チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

パディントン

ポール・キング監督作「パディントン」("Paddington" : 2014)[BD]

ペルー奥地の未開の森からはるばるロンドンにやってきた子グマが、親切な家族の協力を得ながら、家探しに奮闘する様を描くファミリー・コメディ作品。

 

ロンドンの探検家一行は、暗黒の地ペルーの未開の森を訪ね、そこで新種のクマのペアと遭遇する。探検家はそのクマ達を博物館に送ろうと考えるが、クマ達は一行を襲う事無く、自らの住処へと案内する。探検家はお返しとして、持参した荷物を元に、人間界について紹介する。クマ達は探検家の持ち込んだマーマレードを甚く気に入ると共に、探検家が教えた英語をすぐに喋り始める。探検家はそれぞれパストゥーゾ、ルーシーと名付けたクマ達がロンドンに来た際には歓迎する事を約束し、持ち込んだ諸々の道具と自らの帽子を譲って帰国の途につく。

それから数十年後。パストゥーゾとルーシーは、早くに両親を亡くした子グマと共に、大好物のマーマレードを作って平穏に暮らす傍ら、探検家が残していった機器で英語と人間の礼儀作法を学び、いつかロンドンを訪ねる日に備える。ある夜、大地震が発生し、クマ達は住処を離れてシェルターに向かう。パストゥーゾはルーシーを助けた際に逃げ遅れ、命を落とす。森は崩壊し、住処を失ったルーシー達は、川を下って港に辿り着く。ルーシーは老齢の為に老グマホームで暮らす意向を示すと、子グマにロンドンへ行って新しい家族に引き取ってもらう様に促し、探検家の帽子を子グマに託す。子グマはルーシーと別れると、貨物船内の救命艇に身を隠し、瓶入りマーマレードを一杯に詰め込んだバッグだけを携えて、ペルーを離れる。

マーマレードで長旅を生き長らえた子グマは、積荷に紛れ込んで、ロンドン市内のパディントン駅に到着する。駅を行き交う人は誰も余所余所しく、子グマは相手にしてもらえぬまま夜を迎える。途方に暮れて佇む子グマの前を、休暇帰りのブラウン一家、父母姉弟の四人が通り過ぎる。父ヘンリーは挨拶した子グマを一瞥するなり、面倒事を嫌って無視する様に家族に促す。しかし、母メアリーは子グマを気遣って声をかける。子グマは自らの素性とロンドンにやってきた経緯を明かす。メアリーは子グマの受け入れ場所を探してやろうと決意し、一晩だけ自宅に泊める事をヘンリーに提案する。ヘンリーは反対するが、メアリーに押し切られ、止む無く応じる。子グマの名前はクマ語で発音が難しい事から、メアリーは駅名からパディントンと命名する。

雨降りの中、一家はタクシーでパディントンを住宅街に立つ三階建ての自宅へ招く。パディントンは始めての家に感銘を受ける。ヘンリーとメアリーは早速パディントンの処遇について話し合う。パディントンはかつてペルーに来た探検家が歓迎すると言っていた事を明かす。メアリーはその探検家が見つかる事に期待を示すと、パディントンに風呂に入る様に勧める。パディントンは勝手が分からない事ばかりで、浴室の設備を破壊し、家中を水浸しにしてしまう。屋根裏部屋を借り受けたパディントンは、ルーシー宛に到着を伝える旨の手紙を認め、ロンドンが期待と異なり、冷たい街だと説く。ヘンリーはパディントンが家族を危険に晒す事を懸念し、直ちに役所に引き渡すべきだと主張するが、メアリーはそれに反対する。

パディントンは、リスクアナリストで神経質なヘンリー、冒険物語の挿絵画家で自由奔放なメアリー、反抗期で何かにつけ悪態をつく計算高いジュディ、宇宙飛行士を夢見るオタク気質なジョナサン、片付けや修理を得意とするしっかり者の親戚バード夫人ら、五人の人となりを観察する。メアリーは英国の探検家でペルーに行った者の記録が見当たらない事をパディントンに伝える。パディントンは探検家から帽子をもらった事を明かす。メアリーは骨董品店を営む友人に帽子を見せる事で、手掛かりが得られる可能性を説く。一方、自然史博物館の剥製担当部長ミリセントは、動物愛護派を装いながらも、裏では珍しい動物の剥製収集に腐心しており、税関職員を通じて、貨物船に忍び込んで入国したクマについて知ると、それが亡き父がペルーで見つけたクマだと確信し、目を輝かせる。

翌朝、メアリーは役所に行くと見せかけて、パディントンを友人グルーバーの営む骨董品店に連れて行く。パディントンはグルーバーに帽子を調べてもらう。その時、パディントンは店内で男が財布を落とした事に気付く。その男はスリであり、慌てて逃げ出すが、パディントンはそうとは知らずに財布を返す為に街中を駆け巡った挙句、スリを捕まえ、思わぬ手柄を挙げる。グルーバーは懸案だったスリ逮捕を感謝すると、帽子の裏に地理学者協会の印が入っている事を伝え、そこへ行ってみる様に勧める。一方、ミリセントはパディントン駅の警備室に侵入し、監視カメラの記録を調べる事で、探し求めていたクマだと確認する。

