チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ルビー・スパークス

ジョナサン・デイトン,ヴァレリー・ファリス監督作「ルビー・スパークス」("Ruby Sparks" : 2012)[BD]

若い小説家の男が、夢に閃きを得て作品に著した理想の女が実存として現れた事で、喜怒哀楽に満ちた恋愛を経験していく様を描くロマンティック・コメディ作品。

 

小説家カルヴィンは19歳の時に出版した長編処女作がベストセラーとなり、一躍有名になったものの、その後10年間、新作の執筆が捗らずに苦慮している。カルヴィンは社交性の乏しさが災いして親しい友人がおらず、5年間付き合った元カノのライラには捨てられた他、関係を迫ってくるのはカルヴィンを偶像視する女ばかりであり、人間関係に辟易している。カルヴィンは精神科医ローゼンタールの元に通い、セラピーを受けており、それが縁で出会いのきっかけを作る為に飼った愛犬スコッティと気ままに暮らしている。

新作が待望されるカルヴィンは連日、愛用のタイプライターに向かうものの、閃きを得られずに悶々と過ごす。ある時から、夢の中にカルヴィンの理想を反映したかの様な若く美しい女が現れる。カルヴィンは画家を自称するその女に恋心を抱く。ローゼンタールに好きな人についてレポートを書く様に課せられていたカルヴィンは、夢の女に閃きを得た事で、自分を主人公に据え、女との関係を描く作品の導入部を寝食を忘れて一気に書き上げる。カルヴィンはその女について書いていると、一緒にいられる様な気分になり、それがまるで恋の様だと実感する。カルヴィンはその女をオハイオ育ちで26歳のルビー・スパークスと称し、性格や素性を肉付けしていく。その最中、家の中で女物の靴や下着、カミソリが見つかる様になり、カルヴィンはスコッティがそれらを近所から拾ってきたのでは無いかと疑う。

ある日、カルヴィンは良き相談相手の兄ハリーに導入部を読ませ、意見を求める。ハリーは女との交際経験に乏しいカルヴィンが創造したルビーは人間らしさに欠けていると指摘する。カルヴィンは更に続きを執筆する事で、夢の中のルビーと同じ時を過ごし、愛を語らい合い、気脈を通わせていく。

ある朝、カルヴィンはキッチンで夢に見たままのルビーと遭遇する。驚き当惑したカルヴィンは、自分が精神衰弱に陥ったのでは無いかと疑い、夢を見ているのだと自らに言い聞かせる。カルヴィンはハリーに連絡し、助言を求める。ハリーはカルヴィンの精神状態を案じ、友人と会う様に勧める。カルヴィンは買い物に行くと称して、家を抜け出そうとするが、ルビーは自分も連れて行く様に請う。カルヴィンはルビーと一緒に車で町を訪ねると、ルビーに店巡りをさせている内に、イベントで知り合ったカルヴィンの熱狂的なファンのマーベルと密かにカフェで落ち合う。程なくそこにルビーが現れ、カルヴィンに事情を問い質す。カルヴィンはマーベルにもルビーが見えている事を知り、夢では無く、実在しているのだと確認する。カルヴィンは憤慨するルビーに、自らが状況を受け入れられずに当惑している事を伝え、キスをすると、その足でデートに繰り出す。

後日、カルヴィンはルビーが確かに実在している事をハリーに伝えるが、ハリーはカルヴィンが幻覚に惑わされているのだと疑う。カルヴィンはハリーを自宅に招き、ルビーを紹介する。ハリーは尚も仕込みか詐欺師では無いかと疑い、カルヴィンに作品の続きを書く様に促すと、それが現実になれば信用し、ならなければ警察に通報すると説く。カルヴィンはハリーの立ち会いの下、タイプライターで「ルビーはフランス語が堪能」という続きを書き足す。その途端、ルビーはフランス語を流暢に話す様になる。ハリーはそれを以ってカルヴィンの主張を信じる様になるが、カルヴィンは愛するルビーとの関係が邪魔される事を拒み、口外せぬ様にハリーに釘を刺す。ハリーは奇跡を無駄にせぬ様に諭す。カルヴィンはそれ以上作品を書き足すのを止める意向を示す。

