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チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

リリーのすべて

映画鑑賞記

トム・フーパー監督作「リリーのすべて」("The Danish Girl" : 2015)[BD]

世界で初めて性別適合手術を受けるに至ったトランスジェンダー「リリー・エルベ」の、パートナーへの愛と、性の不一致がもたらす苦悩に満ちた日々を描く伝記ドラマ作品。

 

1926年、コペンハーゲン。アイナー・ヴェイナーは妻ゲルダ共々、画家を生業として暮らしている。アイナーは主に故郷ヴァイレを描いた風景画が高く評価され、個展を成功させているのに対し、肖像画家のゲルダは日の目を見ないでいる。ゲルダは絵が評価されない事と共に、結婚から6年を経て尚も子を授からない事に不満を抱く。

ある日、夫妻の友人でダンサーのウラが、ゲルダのモデル役に遅刻する。ゲルダはアイナーにストッキングとヒール靴を貸し、モデルの代役を頼む。アイナーはそれに応じ、女の脚を装うと共に、ドレスを体に掛ける。その際、アイナーは心に秘めたもう一つの性に気付く。遅れてやってきたウラは、女を装うアイナーを茶化してリリーと名付ける。その時からアイナーは女性に傾倒し始める。ある夜、アイナーはゲルダから借りた肌着を着用し、それをゲルダの前で曝す。ゲルダは美しい姿のアイナーを目の前にし、創作意欲を掻き立てる。

程なくして、ゲルダは舞踏会に行くのを拒むアイナーに対し、ゲーム感覚でリリーに扮して行く事を提案する。アイナーは念入りに化粧し、ウィッグを着け、女装を施すと、女らしい所作を身に着けた上で、ゲルダと共に舞踏会に訪れる。ゲルダは知人達にリリーをアイナーの従妹だと紹介するが、ウラ以外はリリーがアイナーだとは気付きもせず、その美貌は注目を浴びる。客の一人で同世代の男ヘンリクは、アイナーに好意を示し、会場から連れ出すと、半ば強引にキスをする。その途端、当惑したアイナーは鼻から出血する。そこへアイナーを探しに来たゲルダが駆け付け、アイナーを連れ帰る。

翌日、ゲルダはアイナーにリリーがもう現れるべきでは無いと諭し、ヘンリクとのキスについて真意を問い質す。アイナーは、自分では無いリリーだった瞬間をヘンリクが見抜いたのだと説くが、ゲルダはリリーが創造物であり、ゲームだと指摘する。アイナーは何かが変わったのだと主張するが、ゲルダはリリーを装うのをやめる様に請う。アイナーは努力すると応える。

アイナーは心身の不一致を強く自覚し始め、それに伴って頭痛に苛まれる様になる。ゲルダは医者に行く様に促すが、アイナーはそれを拒む。ゲルダはアイナーへの不満をキャンパスにぶつける様に、リリーの裸体を描く。アイナーはリリーの姿で密かにヘンリクと再会する。

ゲルダは描き上げたリリーの肖像画を知己の画商ラスムッセンの元へ持ち込む。ラスムッセンはこれまでのゲルダの作品と打って変わってそれを高く評価し、取り扱う意向を示す。その間、アイナーはリリーとしてヘンリクの家を訪ねる。ヘンリクはリリーがアイナーと承知で肉体関係を求める。アイナーはヘンリクが同性愛者であり、リリーとしての自分を愛しているのでは無いと悟ると、ヘンリクの元を去る。

悲しみに打ちひしがれるアイナーは、涙ながらにゲルダにヘンリクと会っていた事を明かす。アイナーはヘンリクに惹かれているのでは無く、ゲルダを愛している事を伝える。ゲルダもまた涙し、ヘンリクとどこまでするのか問い質す。アイナーはリリーがキス以上はしないと答えると共に、ヴェイナーに住んでいた子供時代に、幼馴染のハンスと一度だけキスをした事を明かす。その矢先に、アイナーは痙攣の様な腹痛に見舞われる。

アイナーは医師の診察を受け、鼻血や腹痛が続いている事を訴える。医師は体内の化学物質の不均衡を疑い、アイナーに放射線治療を行うが、改善されない事を知ると、精神病だと判断して匙を投げる。期せずして、ラスムッセンゲルダ肖像画が売れた事で個展を開く意向を示すと共に、パリのギャラリーが代理人になる話を伝え、チャンスを逃さぬ様にパリへ行くべきだと勧める。ゲルダは弱気になっているアイナーに、自分を信じてパリへ同行する様に求める。

程なく、夫妻はパリに移住する。ゲルダは個展を盛況に導く一方、アイナーは性の不一致による苦悩をますます募らせる。ゲルダはパリで画商を営むハンスを密かに訪ね、アイナーが道を失っている事を明かし、協力を求める。アイナーはハンスと会うのを躊躇うが、ゲルダはハンスを自宅に招く。アイナーはリリーの姿でハンスを迎えると、独身のハンスに結婚こそ人生で望むべき唯一のものだと説くが、ハンスの反応に居たたまれず席を立つ。ハンスは力になると告げ、その場を後にする。ゲルダはリリーに対し、夜は消える様に諭すが、アイナーはそれはもう無理なのだと説く。

