に少女に諭す。そこへ肉体を炎に焦がしたゾーイが迫り来る。エヴァは少女に、黒焦げの人々が内側から助けを求めているドアを開ける様に促す。少女がドアを開けると、眩い光が差し込む。そこでエヴァは悪夢から解放され、ゾーイに注射を差した状態で現実に戻る。ゾーイは許しを請うてその場に倒れ込む。

間もなく、救助隊が到着し、隊員がエヴァの元に駆け寄る。エヴァは倒れたはずのゾーイが姿を消している事に気付くや否や、目の前の隊員を装うゾーイに殺される。エヴァは悪夢から解放されていなかったのである。その後、ゾーイは自分の体から抽出した血清をフランクに注入し、蘇生させる。

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