チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

裁かれるは善人のみ

アンドレイ・ズビャギンツェフ監督作「裁かれるは善人のみ」("Левиафан" : 2014)[DVD]

小さな港町で暮らす家族が、開発を企てる悪徳市長が強要する土地収用に反発し、弁護士を雇って抵抗に及んだ事で、悲劇に見舞われていく様を描くドラマ作品。

 

ロシア北方のプリブレジヌイ市の小さな港町で自動車整備を営むコーリャは、息子ロマ、妻との死別後に再婚し、魚工場に勤める妻リリアと共に、海沿いの家で暮らしていた。ロマはリリアと折り合いが悪く、何かにつけ反発する事から、コーリャは手を焼くものの、三人は慎ましくも平穏な日々を過ごしていた。そんな折、祖父の代から受け継がれてきたコーリャの所有する土地を、市が一方的に収容する決定をコーリャに通告する。コーリャはそれが違法な手続きによる収容だと地区裁判所に提訴するが、請求が棄却されると、市裁判所に控訴し、かつて所属していた軍隊で親交のあった元部下で、モスクワの弁護士会に所属するディーマに協力を依頼する。

控訴判決の前日に町にやってきたディーマは、モスクワでの調査の末に、悪徳市長ヴァディムが働いてきた悪事の数々に関する秘密を掴んだ事を明かすと、期待する判決が出ない見込みを説き、和解か秘密の暴露かをヴァディムに迫る事を提案する。コーリャはヴァディムを徹底的に叩き潰す事を希望するが、ディーマは巧妙に攻める様に諭す。翌日、コーリャ達は裁判所に出廷する。裁判所は市側の主張を支持し、コーリャの控訴を棄却すると、補償額350万ルーブルの請求に対し、64万ルーブルでの土地収用を認める。

敬虔なロシア正教の信者ヴァディムは、司祭の元へ会食に訪れ、一年後の市長選への懸念を示す。司祭は最も気前の良い教会の後援者であるヴァディムに対し、権力が神のもたらすものであり、神が望む限り心配は無用だと諭す。ヴァディムは酒で正体を失った状態で、コーリャの家に向かう。一方、ディーマは先行きを憂慮し、弱気になるコーリャを励ます。間もなく、ヴァディムがやってきて、酔いに任せてコーリャを悪罵する。ディーマは判決がまだ発効してない事から不法侵入に当たると咎め、立ち去る様に命じる。ヴァディムは立ち退きの念押しに来たのだと開き直る。ディーマは弁護士委員会の有力者コストロフの名を挙げ、ヴァディムを牽制する。ヴァディムはその名に慄き、その場を後にする。ディーマはコーリャに職権乱用でヴァディムを告訴する意向を示す。

翌朝、コーリャは知人の交通警官中佐ステパニッチの車の修理を行う。ステパニッチは翌日の射撃練習にコーリャとディーマを誘う。その後、ディーマは告訴状を携え、コーリャ、リリアを同伴して警察署を訪ねる。コーリャは告訴状が受理されない雰囲気を悟り、悪態を付いた事で、身柄を勾留される。ディーマはその足で検察庁と裁判所を回るも、双方に告訴状を受理してもらえず、市庁にヴァディムを訪ねると、調査ファイルを叩きつける。ヴァディムはコーリャの釈放の代わりにディーマにモスクワへ帰る様に要求する。ディーマはそれでは正義を取り戻す為に力を尽くすべきと考えるコストロフが納得しないと説き、ファイルをメディアに暴露するか取引に応じるかの選択を迫る。ヴァディムはそのファイルに目を通すと、ディーマに望みを尋ねる。ディーマは、収容を取り消せないのなら、コーリャに補償金350万を支払い、コーリャを釈放する事を要求する。ヴァディムはそれに応じる意向を示し、詳細を協議する場を持つ事を求めるが、ディーマはそれを拒み、あとは金を受け取るだけだと言い渡す。最後にヴァディムはディーマに洗礼の有無を尋ねる。ディーマは自らが信じるのは事実だけだと答える。

その後、ディーマはホテルのレストランでリリアと落ち合い、部屋に戻ると、リリアの求めに応じる形で肉体関係を持つ。間もなくコーリャは釈放される。一方、ヴァディムは警察、検察、裁判所のトップを市庁に呼びつけると、ディーマへの対応を協議する。ヴァディムはディーマが有力者コストロフの名を出して脅してきた事を明かし、ディーマの素性、雇い主、情報の入手先を調べる様に命じると、自らが市長選で落選すれば、便宜を図ってきた三人が道連れだと脅す。

