チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

シチズンフォー スノーデンの暴露

ローラ・ポイトラス監督作「シチズンフォー スノーデンの暴露」("Citizenfour" : 2014)[DVD]

NSAによる通信傍受に係る膨大な機密文書を持ち出したエドワード・スノーデンが、いかにしてジャーナリスト達と接触を図り、情報を世界に公開するに至ったかの過程を描くドキュメンタリー作品。

 

2012年12月、匿名の情報提供者がリオデジャネイロのジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドに連絡を図るが、安全な通信方法が確立できずにやり取りが停滞する。その一ヶ月後、監督ローラ・ポイトラスの元にシチズンフォーと称する人物から暗号化されたメールが届く。情報機関の上級スタッフを自称するその人物は、ポイトラスがイラク戦争を題材にした作品を作った事で、政府の監視対象者リストに載っている事を知っており、政府当局による情報収集活動の実態とその重大性について危険を冒してでも公表する事で、世界に知らしめたいと考えており、監視者に察知されぬ様に接触する機会を得る事を希望する。ポイトラスは映像が出入国の際に没収されるのを危惧し、ベルリンへ引っ越す。

2013年2月、情報提供者は「ステラーウィンド」の拡大をポイトラスに知らせる。911の後、国民を監視する目的の為に、NSA長官、CIA長官、司法省が認可したNSAのプロジェクト「ステラーウィンド」は、通信データの収集を行っていたが、SSO(特殊情報源工作部門)がそれを吸収した事で更にその範囲を世界中に拡大したのだという。(元NSAの数学者で冷戦中に核の脅威を分析していたウィリアム・ビニーは、ステラーウィンドに関して告発したが、脅迫を受けた事が明らかになっている。)情報提供者はNSA長官アレグザンダーが公聴会で偽証した事に触れ、国内最大の通信会社AT&Tが客の信頼を裏切り、通信の傍受に加担している事を明かす。情報提供者は自らの手で集めた証拠となる資料をポイトラスに届ける意向を示し、それを全国民に知らせる様に要請する。

その後、ポイトラスは数ヶ月のやり取りを経て、情報提供者と会うためにニューヨークへ趣くと、指示を待つ。情報提供者は、ポイトラスにグリーンウォルドと協力する様に促すと共に、自らを情報源として守る事無く、名前や素性を公表する様に希望する。

6月3日、ポイトラスとグリーンウォルドは、香港・尖沙咀のホテルの一室で情報提供者に直接取材・撮影を行う機会を得る。その情報提供者、エドワード・スノーデン(29歳)は、防衛分野の請負企業ブーズ・アレン・ハミルトン社のアナリスト、システムエンジニア、CIAシニアアドバイザーとして、ハワイのNSAで働いていたという。グリーンウォルドは取材した内容についてすぐにでも記事にする意向を示す。スノーデンは自らの人格に焦点を当て過ぎる事を嫌い、配慮を求めるが、情報を公にする為には何でも協力に応じる意向を示す。スノーデンはNSAで国家権力を増幅する方法について設計している間に、国家権力が国民の反対する力を潰している点について憂慮する様になり、それがインターネットにおける自由な発言や知的探求の妨げになる事を危惧し、リスクを冒してでも人々の自由を守りたいと考え、告発に踏み切ったのだと明かす。

その後、グリーンウォルドの所属するガーディアン紙から新たに記者マカスキルが派遣され、スノーデンへの連日に渡る取材が続く。スノーデンはNSAが他国政府と協力して作った設備が世界中にある事、あらゆるデジタル通信と無線通信、センサーを備えたアナログ通信が傍受され、自動的に記録される事、過去の通信に遡って検索する事であらゆる個人が特定可能な状態になっている事を明かす。スノーデンはまた、英国のGCHQ(政府通信本部)が最も侵略的な通信網傍受プログラム"TEMPORA"を有している事を明かす。その一方でスノーデンは、告発に際し、何が起きているか知らない自分の家族に危害が及ぶ事を懸念する。

スノーデンはグリーンウォルドに新品のPCを用意させ、そこへ機密文書を収めたデータをダウンロードすると、通信傍受の現状を教示する。グリーンウォルドはそこまでの取材で得た情報を纏め、ガーディアン紙に記事を発表する。CNNは直ちにその記事について報道し、NSAベライゾンの顧客全員分の通信記録を収集できる様に、裁判所命令が発行されていた事が明るみとなる。スノーデンは出張に行くと伝えて連絡を絶った恋人リンゼイの元に、NSAの職員による調査が及んだ事を知る。

ポイトラスもまた記事をワシントン・ポストに発表し、同じ件をガーディアン紙も報じる。それにより、NSAとFBIがインターネット大手企業9社のサーバーに直接侵入し、人の移動や連絡先を追跡可能にしている事が明らかとなる。スノーデンはリンゼイから連絡を受け、自由の身であるが家賃の自動引落が停められた事、家の前に何台もの工事車両が停まっている事を知る。グリーンウォルドはスノーデンの正体を明かす時期について相談する。スノーデンはこそこそと逃げ惑う事を嫌い、恐れる事無く、堂々と姿を晒す事を希望する。

6月10日、ガーディアン紙はスノーデンの正体を公表し、メディアは一斉に後追い報道を始める。司法省は直ちに犯罪捜査を開始する。スノーデンは香港の人権派弁護士と接触し、UNHCR駐香港事務所へ身を寄せる。間もなく、スノーデンは国連を通して亡命申請し、地下に潜る。ポイトラスは尾行に気付き、ベルリンに戻る。

6月21日、米国政府はスノーデンをスパイ活動に係る重罪で告訴し、香港に身柄の引き渡しを要求する。程なく、ウィキリークスはスノーデンの政治亡命を計画する。スノーデンは香港を離れ、モスクワに向かうが、米国政府にパスポートを無効にされ、空港で足止めされる。ウィキリークスはスノーデンを安全が確保された他国へ移動させようと画策する。

スノーデンはポイトラスに連絡し、FBIがCIAや諸外国と組んで、自らの計画や接触した者を見つけ出そうとしている事、あらゆる妥当な手段を使って記事を発表しない様に仕向けるであろう事を知らせる。7月20日、英国政府はガーディアン紙に圧力をかけ、GCHQに関する資料を物理的に破壊させる。スノーデンはモスクワの空港ターミナルで40日間を過ごした後、政治亡命者として一年間のロシア滞在が認められる。一方、グリーンウォルドのパートナーはロンドンの空港で不当な長時間拘束を受ける。

9月、欧州議会NSAによるEU監視に関して公聴会が開かれ、暗号及びソフトウェアの開発者アッペルバウム、暗号化メールサービス「ラヴァビッド」の創設者レヴィソンが招かれる。ラヴァビッドはスノーデンが顧客だった事から、FBIによる捜査を強要され、レヴィソンはそれに不満を抱いて会社を閉鎖した事を明かす。アッペルバウムは人々の自由が侵害されている事への危惧を強く訴える。2014年3月、ドイツ連邦議会NSAの監視に関する審問が行われ、ビニーが証言を行う。しかし、途中でCIAの二重スパイが潜り込んでいる事が判明し、審問は中断される。

7月、リンゼイはスノーデンを追ってモスクワに引っ越し、二人は無事に再会を果たす。その後、スノーデンの勇敢さに触発された内部告発者が現れる様になり、グリーンウォルド、ポイトラスは世界を震撼させる機密に関する取材を継続する。

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