ゲルダはその後もリリーの肖像画を書き連ね、個展は盛況が続く。ゲルダはハンスに好意を示され、それを拒むも、動揺する。ゲルダはリリーに対し、夫婦らしさが失われている事を嘆き、アイナーを呼び戻す努力をする様に請うが、アイナーはそれが無理だと応じる。ゲルダは衝動的にハンスに会いに行き、その好意を受け入れてキスをするが、逃げ出す。アイナーは戻ってきたゲルダに、望むものを与えられないと伝え、関係の終わりを示唆する。

ゲルダから事情を聞いたウラは、普通とは違う男を診察する知己の婦人科医がドレスデンにいる事を明かすと、パリに来た際に相談してみる様に勧める。ゲルダはリリーに留まろうとするアイナーに、夫婦を続ける自信が無い事を伝える。アイナーは自らの心身に起きている事を解明すべく、図書館を訪ねる。その帰り道、アイナーは男二人組に風貌を罵られ、それに抵抗した事で暴行を受ける。アイナーはその足でハンスの元を訪ねると、ヴァイレにいた時から自分が違うと感じていた事を明かし、最早アイナーとしてあり続ける事は無理だと嘆く。ハンスは医者の治療を受ける様に促す。その後、アイナーは複数の医者を受診するが、いずれも精神異常者の様な診断が下される事に辟易する。ゲルダは最初に女装させた自分の責任を主張する。アイナーはそれを否定し、リリーはずっと心の中にいたのだと説く。

途方に暮れるアイナーは、ウラがゲルダに紹介したヴァルネクロス教授と面談する。アイナーは自分を女だと思っていると伝え、ゲルダもそれに同意する。ヴァルネクロスは過去に同じ様な男を、手術で女にしようとする計画があったが、男が怖気づいて逃げた事を明かすと、男性器を切除し、その後、女性器を形成するという一連の手術がまだ一度も行われた事が無く、失敗の危険性が高い、不可逆的なものだと説く。アイナーはそれが唯一の希望だと主張し、手術の為にドレスデンに渡る事を決意する。

程なく、アイナーはゲルダをパリに残してドレスデンへと旅立つ。アイナーはリリーの姿で病院を訪ねると、男を取り去るべく、即時の手術をヴァルネクロスに希望する。術後、痛みで激しい苦痛に悶えるリリーの元へゲルダが駆け付ける。リリーはゲルダに感謝する。

二回目の手術に備えて体力回復を図る間、リリーはゲルダと共にデンマークの自宅に戻る。リリーは投薬しながら、百貨店の販売員として働き始める。ある時、リリーは結婚したいとゲルダに吐露する。

程なく、リリーはヘンリクと再会し、手術について打ち明けると、間違いを正しているのだと説く。一方、ゲルダはリリーに絵を描く様に促す。リリーは画家では無く、女になりたいのだと主張する。ゲルダはリリーの心が読めない事に不満を募らせる。リリーはアイナーが死んだ事を受け入れる様に求め、互いに自分の人生を生きるべきだと主張する。

ある時、ゲルダはリリーがヘンリクと交遊しているのを目の当たりにする。ゲルダはヘンリクが同性愛者であり、友人に過ぎないと弁解する。リリーは二回目の手術を受ける事を決意するが、ゲルダはリリーの身を案じて、早過ぎると諭す。リリーはゲルダに同行を求め、ゲルダはそれに応じる。

ドレスデンの病院を再訪したリリーは、いつか本当の女の様に子供が欲しいという願望をヴァルネクロスに伝える。ヴァルネクロスは一歩ずつだと諭す。術後の経過は極めて悪く、リリーは酷い出血と高熱に見舞われる。ゲルダは付きっきりで介抱し、ハンスも見舞いに駆け付ける。

一昼夜の後、リリーは憔悴しながらも、本当の自分になれたとゲルダに告げると、外へ出たいと請う。ゲルダはリリーを車椅子に乗せ、見晴らしの良い庭に連れ出す。リリーは自分がゲルダの愛に値しない人間だと説き、もう心配も恐れも要らないと諭すと、赤子の自分が母の腕に抱かれ、リリーと呼んでもらう美しい夢を見た事を明かす。ゲルダが「リリー」と呼びかけて間もなく、リリーは静かに息を引き取る。

後日、ゲルダはハンスと共にリリーが愛したヴァイナーの地を訪ねる。二人が丘の上に立つと、風が吹き付け、リリーがゲルダに贈ったスカーフをさらっていく。ゲルダはスカーフが空を舞っていく様にリリーを見出して微笑む。その後、リリーの日記が元になり、1933年に「男から女へ」が出版された。ゲルダは生涯リリーの肖像画を描き続けた。リリーの勇気は後のトランスジェンダー運動を鼓舞し続けている。

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