チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

リザとキツネと恋する死者たち

ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ監督作「リザとキツネと恋する死者たち」("Liza, a rókatündér" : 2015)[DVD]

恋に憧れる地味なハンガリー人の女が、日本人歌手の亡霊に取り憑かれ、自分を恋した男達を次々と死に導く、妖怪キツネに仕立て上げられていく様を描くブラック・コメディ作品。

 

療養所で働いていた看護師リザは、12年前にブダペストのアパートで暮らす元日本大使の未亡人マルタ田中に、個人看護師として雇われる。それ以来、リザは寝たきりのマルタを住み込みで献身的に介助している。その間、リザはマルタから日本語を教わり、日本人歌手トミー谷の歌を愛聴する様になる。トミーは一昔前に他界したものの、六年前からアパートにリザだけに見える亡霊として現れる様になり、リザは妄想の友人として慕う様になる。

リザは30歳の誕生日を迎え、愛読書である日本の三文小説「桃色の空の下で」の一節に倣い、30歳の誕生日に運命の人に出会って幸せになる事を切望する。リザはマルタに外出を願い出る。マルタは独り身のリザを慮り、外で友達を作ってくる様に促し、外出を許可する。リザは取っておきの服を着て、僅かな貯金を携え、嬉々として外出する。リザは愛好するメックバーガーに訪れるや否や、まだ見ぬ愛を探し始める。嫉妬深いトミーはそれを良しとせず、計略を巡らし、妖力でマルタを死に導く。実はトミーの正体は死神だったのである。

葬儀でマルタの遺産目当てに親族が集まり、部屋からリザを追い出す。ところが入れ替わりでやってきた弁護士が持参したマルタの遺言書から、リザが全財産を相続した事が明らかになる。マルタの親族ヘンリクはリザを部屋に呼び戻す。マルタの二人の妹達は、リザが家欲しさに姉を殺したのだと警察署長に直訴する。署長は地方から着任したばかりのゾルタン巡査に捜査を担当させる。

マルタはリザへの遺言において、出会いのチャンスを逃さず、大使の様な伴侶を見つける様に促す。リザは階下に住むインゲが、男やもめの住民カーロイの母から譲り受けながらもゴミ箱に捨てた、相手に恋させると銘打ったレシピノートを発見する。リザはそれに基づいて、早速「鯛のメープルシロップ煮」などの奇天烈なメニューを作ると、カーロイを食事に誘う。妻を亡くして以来、手料理に飢えていたカーロイは、料理に舌鼓を打つと、リザを伴侶にする事を熱望する。ところがリザが茶を淹れに行っている内に、トミーが妖力でカーロイを死に導く。リザの通報から間もなく、署長がゾルタンと医師を連れて駆け付け、魚の骨が死因になった事が判明する。署長は相次ぐ死亡事故に疑惑を深める。

リザは料理で貯金を使い果たし、マルタの部屋を貸し出す事を決意すると、早速広告を出す。リザは天井裏に隠された大使の電話を発見する。その際に、トミーが奈良キツネ博物館展覧会のパンフレットを落とし、リザはそこに綴られた、有名な妖怪キツネ「スンガチ」が美女に化けて将軍の魂を奪ったという旨のおとぎ話に興味を抱く。愛した男が呪いで死ぬ運命にあるとされるそのキツネは、那須の山奥に孤独に棲み、その呪われた生を静かに終わらせるという。リザは永遠に孤独なそのキツネが不幸だと哀れむ。一方、ゾルタンはカーロイ殺しの捜査に没頭する。署長はリザが家からでは無く、通りの電話から通報した事、通報前に救命の為に気管切開した事への疑義を呈し、ゾルタンにリザの終日監視を命じる。

ゾルタンはリザの出した広告を見て、マルタの部屋の間借りを申し出る。リザはトイレのタンク、雨戸、ボイラー、照明スイッチなどの諸々が壊れている事を伏せ、部屋を貸す。翌日、リザはヘンリクから合鍵を借りるべく、メックバーガーでヘンリクと落ち合う。ヘンリクはリザとの会話もそこそこに、店の前にやってきた愛人とイチャつき始める。一方、ゾルタンはボイラーの修理を始める。トミーは妖力でゾルタンを死に導こうと企てるが、ゾルタンは不思議と致命傷を免れる。

リザは店内のカップルに触発され、親密な相手を見つける為に広告の出稿を思いつく。リザは料理好きな質素な看護師という触れ込みで、交際相手を希望する旨の広告を出稿する。程なく、根暗なサラリーマンのルドヴィクがそれに興味を抱く。リザは雑誌に掲載された、理想の男を誘惑する法則に倣って、容姿の改善を図り始める。

その矢先にルドヴィクからデートを希望する手紙が届く。リザはカーテンで自作したワンピースと、通販で買ったアクセサリーを身に付け、セクシーに決め込むと、メックバーガーでルドヴィクと待ち合わせる。リザはルドヴィクを自宅に招くと、日本酒で乾杯し、音楽に合わせてダンスに誘う。そこへトミーが現れ、妖力を用いると、ルドヴィクは童貞を告白した途端に倒れる。通報を受け、再び署長が駆け付けると、コーヒー、酒、降圧剤による心臓発作が死因であり、リザが救命措置を試みた際に、肋骨を粉砕した事が判明する。痺れを切らした署長は、リザの通話履歴を探し、事件当夜にそれが無ければ逮捕する様にゾルタンに命じる。

