チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

シークレット・アイズ

ビリー・レイ監督作「シークレット・アイズ」("Secret in Their Eyes" : 2015)[DVD]

テロ捜査を優先する検察の方針で隠蔽された殺人事件を巡り、13年の時を経て、犯人に繋がる証拠を発見した当時の捜査官が再捜査に乗り出し、真相に近づいていく様を描くミステリー・スリラー作品。

 

同時多発テロから間もない2002年の初頭。FBI捜査官レイはLA郡地区検察局に出向し、親友ジェスの在籍するテロ対策合同捜査班に加わり、国内に潜伏するアル・カイダ系テロリストの捜査に腐心する。レイは期せずしてフィラデルフィアから赴任したばかりの、殺人捜査担当の検事補クレアと対面し、婚約者がいると知りながら好感を抱く。程なく、レイとジェスは、監視対象のモスクの隣の駐車場のゴミ箱で女の死体が見つかったとの通報を受け、テロとの関わりを疑い、現場へ向かう。そこでジェスの最愛の娘キャロリンの死体が見つかる。ジェスはキャロリンの亡骸を抱えて慟哭する。キャロリンはレイプされた後、殺害され、更に死体には証拠隠滅の為に漂白剤が撒かれている事、目撃情報より若い男が現場から立ち去った事、監視カメラに盗難届が出ているバンが映っている事が判明する。

ケーキ屋の外でキャロリンの車が見つかった事以外に、事件に関する情報は得られず、捜査は停滞する。悲しみに打ちひしがれるジェスは、キャロリンと住んでいた家を離れ、郊外の静かな場所へ移る意向をレイに伝える。レイはジェスの家の整理中の荷物の中から見つけた、捜査課のピクニック時の集合写真に写るキャロリンを見つめる若い男に見覚えがある事に気付く。レイは捜査課の面々に男について尋ね回るが、誰一人面識が無い為に、規則違反を承知で写真をテロ対策用の人相解析ソフトにかける。捜査課のシーファートはそれを批判するが、レイはテロとの関わりがあるかも知れないと主張し、それを退ける。写真の男は検察に関与する人物と一致する事が判明し、レイは検事モラレスにそれを伝える。モラレスは担当のLA市警に自ら話を付ける意向を示すと、テロ対策を最優先すべきだと主張し、レイに持ち場に戻る様に命じる。

程なく、シーファートは現場近くに住む男ガザラが自白した事をレイに知らせる。レイはガザラが勾留されている郡保安局へ確認に行くが、ガザラが事件と無関係だと悟り、シーファートに誰かが犯人を庇っているのでは無いかと厳しく問い質す。シーファートは写真の男がモスクの情報屋マージンであり、自らがピクニックに同行させた事を明かすと、テロ組織の正体を暴く妨げになる事を忌避して事実を脚色した事を認め、テロ捜査の為ならマージンの事件については不問に処す意向を示す。

レイはシーファートからマージンの交際相手のストリッパーについて聞き出すと、捜査課のバンピーと共に家の前で張り込み、女が外出した隙を見計らって侵入する。レイは室内でマージンが描いたと思しき、暴力的な内容のコミックを発見する。二人はそれを無断で持ち出す。

クレアはモラレスからガザラの担当を命じられた事をレイに明かす。レイはマージンこそが重要参考人でありながら、皆がマージンを守って事件をもみ消そうとしているのだと訴える。ジェスはレイがマージンのコミックを持ち出してきた事を知り、それを見せる様に請う。レイはやむを得ずそれに応じる。レイはクレアに、ジェスがキャロリンの無念を晴らす為にも絶対に諦めないと説くと、ジェスより先にマージンを見つける為に、自ら内密に調べる意向を示し、モラレスに知らせぬ様に請う。クレアはまずマージンのバンを見つける様に促す。