メアリーはパディントンを自宅に連れ帰る。ヘンリーはそれを非難する。ジュディはパディントンのお手柄に鼻が高い思いをした事から、それまでと打って変わってパディントンと打ち解ける。バードはパディントン達に、昔のヘンリーは別人の様に大らかだったものの、子供の誕生を境に安定志向で堅物な人間に一変した事を明かす。ジュディは、ヘンリーに好かれる為に身綺麗にする事を提案し、ジョナサンと共にパディントンをシャワーで洗う。バードはヘンリーがかつて着ていたダッフルコートをパディントンに譲る。パディントンはそのコートを甚く気に入る。ジュディとジョナサンはパディントンを役所に連れて行かない様にヘンリーに懇願し、ヘンリーは承諾する。一方、ミリセントはパディントン達を乗せたタクシーの運転手を詰問し、ブラウン家の住所を聞き出す。

翌日、ミリセントはブラウン家の前でパディントンの姿を確認する。ヘンリーはパディントンと共に地理学者協会を訪ね、ペルーを探検した者について問い合わせるが、職員は素っ気なく記録が無いと答える。ヘンリーはパディントンの推しに抗しきれず、清掃員に扮して資料室に忍び込み、データベースから探検家の記録を見つけ出す。一方、ミリセントはブラウン家の隣に住むカリーを懐柔すると、クマを捕らえる必要性を説き、協力を請う。その夜、一家パディントンと共に、探検家がペルーで撮ったフィルムを鑑賞し、その名がモンゴメリー・クライド隊長だと判明する。

翌日、パディントンは家に留まり、住所録からクライド姓の住民を調べ始める。カリーからその報せを受けたミリセントは、ブラウン家の屋上から侵入し、パディントンを麻酔銃で眠らせようと企てる。その際、偶発的な事故が連鎖し、ミリセントは所持していた煙幕弾を落としてしまい、パディントンの捕獲を諦めて逃走する。パディントンは難を逃れるも、ボヤ騒ぎを起こしてしまう。パディントンは何者かに襲われたと訴えるも、ヘンリーはそれを信じず、パディントンを役所へ連れて行くべきだとメアリーに主張する。パディントンはそれ以上一家に迷惑をかける事を嫌い、密かに家を出ると、冷たい雨の降る街を彷徨い歩く。

翌朝、一家パディントンが感謝とお詫びを綴った置き手紙を見つける。ヘンリーは住む世界が違っており、それで良いと説くが、家族は反発する。バードはブラウン家にはパディントンが必要だと諭す。一方、パディントンはリストアップしたクライド姓の家を訪ね歩く。メアリーはパディントンの行方を探すも見つけられずに帰宅する。一家はそれまでの活気を失う。

パディントンは最後に残った家を訪ねる。その家こそクライド隊長の家であり、待ち受けていたミリタントは、父が既に他界した事を伝える。パディントンは落胆するが、ミリタントは家となる特別な場所を与えると欺き、パディントンバンで博物館へ連れて行く。カリーはミリタントの真の目的を知ると、ヘンリーにパディントンが拐われた事を伝える。一家は博物館に急行する。

ミリタントはモンゴメリーが貴重な動物を見つけても収集しなかったせいで、協会から除名されるという憂き目に遭い、有名になる機会を逸した事を明かすと、自らがそれをやり遂げる意向を示し、パディントンを麻酔銃で眠らせる。ミリタントは直ちに剥製化の準備に取り掛かる。一家は下水道から館内への侵入を企てる。一方、バードは館の警備員に酒を勧めて注意を逸らす。

一家は館内の電力を落とす。ミリタントは作業を中断し、様子を覗いに行く。ヘンリーはその隙に体を張って窓伝いにパディントンが眠る部屋に近づき、パディントンを呼び起こす。電力を復旧させたミリタントは、配電盤前の足跡から侵入者を察知すると、出入り口を封鎖し、パディントンを追跡する。パディントンは焼却炉の中に逃げ込み、ハンディクリーナーの吸引力を活用して煙突を登る。一家パディントンが屋上に向かっていると察知し、直ちに屋上を目指す。

間もなく、クリーナーのバッテリーが切れ、落下するパディントン一家は既のところで掴み上げる。そこへ現れたミリタントは、一家に麻酔銃を向け、パディントンの引き渡しを要求する。メアリーはパディントンが家族だと説き、渡すのを拒む。ヘンリーもそれに賛同し、ミリタントの前に立ちはだかる。パディントンは家族を巻き添えにするのを嫌い、ミリタントの元へ向かおうとする。その時、屋上に鳩の群れが降り立つ。パディントンは帽子の中に忍ばせていたサンドイッチをミリタント目掛けて投げつける。鳩がそれに一斉に群がった事で、ミリタントは建物の端に追いやられる。そこへ階下から酔いどれのバードが現れ、ミリタントを扉で押し退け、転落させる。

その後、パディントンはブラウン家の一員として迎えられる。逮捕されたミリタントは動物園で地域奉仕を科せられる。パディントンはルーシーに手紙を認め、変わり者だらけのロンドンは自らにとって居心地が良い場所だと伝える。

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