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チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

後妻業の女

鶴橋康夫監督作「後妻業の女」(2016)[BD]

結婚相談所と結託し、金持ち・病気持ちの老人を見繕っては後妻となり、遺産をせしめる後妻業のスキームを繰り返す性悪女の生き様を描くクライム・コメディ作品。

 

破天荒な性分の小夜子は、30歳の時に家出の途中で知り合った塗装業の星野と初めて結婚し、程なく星野が作業中に煙突から墜落すると、次に結婚相談所で知り合った薬剤師の岸上と結婚し、一人息子の博司を授かる。岸上が行方不明になると、小夜子はまた別の男と結婚、離別を繰り返し、遺産を獲得する。2000年に大阪で結婚相談所ブライダル微祥を開業した柏木は小夜子と出会い、その素質を見出すと、小夜子とチームを組む事で、本格的に後妻業のプロデュースを開始する。柏木は資産があって持病を持つ高齢の男性会員を見繕っては、小夜子をその男の後妻にさせた後、男を殺して財産を毟り取るというスキームを繰り返す。小夜子は柏木と出会って15年の間に四人の男達の後妻となり、その都度、柏木と共謀して彼らを亡き者にする。

小夜子は七番目の夫で元テレビ局役員の武内の死と前後して、2013年に元女子短大教授で80歳の中瀬の後妻となる。2015年晩夏、中瀬の死を心待ちにする63歳の小夜子はいよいよ痺れを切らし、胃薬とワーファリンを取り替える事で、中瀬の脳梗塞を誘発する。中瀬は昏睡状態で病院に搬送される。長女の尚子と次女の朋美は直ちに駆けつけ、中瀬の峠が近い事を知る。柏木の指示を受けて病院を訪ねた小夜子は、中瀬から託されている口座に幾らも残高が残っていない事を明かすと、喪主として立派な葬儀をしてやる為に400万円が必要だと説き、尚子と朋美に折半を提案する。おっとりした尚子と対照的に、強気な性格で予てから小夜子に敵意を剥き出しにしてきた朋美は、小夜子の要求に憤慨する。

一週間後、小夜子は相談所に柏木を訪ねると、中瀬の容態が持ち直してきた事への懸念を示し、中瀬の所有する金庫を開ける業者の手配を依頼する。柏木は例の如く、遺産の折半を要求し、自らの立ち会いを求める。一方、柏木の愛人でホステスの繭美は、北新地に意中のラウンジがある事を明かし、賃料の用立てを請う。柏木は「仕事」が上手くいけば応じる意向を示す。程なく、柏木が手配した鍵師が金庫を解錠し、四千万円の預金と株式二千万円の存在が判明する。柏木は小夜子に、中瀬が死ぬ前に引き出さねば面倒だと説き、預金は解約し、株は全て売却する意向を示す。

翌日、小夜子達は銀行を訪ねる。小夜子は応対する次長に、中瀬をヘリで専門医がいる病院に搬送し、最高の医療を受けさせるべく、大至急、口座と投資信託を解約したいのだと哀願する。次長は本人の意思確認が必須だと答える。小夜子達は次長と行員を病院に同行させ、病臥の中瀬と面会させると、強引に意思確認を済ませ、預金の全額を引き出す。柏木はバッタ物のブランド品を褒美として小夜子に贈り、機嫌を取ると、新たなカモを見つけた事を明かし、中瀬を直ちに始末する様に促す。

その夜、柏木は繭美の店を訪ね、「仕事」が上手くいった事を報せる。繭美は後輩ホステスの理紗を紹介する。一方、小夜子は点滴に空気を注射する事で中瀬を殺害する。小夜子は何食わぬ顔で喪主として葬儀を取り仕切る。朋美はそんな小夜子への憎悪を募らせる。小夜子は僧侶の読経中に、中瀬の尊顔にキスをして、参列者を驚かせる。葬儀後、尚子と朋美は、金庫の中に預金や株券があるはずだと指摘する。小夜子は遺言公正証書を提示し、遺産を全て自らが相続する意向を示す。尚子と朋美は公正証書を見て驚愕すると共に、小夜子が中瀬と籍を入れず、内妻に留まっていた事を訝る。小夜子は入籍しない代わりに遺言状を書くと、中瀬が主張したのだと開き直る。

朋美は小夜子の一方的な主張を認められず、直ちに知己の弁護士、守屋に相談する。事務所で朋美と尚子から小夜子の話を聞いた守屋は、その計画性から小夜子がプロの後妻業だと看破すると同時に、内妻に留まった真意を計り兼ねる。守屋は相続の違法性を問う為に小夜子を徹底的に調べ上げる意向を示すと、事務所に居合わせた元大阪府警の刑事で興信所を営む本多を紹介する。本多はかつて後妻業の案件に関わっており、どれも厄介だった事を明かす。

