チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

バチカン・テープ

マーク・ネヴェルダイン監督作「バチカン・テープ」("The Vatican Tapes" : 2015)[DVD]

不可解な現象を引き起こし、悪魔に取り憑かれた疑いのある女に対し、聖職者達がその真偽を見極める為に悪魔祓いに乗り出す様を描くスーパーナチュラル・ホラー作品。

 

アンジェラは米国で恋人ピートと幸せな同棲生活を送っていた。誕生日を迎えたアンジェラは、反キリストに興味を抱き、ネットで調べ物をしていたところ、ピートが友人達を招いてサプライズパーティを催す。そこへ陸軍大佐で多忙を極める父ロジャーも駆け付け、アンジェラは甚く喜ぶ。しかし、ロジャーはアンジェラとピートの同棲に不快感を露わにする。アンジェラはケーキを切り分けている最中に、誤ってナイフで指を怪我してしまい、直ちに病院で手当てを受ける。ロジャーはそこで、病院に出入りする元軍人の神父ロサーノと出会う。

翌日、アンジェラはピートと一緒に出かけるが、出先でアンジェラに俄に不可解な言動が目立ち始める。更にバスのガラスを破ってカラスが突っ込み、アンジェラは手当てを受けた指を噛まれる。ピートは治療を受ける様に促すが、アンジェラは明日で良いと拒む。その夜、アンジェラは水をしきりに飲むなどの奇行に及んだ後、突然昏睡状態に陥る。ピートがロジャーを呼ぶと、アンジェラは間もなく目を覚まし、大事を免れる。ロジャーは処方された薬に問題があるのでは無いかと疑い、アンジェラを病院に連れていく。医師は昏睡の原因を探るためにアンジェラを検査入院させる。

翌日、退院したアンジェラはロジャー、ピートと共にタクシーで帰路に就く。道中、アンジェラは突然錯乱して運転を妨害し、タクシーは横転事故を起こす。ロジャーとピートは大事を免れるが、アンジェラは重傷を負って昏睡状態に陥る。

その後、アンジェラは脳死状態で生命維持装置に繋がれたまま、40日が経過する。カトリック教徒のロジャーは教会に日参し、アンジェラの回復を祈る。ロサーノは病院の要請を受け、ロジャーにアンジェラの臨終を促し、ロジャーはそれを受け入れる。程なく、ロサーノはアンジェラの面前で臨終の儀式を行い、生命維持装置が止められる。その直後、アンジェラは突然蘇生し、意識を取り戻す。

その夜、アンジェラは病室を抜け出して新生児室に侵入すると、赤子を抱き上げて溺死させようとする。その途端、警報が鳴り、アンジェラは逃走を図るが、警備員に取り押さえられる。病室はコンピュータ管理で施錠されていた事、同時刻に病室と新生児室の両方のカメラにアンジェラが映っていた事が判明し、病院は警察に捜査を依頼する。程なく、二人の刑事が駆け付ける。刑事シモンズはアンジェラに尋問を行い、赤子に対する暴行の理由を問い質す。アンジェラは徐に窓を指差す。シモンズが窓に近づくと、そこへ一羽のカラスが飛来する。シモンズは正気を失い、病室を後にすると、電球を持ち出してきて、それを自らの目に突き刺して自殺を図る。

アンジェラは精神科病院に移送される。ロジャーはアンジェラが変人扱いされた事に反発するが、ロサーノは神を信じる様に諭す。ロジャーは信仰ではアンジェラを救えないと説くが、ロサーノは自分がアンジェラを毎日見守る事を約束する。

主治医のリチャーズは治療の為に撮影しながら、アンジェラに対する面談を行う。アンジェラは今すぐに家に帰りたいと喚く。リチャーズは病院の方が安全だと説くが、アンジェラへの対応に苦慮する。ピートはしばらくぶりにアンジェラとの面会に訪れる。アンジェラは昏睡している間に、説明できない、英語とは異なる言葉の声が聞こえていた事を明かすと、何か悪い事が迫ってきており、何者かが自分を乗っ取って言動を操っているのだと説き、信じる様に哀願する。更にアンジェラはロサーノに対する不信感と恐れを露わにする。ロサーノはアンジェラが病室で監視カメラを凝視する様を見て、その真意を測りかねる。その時、ロサーノは「時が来た」という声を聞き、アンジェラの病室の様子を確かめに行くが、その際に奇妙な幻覚に見舞われる。

リチャーズは再びアンジェラに対する面談を行う。アンジェラは喉の渇きを訴える。リチャーズは悪態を付くアンジェラに、心を開いて治療に協力しなければ、入院が長引くと諭すと、監視カメラに映ったアンジェラの口唇の動きから確認された「赤ん坊は父の家に」という言葉の真意を問い質す。アンジェラはリチャーズの私生活の淫らな部分を論って悪罵する。その後、アンジェラの病室に薬を飲ませに来た看護師が天井の崩落で死ぬ。

間もなく、ロジャーが心配して病院に駆け付ける。ロサーノはロジャーに、アンジェラの母について尋ねる。ロジャーは妻が売春婦であり、助けてやりたくて深い仲になった事、その後で単身赴任し、電話で妊娠と中絶の意向を伝えられたが、産んで欲しいと懇願した事、数ヶ月後に産まれた子が置き去りにされたと病院から報せを受け、それ以降、アンジェラと二人で暮らしてきた事を明かす。ロサーノは教区と相談して事態に対処する意向を示す。

