チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

テイキング・オブ・デボラ・ローガン

アダム・ロビテル監督作「テイキング・オブ・デボラ・ローガン」("The Taking of Deborah Logan" : 2014)[DVD]

医学生の女が、アルツハイマー病を患う老女と介護を担うその娘に対する研究取材を行う過程で、老女の過去に纏わる恐ろしい秘密に触れていく様を描くファウンド・フッテージ型スーパーナチュラル・ホラー作品。

 

2013年10月、医学生のミアは、アルツハイマー病患者がその介護者に及ぼす生理機能を検証するドキュメンタリーを制作すべく、撮影クルーのギャビン、ルイスを率いて、バージニア州グズマに暮らすアルツハイマー病患者デボラ・ローガンとその娘サラに取材を申し入れる。デボラは若い時に夫を病で亡くし、それ以後、電話交換手として生計を立てながら、サラを女手一つで育て上げたのだった。サラはミア達に協力する事で、大学に医療費の一部を負担してもらえると知り、快諾する。サラはミア達をデボラに紹介する。デボラは最初は協力するつもりだったものの、笑い者にされたり、自分について話したりする事を嫌い、一転して頑なに取材を拒否する。

サラは治療費が必要だとデボラを説得し、一週間後に改めてミア達を歓迎する。サラ達はミア達に家の中を案内し、滞在する部屋を用意する。地元の病院に勤めるデボラの担当神経科医ナジールは、デボラが軽度認知障害の症状を示している事から、アルツハイマーの初期段階にあると診断する。ミア達はデボラが徐々に論理的思考力を喪失していく様子と同時に、不可解な奇行を目の当たりにする。

撮影担当のルイスは家の各所に、デボラの様子を監視する為のカメラを設置する。その夜、デボラは突然錯乱し、自分の愛用のスコップが見当たらないと訴え、暴れ出す。一同は手分けして探し回り、ミアが冷凍庫の中のスコップを見つける。サラがそれを伝えに行くと、デボラは自らの首の皮を爪で剥ぐ。デボラは直ちに病院に搬送され、治療を受ける。ナジールはデボラの症状が中期段階まで進んでいると判断し、治療レベルを上げる意向を示す。

二週間後、デボラは退院し、再び穏やかな生活に戻る。ルイスはデボラが一人で鏡に向かって何かを哀願している様子を目撃する。サラはデボラを献身的に世話する一方、ストレスで酒に依存し始める。ある夜、サラはミア達に自らが同性愛者であり、10歳の時に他の女子とキスしているのをデボラに見つかって激怒された事を明かす。その直後、デボラは真っ暗な部屋で窓の外を見つめた後、窓を釘で打ち付け始める。その夜更け過ぎ、サラは寝室にデボラがいない事に気付き、探し始める。サラ達はデボラが打ち付けた窓から外に出たのだと悟る。デボラは一心不乱に軒先の地面を掘り返し、喚き始める。ミア達はデボラを連れ戻すと、カメラの映像を確認し、デボラが浮遊する様に移動する姿を見て困惑する。翌朝、デボラの古くからの親友ハリスが、デボラを慮って撮影の中止をサラに求め、自らがデボラの世話を担う意向を示す。また、デボラはサラに恋人の元へ帰る様に促す。

十日後。ミア達は、元気を取り戻したと主張するデボラにインタビューを試みる。サラは、デボラに地面を掘っていた時の映像を見せ、その際に発していた「あの男からの電話に出るな」という言葉の真意を尋ねる。その途端、デボラは錯乱して倒れ、病院に搬送される。数週間に及ぶ精密検査の後、デボラの不可解な症状の原因は特定できず、更にデボラの背中に鱗の様な炎症が生じる。デボラはナジールによる検査の最中に、自らの腕の皮膚を剥がし始める。ナジールは対処に窮し、リッチモンドから専門家を呼ぶ。

後日、デボラは退院するが、奇行と不可解な現象が相次ぎ、恐れを抱いたギャビンとルイスはミアに報酬の増額を要求する。その夜、サラ達は何年も使っていないはずの交換機のけたたましい音で叩き起こされる。サラ達はデボラが寝室にいない事に気付くと、物音のする開かずの天井裏へデボラを探しに向かう。サラ達はそこで裸のデボラが泣きながら交換機を操作するのを目の当たりにする。間もなくデボラは、取り憑かれた様な禍々しい声色で言葉を発し、交換機を乱暴に扱ってショートさせ、その場に倒れ込む。サラはナジールを呼び、デボラの容態を安定させる。ナジールはデボラが暴れた時の為の鎮静剤をミアに託す。

翌日、ギャビンはデボラが発していた声色を解析する。その結果、デボラが話せないはずのフランス語で「永遠なる蛇がお前を解放する」「5人目になれ」などと語り、また川や鉱山に言及していた事が判明する。サラはそれについてハリスに相談するが、ハリスは撮影の中止を促し、サラが断らなければ自分が追い出す意向を示す。サラ達はデボラが交換機で「337」を何度も打っていた事を知ると、別の屋根裏を探して見つけた交換機の顧客情報と照合する。そこからは337のページだけが切り取られていたが、ルイスが一計を案じ、筆跡を炭でなぞる事で337のページに記された文字が「デジャルダン」だと判明する。サラは、それが70年代前半にエグズマで発生しながら未解決になっている、ルージュ川少女連続殺人事件の容疑者、小児科医デジャルダンだと指摘する。