翌日の早朝、コーリャ達はパーシャの家族と共にステパニッチの案内で遠方の湖へ射撃に行く。男達は酒を飲み交わしながら射撃に興じ、女達は食事の準備をする。その最中、ディーマとリリアがその場を離れ、密かに情事に及ぶ。その様子をロマと遊んでいたパーシャの息子ヴィーチャが目撃し、アンジェラに報せる。それを聞いて激昂したコーリャは、二人を何度も殴りつける。一方、ヴァディムは再び教会に司祭を訪ね、全てを失う事への心配を吐露する。司祭は全ては神の意志であり、権力は神がもたらすものだと説くと、自分の領分で権力を握っているのであれば、自分の力で解決する様に諭す。

こっぴどく傷めつけられたディーマとリリアは、車で逃げ帰ると、ホテルに身を寄せるが、添い遂げる事なく別れる。その夜遅く、リリアは帰宅する。翌朝、ディーマはヴァディムから連絡を受け、会う約束をする。ヴァディムはディーマを拉致すると、人気のない岩場へ連れて行く。ヴァディムはディーマを手下にリンチさせた後、銃で脅し、置き去りにする。ヴァディムは土地収容の目処が付いた事で、早速開発計画の段取りを始める。

翌日、ディーマはモスクワに戻る。コーリャ達は立ち退きの準備を始める。その最中、コーリャとリリアは地下室で情事に及ぶ。ロマはそれを目撃するとショックを受け、家を飛び出し、号泣する。その夜、ロマが帰宅すると、リリアはロマと話し合おうとするが、ロマはリリアが家族を壊したのだと詰る。コーリャはロマを宥めるが、ロマはリリアに出ていく様に命じる。翌朝早く、リリアは号泣した後、家を出て海岸に立ち尽くす。

コーリャはロマに、リリアを許してやる様に諭す。夕方、コーリャはバス乗り場までリリアを迎えに行くが、アンジェラはリリアが出勤していない事を伝える。コーリャはリリアに電話が繋がらない為に、帰りを心配して待ちながら夜を迎える。リリアは翌日も戻らず、コーリャはリリアがディーマとモスクワに行ったのだと疑う。

翌日、リリアの遺体が海岸で見つかり、コーリャは悲しみに打ちひしがれる。コーリャは正体を失くす程、酒浸りすると、売店で出会した顔馴染みの神父に八つ当たりし、全能の神がどこにいるのかと問い質す。神父はコーリャが日頃教会に来ず、断食も聖体拝領も懺悔もしない事を批判すると、主の行いが謎だと説き、比類なき誇り高き獣らの王レビヤタンと、瘡蓋だらけで人生の意味ばかり問い続けた男ヨブの末路に関する聖書の逸話を紹介する。一方、アンジェラはコーリャがリリアを殺してやると喚いていた事から、殺害に及んだのでは無いかと疑う。

間もなくコーリャの家に殺人課の刑事がやってきて、コーリャを連行し、ロマ一人が取り残される。刑事はリリアの死因が鈍器による後頭部への一撃である事、自宅敷地内から傷口と一致するハンマーが見つかった事、アンジェラとパーシャにより、コーリャが湖に行った際にリリアとディーマを繰り返し殴りつけたと証言した事を根拠に、溺死に見せかけた殺人容疑でコーリャを追求し、全面自供すれば減刑もありうると説く。コーリャは犯行を否認し、ただ悲嘆する。コーリャは直ちに拘置所へ送致される。

数日後、アンジェラとパーシャはロマが一人きりだと聞いて、家を訪ねる。アンジェラはコーリャが起訴され、刑務所に入る事をロマに伝えると、保護者がいなければロマが施設送りになる事を憂慮し、家族同然のロマを引き取る意向を示す。程なく、市は収容に向けた作業を開始し、コーリャの家は業者に取り壊される。裁判所はコーリャの無罪を主張する控訴を棄却し、懲役15年が確定する。その報せを受けたヴァディムは満足する。ヴァディムは妻子と共に教会の集会に参加し、司祭の説法を聞く。司祭は正教の教えを守り、いかなる時も真実を語る事が最も大切であり、神の真実の本質を理解する事で真に自由になれるのだと説く。ヴァディムは息子に対し、神は全てを見ておられるのだと囁く。

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