チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

セルフレス/覚醒した記憶

ターセム・シン監督作「セルフレス/覚醒した記憶」("Self/less" : 2015)[BD]

不要になった肉体を捨て、別の新たな肉体に意識を転移する「脱皮」技術を用いる事で、命を長らえた実業家が、その肉体に宿る記憶を頼りに、「脱皮」の真相を探るべく奔走する様を描くSFスリラー作品。

 

「ニューヨークを作った男」と称される建築家ダミアンは、末期がんを患い、余命が半年に満たない事を知る。ある時、ダミアンは財布の中にあるバイオベンチャー企業の名刺を見つけ、そこに記された連絡先を通じてそのラボを訪ね、代表のオルブライトと出会う。オルブライトは遺伝子操作で造り出した新しい肉体に魂を移す「脱皮」と称する技術について説明する。ダミアンは仮設のそのラボで秘密裏に研究を行っている理由を訝る。その後、ダミアンは長年疎遠となっている娘クレアが主宰するNPOの事務所を訪ねると、溝を埋めに来た事を明かし、小切手を差し出して資金協力を申し出るが、クレアはダミアンを拒絶する。

ダミアンは不老不死を研究する脱皮神経学の権威ジェンセン博士の経歴を調べ始めた矢先に吐血して倒れる。死期を悟ったダミアンは、高額な費用と引き換えにオルブライトに「脱皮」の決意を示す。オルブライトはダミアンに身辺整理の後、ニューオーリンズに来る様に促す。ダミアンはニューオーリンズの実家で暮らす、共同経営者で親友のマーティンをランチに呼び出す。マーティンはダミアン亡き後のグループから引退する意向を示す。ダミアンはコーヒーを口にした直後にショック症状を起こして倒れ、救急搬送される。それはオルブライトの組織による演出で、ダミアンは到着時死亡扱いとされる。

ラボに搬送されたダミアンは、若々しい別人の肉体と共に「脱皮」装置にかけられる。その際、オルブライトはダミアンに金属が工程を疎外する為に外す様に警告する。「脱皮」によりダミアンの意識は、別人の肉体に転送される。新たな肉体で覚醒したダミアンは、隣で息絶えた元の肉体を目の当たりにする。

ダミアンはラボ内の一室で養生を始めるが、間もなく激しい幻覚症状に見舞われる。オルブライトはそれが新たな神経構造に順応する為の拒絶反応だと説き、一日一錠の抑制剤を飲む様に命じる。ダミアンは肉体に馴致する為にリハビリに励む。

その後、ダミアンは、アリゾナ州生まれで両親と姉は死に、おじに育てられ、コンピュータサイエンスを学んだエドワード、という身分と豪華な屋敷、高級車、十分な金、一週間毎の薬を与えられ、経過観察の為に街に留まる様に命じられる。ダミアンは早速、街に繰り出し、ストリートボールで出会ったアントンと意気投合する。ダミアンはアントンとクラブ通いやスポーツ、女遊びなどに耽り、悠々自適な日々を過ごす。

ある日、ダミアンは薬を飲むのをサボった事で、強烈な拒絶反応に襲われ、その際に会った事の無い女と幼い娘の幻覚を見る。ダミアンはオルブライトに相談し、その娘が病気で助けを求めているのだと訴える。オルブライトはそれがクレアへの未練が作り出した、過去の記憶と感情の混乱に因る幻覚だと諭すと、気分転換の為にハワイへ行く様に促すと共に、薬を忘れずに飲む様に命じる。

ダミアンは幻覚に現れたカボチャが描かれた給水塔をネットで探し出すと、ハワイに行った様に見せかけ、セントルイス郊外のブライトンに向かい、給水塔の傍に立つ家を訪ねる。ダミアンは不在中のその家の裏口から侵入し、屋内に掛けられた写真から、自分の肉体が幻覚で見た女マデリンの夫であり、元軍人だと悟る。そこへマデリンが帰宅し、亡き夫マークが戻ってきた事に驚愕する。その矢先にアントンが二人の手下を率いて押し入り、ダミアンを取り押さえる。ダミアンはアントンがオルブライトの部下だと悟る。ダミアンは人の命を奪った事を非難する。アントンはそれが病のアナを救う為にマークが望んだ事だと説くと、組織無しではダミアンは存在できないと警告し、同行を求める。ダミアンはアントン達が事故に見せかけてマデリンを殺そうと企てている事を悟ると、マークの肉体に備わる戦闘能力を駆使してアントン達を撃退し、マデリンを救出する。マデリンはダミアンが溺死したはずなのに生きている事に当惑する。ダミアンはマークを装い、金の為の苦渋の選択だった事への理解を求める。二人はアナを迎えに学校へ行く。アナはマークが戻ってきた事を甚く喜ぶ。

その夜、ダミアン達はモーテルに身を寄せる。ダミアンはマデリンの家で薬を紛失した事に気付く。ダミアンはネットで、既に死亡したジェンセンの教え子にオルブライトがいた事を知る。その矢先にダミアンは拒絶反応に襲われ、マークの記憶がフラッシュバックする。マデリンはダミアンに何が起きているのか話す様に請うが、ダミアンは自分を信じる様に諭す。