モラレスはレイがストリッパーの家に押し入って盗みを働き、マージンを起訴しようとしている事を知って憤慨する。モラレスは最重要のテロ捜査そっちのけで殺人事件を追っているレイを厳しく咎める。レイはマージンに関する証拠を見つければ起訴する様にモラレスに約束させる。

ジェスはレイをドジャースのファンが集うバーに招く。ジェスは死刑に対する嫌悪感を示すと、犯人には監獄で空虚な人生を遅らせるべきだと主張する。その上でジェスは、マージンのコミックに登場するキャラクター達に付された名前が、ドジャースの有名な選手達と同一である事を指摘する。ジェスはマージンがドジャースの熱狂的なファンであり、バーに必ずやってくるはずだと主張すると、毎晩バーでマージンを張り込む意向を示す。

一方、レイとバンピーはドジャースの試合を毎回張り込み、観客の監視を続ける。ある夜、レイ達はマージンを発見し、追走の末に遂に逮捕すると、検察局に連行する。クレアは物的証拠が無い為に釈放する意向を示すが、レイは尋問の時間を与える様に請う。レイの尋問に対し、マージンはキャロリンの事を知らず、写真も覚えが無く、ピクニックにはシーファートに招かれて行ったがすぐに帰ったのであり、逃げたのは情報屋が警察といるのを見られれば殺されるからだと答え、容疑を否認する。レイはマージンがピクニックでキャロリンと会って自分に好意があると思い込み、付け回した末に告白したものの邪険にされた為に、レイプして殺したのでは無いかと問い質す。クレアはマージンに後ろ盾がいる事を察知し、釈放しようとするが、マージンが自らを性的な対象として見ている事に気付くと翻意し、マージンが女に劣る貧弱な体つきで、計画を予謀する程に知的でも無く、陰部への傷に鑑みるに短小性器の持ち主だと指摘し、子供には無理な犯行だと挑発する。マージンはそれに憤慨すると、キャロリンと同じ目に遭いたいのかと口走り、クレアを殴り飛ばす。レイは激昂し、マージンの顔を執拗に殴りつけて制圧する。クレアは自白を引き出したのだと説き、レイを宥める。レイはマージンの自白をジェスに伝えに行く。

モラレスは、暴力の末に強要された自白というマージンの主張を支持し、証拠も無い事から起訴できない為にマージンを釈放する決定を下す。モラレスはテロ対策が何事にも優先されると主張し、事件を諦めなければ直ちにFBIに戻すとレイを脅すと、マージンは聖域であり、応じなければ戦になると説く。レイとクレアはエレベーターで、釈放されたマージンと乗り合わせる。その直後にジェスが入ってきて、マージンとすれ違う。レイはジェスにマージンの殺害を提案し、自分達だけで裁きを下すのだと説く。ジェスはマージンが一日も服役せずに死ぬ一方で、自分は50年間を服役して虚しく生きる事が正義とは思えないと答える。

その夜、ジェスとクレアはマージンのバンが見つかったとの報せを受け、現場へ急行するが、二人はそこで炎上するバンを目の当たりにする。レイはモラレスの仕業だと確信するが、為す術を無くし、程なくLAを離れる。

それから13年後。事件を境に国家機関に失望し、FBIを退職したレイは、警備会社に勤務しながら、全米の白人受刑者の顔写真を虱潰しに調べ続けていた。ある時、レイは、武装強盗の罪状で10年服役した後、仮釈放された男ベックウィズが、整形したマージンだと確信する。クリスマス、レイは13年ぶりにLA郡地区検察局を訪ね、検事に昇格を果たしたクレアと捜査主任を務めるジェスと再会する。レイはベックウィズについて明かすと、クレアに再捜査を希望する。クレアは起訴する為に写真以外の証拠を固める必要性を説くと共に、ジェスに対して事件に関与せぬ様に促す。レイは二週間でニューヨークに戻らねばならない事を明かし、自らに内密に調査させる様に請う。クレアは難色を示しながらもそれに応じ、保管庫から捜査資料を取り出す。