程なく、柏木は社会的地位の高いシニアだけを集めた婚活パーティを開催し、次なるカモの元不動産会社社長で70歳の舟山を小夜子と対面させる。二人は自己紹介して間もなく意気投合する。一方、本多は武内の実家を訪ねる。応対に現れた武内の義理の娘の香代は、小夜子に関わる事を忌避する。本多は小夜子が武内の時と同様に財産相続を目論んでいる事を明かす。それを受け、香代は小夜子にマンションと家の土地を騙し取られた事、武内が死んでから小夜子との再婚を知った事、徳島で事故死した武内の遺体を待つ親族の元に姿を現した小夜子は自らが喪主だと主張した上で、遺言公正証書を提示した事、恥ずかしくて表沙汰にしなかった事などを明かす。本多は公正証書の謄本に、柏木と瀬川が証人として記載されている事を確認する。

舟山は小夜子と会食した後、ホテルに連れ込み、自らの自慢のイチモツを駆使して、小夜子を満足させる。本多は微祥に乗り込み、柏木と対峙すると、会員の小夜子と公正証書、証人の件について問い質す。柏木は小夜子について白を切り、証人を頼まれるのは良くある事だと説く。柏木は更に瀬川について尋ねるが、柏木は答えるのを拒み、本多を追い返す。その際、本多は柏木と小夜子の行いが後妻業だと指摘する。本多は守屋の事務所に戻る。朋美は葬式代が実際には120万だった事を掴み、自らも調査に参加する意向を示す。守屋は調査の末に、柏木の相談所を舞台にして15年で小夜子の夫五人が不審死を遂げ、その内の二人が徳島で事故死している事を明らかにし、偶然とは考えられないと主張する。一方、柏木は繭美と連絡が付かない為に、代わりに理紗を呼び出すと、本多による追求で溜まった鬱憤をセックスで晴らす。

本多は朋美と共に瀬川が営む美容院を訪ね、小夜子との関係と証人の件について尋ねる。瀬川は親しくしている小夜子から連絡を受け、謝礼と引き換えに、設定通りに家族の話をする様に頼まれただけだと答える。一方、極めて気性が荒い30歳の博司は、出所後間もなく小夜子のマンションに居候し、金を無心する。小夜子は博司を鬱陶しがり、追い出す。

程なく、朋美は小夜子をカフェに呼び出し、本多も同席する。朋美は民事訴訟を起こすと同時に、記者会見を開く意向を示す。小夜子は公正証書に勝てるはずが無いと高を括る。朋美は調査で調べ上げた不審死の数々について論い、隠れていた犯罪が表沙汰になると主張し、武内の内妻に留まったのは土地を狙っているからだと看破する。本多は、柏木が裏で糸を引き、小夜子が実行する後妻業が、相談所ぐるみの犯罪だと指摘する。小夜子は恍けてみせる。本多は遺留分の三千万円に加え、更にその犯罪性を勘案した二千万円を要求する。小夜子は脅しだと気色ばむが、本多は翌週の土曜日を期限に据える。その後、小夜子は柏木に連絡し、やり取りを録音した事を明かす。柏木はそれを聞かせる様に命じる。

本多は繭美と会う。繭美は柏木が理紗と二股をかけていると知って別れた事を明かすと、柏木が根っからの嘘つきで女好きだと痛罵する。本多は柏木と徳島に行った事が無いか尋ねる。繭美はそれを否定するが、二年前の夏に柏木が徳島に行ったと高揚した様子で話していた事を伝える。一方、柏木は舟山を待つ小夜子の元に出向き、本多との会話の録音を聞くと、記者会見でマスコミが騒ぎ始める事を危惧し、朋美を怒らせずに金で片を付ける様に促す。柏木は舟山の公正証書を用意する様に小夜子に命じるが、その直後に舟山と対面で自慢話を聞き、直感的に舟山がカタギの人間では無いと悟る。

程なく、小夜子は朋美を焼肉屋に呼び出すと、柏木の指示どおり、和解に持ち込むべく、中瀬の実家を譲る意向を示し、要求された二千万円を一千万円に割り引く様に請う。朋美はそれに憤慨する。それを受け、小夜子は朋美が営む建築事務所が、中瀬から五百万円を借りていながら中瀬を放ったらかしにしていた事を指摘し、自らは生前の中瀬の傍にいてやり、中瀬もそれに満足していたのだと説く。小夜子の誹謗に対して朋美は激昂し、二人は殴り合いの喧嘩を始める。

