チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

理想の出産

レミ・ブザンソン監督作「理想の出産」("Un heureux événement" : 2011)[DVD]

女が初めて行う妊娠、出産、育児を通じて、心身に伴う変調やパートナーとの不和を経験し、成長していく様を描くコメディ・ドラマ作品。

 

哲学を専攻する大学院生バルバラは、レンタルビデオ店に通う内に店員ニコラと意気投合すると、交際を経て、アパートで同棲を始める。二人は幸せな生活を満喫する。程なくしてバルバラは妊娠する。バルバラの指導教授トリュファールは、妊娠中に博士論文を書き上げる様に促し、出来次第で助教授に任命する意向を示す。

バルバラは母クレアと姉夫妻が暮らす実家をニコラと共に訪ねる。バルバラは妊娠を隠し通そうと企てるが、クレアはそれをすぐに見抜くと、経済的に自立していないバルバラが、出産によって大学院まで行かせた事が無駄にならないかと心配する。バルバラはクレアの小言に反発する。しかし、バルバラはまだ母になる実感が湧かず、未熟なまま出産する事に不安を抱く。

バルバラ産婦人科でエコー検査を受け、胎児の健康な状態を確認し、安心する。しかし、バルバラは心身に顕れ始めた諸々の変化に翻弄され、俄に不安定になる。五ヶ月目になると、バルバラの状態は安定するが、活性化したホルモンに因って性欲が増し、バルバラはニコラにしきりにセックスを求める様になる。ニコラは母体を慮って集中できないと訴える。バルバラは親友ダフネと共に大人の玩具店を訪ね、バイブを購入し、早速使い始める。

バルバラは再びエコー検査を受け、胎内の子が女児だと知らされる。バルバラは生まれるまで知らせない事を希望していたが、ニコラのせいで知る事になった為に非難する。

バルバラは論文の執筆が滞る。ニコラは三人になると手狭になる部屋から移る事を提案し、稼ぎの良いまともな仕事に就く意向を示す。バルバラは抑制的で禁欲的な生活に辟易し、病院の出産クラスをニコラに内緒でサボっては、怠惰に過ごし始める。

やがて、バルバラは陣痛に襲われ、病院で出産に備える。バルバラ助産師に出産クラスをサボった事を叱られる。ニコラの叔父の産科医がバルバラのお産を担当し、ニコラはバルバラの傍で付きそう。バルバラは長時間の苦悶の末に、無事に出産を果たし、赤子をレアと命名する。数日後、バルバラは退院日を迎えるが、ホルモンバランスの変調で不安定になる。バルバラ助産師の励ましを受け、退院する。

新しい部屋に移ったバルバラ達は意気揚々と新生活を始める。ニコラはフルタイムのサラリーマンとして働く一方、バルバラは一人で育児に悪戦苦闘し、疲労を募らせていく。バルバラは育児の合間を縫って論文の執筆を続ける。

ある時、バルバラの父から、孫娘の様子を撮って見せて欲しいという手紙を添えて、ビデオカメラが届く。バルバラは幼い時に家を出た父が死んだも同然だと説くが、ニコラはその言い分を非難する。バルバラは育児に追われ、ニコラに対するロマンスを失っていく。バルバラは婦人科医を訪ね、出産後、一度もセックスが無い事を相談する。その夜、バルバラは色気を出してニコラをセックスに誘うが、レアの夜泣きで断念する。バルバラはレアを毎晩自分達のベッドで寝かせ始めるが、ニコラはそれを嫌う。

数週間後のある日曜の朝、バルバラが頼んだ冷蔵庫の修理業者がやってくる。眠っていたいニコラはバルバラの計画性の無さを批判する。バルバラは自らが暇人の様に指摘された事に反発し、このまま癒やされない状態が続けば限界を迎えると訴える。

ニコラは母エディットを呼び、協力を求める。エディットは母乳に拘るバルバラにミルクと搾乳器を勧めるが、バルバラは難色を示す。バルバラは自分がどちらで育ったのかクレアに尋ねる。クレアはバルバラの姉カティアを育てた経験から、主にミルクでバルバラを育てた事を明かすと、母乳は社会的な強制だと批判する。

バルバラはレアの月齢五ヶ月目にして、母乳クラブに参加する。クラブの面々は母乳の他に、抱っこひもと添い寝を勧め、バルバラはそれに従う。バルバラはエディットが内緒でレアにミルクを与えている事に気付き、ニコラを責める。エディットは搾乳器を持参すると、ニコラを育てた経験に鑑み、それが救世主だと説く。バルバラはそれに反発を強める。ニコラはエディットがバルバラを助けたいだけだと諭すが、バルバラはニコラをマザコンだと詰る。ニコラはエディットに帰ってもらう。その夜、ニコラはバルバラをセックスに誘うが、バルバラは不感症になった様な気不味さだけを覚える。

バルバラはより育児に傾倒する様になり、レアに絶対的な愛を注ぐ一方、ニコラへの接し方が疎かになる。婦人科医はバルバラの心労を慮ると、バルバラに友達と会って楽しむなどして休息を取る様に促す。バルバラはニコラにレアの世話を頼むが、ニコラは予定を理由に拒む。保育所は長らくキャンセル待ちであり、シッターは不安で頼めない事から、バルバラは隣に住む子沢山夫婦にレアを預かってもらう。その夜、バルバラはダフネと会い、羽目を外して楽しむ。バルバラが朝帰りし、二日酔いで潰れた為、ニコラはクレアを呼んでレアの世話を頼む。バルバラはクレアから小言責めに遭う。

バルバラは夫婦関係の危機を回避する為に、レアを連れてニコラとビーチへバカンスに出かける。程なく、バルバラはようやく執筆を終えた論文を提出するが、トリュファールに酷評され、助教授の話も立ち消えとなり、失意に暮れる。レアが月齢9ヶ月を迎える頃、バルバラは父からメールを通じてレアの映像を催促される。バルバラはレアをビデオに撮る。一方、ニコラは仕事に忙殺される。

クリスマス明けの朝、ニコラはベッドで寝られない事に痺れを切らし、出て行く意向を示すと、愚痴ばかりのバルバラを詰る。バルバラはそれに憤慨し、二人は激しく言い争う。バルバラはニコラが友人と自由に出かける一方で、自らが家に閉じこもりっきりでろくに外出できない事への鬱憤を曝け出すと、自らが家を出る意向を示す。ニコラはレアを渡す事を拒み、バルバラは一人で実家へ身を寄せる。

クレアは男は当てにならないと割り切れば楽だと諭すが、バルバラはクレアにも悪態をつく。クレアは別れた父との最高傑作が娘達だと説く。バルバラは父にビデオを送信し、父はレアがバルバラにそっくりだと返信する。バルバラはニコラとレアに思いを馳せながら、穏やかに暮らし、心身を涵養していく。一方、ニコラは職場にレアを連れて行くなど、世話に苦慮する。

バルバラは論文をきっぱり止め、妊娠、出産、育児の過程を「おめでたい出来事」と称した小説に綴る。それを通じて、バルバラはレアが自分を成長させてくれたのだと実感する。程なく、バルバラはニコラと再会する。二人は互いの愛が変わらない事を確認し、関係の修復について前向きに話し合う。

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