当時の記録に拠れば、二年間に四人の少女が殺害されたその事件は、いずれの少女も額に蛇が刻印され、体の一部が食べられ、また血液中から蛇毒が見つかっており、モナカン族の血の儀式が再現されていた。現場の鉱山は元々モナカン族の信仰する洞窟で、ルージュ川に繋がっていた。儀式で捧げるのは初潮の最中の少女で、その血を悪魔に捧げれば不死身になるとされた。デジャルダンが失踪して一ヶ月後、家から漂う異臭で警察が捜査に入り、何百匹の蛇と共に、部族の偶像や儀式の指南書などが見つかった。デジャルダンはALSを患っていた事から、迫り来る死から逃れたかったのが殺人の動機として考えられた。その後、デジャルダンの行方は掴めず、犠牲者は四人に留まり、儀式が未完成な理由は不明なままとされた。

サラはデジャルダンについてデボラに尋ねる。デボラはデジャルダンが行方不明では無く、殺されたのだと答えるが、その矢先に不調を訴え、口から無数のミミズ混じりの土を吐き出して倒れ、病院に搬送される。デボラは統合失調症を疑われる。サラはハリスにデジャルダンについて尋ねるも要領を得ない為、ミアはハリスがデボラを庇っているか、あるいは自己保身を図っているのでは無いかと疑う。ミアはハリスが事件当時、デジャルダンの家や現場近くで目撃され、警察に聴取を受けていた事を明かすと、ハリスが少女を助けようとしてデジャルダンを殺し、デボラはそれを隠していたものの、病気で封印した記憶が表面化した可能性を指摘する。ギャビンは憶測に過ぎないと一蹴する。その夜、ハリスがギャビンの車に向けて猟銃で執拗に発砲を繰り返す。ハリスは駆け付けた警察に勾留される。憤慨したギャビンはクルーを辞めてミア達の元を去る。

数日後、デボラが病室を抜け出し、白血病で入院する少女カーラを連れて閉鎖病棟に侵入する。捜索の末にナジールは二人を発見する。カーラは無事保護され、錯乱するデボラは身体拘束される。サラは神父に悪魔祓いを依頼するも拒まれる。ミア達は人類学者に事情を伝え、見解を求める。人類学者はデボラが殺人犯になりきっているのだと推測し、それと良く似た憑依の事例を挙げる。ある部族の母親が息子を亡くした後、亡骸を一ヶ月以上も抱き締めていたが、やがて人格や声色が代わり、息子そのものになった。そこで呪術医が息子の遺体を火葬する事で清めたところ、憑依が解けたのだという。

取材開始から60日目。病室にデボラを見舞ったハリスは、デボラに殺す様に唆され、窒息させようとする。その時、見えない力が働いてモニターがハリスの頭部を直撃し、致命傷を与える。駆け付けたサラは、瀕死のハリスから、デジャルダンの声を交換機で聞き、五人目の犠牲者としてサラが狙われていた事、デジャルダンを殺したのはデボラであり、スコップで首を刺して裏庭の像の下に生き埋めにした事を聞く。

その夜、サラ達は像の下を掘り返してスコップを発見すると、デボラが先に死体を取り出したのだと確信する。サラ達は三つ目の屋根裏に不可解なシミを発見すると、ゴミだらけの屋根裏の一角に詰め込まれた麻袋の中から朽ち果てた死体を発見する。サラ達をそれを運び出し、居間の暖炉で焼いて清めようと企てる。その時、袋から無数の蛇が飛び出す。サラ達は袋に火を付けるが直ちに突風で吹き消される。サラ達は家から逃げ出す際に、窓に映る男の姿を目撃する。そこへデボラが病院から脱走したとの報せが入り、サラ達は袋を持って病院へ急行する。

病院に駆け付けたサラ達は、デボラが蛇毒で警備員を退け、カーラを連れて車で走り去った事を知る。サラ達はデボラがカーラで儀式の続きを行おうとしているのだと悟り、警察と共に事件現場のモナカン鉱山へ向かう。一行は鉱山の入り口で二人を見つける。ミアは鎮静剤を構えて、保安官リンダと共にデボラに近づく。カーラは取り憑かれた様に「彼は良い人だ」と繰り返し呟く。リンダがデボラに手錠を掛けた瞬間、デボラは傍の警官に毒を浴びせ、カーラを連れて逃走する。

リンダ、サラ、ミアはデボラの血痕を追ってルージュ川の傍の小屋に辿り着く。リンダは一人で小屋の中へ向かうが、間もなく発砲があり、後に続いたサラ達はリンダの死体を見つける。二人はカメラのライトを頼りに、暗闇に包まれた坑道へ足を踏み入れ、カーラの悲鳴がする奥の方へ進む。二人は屯する蛇の群れを躱し、デボラに接近するが、デボラは二人を退け、更に奥へ逃げる。二人はその先で、蛇の様に大口を開けたデボラがカーラを丸呑みにしようとする様を目の当たりにする。サラは銃撃でそれを阻止し、デボラに鎮静剤を打つと、カーラを保護する。サラはその場でデジャルダンの死体を焼く。デボラはそれに連動して大やけどを負うも、正気を取り戻す。

その後、デボラは体調を急激に悪化させ、会話も困難な状況となった事から、裁判は不可能だと判断される。一方、白血病が完治し、退院したカーラは、家族と10歳の誕生会を祝い、その模様がテレビで中継される。インタビューに応じるカーラの不敵な微笑みから、デジャルダンがカーラに憑依した事が示唆される。

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