程なく、カルヴィンは母ガートルードから連絡を受け、週末に遊びに来て、彼女を紹介する様に求められる。カルヴィンはルビーを連れて行く事に難色を示す。ルビーは自分がいる事でカルヴィンの仕事の邪魔になっているのでは無いかと不満を漏らす様になる。カルヴィンはルビーの機嫌を取る為に、ガートルードの元へルビーを連れて行く決断を下す。

カルヴィンはルビーと共にガートルードが再婚相手モートと暮らす、花と草木で覆われたオーガニックな家を訪ね、ハリーとスージーもやってくる。ルビーは家族に歓迎され、すっかり意気投合する。一方、カルヴィンは性格が正反対の底抜けに陽気なモートと水が合わないままに滞在を終える。

帰宅後、ルビーは読書に没頭するカルヴィンに対して寂しさを訴えると、美術教室に通う事と、週に一晩を自分のアパートで泊まる事を希望する。カルヴィンはそれに応じるものの、ルビーと離れて過ごす時間が増えた事で鬱憤を募らせる。ルビーは恋愛には距離が必要だと説き、友達と遊ぶ時間を増やしてカルヴィンから遠ざかる様になる。痺れを切らしたカルヴィンは、再び作品を取り出すと、「ルビーはカルヴィン無しでは生きていけない」と書き足す。その途端、ルビーが連絡を寄越し、帰りたいとカルヴィンに訴える。

その日以来、ルビーはカルヴィンから文字通り片時も離れなくなり、常に密着して手を繋いでいないと悲嘆する様になる。それに参ったカルヴィンは、作品にルビーが楽しい気分になる様に訂正を施すが、今度は一転して常時陽気な性格になる。カルヴィンはハリーに相談し、ルビーに捨てられそうだった事を明かすと、書かずしてルビーを楽しくしてやりたいのだと吐露する。ハリーはスージーとの経験を踏まえ、恋人はいつ失ってもおかしくないものだと諭す。

ハリーはルビーが感情の赴くまま振る舞う様に作品に訂正を施す。その途端、ルビーは取っ付きにくくなり、情緒不安定な一面を見せる様になる。カルヴィンはルビーに気分転換を促すべく、知己のベテラン作家ラングドンの出版記念パーティに誘う。カルヴィンが仕事の関係者と話し込んでいる間、ラングドンが一人ぼっちのルビーに声をかけ、プールで泳ぐ様に誘う。一方、カルヴィンはルビーを探す途中でライラと遭遇する。両者は別れ話を蒸し返し、互いに詰り合った後、決別する。その後、カルヴィンはルビーがラングドンに誘われるままに下着姿になり、プールに入ろうとする様を目の当たりにし、憤慨してルビーを連れ帰る。

ルビーはカルヴィンが勝手にルールを決めて束縛し、それを一つでも破ると失望する事を詰る。カルヴィンは彼女なら他の男をその気にさせぬ様に咎めるが、ルビーはそれに激しく反発する。カルヴィンは自らがルビーを自由に操れるのだと説き、書斎のタイプライターに向かう。ルビーは荷物を纏めてカルヴィンの前に現れ、距離を置く意向を示す。カルヴィンは作品に続きを書き添える。ルビーは部屋から出ていこうとするが、見えない壁に阻まれる。カルヴィンは当惑するルビーに作品を差し出し、それを読むように促すと、自らがルビーを創作し、自由に操れる事を明かす。ルビーはそれを信用せず、カルヴィンが病気だと詰る。カルヴィンはやけくそになって、思いつくままに作品を書き足す事で、ルビーを意のままに操れる事を示す。ルビーはカルヴィンがタイプするのを止めると、自室に駆け込む。カルヴィンは「ルビーが家を出るとすぐに過去から開放され、創作物でなくなり、自由になる」と書き添えると、作品をルビーの部屋の前に置いて、読む様に促す。

翌朝、目覚めたカルヴィンはルビーがいなくなっている事に気付き、悲嘆する。そこへやってきたハリーは、カルヴィンを励ました後、本を書く様に促す。カルヴィンはタイプライターの代わりにラップトップを使用して、ルビーとの生活の一部始終を愛を込めて綴り、出版に漕ぎ着ける。その作品「ガールフレンド」は世間に絶賛される。後日、カルヴィンはいつもの様にスコッティを連れて公園に散歩に出かける。カルヴィンはそこで「ガールフレンド」を読んでいる、ルビーと瓜二つの女と出会う。カルヴィンは自らが作者だと明かす。二人はたちまち惹かれ合う。

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