リザはトミーの見せるキツネの幻覚や悪夢に苛まれ、自分が妖怪キツネになりそうで怖いとトミーに訴える。リザは妖怪キツネについて調べる為に図書館に出かけるが、その道中でリザに惹かれた男達がトミーの妖力により、次々に不審死を遂げる。トミーは悲嘆するリザが睡眠薬で自殺を図る様に誘導する。ゾルタンは人が往々にして物事を一面的に捉えがちだと説くと、自らの描いた逆さ絵をリザに見せ、観察の結果、どの視点から見てもリザが潔白だと主張する。リザはくだんのパンフレットに綴られた妖怪キツネについて明かすと、自らがキツネの呪いにかかっており、自分に恋すれば死んでしまうと説く。リザとゾルタンは、部屋にかかっている唯一引き取られたなかった奇妙な絵が、パンフレットの切り取られた部分に一致する事を発見する。その部分に記されたキャプションから、将軍の家来タナエの命懸けの無私の愛に触れた時、キツネの呪いが解け、その後二人が幸せに暮らした事が判明する。リザは自らの呪いを解く希望を見出すと、無私の愛を捧げてくれる男を探す意向を示す。

ヘンリクは愛人インゲに愛想を尽かされ、その足でリザの部屋にトイレを借りる為に上がり込む。その矢先にリザは、ゾルタンの妻が愛想を尽かして渡米した旨を綴った手紙を見つける。リザはゾルタンこそ意中の相手だと悟るが、そこで偶然工具を手にしていたヘンリクと遭遇する。リザは、ボイラーなどを密かに修理してくれていたのがヘンリクだと誤解し、恋に落ちる。ヘンリクは以前とは見違える様なリザをデートに誘う。リザは絶対に死なないで欲しいとヘンリクに請う。

リザはヘンリクとクラブで楽しんだ後、部屋にヘンリクを招く。ヘンリクはリザの体を求めるが、リザがそれを拒むと、ヘンリクは帰ろうとする。リザはヘンリクにこれからも無私の愛を希望し、そうすれば呪いが解け、死なずに幸せになれると説く。ヘンリクはリザを抱きしめる。その様子をトミーとゾルタンが見守る。

翌朝、ヘンリクは眠っているリザを残して愛人の元へ出かける。ゾルタンはその後で、逆さ絵を描いたメモをリザの部屋の前に残して出かける。目覚めたリザはそのメモがヘンリクが描いたものだと誤解し、ときめく。その後、ヘンリクは既婚の愛人と逢瀬を楽しむ。トミーは妖力を用いて、その様子を出張から戻ってきた女の夫に見せる。夫は殺し屋にヘンリクの殺害を依頼する。程なく、ヘンリクはリザの部屋の前で刺殺される。期せずして、ドアチャイムを修理していたゾルタンが、トミーの計略で感電して気絶する。リザは二人が倒れているのを見て、気絶する。

リザは署に連行され、署長から尋問を受ける。リザは自らがキツネの呪いに憑かれているのだと訴える。ゾルタンは発見された刺殺犯の指紋と、更にリザの通話履歴を洗った結果からリザが潔白だと主張し、リザを連れ帰る。ゾルタンは憔悴したリザの為にメックバーガーを買いに行く。リザはその間に睡眠薬で自殺を図り、愛読書の一節を反芻しながら眠りに落ちていく。

夢の中、リザはメックバーガーでヘンリクと二人きりで出会うと、逆さ絵のメモについて尋ねる。しかし、ヘンリクはそれが逆さ絵だと気付かず、リザは無私の愛を寄せてくれていたのがヘンリクでは無く、ゾルタンだった事を悟り、立ち去ろうとする。ヘンリクはトミーの姿に代わり、リザを引き止める。トミーは自らが死神だと認めると、6年前にリザと出会い、自分の姿が唯一見えるリザを愛してきたが、こちらの世界で一緒になる為にはリザが自殺するしか術が無く、機を窺っていた事を明かす。トミーはリザが去ればゾルタンに永久に付き纏い、生き地獄を味わわせると脅す。リザはゾルタンの為にトミーの元に留まる事を決心する。その途端、トミーは苦しみ悶え始める。

ゾルタンは部屋に戻ると、トミーの執拗な妨害にも屈せず、満身創痍になりながらもリザの元へ駆け付け、薬を吐き出させてリザの意識を取り戻す。そこでキツネの物語の結末が明らかになる。呪いを解く為には愛されるだけで足りず、キツネ自身も純粋で無私の愛を示さねばならなかったのである。

リザは地方の病院に療養の為に入院し、ゾルタンはリザに付き添って地方に戻る。程なく、二人は結婚し、女の子を儲ける。10年後、リザ達は貯金で念願の日本旅行を実現し、那須高原に訪れる。トミーは相変わらずゾルタンに付き纏っている為、ゾルタンは怪我が絶えないものの、一家は幸せに暮らし続けており、次はゾルタンの愛するフィンランドへの旅行を計画する。

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