本多はデート中の柏木の前に姿を現し、徳島に行った事実を掴んだ事を明かすと、依頼人の朋美と守屋にもまだ渡していない調査報告書と自らの手帳を突きつける。柏木をそれを一覧すると、買い取る意向を示す。本多は額を吊り上げ、三千万円を強請り、間もなく訪れる武内の命日を期限に据える。柏木は直ちに小夜子に連絡し、理紗とのセックスを済ませた後で小夜子と落ち合う。柏木は朋美の要求に従って五千万円支払う事を決断し、自らが用立てる二千万円に加えて、中瀬の家を売って三千万円作る様に小夜子に命じる。柏木は本多が強請ってきた事を明かすと、今後も延々とそれが続く事を憂慮し、博司を使って本多を始末する意向を示す。更に柏木は、舟山が竿師で資産が幾らも無い事を明かし、公正証書の作成には応じないはずだと説くと、自らの不明を恥じ、舟山からの撤収を命じる。舟山にぞっこんの小夜子はそれに反発する。

程なく、舟山は旅館で小夜子をセックスで満足させた後、プロポーズの意向を示すと同時に、人生最高の山場に直面して踏み切れずにいる事を明かすと、事業に欲している倉庫跡地の購入資金一億円を銀行から借りる為に必要な、三千万の定期預金積立への出資を小夜子に懇願する。小夜子は柏木の話が本当だったのだと知り、舟山を露骨に蔑む。舟山は小夜子に金が無い事を知るや否や豹変し、小夜子を張り飛ばして立ち去る。小夜子は虚無感に包まれる。

中瀬の命日を迎え、指定した埠頭で車に乗って待つ本多の元に、博司が柏木の使いとして金を収めたバッグを持参する。本多は調査報告書を渡さずに、博司からバッグを奪い取る。激昂した博司は忍ばせていた拳銃を弾く。本多は脚に被弾しながらも、博司を退けて逃走する。本多は獣医に駆け込み、銃創の手当てを請う。本多は治療費を払う為にバッグを開き、札束が両面を除いて全て偽物だと気付く。一方、博司は待機していた柏木の元へ戻り、失敗した事を報せる。柏木は博司のオモチャの様な拳銃を海に捨てると、直ちに沖縄に高飛びする様に命じる。博司は小夜子と同じ様に自分を捨てようとする柏木に憤慨する。

本多はその足で柏木の帰宅を見計らってマンションに押し入ると、意趣返しに柏木の股間を蹴り上げ、首を絞め上げる。柏木は博司が勝手にやった事であり、三千万を渡すつもりだったと弁解すると、改めて翌日に銀行で取引する事を提案する。そこに繭美がアポ無しでやってくる。繭美は理紗と寝た慰謝料代わりに店のバンス150万円と自らの立替分22万円の支払いを柏木に要求する。柏木はそれに応じる意向を示し、二度と会わず、連絡もしない様に命じる。繭美の帰り際に理紗がやってくる。本多は柏木が理紗を自分への盾にするつもりだったと看破すると、小夜子の様な化物をプロデュースするだけあって、悪党のセンスはピカイチだと評価する。柏木は小夜子を化物と称する事に同意する。

尚子と朋美は中瀬の家から小夜子の私物を片付ける作業を始める。尚子は色ボケ先生と周囲に揶揄されていた晩年の中瀬の前に現れた小夜子の、自分とは正反対の振る舞いを羨ましく思っていた事を明かすと、中瀬に寂しい思いをさせた自分達にも非が無いとは言えないのでは無いかと説く。一方、博司は小夜子のマンションに押し入り、錯乱した様子で荷造りを始める。小夜子は直ちに柏木に博司が来た事を報せる。博司はマニラに高飛びする金を要求すると、小夜子を人殺しと詰り、自分もいつか殺すつもりかと問い質す。小夜子は博司に罵声を浴びせて、要求を拒む。博司は衝動的に小夜子を絞殺する。

程なく、柏木が駆けつけ、当惑する博司の傍で事切れた小夜子の姿を目の当たりにする。柏木は泣きじゃくる博司を叱りつけ、小夜子を埋めて始末する様に命じると、キャリーケースに小夜子を詰め込む。夜遅く、柏木と博司はケースを車に積み込もうと苦慮する。そこにパトロール中の警官がやってくる。博司は咄嗟に姿を消す。柏木はケースの中身が会社のパンフレットだと欺くが、警官はケースの中身の確認を要求する。柏木はその場から逃げ出そうとして取り押さえられる。その時、ケースが独りでに転がり始め、間もなく倒れる。警官がケースを開けると、小夜子が飛び出す。柏木は俄に喜ぶが、小夜子が自らを被害者だと主張すると、その場に崩れ落ちる。

後日、朋美は偶然にも中瀬の仏壇の引き出しから公正証書より新しい日付の遺言書を発見し、直ちに守屋に指示を仰ぐ。中瀬はその中で、家を尚子と朋美に遺す意向と二人への感謝を示すと共に、小夜子が最後まで面白かったと述懐する。朋美はそもそも遺産を誰に残そうが中瀬の自由だったのだという考えに至る。その後、小夜子と柏木は後妻業のスキームを継続している事が示唆される。

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