レイは再びバンピーに協力を依頼する。バンピーはレイの代わりにベックウィズの保護観察官に接触し、ベックウィズが仮釈放から二週間目に姿を消した事、車盗みと競走馬を好んでいた事を聞き出す。レイはかつてのバーでジェスと落ち合うと、必ずマージンを見つけ出して償わせる決意を示す。レイは事件当日、キャロリンにジェスの誕生日を祝うサプライズパーティーを提案され、ケーキ屋で会う約束をしていたものの、急用で行けずにキャロリンを死なせてしまい、悔やみ続けてきた事を明かす。

レイとバンピーは競馬場を訪ね、厩舎でベックウィズを発見する。ベックウィズはレイが捜査官だと悟ると逃げ出す。レイはベックウィズを追跡するも、不意を襲われて負傷し、取り逃がすが、ベックウィズがマージンだと確信する。

レイはバーでクレアと会い、未だに好意を寄せている事を示す。クレアはなぜ一緒にニューヨークに来いと言わなかったのかと尋ねる。そこでレイは、厩舎の職員から再びベックウィズが現れたとの報せを受ける。レイはクレアにそれを伝えず、厩舎へ向かう。レイはベックウィズの車を追跡し、盗難車の解体工場に辿り着くと、それをバンピーに報せる。

単独で解体工場に忍び込んだレイは不意を襲われて捕らえられ、ベックウィズとその仲間達にリンチを受ける。レイはキャロリン殺しの件をベックウィズに問い質すが、ベックウィズは事件自体を関知していない事を明かす。そこへバンピーとシーファートが駆け付け、ベックウィズ達の制圧を試みるが、仲間の一人が隠し持っていた銃を発砲し、シーファートは致命傷を負う。間もなくジェスも駆け付けるが、シーファートは息絶える。レイはベックウィズを逮捕する。ジェスはベックウィズがマージンでは無いと主張し、シーファートが巻き添えになった事を非難する。レイはシーファートの死はキャロリンの償いだと説くが、ジェスはそれに反発する。

その後、レイはクレアの家を訪ねる。クレアはレイの傷を手当する。レイはこれからどうすべきか分からずに途方に暮れる。そこへクレアの夫エリスが帰宅する。レイは二人の関係が冷え切っている事を知る。レイはジェスから連絡を受け、郊外のジェスの家をクレアと共に訪ねる。ジェスはシーファートの死が自分の責任であり、事件の捜査を止めなくてはまた誰かが傷つく事になると説くと、自らの手でマージンを13年前に殺した事をその経緯と共に打ち明ける。レイが去って一ヶ月後、モラレスがマージンを捕まえる気が無い事を知ったジェスは義憤に駆られ、思惑通りにバーにやってきたマージンを尾行した末に、人気の無い場所で射殺し、庭に埋めたのだという。ジェスはレイがキャロリンの死を悔やみながら生き続けるのは本意では無く、事件を忘れる様に促すと、自らの処遇をクレアに一任する。レイはジェスがとても老け込んだ事を慮ると、マージン殺害が正しかったのかと問いかける。

レイは困惑するクレアを送り届けると、ジェスのこれまでの不可解な言動の数々に思いが至り、再びジェスの様子を観に行く。明け方、レイはジェスが食料を持って離れの納屋に向かうのを確認すると、その後を付ける。レイはそこで檻の中に13年間監禁され続けてきたマージンの姿を目の当たりにする。マージンはレイに対し、ジェスに自分に話しかけるように言って欲しいと請う。ジェスはレイに終身刑だと説く。レイはジェスにとっても同じだと答える。レイは拳銃を置いて納屋を出ると、庭をスコップで掘り始める。意図を察したジェスはマージンを射殺する。家に戻ったジェスと庭のレイは窓越しに見つめ合い、互いに僅かに微笑む。クレアは事件資料を保管庫に戻す。

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