翌日、ダミアン達は薬を求めてニューオーリンズに戻る。ダミアンはジェンセンの妻フィリスが暮らす老人ホームを訪ねる。ダミアンはジェンセンの教え子を装ってフィリスと面会すると、ジェンセンの研究成果の所在について尋ねる。フィリスは認知症で要領を得ないながらも、もう一人の教え子が毎週やってくる事を明かす。ダミアンはジェンセンがオルブライトの肉体に「脱皮」したと確信し、フィリスにオルブライトを呼び出してもらう。

程なく、オルブライトがやってくる。ダミアンは他人が苦しむのは望んでいないと非難するが、オルブライトは偉大なる知性を失わせない為だと、自らの研究を正当化し、薬を止めればダミアンの心は忘却の彼方へ消え去り、マデリンがマークを取り戻せる一方、一錠飲む毎にマークの痕跡が薄れていき、やがて永久に消滅するのだと説く。ダミアンはオルブライトに銃を突き付け、ラボに連れて行く様に命じる。そこへアントンが「脱皮」した新たな男が手下を率いて現れ、行く手を阻む。ダミアンは窮地に陥るが、マデリンの協力を得て、アントン達を撃退する。アントンはマデリンにマークが別人だと示唆して逃走する。ダミアンはマデリンに真実を打ち明け、マデリンは悲嘆する。ダミアンはマデリンに、組織から逃れて国外の安全な場所でやり直す様に促し、全てが終われば自分が消える意向を示す。

ダミアン達はマーティンの農場を訪ねる。ダミアンはマーティンに真実を打ち明ける。マーティンは荒唐無稽な話を拒絶するが、ダミアンが二人しか知り得ない過去の思い出話をすると、本人だと確信する。マーティンが手配した飛行機を待つ間、ダミアンはプールでアナにかつてしてやれなかった水泳を手解きする。マデリンはその様子を見て、ダミアンに心を許し、口づけを交わす。マデリンはダミアンにどんな男だったのか尋ねる。ダミアンは仕事に没頭して、父親としては失敗だった事を述懐する。マデリンはアナが地元を離れた事が無く、かつてカリブの島に行こうと話していた事を明かす。ダミアンはそれを実現する様に促す。その直後、ダミアンは、二年前に死んだはずのマーティンの子供がアナと遊んでいるのを目の当たりにし、マーティンに「脱皮」について問い質す。マーティンは組織に息子を救ってもらった恩義があり、ダミアン達が来る前に電話を受け、敵が外に張り込んでいる事を明かす。ダミアンは新しい子供が遺伝子操作で作られたのではなく、死んだと思われている誰かの子供だと明かす。マーティンは愕然とし、ダミアン達に協力を買って出る。

ダミアンはマーティンの車で敵を陽動し、マーティンはマデリンとアナの逃走を手引する。車で張り込んでいたアントン達はダミアンを猛追する。ダミアンは敵同士の衝突を誘発して撃退する事に成功するが、マデリンとアナは待ち伏せに遭い、連れ去られる。ダミアンはその足で待ち合わせのレストランに向かう。そこへマーティンが駆け付け、マデリンとアナが連れ去られた事を伝え、詫びる。マーティンはバイオベンチャーの名刺を忍ばせた事を明かし、40年の付き合いと成功に対する礼をしたかったのだと説く。更にマーティンは、ダミアンに薬を提供すると共に、独自に成分を分析して特定しており、メキシコの薬品工場で製造し、入手できる事を明かす。

ダミアンは薬を飲まずに拒絶反応を起こす事で、マークの記憶を辿ってラボの手掛かりを探り、廃墟となった倉庫だと知る。ダミアンは記憶の目印を頼りに、単身、倉庫を訪ね、ラボに侵入する。ダミアンは「脱皮」装置の前で瀕死のアントンと別の肉体を見つける。防護ガラスの向こう側にオルブライトが現れ、マデリン達を「脱皮」に利用する意向を示し、医学的進歩には犠牲が伴うのだと説く。ダミアンはオルブライトが救世主とは程遠いサイコパスだと詰る。オルブライトはアントンの「脱皮」にマークの肉体を使う事を決意し、手下に取り押さえさせる。ダミアンは密かに銃弾を口に含み、装置にかけられる。

転移を免れたダミアンはアントンを装い、オルブライトを欺く。ダミアンは手下からマデリン達の居場所を聞き出す。オルブライトは装置に残された銃弾を見つける。ダミアンはマデリン達を救出すると、行く手を阻む手下達の銃撃を逃れ、ラボの操作室に逃げ込み、防護ガラス越しにオルブライトと対峙する。オルブライトは自らの死がダミアンにとっての自殺を意味すると説き、自分が必要だと脅す。ダミアンは薬の成分を特定した事を明かすと、手元の火炎放射器でガラスを破り、オルブライトを焼き殺す。ラボを脱出すると、ダミアンは予め用意しておいたボートでマデリンとアナをカリブへ向かわせる。

ダミアンは自らの友人を装ってクレアの事務所を訪ねる。ダミアンは、生前の自分がクレアを誇りに思うと同時に、幼い頃に一緒に過ごせずに後悔していた事を伝えると、生前に認めた償いの手紙を手渡す。ダミアンはクレアが涙ながらにその手紙を読む様子を見届けると、その場を後にする。その後、モーテルに身を寄せたダミアンは薬を飲むのを止め、忘却の彼方へ消え去る。やがてマークが記憶を取り戻す。マークはダミアンが残した動画を見て真実を知ると、カリブ海の小島に向かい、マデリンとアナに再会する。

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