翌日、アンジェラは病棟の患者達を壁越しに呪文で扇動し、凶暴化させて、殺し合う様に仕向ける。ロサーノはそれに気付くと、アンジェラの身柄を押さえて止めさせる。リチャーズは治療を断念し、アンジェラを病院から強制的に退院させる。ロジャーは反発するが、ロサーノは自分達で救うしか無いと諭す。

その頃、バチカン市国サン・ピエトロ大聖堂枢機卿ブルンと、教皇代理イマーニは、世界が変動し、超常現象が激増している事への懸念を強めており、対策を取る必要に迫られていた。そんな折、二人は米国のアンジェラの件について知り、資料を取り寄せる。二人はその中のビデオに出現した反キリストのシルエットや、悪魔の使いたるカラスの存在から、それが悪魔憑きであり、アンジェラが悪魔に選ばれし者だと確信する。ブルンは万一の時に備えて、バチカンにイマーニを残し、単身渡米する。

ロジャーはブルンがアンジェラの悪魔祓いを行う事を承諾する。ピートは疑義を呈すが、ブルンは自らがかつて悪魔に取り憑かれながらも、生還した事を明かし、精神障害とは異なると証明する事で教会の品位を守るのだと説く。ブルンとロサーノはロジャーの家の屋根裏部屋にカメラを設置し、悪魔祓いの準備を整える。ロジャーとピートがアンジェラを部屋に連れ込むと、ブルンはアンジェラに聖体拝領を促す。アンジェラは聖体を吐き出した後、激しく吐血する。ブルンはアンジェラの喉の詰まりを察知し、異物を取り除こうとする。アンジェラは三つの卵を吐き出す。ブルンはそれが父と子、聖霊の三位一体を表しているのだと説く。アンジェラはベッドに倒れ込むと、「早く逃げて」と告げる。その途端、ベッドが回転して、部屋の仕切りを破壊する。更にアンジェラに悪魔が憑依し、アラム語で話し始める。

ブルンはアンジェラの体を鎖で縛り付けると、聖水を浴びせる。悶え苦しむアンジェラに対し、ロサーノは福音書を詠唱する。アンジェラは我に戻ってロジャーとピートに助けを求める。ブルンは復活の象徴たる卵をどこで入手したのか問い質し、悪魔にその正体を見せる様に命じる。アンジェラはあれが再び戻ってくると叫ぶ。ブルンはアンジェラの口元に十字架を押し付ける。悪魔は自分こそが新たなる救い主だと告げると、体を捻じ曲げて鎖から逃れ、天井に跳び移る。ブルンはアンジェラを引きずり落とすと、聖水を浴びせ、福音書の詠唱を続ける。悪魔は自らが終わりの始まりであり、天と地は我が王国に支配されるのだと説く。次の瞬間、アンジェラは我に戻り、ロジャーとピートに逃げる様に促す。ブルンはその場から一旦退くと、聖なるナイフを持ち出す。ロサーノは殺さずに悪魔祓いを遂行すべきだと進言するが、ブルンは悪魔が神の王国を滅ぼそうとしているのだと説き伏せる。

ブルンはアンジェラの面前に向かうと、神の祝福を受け、悪魔を滅ぼす誓いを告げる。ブルンはアンジェラの首に数珠を巻きつけ、ナイフを突きつけると、福音書を詠唱し、神を恐れ、正体を現す様に命じる。ブルンが数珠で首を絞め付けた事により、アンジェラは息絶える。ロジャーがすかさず駆け寄ってアンジェラを抱き寄せると、忽然と姿が消える。動転したロジャーは、ブルンのナイフを奪ってその首元に突きつける。ロサーノは直ちにロジャーを止めに入る。ブルンはアンジェラの母が聖母マリアの真逆の売春婦である事、また白鳩では無く、カラスが出現していた事を悪魔憑きの根拠に挙げる。その時、見違える様に生気を取り戻したアンジェラが現れる。ブルンはその両手足の聖痕を見て、反キリストだと確信する。アンジェラの姿をした反キリストはお前達は終わりだと告げると、部屋に火を放つ。ブルンは反キリストの腹にナイフを突き刺すが、反キリストはそれを抜くとブルンの腹に刺し返す。反キリストは天国で私と一緒になるのだと告げると、四人諸共、家を吹き飛ばす。致命傷を免れたロサーノは、反キリストに対して恐れはしないと告げる。反キリストは自分が地上に降りた事を知らしめる様に命じて、その場を後にする。

三ヶ月後、ロサーノはバチカンサン・ピエトロ大聖堂に赴くと、アンジェラの悪魔祓いの一部始終を収めた未公表のビデオをイマーニの元に持ち込む。イマーニはロサーノが唯一生還したのは、自分達の仲間で、神の戦士だからだと説き、悪魔に関する記録を集めた地下の保管所へ招く。イマーニは、無傷で発見されたアンジェラが爆発前の記憶を失いながらも、世界各地で人々の難病や障害を治癒し、奇跡をもたらす存在として二ヶ月で信奉者を激増させている現状を伝えると、それがヨハネの黙示録の記述、即ち、キリストを模倣した存在が、偽預言者として人々を欺く事で尊敬を集め、やがて最も恐るべき日が到来する、というくだりの通りになっていると説く。

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